2015.10.26
 

 

第44回日本男子ソフトボール東日本リーグ第3節

ホンダエンジニアリングが王座を奪還!




富山県富山市・岩瀬スポーツ公園を会場に
東日本リーグ第3節が開催が開催された



最終節を無傷の4連勝で駆け抜け、2年ぶりの
「王座奪還」を果たしたホンダエンジニアリング



デンソー山脇佑也がフル回転! チームの全勝ち星に
あたる「8勝」を挙げ、防御率リーグ1位の大活躍!!


3位に入った岐阜エコデンSC。優勝したホンダエンジニアリングとも
息詰まる投手戦を演じた。決勝トーナメントでの「躍進」を期待したい!


前節まで同率首位を並走していたトヨタ自動車は
今節1勝3敗と星を伸ばせず、4位に転落……


「名門復活」を印象づけた大阪グローバル。決勝トーナメント進出
まで「あと1勝」に迫ったのだが……。来シーズンさらなる飛躍を!


7勝7敗で6位の豊田自動織機。「存在感」のあるチームだけに
決勝トーナメントでの戦いを見たかったのだが……


埼玉県庁クラブ・武井大樹は今節4試合を一人で投げ抜き
しっかりと試合を作ったのだが……1勝3敗と星を伸ばせず


3勝11敗で最下位のYKK。将来有望な選手は多く
こんな位置にいるチームではないはずなのだが……



第44回日本男子東日本リーグ第3節/富山県富山市

 「第44回日本男子ソフトボール東日本リーグ第3節」が、10月24日(土)・25日(日)の両日、富山県富山市・岩瀬スポーツ公園ソフトボール広場を会場に開催された。
 結果は、前節まで7勝3敗の同率首位に並んでいたホンダエンジニアリングが鮮やかな「ラストスパート」を見せ、今節4戦全勝でフィニッシュ! 通算成績11勝3敗で優勝を飾り、2年ぶりの「王座奪還」を果たした。
 2位以下は大混戦になり、デンソー、岐阜エコデンSC、トヨタ自動車の3チームが8勝6敗の同率に並んだが、リーグ規程により、同率で並ぶ3チームの「直接対決」による「失点差」で順位を決定。失点数の最も少ないデンソー(失点6)が2位となり、岐阜エコデンSC(失点数25)が3位、トヨタ自動車(失点数26)が4位となり、決勝トーナメント進出の4チームが決定した。

 2年ぶりの王座奪還を果たしたホンダエンジニアリングは、今節初戦の岐阜エコデンSC戦で息詰まる投手戦を展開。ホンダエンジニアリング・浅野公太と岐阜エコデンSC・嶋田智希が一歩も譲らぬ投げ合いを演じ、岐阜エコデンSCが6回裏、力投の嶋田智希自らのタイムリーで待望の先取点を挙げ、「勝負あった」かと思われたが、土壇場の7回表、二死二塁から加藤一秀が二遊間を抜く同点タイムリー。決して「いい当たり」ではなかったが、ホンダエンジニアリングの「勝利への執念」が乗り移ったかのように、ショート・枦山竜児が差し出したグラブの先をすり抜け、同点に追いつくと、糸瀬勇助、保坂真樹の連打で逆転。しぶとく、泥臭く、土壇場で試合をひっくり返し、2−1で勝利を収めると、続く豊田自動織機戦も最大5点差をつけられながら、終盤の猛攻で7−6の逆転勝ち。初日連勝を飾り、2年ぶりの優勝をグッとたぐり寄せ、翌日のデンソー戦では、初回に四球、送りバント、ワイルドピッチで一死三塁とし、糸瀬勇助のセンターへの犠牲フライで三塁走者を迎え入れ、ノーヒットで先制。この1点を「若きエース」浅野公太の力投で守り、5回表には、この試合「4番」に座った床井優介が勝負を決めるスリーラン! 6回裏に、浅野公太が1点を失ったものの、7回表に富田洋介、石川直稔の長短打で1点を加え、ダメ押し。5−1で快勝し、2位につけていたトヨタ自動車が大阪グローバルに敗れたこともあり、最終戦を待たずに2年ぶりの優勝が決定した。
 最終戦のトヨタ自動車戦も、すでに優勝が決定した後の試合ということもあり、一時は満塁ホームランを浴びる等、敗色濃厚。しかし……今節驚異的な粘りを見せる「王者」ホンダエンジニアリングはここから反撃。6回裏、5安打を集中し、5点を奪って試合をひっくり返し、6−5の逆転勝ち。最終節を無傷の4連勝で駆け抜け、通算成績11勝3敗で東日本リーグの「頂点」に返り咲いた。

