2016.11.14
 

 

第45回日本男子ソフトボールリーグ決勝トーナメント

ダイワアクトが3年ぶり4度目の王座返り咲き!




ダイワアクトが激戦を制し、3年ぶりの日本リーグチャンピオンへ!



今年の決勝トーナメントは栃木県宇都宮市で開催。
地元・ホンダエンジニアリング戦には大勢の観客が詰めかけた



その「熱い声援」を受け、ホンダエンジニアリングも必勝を期したが……


愛媛ウエストに3−4で競り負け、無念の1回戦敗退


【準決勝】愛媛ウエスト vs 大阪桃次郎
大阪桃次郎が序盤から一発攻勢を見せ、大量11得点!


愛媛ウエストも終盤反撃に転じたが、時すでに遅し……


【準決勝】平林金属 vs ダイワアクト
ダイワアクトが平林金属・松田光から3本のホームランを放ち、圧勝!


決勝トーナメント「連覇」を狙った平林金属は、まさかの展開で完敗


【決勝】ダイワアクト vs 大阪桃次郎
大阪桃次郎が初回、ドニー・ヘイルの一発で先手を取ったが……


5回表、ダイワアクトが田中亮多のタイムリーと福井庸祐の
「値千金」のツーランで一挙3点を奪い、試合をひっくり返す!


球速130q/hに迫る「ライズボール」を主体に、真っ向勝負を挑んだ大阪桃次郎・岡阜囀l。しかし、要所で一発に泣き、優勝を逃した


ダイワアクト、歓喜の瞬間!!


ダイワアクトは3年ぶり4度目の王座返り咲き。
これでチームの歴史にまた一つ、「栄光」が刻まれた



第45回日本男子リーグ決勝トーナメント/栃木県宇都宮市

 今シーズンの日本男子ソフトボールリーグの王者を決める「第45回日本男子ソフトボールリーグ決勝トーナメント」が、去る11月12日(土)・13日(日)の両日、栃木県宇都宮市/栃木県総合運動公園硬式野球場・軟式野球場において開催された。

 この決勝トーナメントには、今シーズンの東西両リーグ上位4チーム(計8チーム)が進出。「真の日本リーグチャンピオン」の座をかけて「最後の決戦」が繰り広げられ、東日本リーグからは、最終節で鮮やかな逆転劇を演じ、連覇(通算11勝3敗)を飾ったホンダエンジニアリングを筆頭に、2位・豊田自動織機、3位・デンソー、4位・トヨタ自動車の4チームが出場。西日本リーグからは、今シーズン頭一つ抜ける強さで連覇(通算13勝3敗)を達成した平林金属をはじめ、2位・大阪桃次郎、3位・ダイワアクト、4位・愛媛ウエストの4チームが出場し、覇が競われた。

 初日はまず1回戦4試合が行われ、第1試合で大阪桃次郎(西2位)とデンソー(東3位)、トヨタ自動車(東4位)と平林金属(西1位)が対戦。

 大阪桃次郎(西2位)対デンソー(東3位)戦は、先攻の大阪桃次郎が初回、一死一・二塁から4番・中村健二のレフトオーバーのタイムリーツーベースで早々と2点を先制。その裏、先発登板した岡阜囀lがデンソーの3番・川崎智秋にセンターへ強烈なソロホームランを浴びて1点を返されたものの、続く2回表にも8番・谷本卓哉のレフト線を抜く当たりがランニングホームランとなって1点を追加。試合のペースを握った大阪桃次郎は、3回表にもこの回先頭の4番・中村健二がライトポール際へ豪快なソロホームランを叩き込み、4点目を加え、着々とリードを広げた。
 守っては、先発・岡阜囀lが2回以降立ち直り、デンソー打線をわずか3安打に抑え込む力投。球速130km/hに迫る得意の「ライズボール」を主体にピッチングを組み立てながら、ドロップ、チェンジアップも織り交ぜる「成長の跡」を感じさせ、完投勝利を飾り、準決勝進出を決めた。

