2013.4.23
 

 

第42回 日本男子ソフトボール西日本リーグ第1節

大阪桃次郎が開幕5連勝の好スタート!



大阪桃次郎が無傷の5連勝で
「開幕ダッシュ」に成功!

  地元での開幕を迎えたNeo長崎が
4勝2敗で追いかける

  ジェイテクトも4勝2敗の好スタート
西日本リーグに「旋風」を巻き起こせ!

  ダイワアクトは3勝2敗
エース・アンドリューが負傷するアクシデントもあったが、
今節を勝ち越した

  旭化成も3勝2敗と白星先行
打線は強力なだけに、投手陣が踏ん張りたい



「王者」平林金属は2勝3敗の苦しいスタート
2節以降、巻き返せるか……



高知パシフィックウェーブも波に乗れず、2勝3敗と負け越し
「新戦力」の活躍が勝利へのカギを握っている



果敢な戦いぶりを見せながらも、
1勝4敗と振るわなかったウエストSBC
上位にくい込める「実力」は持っている



今シーズン、「積極的な補強」を行ったオール福岡は開幕6連敗
個々の実力は確かなものがある。あとは“チーム”として、完成度を上げたい!


※画像提供/長崎県ソフトボール協会


第42回日本男子ソフトボール西日本リーグ 第1節


 第42回日本男子ソフトボール西日本リーグが開幕。第1節が長崎県時津町のとぎつ海と緑の運動公園において開催された。

 第1節は、当初4月19日(金)〜21日(日)の3日間開催の予定であったが、2日目があいにくの雨にたたられ、第1試合のみを実施。この日の残り3試合は中止となり、翌日に順延され、今節は4日目(予備日)を使用して全日程を終了するスケジュールに変更された。

 結果は、大阪桃次郎が開幕5連勝を飾り、開幕ダッシュに成功。これを地元開催となったNeo長崎、ジェイテクトが4勝2敗で追いかけ、ダイワアクト、旭化成が3勝2敗。平林金属、高知パシフィックウェーブは今節2勝3敗と負け越し、ウエストSBCは1勝4敗。オール福岡は開幕6連敗となった。

 開幕5連勝と好スタートを切った大阪桃次郎は、初日、開幕戦となった旭化成戦に、今シーズン新加入したクリス・ケイフルのツーランなど4本の本塁打を浴びせて9−6で勝利を収めると、2日目のダイワアクト戦でも、元U19日本代表の「期待のルーキー」植田貴也の本塁打、中島幸紀、筒井拓友のタイムリーなど11安打を浴びせて7−2の快勝。現役日本代表、現役ニュージーランド代表、元U19日本代表ら豪華なタレントをズラリと揃える自慢の強力打線が、その「実力」を発揮し、勢いを加速させると、3日目の平林金属戦でも、0−0で迎えた終盤5回表、筒井拓友のレフト線への安打を足場に相手守備の乱れにつけ込み、2点を先制。続く6回表にも、無死一塁からドニー・ヘイルがセンターへ豪快なツーランを叩き込むなど、着々と追加点を挙げ、5−2で勝利。最終日も、まずウエストSBC戦にドニー・ヘイル、澤田優生、今井光太郎の本塁打などで5−2、今節最終戦となったオール福岡戦にも、中村健二、猪股要の本塁打などで8−1と連勝し、開幕からの連勝を「5」に伸ばした。
 今節の大阪桃次郎の戦いを振り返ると、打線は5試合で計11本の本塁打を放つなど、その“破壊力”は相変わらず健在。次節以降、この打線の調子を持続させ、投手陣がシーズンを通していかに安定した結果を残すことができるかが勝ち星を重ねるポイントとなりそうだ。今シーズンは、中村健二、中島幸紀の「二枚看板」に加え、オーストラリアからクリス・ケイフルを“助っ人”として呼び寄せるなど、投手陣の厚みは増しているだけに、今後の戦いぶりが注目される。

 地元での開幕を迎え、今節4勝2敗と2位グループにつけたNeo長崎は、3日目を終了した時点では開幕4連勝と好スタート。昨シーズン、この第1節で開幕3連敗を喫した反省をしっかりと生かし、最終日に連敗を喫したものの、次節以降、西日本リーグ制覇へ期待を抱かせる試合運びを見せた。もともと「力」のある速球に定評があるエース・森勇紀が、今後、どこまで粘り強く投げ、勝ち星を重ねることができるか。今シーズン、投手陣には、昨年11月の世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得した「大物ルーキー」大串泰生も新加入。チームとしての「飛躍」を期待したい。

 Neo長崎とともに4勝2敗の好位置につけたジェイテクトは、今節、投・打の「柱」としてチームを牽引するエース・北添政樹が気迫溢れるピッチングを展開し、4勝を挙げる大活躍。チームも最終日の高知パシフィックウェーブ戦に7−3、Neo長崎戦に3−2で勝利し、連勝するなど、勢いをつけた。次節以降もこの良い流れを持続させ、しぶとく上位チームに食らいつき、戦い続けることができるか。今後、順位争いをさらに盛り上げていくためにも、今シーズンはこの勢いで西日本リーグの「台風の目」となり、上位をかき回すような存在となってほしい。

