第42回日本男子東日本リーグ第１節が、４月19日（金）〜22日（月）の４日間（当初予定では４月19日〜21日の３日間開催の予定であったが、大会３日目が雨となり、１試合を行ったのみで残り７試合は予備日に順延。22日の予備日を使って全日程を終了した）、東京都江戸川区の江戸川区球場・臨海球技場を会場に開催された。

　リーグ開幕となる第１節は、昨シーズン、東日本リーグ３連覇を逃し、「王座奪還」を狙うホンダエンジニアリングが６戦全勝の「開幕ダッシュ」に成功。これを５勝１敗のデンソー、４勝２敗の岐阜エコデンＳＣが追う展開となった。
　昨年、東日本リーグ初優勝を飾った「王者」トヨタ自動車は、今節３敗を喫し、早くも連覇に赤信号。埼玉県庁クラブと３勝３敗の同率４位で並び、以下、２勝４敗の豊田自動織機、１勝５敗の大阪グローバル、今節勝ち星なしの６連敗に終わったＹＫＫの順で第１節を終えた。

【大会第１日／４月19日】

　大会初日、ホンダエンジニアリングは、豊田自動織機に初回、先発・浅野公太がいきなり３点を奪われながら、効果的な長打攻勢で後半逆転。５−３で勝利を収めると、続く埼玉県庁クラブ戦でも、最終回まで３点のリードを奪われながら、７番・床井優介の右中間への本塁打で反撃の口火を切ると、二死満塁から４番・浦本大嗣がしぶとく中前に運び、二者を迎え入れ、同点に追いつき、最後は５番・黒田友也が三遊間を破り、劇的なサヨナラ勝ち。２試合とも「負け試合」でもおかしくない試合展開をひっくり返して勝利を収め、連勝を飾り、勢いに乗った。
　昨年の「第９回世界男子ジュニア選手権大会」でＵ19日本代表の「エース」として獅子奮迅の活躍を見せ、一躍脚光を浴びた「期待の大物ルーキー」岡�阜囀lが「新戦力」として加わったデンソーは、その加入に刺激を受けた山脇佑也が埼玉県庁クラブ戦で終盤追い上げられながらも完投勝ち。４−３で競り勝つと、続く豊田自動織機戦は最終回まで２点をリードされながら、６番・稲木香介のランニングホームランで同点に追いつき、延長タイブレーカーにもつれ込むと、８回裏、一死三塁から４番・松井徹也がレフトスタンドにサヨナラホームランを叩き込み、４−２で勝利を収め、５回からリリーフした「期待の大物ルーキー」岡�阜囀lに嬉しいリーグ初勝利をプレゼント。初日連勝を飾った。
　昨年の覇者・トヨタ自動車も初戦の大阪グローバルにキャプテン・西森雄の本塁打等で９−１と圧勝。続く岐阜エコデンＳＣ戦も４番・山本淳の満塁本塁打などで６−５の辛勝。こちらも初日連勝で「連覇」へ好スタートを切った。
　一方、昨年２位に躍進した岐阜エコデンＳＣは、投手陣が安定感を欠き、初戦のＹＫＫ戦は９−６と打ち勝ったものの、続くトヨタ自動車戦は５−６の逆転負け。１勝１敗のスタートとなった。
　豊田自動織機は、この日２試合とも先手を取りながら逆転負け。優勝を争うと見られるホンダエンジニアリング、デンソーを相手に、「勝ちパターン」の試合展開に持ち込みながら勝ち切れず、連敗スタート。特にデンソー戦は最終回まで２点のリードを奪っていただけに惜しまれる試合だった。
　埼玉県庁クラブも終盤猛追を見せながらデンソーに３−４で惜敗し、続くホンダエンジニアリング戦も「監督兼任」の浜口辰也を攻め、14安打・７点を奪う猛攻を見せ、最終回まで３点のリードを奪い、勝利をほぼ手中に収めながら、まさかの逆転サヨナラ負け。痛い連敗スタートとなった。
　ＹＫＫは投手陣が打ち込まれ、２試合19失点で連敗。打線は６点、８点と点は取っているだけに投手陣の踏ん張りに期待がかかる。
　昨年、最下位に終わった大阪グローバルは、初戦のトヨタ自動車戦は大敗したものの、続くＹＫＫ戦で砂原親友、萩原智樹の本塁打を含む10安打で10点を奪い、10−８と競り勝ち、今シーズン初勝利を挙げた。
【大会第1日試合結果】
ホンダエンジニアリング　５−３　豊田自動織機
デンソー　４−３　埼玉県庁クラブ
トヨタ自動車　９−１　大阪グローバル
岐阜エコデンＳＣ　９−６　ＹＫＫ
デンソー　４−２　豊田自動織機
ホンダエンジニアリング　８−７　埼玉県庁クラブ
トヨタ自動車　６−５　岐阜エコデンＳＣ
大阪グローバル　10−８　ＹＫＫ