 前節までホンダエンジニアリングと7勝3敗の同率首位に並んでいたトヨタ自動車は、今節初戦のYKK戦に「まさか……」の敗戦。地元開催で意気込むYKKに、先発・櫻田侑也が飲みこまれ、その立ち上がり、いきなり石倉敬浩にスリーランを浴び、3点を失うと、打線の援護で一度は同点に追いついてもらいながら、5回表に、永山健仁にソロホームランを浴び、6回表にも決定的な2点を失い、3−6の敗戦。首位争いから一歩後退すると、続く埼玉県庁クラブ戦も最終回まで3点のリードを許す苦しい展開。この試合は何とか「意地」を見せ、土壇場の7回表、打者一巡の猛攻で4点を挙げ、5−4で競り勝ち、「逆転優勝」の可能性を残したものの、翌日の大阪グローバル戦に0−8の完封負け。中盤までエース・木原道哲が力投し、息詰まる投手戦を展開したが、4回表、一死二塁から吉田学にタイムリーを浴びて1点を失うと、これで張りつめていた緊張の糸が切れてしまったか、終盤6回表、7回表に7本の長短打を浴び、7失点と力尽き、0−8と完敗。「逆転優勝」の望みを完全に断たれてしまった。
 トヨタ自動車は、最終戦のホンダエンジニアリング戦でも山脇翔太が満塁ホームランを放ちながら、今度は「期待のルーキー」櫻田侑也がホンダエンジニアリング打線に集中打を浴び、5−6の逆転負け。今節1勝3敗と星を伸ばせず、「逆転優勝」どころか、デンソー、岐阜エコデンSCに8勝6敗の同率に並ばれ、失点差で4位に転落。辛うじて決勝トーナメント進出圏内には踏み止まったものの、大きく順位を落としてしまった。

 今節3勝1敗と星を伸ばし、「逆転」で2位に滑り込んだのはデンソー。前節まで5勝5敗と波に乗れずにいたが、今節初戦の豊田自動織機戦、鮮やかな先制攻撃で豊田自動織機の先発・田耕児郎の立ち上がりをとらえ、岡阜囀l、川田寛明が相次いでツーランホームランを放ち、初回に4点を先制。終盤、豊田自動織機の猛追を受けたが、何とか1点差で逃げ切り、5−4で辛勝。続く岐阜エコデンSC戦では、4回表に打者12人を送る猛攻で一挙8点を奪い、8−0の完封勝ち。初日、連勝を飾り、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。
 翌日、首位を走るホンダエンジニアリング戦では1−5と力負けしたものの、最終戦の「勝った方が決勝トーナメント進出」という大阪グローバルとの「大一番」に5−2と快勝。通算成績を8勝6敗まで伸ばし、トヨタ自動車、岐阜エコデンSCと同率で並び、「失点差」で上回り、2位の座を確保。前年、王者の「意地」を見せた。

 3位に入ったのは、岐阜エコデンSC。今節初戦、首位を走るホンダエンジニアリングと「互角」の試合を展開し、6回裏、待望の先取点を挙げ、勝利を目前にしながら、最終回に逆転負け。「王者」のしぶとさ、しつこさを見せつけられると同時に、自らの「詰めの甘さ」が悔やまれる試合運びで痛い星を落とすと、続くデンソー戦は投手陣が打ち込まれ、0−8と大敗。初日、連敗を喫したものの、翌日は埼玉県庁クラブ戦に5−4と辛勝。最終戦のYKK戦も大味な試合ながら両チーム合わせて21安打が乱れ飛ぶ「乱打戦」を制し、17−11と打ち勝ち、通算成績8勝6敗。デンソー、トヨタ自動車と同率で並び、失点差でトヨタ自動車をかわし、3位に食い込んだ。