 今節3勝2敗のダイワアクトは、今シーズンも「絶対的エース」アンドリュー・カークパトリックが健在ではあるが、初日の旭化成戦に1−2で敗れ、黒星スタート。次戦の高知パシフィックウェーブ戦では、延長タイブレーカーにもつれ込む接戦を制し、2−1で勝利を収めたものの、先発したアンドリュー・カークパトリックが昨シーズンの第1節同様、投球中に足首を捻挫し、途中交代を余儀なくされるアクシデントに見舞われた。2日目の大阪桃次郎戦では、その「絶対的エース」に無理をさせず、田中亮多を先発投手に起用。大阪桃次郎の強力打線につかまり、2−7で敗れるなど、今後の戦いに不安をのぞかせる場面も見られたが、最終日は再びアンドリュー・カークパトリックをフル回転させ、ウエストSBC戦に10−0、Neo長崎戦に6−2で勝利し、連勝。昨シーズン同様、思わぬアクシデントに見舞われながらも、要所を締める戦いで、まずは今節を白星先行で終えた。

 ダイワアクトと同じく3勝2敗で今節を終えた旭化成は、初日、大阪桃次郎との初戦を6−9で落としながらも、次戦のダイワアクト戦では、日本代表でもキャプテンを務めるチームリーダー・松岡真央が、先制タイムリー、決勝本塁打を放つ活躍を見せ、2−1で勝利。3日目も、まずジェイテクト戦に5−0で勝利し、このまま勢いに乗るかと思われたが、続くウエストSBC戦では序盤に3点をリードしながら、投手陣が踏ん張れず、4−9の逆転負け。最終日のオール福岡戦では、しっかりと気持ちを切り替え、初回に3点、4回裏に7点を挙げる集中打で10−0の5回コールド勝ちを飾り、通算成績を3勝2敗とした。

 昨年、西日本リーグ、決勝トーナメントを制した「王者」平林金属は、今節2勝3敗に終わる苦しいスタート。昨シーズン、投・打に目覚ましい活躍を見せ、「日本ソフトボール界で最も勢いのある男」と呼ばれたエース・松田光を中心に、今シーズンも優勝候補に挙げられてはいるものの、初日のNeo長崎戦を1−2、3日目の大阪桃次郎戦を2−5で落とし、連敗。次戦のジェイテクト戦に6−2で勝利し、息を吹き返したかと思われたが、最終日の高知パシフィックウェーブ戦では、エース・松田光が終盤につかまり、まさかの大量失点。終わってみれば1−8の完敗を喫するなど、今節は終始不安定な戦いが続き、連覇に向けて早くも赤信号が灯る状況となってしまった。

 平林金属と同じく、今節を2勝3敗と負け越した高知パシフィックウェーブは、今シーズン加入した「新戦力」立石壮平、中西康太が日本リーグデビュー。中でも、日本代表のエース・高橋速水とともに、チームの新たな「二枚看板」として活躍が期待される左腕・立石壮平のピッチングに注目が集まったが、今節登板した3試合では、2敗(15失点)を喫し、日本リーグの洗礼を浴びる形となった。エース・高橋速水が登板した試合では、2勝1敗とやはり勝ち星が計算できるだけに、次節以降、上位を狙うためには、今節出場できなかった山尾竜則を含め、投手陣のさらなる奮起が必要となりそうだ。

 この他、第1節では、ウエストSBCが1勝4敗。3日目の旭化成戦では、序盤に3点をリードされながらも、菅野達也、増田敦吏、前田直哉の本塁打などで9−4の鮮やかな逆転勝利を収めるなど、果敢な戦いぶりを見せたが、この試合以外は勝ち星に恵まれず、結果的に大きく負け越す形となった。

 また、今シーズン、日本代表の佐伯忠昭ら「期待の戦力」、「フレッシュな若手」を積極的に補強したオール福岡は、その「新戦力」が個々に活躍を見せながらも、チームとしてはまだまだ上位を倒すほどの完成度は感じられず、開幕6連敗。昨シーズンに比べて、選手層の厚みは増し、戦力的には間違いなくアップしているだけに、まずは次節での“1勝”が待たれる。

 第42回日本男子ソフトボール西日本リーグ第1節、全チームの成績は下記の通りで、第2節は6月1日(土)・2日(日)の両日、大阪府大阪市において開催される。



第42回 日本男子ソフトボール西日本リーグ 第1節終了時点 全チーム成績
チーム名
大阪桃次郎 5 0
Neo長崎 4 2
ジェイテクト 4 2
ダイワアクト 3 2
旭化成 3 2
平林金属 2 3
高知パシフィックウェーブ 2 3
ウエストSBC 1 4
オール福岡 0 6

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。