第42回日本男子ソフトボール東日本リーグ第2節が、6月1日(土)・2日(日)の2日間、昨年、「ぎふ清流国体」成年男子の会場となったことで記憶に新しい岐阜県羽島市で開催された。
大会は記録的に早い梅雨入りもあり、天候が心配されたが、関係者の「熱意」がそれを吹き飛ばしたか、予定された2日間の日程で無事全試合を終了することができた。
第1節で開幕から無傷の6連勝と首位を突っ走るホンダエンジニアリングが、このまま「独走態勢」に入るのか。あるいはそれを止めるチームが出現するか、注目された第2節は、ホンダエンジニアリングの勢いは止まらず、今節も4連勝。開幕からの連勝を「10」に伸ばし、2年ぶりの「王座奪回」に大きく前進した。
首位を走るホンダエンジニアリングは、今節初戦の大阪グローバル戦で、糸瀬勇助が先頭打者本塁打を放ち、あっさり先制。今シーズン打撃好調の「リードオフマン」の一発で先手を奪うと、黒田友也、石井悠太、佐藤輝が相次いで本塁打を放ち、大阪グローバルを圧倒。7−1で圧勝すると、続く豊田自動織機戦は僅差の試合となったが、「若きエース」浅野公太の力投と「頼れるキャプテン」加藤一秀の本塁打などで3−2の辛勝。この日、連勝を飾り、開幕からの連勝を「8」に伸ばした。
翌日、ここまで7勝1敗、ホンダエンジニアリングに敗れた以外は全勝を守っているデンソーとの「首位決戦」は、首位争いにふさわしい1点を争う好ゲームとなった。ホンダエンジニアリングが初回に「チームリーダー」浦本大嗣のタイムリーなどで2点を先制すれば、デンソーもその裏、松井徹也のタイムリーですぐに1点を返し、3回裏には清水洸佑がタイムリーを放ち、2−2の同点のまま、延長タイブレーカーに突入。延長8回表、ホンダエンジニアリングが佐藤輝、大類恭平、糸瀬勇助、保坂真樹の怒濤の4連打で3点を勝ち越し。粘るデンソーを振り切り、「首位決戦」を制し、全勝を守った。今節最終戦となった岐阜エコデンSC戦は、「監督兼選手」浜口辰也が登板。3点を先制しながら、一度は逆転を許したが、打線の援護もあり、6−4の逆転勝ち。開幕からの連勝を「10」に伸ばし、「独走態勢」に入った。
2位は8勝2敗のデンソー。初戦の岐阜エコデンSC戦は、岐阜エコデンSC・坂本俊行、デンソー・山脇佑也が一歩も譲らぬ投げ合いを演じ、デンソーが初回に西森成のソロホームランで先制すれば、岐阜エコデンSCは昨年の東日本リーグ首位打者・嶋田智希が豪快に左中間に運ぶホームランを放ち、同点。試合は1−1のまま、最終回を迎え、デンソーが7回裏、植松洋介、代打・川田寛明の連打などで二死二・三塁の「一打サヨナラ」の好機をつかむと、坂本俊行の投じた98球目が痛恨のワイルドピッチとなり、あっけない幕切れ。デンソーが2−1で勝利を収めた。続く埼玉県庁クラブ戦も先発・矢野崇史を攻めあぐねていたが、4回裏、植松洋介の一・二塁間をしぶとく破る安打と相手守備の乱れで一死二・三塁と攻め立て、清水洸佑のボテボテの当たりが幸運な内野安打となり、ようやく先取点を挙げ、この「虎の子」の1点を、「期待の大物ルーキー」岡阜囀lが10三振を奪う力投で守り切り、接戦の連続をモノにし、1敗を守った。
ホンダエンジニアリングとの「首位決戦」は、山脇佑也が初回に2点を失ったものの、そこから立ち直って試合を作り、延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦となったが、延長8回力尽き、3点を奪われ、万事休す。2−5で敗れ、痛い2敗目を喫した。
今節最終戦の豊田自動織機戦は、川崎智秋、大林正樹の本塁打などで10−6と乱打戦を制したものの、ホンダエンジニアリングとの「直接対決」に敗れたのが響き、通算8勝2敗。2位にはつけているものの、ホンダエンジニアリングとの「直接対決」で連敗していることもあり、逆転優勝への条件は、最終節残り4試合を全勝し、ホンダエンジニアリングが4試合で3敗以上しない限り、逆転優勝の望みはないという「厳しい条件」となった。ここまでの両チームの戦いぶりを見る限り、現実的にはほぼ起こりえない「厳しい条件」で、今節のホンダエンジニアリングとの「直接対決」を落したところで、優勝の可能性はほぼ消滅したといってもいいだろう。
3位には6勝4敗のトヨタ自動車。「昨年の覇者」が「意地」を見せ、今節3勝1敗。今節初戦の埼玉県庁クラブ戦に9−0と圧勝すると、続くYKKでは、6回表終了時点で3−4と1点をリードされる苦しい試合展開。6回裏、一死二・三塁から「キャプテン」西森雄が執念のレフトオーバーの三塁打を放ち、試合をひっくり返すと、久保猛司のランニングホームラン、中嶋洋章の本塁打などで一挙6点を奪い、9−4の逆転勝ち。
