第37回 日本男子ソフトボールリーグ 決勝トーナメント  (2008.10.20)


平林金属が初優勝!頂点に立つ

「真の日本一」を賭け、熱戦を展開

昨年優勝のデンソーは連覇ならず……

昨年準優勝の大阪ツヅキグローバルも初戦で姿を消した

平林金属が接戦を制し、決勝に進出

打線好調なトヨタ自動車も決勝進出をはたした!

7回裏、平林金属の4番・松本剛知が起死回生の同点ホームラン

トヨタ自動車・伊藤啓浩の力投も光った

最後は平林金属の頼れるキャプテン・宮宅健次の
サヨナラタイムリーで決着

3試合すべてにサヨナラ勝ち!まさに死闘の連続を制した

平林金属が初優勝!頂点に立つ


 第37回日本男子ソフトボールリーグ決勝トーナメントが、10月18日(土)・19日(日)の2日間、愛知県豊田市(豊田市運動公園ソフトボール場)を会場に開催され、平林金属が激戦を制し、初優勝を飾った。
 決勝トーナメントには、男子東日本リーグ・西日本リーグの上位4チーム(計8チーム)が出場。男子ソフトボール「真の日本一」の座を賭けた日本最高峰の戦いが繰り広げられた。
 大会初日は、1回戦4試合が行われ、まず高知パシフィックウェーブ(西日本リーグ2位)が埼玉県庁クラブ(東日本リーグ3位)と対戦。「日本一奪回」をめざす高知パシフィックウェーブが、4番・岡本友章、5番・小野洋平、6番・安井宏光などの本塁打でたたみかけ、7−5と打撃戦を制すと、第2試合では、ダイワアクト(西日本リーグ3位)が豊田自動織機(東日本リーグ2位)を最終回7回表に集中打で3点を奪い、準決勝進出を決めた。
 昨年、この決勝トーナメントを制し、日本一に輝いたデンソー(東日本リーグ1位)は、第3試合に登場。平林金属(西日本リーグ4位)と対戦し、試合は両エース、デンソー・村里和貴、平林金属・林文彦の力投で1−1の同点のまま延長タイブレーカーに突入。8回表に先に勝ち越し点を奪い、有利に立ったかと思われたデンソーだったが、その裏、平林金属に二死満塁から逆転となるサヨナラ2点タイムリーを浴び、早々と姿を消すこととなった。
 また、第4試合では昨年準優勝の大阪ツヅキグローバル(西日本リーグ1位)が、トヨタ自動車(東日本リーグ4位)と対戦。大阪ツヅキグローバルが、初回にトヨタ自動車・伊藤啓浩の立ち上がりを攻め、簡単に先制点を奪うが、エース・照井賢吾が3回表に2本の安打で無死一・三塁とされ、犠飛で同点とされると、トヨタ自動車の4番・江口真史に左中間に特大ツーランを叩き込まれ、3失点。4回裏に1点を返し、最後まで粘りを見せたがあと一歩及ばず、無念の初戦敗退となった。
  大会2日目は、準決勝・決勝の2試合が行われ、ベスト4には、平林金属、高知パシフィックウェーブ、ダイワアクト、トヨタ自動車の4チームが名乗りを上げた。
 準決勝第1試合では、平林金属と高知パシフィックウェーブが対戦。両エースの投げ合いで、こう着状態となった戦いは土壇場の7回裏、平林金属が四球、犠打で作った一死二塁のチャンスに、7番・吉村啓のセンター頭上を超えるサヨナラタイムリーで決着。息詰まる接戦を制し、平林金属がまず決勝進出を決めると、第2試合のトヨタ自動車対ダイワアクト戦は予想外の一方的な試合展開となる。この試合、初の決勝進出をねらうダイワアクトは先発にエース・トーマス・キャメロンを立て必勝を期すが、試合開始直後、先頭打者に投じた初球に、いきなりイリーガルピッチ(不正投球)の宣告。この後、4球目にもふたたびイリーガルをとられ先頭打者を歩かすと、集中力の切れたトーマス・キャメロンにトヨタ自動車打線が集中打を浴びせ、初回にいきなり3点を先制。試合の流れをつかんだトヨタ自動車は、4回表にもこの回から代わったダイワアクト・田中亮多を攻め、2点を追加。5回表には、打者17人で2本の本塁打を含む11安打を浴びせる猛攻で一挙14点を奪い快勝。5回コールド勝ちで決勝進出を決めた。
 決勝戦は、ここまで2試合連続のサヨナラ勝ちで勝ち上がった平林金属と、準決勝で大勝し、勢いに乗るトヨタ自動車が激突。
 先手を取ったのは先攻のトヨタ自動車。3回表、この回先頭の8番・蘆原朋貴が、平林金属・林文彦のワンボールワンストライクから投じた高めのライズボールを見事にとらえる、左越本塁打で先制。この後試合は、「日本一」を賭けた両エースの力投でスコアは動かず、1−0とトヨタ自動車リードのまま、終盤を迎えた。トヨタ自動車の先発・伊藤啓浩に6回まで無得点に抑えられ、もう後がない平林金属は土壇場の7回裏についに反撃。この回先頭の4番・松本剛知がバックスクリーン(電光掲示板)上段に直撃する超特大の同点ソロ本塁打で試合を振り出しに戻した。1−1の同点となり、延長タイブレーカーに突入した8回表、トヨタ自動車はタイブレーカーの走者を犠打で送るものの、後続が三振、外野フライに打ち取られ無得点。7回裏の本塁打で完全に息を吹き返した平林金属はその裏、先頭打者、次打者が連続三振に倒れ二死となったが、キャプテンでチームを引っ張る1番・宮宅健次が、初球を迷いなく振り抜き、歓喜のサヨナラタイムリー。決勝トーナメントにふさわしい、手に汗握る攻防に劇的な終止符を打った。
 序盤に先制点を奪われ、一時は窮地に立たされていた平林金属。最後まで「日本一」を信じたベテラン勢の一打が、土壇場でチームを奮い立たせ、最高の勝利を呼び込んだ。また、決勝戦を含む3試合すべてにサヨナラ勝ちと、その決してあきらめない“闘志あふれる全力プレー”は会場全体に勇気と感動をあたえた。
 日本トップレベルの男たちが互いに凌ぎを削り、戦い合う日本男子ソフトボールリーグ。相手に立ち向う闘争心。一瞬で試合の展開、流れを変える投・打の技術。ソフトボールが持つ真の「醍醐味」を、来シーズンもまた、多くの人々に伝えてもらいたい!