2016.5.10
 

 

第45回日本男子ソフトボール東日本リーグ第1節

豊田自動織機が無傷の6連勝を飾り、単独首位!




男子東日本リーグが開幕!
豊田自動織機が無傷の開幕6連勝



「連覇」を狙うホンダエンジニアリングは、
4勝2敗の単独2位でこれを追いかける



3位グループは4チームが3勝3敗で並ぶ大混戦
デンソーは、山脇佑也が全6試合を一人で投げ抜いた


昨年までの中心選手3名が抜けた岐阜エコデンSC
今年はチームとしても「変化」が求められるシーズンか!?


どこか波に乗れず、開幕ダッシュに失敗したトヨタ自動車
次節は投打の歯車がガッチリと噛み合った戦いを展開したい


今節ホンダエンジニアリング、デンソーを撃破するなど
「金星」を挙げた埼玉県庁クラブ。上位を争う力は持っている!


大阪グローバルは1勝5敗と負け越し、大きく出遅れ……
接戦を勝ち切る「執念」を今後身に付けていけるかがカギとなる


地元で開幕を迎えたYKKも1勝5敗と苦しいスタート
「若きエース」岩松右近を軸に、何とか勝利を積み重ねていきたい



第45回日本男子東日本リーグ第1節/富山県富山市

 第45回日本男子ソフトボール東日本リーグが開幕。第1節が、去る5月6日(金)〜8日(日)の3日間にわたり、富山県富山市・富山県岩瀬スポーツ公園ソフトボール広場において開催された。

 第1節では、昨年6位(7勝7敗)と低迷した豊田自動織機が無傷の6連勝を飾り、「唯一全勝」で開幕ダッシュに成功。上位グループは、この首位・豊田自動織機を昨年の覇者・ホンダエンジニアリングが4勝2敗で追いかけ、同率3位に、デンソー、岐阜エコデンSC、トヨタ自動車、埼玉県庁クラブの4チームがそれぞれ3勝3敗でひしめく混戦模様となった。

 豊田自動織機は、初日、まず岐阜エコデンSCと対戦。開幕投手を任された田耕児郎が3回裏に先制点を許したものの、4回表、6番・山本直輝のセンターへのソロホームランですぐに同点に追いつくと、1−1のまま迎えた6回表にも、4番・平見和紀にセンターへのソロホームランが飛び出し、逆転に成功。7回表には一死一塁から3番・池田謙太が右中間へダメ押しのツーランホームランを放り込み、大事な初戦を4−1でモノにした。続く大阪グローバル戦も、0−0で迎えた5回裏、1番・西岡恭佑の右中間へのツーベースを足がかりに、3番・池田謙太のレフト前タイムリー、4番・平見和紀のレフトへのツーランホームランで一挙3点を先制。このリードを先発・深津悠平が最後まで守り抜き、3−1で勝利。2日目も「好調な打線」の活躍でトヨタ自動車戦に7−2、YKK戦に7−3と順調に白星を重ねると、3日目、ホンダエンジニアリングとの首位攻防戦にも、初回、1番・森田裕介がプレイボール直後の初球をとらえる先頭打者ホームランを放ち、アッという間に1点を先制。この一発で勢いがさらに加速し、その後も4番・平見和紀のライトへのツーランホームラン、1番・森田裕介のセンターオーバーのタイムリースリーベースで着実にリードを広げ、4−0の快勝。今節最終戦となった埼玉県庁クラブ戦も7−5で打ち勝ち、無傷の6連勝を飾った。
 今節を「唯一全勝」で駆け抜け、単独首位に立った豊田自動織機。最も印象に残ったのは、やはり「好調な打線」の活躍であった。その中でも1番を打つ「切り込み隊長」森田裕介が打率6割6分7厘(15打数10安打)、本塁打3本と大当たり。4番に座った平見和紀も計4本の本塁打を叩き込み、抜群の存在感を示した。また、攻守に能力の高さを感じさせる「ルーキー」脇長丈、山本直輝らの新戦力が早くもレギュラーの座をつかみ、しっかり結果を残すなど、チーム全体に良い刺激を与えたことも非常に大きかったといえるだろう。「左右の二枚看板」田耕児郎、深津悠平が次節以降も安定感を見せれば、優勝も決して夢ではない。第2節もその戦いぶりに期待したいところだ。

