大会最終日、日本は大学日本代表と対戦。昨年の「世界チャンピオン」が、同じく「東アジアカップ」の記念すべき第1回大会の覇者の「激突」とあって、注目が集まった。
大学日本代表の先発は、「2年連続インカレ優勝投手」泉礼花。いつも通りの冷静で落ち着いた立ち上がりを見せ、日本の初回の攻撃を三者凡退に抑え、上々の滑り出しを見せた。
日本の先発は、もちろん「世界のエース」上野由岐子。先頭打者の塚本智名にいきなりレフト前へ運ばれたものの、2番・川村可奈子には送りバントすら許さず、バント失敗のピッチャーへの小フライで一死。3番・古澤春菜のところでヒットエンドランを敢行するが、これがセカンドフライとなり、スタートを切っていた一塁走者が戻れず、ダブルプレー。こちらも「貫禄」のピッチングで順調な立ち上がりを見せた。
日本は2回表、4番・峰幸代の強烈なサードへの当たりがエラーを誘い、ノーアウトのランナーを出すと、続く5番・大久保美紗の送りバントがフィルダースチョイスとなり、無死一・二塁。6番・永吉理恵のピッチャーゴロで二・三塁へ進塁し、7番・島崎望が初球を狙い、一・二塁間を鋭く破るタイムリー。1点を先制し、なお一死一・三塁と追加点のチャンスが続いたが、8番・小野奈津子はスクイズ失敗の後、浅いライトファウルフライ。三塁走者は動けず、9番・市口侑果もショートフライに倒れ、1点止まり。一気に大学日本代表の息の根を止めることはできなかった。
日本の先発・上野由岐子は、4回裏に自らの失策で一人走者を出した他は、すべて凡打で退け、走者が出れば二度の併殺で切り抜ける等、ほぼ完璧なピッチング。わずか1安打、他にエラーで出塁した走者が一人だけでは、どうすることもできなかった。
一方、追加点のほしい日本は、4回表に先頭打者が安打を放ちながら、それを進めることすらできず、6回表の一死満塁の絶好機でも「あと一本」が出ず、無得点。1点差のまま、試合は最終回を迎えた。
大学日本代表は最終回、この回先頭の1番・塚本智名が三遊間深く転がし、内野安打。この試合2本目の安打で気を吐いたが、次打者の送りバントはフィールディングの上手い上野由岐子の正面を突き、セカンドフォースアウト。3番・古澤春菜がサードの頭上をワンバウンドで越える安打を放ち、一死一・二塁の一打同点、あるいは長打が出れば逆転という場面を作り、詰めかけた満員の観衆を沸かせたが、ここからが「世界のエース」上野由岐子の真骨頂。後続を連続三振に斬って取り、優勝を決めた。