 トヨタ自動車(東4位)対平林金属(西1位)戦では、昨年の「日本リーグチャンピオン」平林金属が序盤に鮮やかな先制攻撃。後攻の平林金属は初回、1番・祝弘樹が左中間を破るスリーベースを放ち、いきなり先制機を作ると、2番・西山幸助の一・二塁間を破るタイムリーで1点を先取。さらに連続四球等で一死満塁と絶好の追加点のチャンスが続き、6番・木谷謙吾のセカンドゴロの間にこの回2点目を挙げた。先手を奪った平林金属は、2回裏にもこの回先頭の8番・尾赴M成がレフトへ特大のソロホームランを叩き込み、1点を追加。3回裏には5番・鳥山和也にもセンターへのソロホームランが飛び出し、4点目を加え、有利に試合を進めた。
 守っては、先発したエース・松田光が4回表に自らの四球と守備の乱れ、犠打野選で無死満塁のピンチを招き、トヨタ自動車の6番・戸塚健斗にライトオーバーのツーベースを浴びて2点を返されはしたが、最後まで「粘り強いピッチング」を展開。相手にビッグイニングを作らせることなく、リードを守り抜き、順当に準決勝へと駒を進めた。

 第2試合では、愛媛ウエスト(西4位)とホンダエンジニアリング(東1位)、ダイワアクト(西3位)と豊田自動織機(東2位)が対戦。

 愛媛ウエスト(西4位)対ホンダエンジニアリング(東1位)戦は、先攻の愛媛ウエストが初回、ホンダエンジニアリングの先発・浜口辰也の制球の乱れに乗じてあっさりと1点を先取し、なおも5番・遠藤大輔のレフトへの犠牲フライ、6番・伊藤将旗のライト前タイムリーで追加点を挙げ、この回一挙3得点。球場に訪れた観客の声援がまさに地元・ホンダエンジニアリングに集中する「完全アウェー」の雰囲気の中、まずは大事な先制点を奪った。
 詰めかけた地元応援団の「大声援」に応えたいホンダエンジニアリングもその裏、1番・糸瀬勇助がライト前ヒットで出塁し、送りバントで二塁へ進塁。ここで3番・床井優介がレフトへうまく流し打つ「技あり」のツーランホームランを放ち、一気に1点差に詰め寄った。
 試合はこの後、追いかける展開となったホンダエンジニアリングが再三チャンスを作りながらも、決定打を欠き、愛媛ウエストが3−2と1点をリードしたまま最終回へ突入。迎えた7回表、愛媛ウエストは四球で出塁した8番・池本卓郎が2つの内野ゴロで三塁に進み、代打・前田征那のレフト前タイムリーで本塁へ生還。大きな4点目を加えると、守っては、その裏、「サウスポーのエース」客野卓也がホンダエンジニアリングの懸命の反撃を何とか1点に食い止め、ゲームセット。愛媛ウエストが地元・栃木で王座奪還に燃えるホンダエンジニアリングとの手に汗握る熱戦に4−3で勝利を収めた。

 ダイワアクト(西3位)対豊田自動織機(東2位)戦では、過去に3度この決勝トーナメントを制し、「大舞台の経験」に勝るダイワアクトが3回表に先制攻撃。豊田自動織機の先発左腕・田耕児郎を攻め、二死二塁から3番・アンドリュー・カークパトリックのレフトへの当たりがランニングホームランとなって一気に2点を先制すると、2点リードのまま迎えた7回表にも、豊田自動織機の2番手・深津悠平から3番・アンドリュー・カークパトリックがライトへ「弾丸ライナー」のソロホームランを突き刺し、試合を決定づける3点目を追加。投げても、その「投打の柱」アンドリュー・カークパトリックが、7回裏に豊田自動織機の代打・山本直輝にタイムリーツーベースを浴びて1点を失ったものの、そこからもう一段ギアを上げる「余裕のピッチング」で後続を空振り三振に斬って取り、完投勝利。ダイワアクトが3−1で豊田自動織機を撃破し、準決勝へと進出することになった。

 2日目は準決勝・決勝の3試合が行われ、まず準決勝で愛媛ウエスト(西4位)と大阪桃次郎(西2位)、平林金属(西1位)とダイワアクト(西3位)がそれぞれ決勝進出をかけて激突。