 残念ながら決勝トーナメント進出を逃したのは7勝7敗の大阪グローバルと豊田自動織機。大阪グローバルは今節初戦の埼玉県庁クラブ戦を2−6で落とし、続くYKK戦は小幡瑛司のスリーラン等で6−3と打ち勝ち、初日は1勝1敗。続くトヨタ自動車戦を終盤の猛攻で8−0と圧勝し、最終戦のデンソー戦に勝てば、久々(東日本リーグ加盟後は初)の「決勝トーナメント進出」というところまでこぎつけた。そのデンソーとの「大一番」では、2点を先制されながら吉田学のツーランホームランで一度は同点に追いつく等、最後まで「粘り」を見せたが、今シーズン、ジェイテクトから移籍し、投手陣の「柱」となってきた北添政樹が力尽き、2−5で敗戦。「名門復活」を印象づけるシーズンではあったものの、決勝トーナメント進出は「あと一歩……」のところで逃してしまった。
 同じく7勝7敗の豊田自動織機は、初戦のデンソー戦を4−5と競り負け、続く首位を走るホンダエンジニアリングとの一戦も序盤5点のリードを奪いながら逆転負け。この連敗が響き、最終日、YKK、埼玉県庁クラブに連勝を飾ったものの、決勝トーナメント進出圏内には手が届かず、大阪グローバルと同率で並んだが、直接対決の勝敗で大阪グローバルの5位、豊田自動織機の6位が確定した。

 7位は4勝10敗の埼玉県庁クラブ。今節初戦の大阪グローバル戦で6−2と快勝し、波に乗るかと思われたが、続くトヨタ自動車戦では最終回まで3点をリードしながら4−5の逆転負け。翌日の岐阜エコデンSC戦も先手を取りながら終盤逆転を許し、最終回の猛追も及ばず、4−5の惜敗。最終戦も豊田自動織機と延長タイブレーカーにもつれ込む接戦を演じながら、2−3のサヨナラ負け。今シーズンから加入した「新戦力」左腕・武井大樹がのらりくらりと相手打線をかわし、しっかりと試合を作ってはいたのだが……。「あと一歩」のところで勝ち切ることができず、結局は黒星を重ねる結果となった。しかし、試合内容は決して悪くないだけに、来シーズンこそは上位争いに割って入る躍進を期待したい。

 3勝11敗で最下位に終わったのはYKK。地元開催で初戦のトヨタ自動車戦に6−3と快勝し、「今節は一味違う」活躍を見せてくれるかと期待されたが、その後は大阪グローバル、豊田自動織機、岐阜エコデンSCに3連敗。最下位脱出はならなかった。
 ここ数年、ジュニア世代で「日本代表」として活躍した将来有望な選手が続々と加入しているだけに、「もっとやれる」チームであり、この結果は寂しい限り。ジュニア世代で輝いていた選手たちにも、その後の成長や上積みは感じられず、むしろ素質と才能を浪費させてしまっている印象は拭えない。チーム作りの方針、選手の育成方法といった「根本」「土台」から見直しを図らないと、「宝の持ち腐れ」となってしまうことになりかねない。せっかくの「可能性」を秘めたチームだけに、いつまでもこの位置にいてもらっては困る。しっかりとチームの強化方針を定め、もっともっと「上」を狙ってほしいチームである。

 これで本年度の東日本リーグは全日程を終了。優勝したホンダエンジニアリング、準優勝のデンソー、第3位の岐阜エコデンSC、第4位のトヨタ自動車は、11月14日(土)・15日(日)の両日、京都府京都市・わかさスタジアム京都で開催される決勝トーナメントに戦いの舞台を移し、「真の日本一」の座をかけた「最後の決戦」に挑むことになる。

第44回日本男子ソフトボール東日本リーグ最終順位
順位 チーム名
優勝 ホンダエンジニアリング 11
準優勝 デンソー
3位 岐阜エコデンSC
4位 トヨタ自動車
5位 大阪グローバル
6位 豊田自動織機
7位 埼玉県庁クラブ 10
8位 YKK 11
※2〜4位の決定は同率で並ぶチームの直接対決における失点数で決定
※5・6位の決定は同率で並ぶチームの直接対決における勝敗で決定
※上位4チームは決勝トーナメントに進出


■決勝トーナメント組み合わせ