2013.6.3
 

 

第42回 日本男子ソフトボール西日本リーグ第2節

Neo長崎が通算7勝2敗で単独首位
2位グループは平林金属、ダイワアクト、大阪桃次郎の3チームが並ぶ大混戦!



激しさを増す「男」たちの戦い
Neo長崎が通算7勝2敗で単独首位!

  王者・平林金属も2位グループに浮上
今節は「4連勝」を飾るなど、昨年の“勢い”がよみがえってきた

  前節、開幕5連勝を飾り、首位に立っていた大阪桃次郎は今節1勝3敗、地元で「連勝」を狙ったが、負け越し、2位グループへ順位を下げた

  ダイワアクトも通算6勝3敗で2位グループへつける
やはり「投・打の柱」アンドリュー・カークパトリックの存在は大きい!

  今節を終え、通算5勝4敗の高知パシフィックウェーブ
「上位生き残り」へ、負けられない戦いが続く



旭化成は通算4勝4敗
今節は1勝2敗と負け越したが、自慢の「強力打線」は健在



第1節では4勝2敗と2位グループにつけたジェイテクト
今節も果敢に戦ったが、3連敗を喫し、通算4勝5敗と上位から後退



ウエストSBCは今節1勝3敗と負け越し、通算2勝7敗
「上位争い」からは後退したが、最後まで粘り強く戦い抜いてほしい



開幕から9連敗と苦しむオール福岡
次節までに、何としても「投手陣の立て直し」を図りたい!


第42回日本男子ソフトボール西日本リーグ 第2節


 第42回日本男子ソフトボール西日本リーグ第2節が、去る6月1日(土)・2日(日)の両日、大阪府大阪市の舞洲運動広場において開催された。

 第2節では、前節終了時点で開幕5連勝を飾り、単独首位に立っていた大阪桃次郎が1勝3敗に終わり、2位グループに後退。代わって、前節4勝2敗と2位グループにつけていたNeo長崎が、今節はその大阪桃次郎との「直接対決」を制するなど3連勝を飾り、通算7勝2敗で単独首位に浮上。2位グループは通算6勝3敗で平林金属、ダイワアクト、大阪桃次郎の3チームが並ぶ「大混戦」となった。

 今節単独首位におどり出たNeo長崎は、初戦でいきなり首位・大阪桃次郎と激突。今節「注目のカード」は、互いに打線が点を取り合う展開となり、延長タイブレーカーにもつれ込むと、迎えた8回裏、Neo長崎が無死一・二塁から瀬戸口貴幸のタイムリーで6−5のサヨナラ勝ち。地元・大阪で今節も連勝を狙おうと意気上がる大阪桃次郎との熱戦を制し、勢いをつけると、次戦の旭化成戦でも、3−3の同点のまま延長タイブレーカーにもつれ込んだ接戦に、8回表、徳永雄の犠牲フライで決勝点を奪い、4−3で勝利。今節最終戦となったオール福岡戦では、5回終了時点で3−4とリードされる劣勢から、6回裏、永山大志の満塁ホームランを含む5安打を集中させ、一挙6点を奪い、9−4の逆転勝利。今節は3戦ともに苦しみながらも、終盤の“粘り”で連勝を飾り、通算7勝2敗で単独首位に立った。今シーズンは、来年に迫った「長崎国体」に向けて、チーム全体が気合に満ちており、ここまで走・攻・守、すべての面で“積極果敢な姿勢”が見られる。投手陣では「エース」森勇紀が、持ち前の球威、変化球のキレを武器に、安定感のあるピッチングでしっかりと試合を作っており、打線も「切り込み隊長」楠本圭を先頭に、主軸を打つ永山大志、濱田慎吾、平山靖など非常に活発で、怖さがある。今後もこの勢いを持続させ、戦い抜くことができれば、「初の西日本リーグ制覇」も決して夢ではない。

 第1節で開幕5連勝を飾り、首位に立っていた大阪桃次郎は、今節初戦となったジェイテクト戦に、6回まで3−4とリードを奪われる苦しい展開を強いられながら、7回表、筒井拓友の左中間へのランニングホームランで2点を奪い、5−4の逆転勝利。開幕からの連勝を「6」に伸ばし、白星スタートを切ったが、次戦のNeo長崎戦で5−6のサヨナラ負け。この敗戦でリズムを崩したか、2日目の高知パシフィックウェーブ、平林金属戦に2−5、2−4で敗れ、連敗。今シーズンは、ここまで投手陣を、日本代表でもある中島幸紀、オーストラリアから呼び寄せた「助っ人」クリス・ケイフルの二枚で回す戦い方を見せているが、今節はその投手陣が4試合で19失点と安定感を欠き、結果1勝3敗と負け越す形となった。現役日本代表、現役ニュージーランド代表、元U19日本代表を揃える強力打線は相変わらず「破壊力」を見せているだけに、次節以降、投手陣がどこまで安定感を取り戻し、失点の少ない展開へと持ち込むことができるかが、勝ち星を重ねる「カギ」となりそうだ。