【大会第２日／４月20日】

　大会２日目、この日の第１試合で前日連勝と好調なホンダエンジニアリングとデンソーが対戦。「優勝候補」に挙げられているチーム同士の一戦にふさわしい緊迫した試合となったが、１−１の同点で迎えた７回裏、ホンダエンジニアリングは２番・糸瀬勇助が二死一塁からセンターへサヨナラホームランを放ち、３−１で勝利を収め、開幕３連勝。この試合、糸瀬勇助は３安打・３打点・２本塁打の大活躍。チームの勝利に貢献した。続く岐阜エコデンＳＣ戦は、佐藤輝、床井優介の本塁打を含む15安打・15得点と打線が爆発。15−９で打ち勝ち、無傷の４連勝を飾った。
　ホンダエンジニアリングとの直接対決に敗れたデンソーは、続く大阪グローバル戦は９−１と大勝。「期待の大物ルーキー」岡�阜囀lが２勝目を挙げ、優勝争いに踏み止まった。
　一方、トヨタ自動車は、期待の大型左腕・木原道哲が好投しながら、打線の援護なく、豊田自動織機に１−２で敗れ、初黒星。続くＹＫＫ戦は６−３で勝利を収めたものの、首位争いから一歩後退した。
　岐阜エコデンＳＣも大阪グローバル戦は13−３の５回コールド勝ちを収めたものの、首位を走るホンダエンジニアリング戦では雨による悪コンディションの中とはいえ、投手陣が15安打を浴び、15失点。１勝１敗で星を伸ばせず、通算成績を２勝２敗とした。
　この日、好調だったのは埼玉県庁クラブ。初戦の豊田自動織機戦で矢野崇史が５−０の完封勝ち。今シーズン初勝利を挙げ、続くＹＫＫ戦も14−４の５回コールド勝ち。通算成績を２勝２敗とし、勝率を５割まで戻した。
　豊田自動織機は、埼玉県県庁クラブ戦に０−５と完敗し、開幕３連敗。しかし、昨年の覇者・トヨタ自動車との一戦では、初回に３番・森田裕介のツーランで挙げた２点を大塚浩平、��田耕児郎の継投で守り切り、トヨタに２−１で競り勝ち、今シーズン初勝利を挙げた。
　大阪グローバル、ＹＫＫはこの日連敗。両チームとも投手陣が踏ん張れず、いずれも大敗。苦しい試合が続いている。
【第２日試合結果】
埼玉県庁クラブ　５−０　豊田自動織機
ホンダエンジニアリング　３−１　デンソー
豊田自動織機　２−１　トヨタ自動車
岐阜エコデンＳＣ　13−３　大阪グローバル
トヨタ自動車　６−３　ＹＫＫ
デンソー　９−１　大阪グローバル
埼玉県庁クラブ　14−４　ＹＫＫ
ホンダエンジニアリング　15−９　岐阜エコデンＳＣ