 「連覇」を狙うホンダエンジニアリングは、開幕ゲームとなったYKK戦に5番・佐藤輝の満塁ホームランなどで7−5と打ち勝ち、白星発進。続くデンソー戦にも、1番・糸瀬勇助のツーランホームラン、先発・浅野公太の被安打3の好投で2−0の完封勝利を収め、初日、まずは連勝スタート。しかし、2日目の埼玉県庁クラブ戦では、終盤までリードを奪うなど試合のペースを握っておきながら、最後は自ら登板した浜口辰也監督がサヨナラホームランを浴び、4−5の惜敗。岐阜エコデンSC戦は10−5で勝利したものの、3日目、豊田自動織機との首位攻防戦に0−4と完敗し、今節2敗目。トヨタ自動車戦は3−0の完封勝利を収め、結果的に4勝2敗と勝ち越しはしたが、開幕6連勝を飾った首位・豊田自動織機に勝ち星2つ差をつけられる形となった。
 敗れた2試合(埼玉県庁クラブ戦、豊田自動織機戦)については、今節3勝を挙げた浅野公太を温存。次節は、その浅野公太以外の投手陣の奮起に期待したいところである。もともと「攻守にバランスが取れた」チームなだけに、そうそう大崩れすることはないのだが、今後優勝争いを繰り広げていく上では思わぬ「取りこぼし」が命取りとなりかねない。「エース」としてのはたらきが期待される浅野公太をフル回転させ、一気に勝ち星の上積みを狙うのか。それとも他の投手陣が獅子奮迅の活躍を見せ、今回の内容を挽回するのか。いずれにしても、次節は貪欲に勝利を追い求める「ホンダエンジニアリングらしい」「泥臭い戦い」を見たいものである。

 3位グループは、デンソー、岐阜エコデンSC、トヨタ自動車、埼玉県庁クラブの4チームがそれぞれ3勝3敗でひしめく大混戦。
 デンソーは、これまで二枚看板の一人であった岡阜囀lが西日本リーグ・大阪桃次郎へ移籍したことにより、山脇佑也が全試合を投げ抜かなければならないという苦しいチーム状態。そのチーム状態を露呈するかのように、初日は埼玉県庁クラブ戦に2−5、ホンダエンジニアリング戦に0−2と敗れ、連敗。2日目のYKK戦も、初回、3回表に1点ずつを奪われ、6回表まで2点のリードを許す劣勢な試合展開を強いられたが、その裏、二死二・三塁から6番・山脇佑也自らセンターへ逆転のスリーランホームランを突き刺し、何とか3−2で辛勝。この勝利でようやく息を吹き返し、続くトヨタ自動車戦も6−5、3日目の大阪グローバル戦も5−4(延長8回タイブレーカー)で勝利を収め、3連勝。しかし、今節最終戦となった岐阜エコデンSC戦で0−1の完封負けを喫し、結局は星を五分に戻してしまった。

 岐阜エコデンSCは、初日の豊田自動織機戦に1−4、トヨタ自動車戦に2−3で敗れ、連敗スタート。2日目の大阪グローバル戦で3−0の完封勝利を飾り、ここから一気に巻き返しを図りたいところであったが、続くホンダエンジニアリング戦では相手打線を上回る14安打を放ちながら、先発・坂本俊行が踏ん張れず、5−10と再び黒星。3日目は前日初勝利を挙げた「ルーキー」竹本流星を先発投手に起用し、フル回転させる戦い方へとシフトチェンジし、YKK戦に8−0、デンソー戦に1−0と2試合連続の完封勝利。こちらも昨年まで二枚看板の一人であった嶋田智希が抜けたことにより、投手力に不安を抱えていたが、今節チームの全勝ち星を稼ぎ出した「若き右腕」竹本流星(※今節4試合に登板し、3勝をマーク。防御率0.00は第1節終了時点で東日本リーグトップ)の活躍もあり、何とか3勝3敗で乗り切った。嶋田智希以外にも、今年は横山拓、前裕也といった中心選手が抜け、チームとして「変化」が求められるシーズンになるともいえる。若手のさらなる活躍を踏まえ、「新たなスター」の出現を期待したい。