 また、今節は第1節で2勝3敗と負け越し、出遅れていた平林金属が、Neo長崎と同じく全勝で駆け抜け、2位グループに浮上。「日本ソフトボール界で最も勢いのある男」松田光を4試合中3試合に先発させ、“必勝態勢”で臨むと、初日の旭化成、ダイワアクト戦をともに4−0でモノにし、2試合連続の完封勝ち。この初日の連勝で、完全に「勢い」を取り戻し、2日目は、ウエストSBC戦に小見山敦吏のサヨナラツーランで5−3、大阪桃次郎戦でも2−2の同点で迎えた6回表、小見山敦吏の決勝ツーランで4−2と勝利し、連勝。今節は、西日本リーグ、決勝トーナメントを制した昨年の「勢い」、「勝負強さ」をよみがえらせる戦いぶりで、無傷の4連勝を飾り、通算6勝3敗の2位グループへ順位を上げた。

 大阪桃次郎、平林金属と同じく、通算6勝3敗の2位グループにつけたのは、ダイワアクト。初日の平林金属戦では0−4の完封負けを喫したものの、やはり“世界bPの左腕”であり、チームの「投・打の柱」でもあるアンドリュー・カークパトリックの存在は大きく、その他の試合では終始安定した戦いぶりで、今節を3勝1敗と勝ち越した。日本代表としての経験もあり、今シーズンから選手兼監督としてチームを引っ張っている田中紘一郎、西日本リーグ、決勝トーナメント“連覇”の味を知る福井庸祐、石嵜祥吾らを中心に、この第2節でも「試合巧者ぶり」を見せており、虎視眈々と王座奪還を狙っている。

 この他、第2節では、前節2勝3敗で黒星先行スタートとなっていた高知パシフィックウェーブが、3勝1敗と勝ち越し、通算5勝4敗まで星を回復。前節2敗(15失点)を喫し、「日本リーグの洗礼」を浴びたルーキー・立石壮平が、今節初戦のウエストSBC戦でリーグ初勝利を挙げるなど、今後へ“明るい兆し”が見えはじめた。2日目の大阪桃次郎、ジェイテクト戦でも、「エース」高橋速水が調子を上げ、大阪桃次郎戦では5−2の完投、ジェイテクト戦では9−0の完封勝利。現時点ですでに負け数は「4」と、決勝トーナメント進出へ向け、今後も負けられない状況が続くことに変わりはないが、次節へつながる戦いを見せた。

 旭化成は今節1勝2敗。Neo長崎、平林金属ら上位との対戦が続き、結果的に負け越す形となったが、日本代表の松岡真央、川田直諒、米良孝太を揃える強力打線には「破壊力」があり、今後も上位争いへ絡んでくることは間違いないだろう。

 ウエストSBCは、今節1勝3敗。初戦のオール福岡戦では、宮田浩明のスリーランを含む11安打を浴びせる猛攻で10−0の6回コールド勝ちを収めるなど、快調な滑り出しを見せたかと思われたが、次戦の高知パシフィックウェーブとの延長9回タイブレーカーにおよんだ接戦に、6−8でサヨナラ負け。2日目も、平林金属戦に序盤リードしながら、7回裏、サヨナラホームランを浴びて3−5、ダイワアクト戦にも1−8で敗れ、連敗を喫し、通算2勝7敗と下位へ大きく後退した。

 ジェイテクトとオール福岡は、今節勝ち星なしの3連敗。第1節を4勝2敗で勝ち越し、好スタートを切っていたジェイテクトは、初戦の大阪桃次郎戦では、坂東伸昭のツーラン、池田直人のタイムリーで6回まで4−3と1点をリードする展開に持ち込んだが、押し切れず、惜しくも4−5の逆転負け。この敗戦のショックが大きかったか、その後も、ダイワアクトに1−6、高知パシフィックウェーブに0−9で敗れ、3連敗。通算4勝5敗と順位を下げた。第1節で見せた「勢い」、「アグレッシブな戦い」を、次節ではもう一度見せてもらいたい。

 開幕9連敗と苦しむオール福岡は、やはり投手陣の奮起、立て直しが大きな課題として上げられる。今シーズン移籍した日本代表・佐伯忠昭をはじめ、キャプテンとしてチームを引っ張る浦野将喜、大学時代(中京学院大学、日本体育大学)にともに実績を残した川原光、野中耕太郎ら、打線には能力の高い選手が揃ってきており、昨年に比べると「得点力」は間違いなくアップしている。あとは今回3試合で計25点を失った投手陣を、今後どう立て直していくのか。勝利を得るためには、何か具体的な「策」を打ち出さなくてはならない。

 第42回日本男子ソフトボール西日本リーグ第2節、全チームの成績は下記の通りで、第3節は10月12日(土)・13日(日)の両日、高知県高知市において開催される。



第42回 日本男子ソフトボール西日本リーグ 第2節終了時点 全チーム成績
チーム名
Neo長崎
平林金属
ダイワアクト
大阪桃次郎
高知パシフィックウェーブ
旭化成
ジェイテクト
ウエストSBC
オール福岡

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。