翌日の大阪グローバル戦は2点を先制しながら、エース・木原道哲がこのリードを守り切れず、2−4の逆転負け。今節最終戦となった岐阜エコデンSC戦は3−3の同点のまま、延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦となったが、延長9回表、中村拓也、西森雄の連打で2点を勝ち越し、5−3で勝利を飾った。今節全勝とはいかなかったが、通算成績を6勝4敗とし、3位につけた。
4位には、4勝6敗の岐阜エコデンSC、埼玉県庁クラブ、豊田自動織機、大阪グローバルの4チームが並ぶ大混戦。決勝トーナメント進出争いは最後まで目を離せない展開となりそうだ。
岐阜エコデンSCは、地元開催で「まさか……」の今節4連敗。初戦のデンソー戦をワイルドピッチで1−2のサヨナラ負けを喫すると、大阪グローバル戦では、「日本代表」の嶋田智希が打ち込まれ、9安打・8失点。打撃面では2本塁打を放つなど、相変わらず非凡なところを見せているが、肝心のピッチングでは期待を裏切り続けている。この試合を4−8で落とすと、翌日のホンダエンジニアリング戦も3点差を一度はひっくり返しながら、4−6の逆転負け。最終戦も昨年の覇者・トヨタ自動車を相手に終盤までリードを奪いながら、延長9回の末、3−5と競り負け、今節4連敗。大混戦の4位争いを演出する「陰の主役」となってしまった。
埼玉県庁クラブは、初日、トヨタ自動車に0−9、デンソーに0−1と2試合連続の完封負け。翌日の豊田自動織機戦では、初回に4点を先制されながら同点に追いついたものの、延長8回タイブレーカーの末、5−6のサヨナラ負け。ここまで未だ勝ち星のない最下位・YKKには8−3で快勝したものの、今節1勝3敗。星を伸ばすことができなかったが、幸い他チームも足踏み状態。混戦の4位グループの中に何とか踏み止まった。
豊田自動織機は今節2勝2敗。初戦のYKK戦では、最終回までリードを許す苦しい試合展開となったが、池田謙太が勝負を決めるツーランを放ち、6−5の逆転勝ち。続くホンダエンジニアリング戦は全勝を続ける首位チームと互角の試合を演じながら、2−3と1点差の惜敗。翌日の埼玉県庁クラブ戦は延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦の末、6−5で競り勝ち、最終戦はデンソーと激しい点の取り合いを演じたものの、6−10と打ち負け、今節2勝2敗。上位チームとも互角の試合を演じてはいるのだが、あと一歩「勝ち切る」ことができず、4勝6敗の4位止まり。「地力」のあるチームだけに最終節の「ラストスパート」に期待したい。
大阪グローバルは今節3勝1敗。初戦のホンダエンジニアリング戦こそ、1−7と完敗を喫したものの、続く岐阜エコデンSC戦で「日本代表」嶋田智希を打ち崩し、9安打・8点を奪い、8−4で快勝すると、翌日のトヨタ自動車戦も山下貴史の本塁打で反撃の口火を切り、4−2の逆転勝ち。昨シーズンの1位・2位チームを連破すると、最終戦のYKK戦もエース・片岡正貴が力投。YKK打線に得点を許さず、最後は押し出しの四球で1−0のサヨナラ勝ち。「名門復活」へ向け、確かな手応えをつかむ快進撃を見せ、決勝トーナメント進出へ望みをつないだ。
YKKは未だ勝ち星なしの10連敗。今節は初戦の豊田自動織機戦で最終回まで2点のリードを奪い、続くトヨタ自動車戦も終盤までリードを奪う試合展開。埼玉県庁クラブ戦こそ、3−8と大敗を喫したが、大阪グローバル戦では0−1のサヨナラ負け。試合内容的には、勝っていてもおかしくない試合ばかり……。何とか最終節で「1勝」を挙げてほしいものである。
最終節となる第3節は、10月19日(土)・20日(日)の両日、福井県福井市で開催される。
第42回 日本男子ソフトボール東日本リーグ 第2節終了時点 全チーム成績 |
順位 |
チーム名 |
勝 |
敗 |
1位 |
ホンダエンジニアリング |
10 |
0 |
2位 |
デンソー |
8 |
2 |
3位 |
トヨタ自動車 |
6 |
4 |
4位 |
岐阜エコデンSC |
4 |
6 |
〃 |
埼玉県庁クラブ |
4 |
6 |
〃 |
豊田自動織機 |
4 |
6 |
〃 |
大阪グローバル |
4 |
6 |
8位 |
YKK |
0 |
10 |
※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。
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