 トヨタ自動車は、初日の大阪グローバル戦に6−1、岐阜エコデンSC戦に3−2と勝利し、連勝スタートを飾ったが、2日目は一転、豊田自動織機戦に2−7、デンソー戦に5−6で敗れ、連敗。「一進一退」の状況を何とか打開しようと3日目に臨んだが、この日も埼玉県庁クラブ戦に5−2、ホンダエンジニアリング戦に0−3と連勝はならず、1勝1敗。最終的に3勝3敗とどこか波に乗れないまま、今節を終えた。エース・木原道哲に加え、昨年加入した「期待の右腕」櫻田侑也も徐々に結果を残しはじめ、ある程度計算が立つようになってきた。しかし、攻撃面では、未だ選手兼任で活躍を続ける江口真史監督、西森雄らのベテラン勢がいぶし銀のはたらきを見せている一方で、どこか打線のつながりを欠いてしまう場面も目立つ。次節は投打の歯車がガッチリと噛み合った戦いぶりで、一気にこの3位グループを抜け出したいところであろう。

 埼玉県庁クラブは、初日のデンソー戦に、初回、5番・横田将和の左中間へのスリーランホームランで先手を奪い、5−2で勝利を収めると、2日目のホンダエンジニアリング戦も、4−4の同点で迎えた7回裏、この回先頭の4番・北澤慶介がレフトへ豪快なサヨナラホームランを叩き込み、5−4と熱戦に勝利。この第1節で昨年の東日本リーグ1位・2位チームを撃破する「金星」を挙げた。ホンダエンジニアリング戦での劇的勝利で弾みをつけ、続く大阪グローバル戦も2−0の完封勝利を飾り、2日目終了時点で3勝1敗と勝ち越していたところまでは良かったのだが……。3日目、トヨタ自動車戦に2−5、豊田自動織機戦に5−7で敗れ、痛い連敗。常に期待感を持たせる戦いを繰り広げはしたものの、結果3勝3敗で今節を終えた。

 大阪グローバルとYKKは、ともに1勝5敗と大きく負け越し、同率7位。
 大阪グローバルは、初日、まずトヨタ自動車と対戦。3回表、一死二塁から9番・萩原智樹のセンター前タイムリーで1点を先制したが、その裏、エース・北添政樹が4本の長短打を集中され、アッという間に5失点。続く4回裏にも6点目を失い、結局1−6で敗れ、出だしにつまずくと、この後も豊田自動織機戦に1−3、岐阜エコデンSC戦に0−3(延長8回タイブレーカー)、埼玉県庁クラブ戦に0−2(延長8回タイブレーカー)、デンソー戦に4−5(延長8回タイブレーカー)と接戦を演じながら、5連敗。今節最終戦となったYKK戦は11−1(6回コールド勝ち)で大勝し、初勝利を挙げはしたが、第1節終了時点で黒星が4つ先行する「苦しいスタート」となってしまった。

 地元開催となったYKKは、初日、開幕ゲームでいきなり王者・ホンダエンジニアリングと対戦。3回までに6点をリードされながら、4回表、1番・永山健仁のスリーランホームラン等で一挙5点を返す粘りを見せたが、5回裏にダメ押しの7点目を奪われ、結局5−7で敗戦。続く埼玉県庁クラブ戦は6−3と勝利し、2日目のデンソー戦も6回表まで2点をリードする試合展開に持ち込んだが、先発・岩松右近が「あと一歩」のところで痛恨の一発を浴びてしまい、2−3の逆転負け。その後、豊田自動織機戦も3−7、岐阜エコデンSC戦も0−8、大阪グローバル戦も1−11(6回コールド負け)と黒星が続き、勝利から見放されてしまった。高校時代に国体優勝を経験し、U19日本代表にも名を連ねた「若きエース」岩松右近を軸に、いかにチームとしてまとまれるか。次節は1勝でも多く、何とか勝ち星を積み重ねてもらいたいものである。

 第45回日本男子ソフトボール東日本リーグ第1節終了時点、全チームの成績は下記の通りで、第2節は6月4日(土)・5日(日)の両日、岐阜県羽島市(羽島市運動公園)・岐阜市(岐阜聖徳学園大学総合グラウンド)において開催される。

第45回 日本男子ソフトボール東日本リーグ 第1節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 豊田自動織機 6 0
2位 ホンダエンジニアリング 4 2
3位 デンソー 3 3
岐阜エコデンSC 3 3
トヨタ自動車 3 3
埼玉県庁クラブ 3 3
7位 大阪グローバル 1 5
YKK 1 5

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。