【大会第３日／４月21日】

　この日は前日からの雨のため、グラウンドコンディションが悪化。天候の回復を待ち、16時43分試合開始。豊田自動織機対大阪グローバルの１試合のみが行われ、大阪グローバルが序盤から攻勢を仕掛け、４回表には１番・西角和馬の本塁打で６−１と５点のリードを奪い、試合を決めたかに見えたが、豊田自動織機が後半猛反撃。４回裏に城之園穣のソロ、５回裏には１番・松本剛樹のツーランで２点差に追い上げ、６回裏には９番・衣斐一平の左中間三塁打等で２点を挙げ、同点。こうなると試合は豊田自動織機のペース。６−６の同点で迎えた７回裏、この回先頭の３番・森田裕介がセンターへサヨナラホームランを放ち、熱戦に終止符を打ち、２勝目を挙げた。
【大会第３日試合結果】
豊田自動織機　７−６　大阪グローバル

【大会第４日（予備日）／４月22日】

　大会最終日、ここまで無傷の４連勝と「絶好調」、単独首位に立ったホンダエンジニアリングは、この日もトヨタ自動車に６−３で快勝。今節最終戦となったＹＫＫ戦も、「主砲」浦本大嗣の本塁打等で大量12点を奪い、12−６で圧勝。開幕６連勝と突っ走り、首位を快走している。
　これを追うデンソーもトヨタ自動車に３−０の完封勝ち。「期待の大物ルーキー」岡�阜囀l、山脇佑也の継投でトヨタ自動車打線を抑え込み、ＹＫＫ戦でも４番・松井徹也、Ｕ19日本代表で岡�阜囀lとともに世界選手権準優勝に輝いた８番・清水洸佑、６番・西森成といった「世代交代」を成し遂げた若い選手たちに「一発」が飛び出し、６本の長打を含む８安打で９点を奪い、９−２と大勝。１敗を守り、５勝１敗でホンダエンジニアリングをピタリとマーク。２位につけた。
　３位には、昨年２位の岐阜エコデンＳＣ。岐阜エコデンＳＣは、この日初戦の埼玉県庁クラブ戦に横山拓の満塁ホームラン等で10−０の５回コールド勝ち。続く豊田自動織機戦でも４番・伊藤圭佑の２本塁打を含む５本塁打、19安打・20得点と打ちまくり、20−８と大勝。最終日に連勝し、通算４勝２敗の３位につけた。
　４位はトヨタ自動車と埼玉県庁クラブ。前年の覇者・トヨタ自動車は、優勝を争う「ライバル」デンソー、ホンダエンジニアリングに連敗。埼玉県庁クラブは、岐阜エコデンＳＣに５回コールド負けを喫したものの、最終戦となった大阪グローバル戦では昨年の東日本リーグの本塁打王・打点王の「二冠」に輝いた祝弘樹の１試合２本塁打等で９−０の圧勝。通算成績３勝３敗の同率４位に並んだ。
　６位は２勝４敗の豊田自動織機。最終戦、岐阜エコデンＳＣと終盤まで互角の打ち合いを演じながら、７回表に11失点。毎試合、勝つチャンスのある試合を展開しながら、最後は投手陣が踏ん張れず、惜しい試合を落としている。潜在能力のあるチームだけに、投手陣の立て直しが急務だ。
　７位は１勝５敗の大阪グローバル。ＹＫＫ戦は勝利したものの、他は大量失点の試合が目立つ。こちらも投手陣の踏ん張りが巻き返しのカギとなる。
　最下位は６戦全敗のＹＫＫ。いずれの試合も投手陣が打ち込まれ、勝機を見出すのが難しい状態となっている。一にも二にも投手陣の奮起が必要になる。
【第４日（予備日）試合結果】
デンソー　３−０　トヨタ自動車
岐阜エコデンＳＣ　10−０　埼玉県庁クラブ
デンソー　９−２　ＹＫＫ
岐阜エコデンＳＣ　20−８　豊田自動織機
ホンダエンジニアリング　６−３　トヨタ自動車
埼玉県庁クラブ　９−０　大阪グローバル
ホンダエンジニアリング　12−６　ＹＫＫ

　第２節は、６月１日（土）・２日（日）、岐阜県羽島市で開催される予定である。

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。