 準決勝・愛媛ウエスト(西4位)対大阪桃次郎(西2位)戦は、後攻の大阪桃次郎が初回、1番・筒井拓友の「初球」をとらえる鮮やかな先頭打者ホームランでいきなり1点を先制。先取点を挙げた大阪桃次郎は、3回裏にも3番・ドニー・ヘイルに満塁ホームランが飛び出し、4点を追加。4回裏にも8番・西川勝悟のソロホームラン、二死二塁から代打・佐々木康仁の左中間への当たりがランニングホームランとなって3点を加え、4回終了時点で8−0と大量リードを奪い、試合の大勢を決めた。
 守っては、この試合先発投手に起用された「若き左腕」河野拓郎が、終盤愛媛ウエスト打線にツーランホームランを含む7本の長短打を浴びる等打ち込まれ、途中降板を余儀なくされる後味の悪い形になったが、最終的には1番・筒井拓友がこの試合2本目となるツーランホームランを放つ等「打線の活躍」で11−5と打ち勝ち、決勝へ進出。2009年以来となる優勝に王手をかけた。

 もう一方の準決勝・平林金属(西1位)対ダイワアクト(西3位)戦では、ダイワアクト・アンドリュー・カークパトリック、平林金属・松田光の「両エース」が満を持して先発登板。9月に開催された全日本総合選手権(決勝)と同じく、息詰まる投手戦になるのでは……と予想されたが、ダイワアクトが2回裏に無死一・三塁から7番・ニコラス・ノートンのセンターへの犠牲フライで1点を先制し、先手を奪うと、4回裏にも7番・ニコラス・ノートンがレフトへ「力」で運ぶソロホームランを放ち、2点目を追加。ダイワアクトは続く5回裏にも「球が抜け、今一つ調子が上がらない」松田光から、「代打」に起用された権堂航がセンターへ豪快なソロホームランを叩き込み、3点目を加え、6回裏には無死満塁から8番・田中亮多の走者一掃のタイムリーツーベース、1番・古川恵士のレフトへのツーランホームラン等で一挙5点を追加。8−0と「予想外」の大差をつけた。
 守っては、先発したアンドリュー・カークパトリックが被安打4・奪三振13の投球内容で平林金属打線に得点を許さず、完封勝利。2013年に優勝して以来、3年ぶりの決勝進出を決めた。

 2009年・2010年と過去に2度続けて対戦がある(※ともに決勝で対戦し、2009年は大阪桃次郎が2−1、2010年はダイワアクトが5−1で勝利し、それぞれ優勝を飾っている)ダイワアクト(西3位)対大阪桃次郎(西2位)の決勝は、後攻の大阪桃次郎が初回、二死から3番・ドニー・ヘイルの「初球」をとらえる豪快なソロホームランで早々と1点を先制。現役オーストラリア代表で「世界一の左腕」と評される先発・アンドリュー・カークパトリックに、元ニュージーランド代表(※ブラックソックスの一員として、世界選手権では3連覇を含む4度の優勝を成し遂げた)で「世界的強打者」と称されるドニー・ヘイルが“強烈な先制パンチ”を浴びせ、試合が動き出した。
 その後は、大阪桃次郎・岡阜囀l、ダイワアクト・アンドリュー・カークパトリックの両先発投手が「気迫溢れる」投げ合いを展開。岡阜囀lが球速130km/hに迫る得意の「ライズボール」で押しまくれば、アンドリュー・カークパトリックは「力」だけでなく、「緩急自在」のピッチングで相手打者に的を絞らせず、試合は1−0と大阪桃次郎が1点をリードしたまま、終盤へと入った。
 迎えた5回表、ダイワアクトはこの回先頭の7番・ニコラス・ノートンが「初球」をとらえ、レフトオーバーのツーベースで出塁。ワイルドピッチの間に三塁へ進むと、続く8番・田中亮多もしぶとくレフト前に運び、ついに同点。なお無死一塁と走者が残り、ここで9番・福井庸祐がスリーボール・ワンストライクの後、ストライク欲しさゆえに“甘く入った”岡阜囀lのライズボールを完璧に振り抜き、「値千金」の勝ち越しツーランホームラン。チームの「生え抜き」であり、これまで3度の決勝トーナメント優勝をすべて主力メンバーとして経験してきた「実力者」の目の覚める一撃で、逆に2点のリードを奪った。優勝をグッと引き寄せたダイワアクトは、7回表にも一死から9番・福井庸祐がレフトへ「2打席連続」のソロホームランを叩き込み、ダメ押しの4点目を追加。
 守っては、先発・アンドリュー・カークパトリックが2回以降、大阪桃次郎打線に追加点を許さず、終わってみればこの決勝でも被安打5・奪三振10と安定した投球内容で完投勝利。ダイワアクトが大阪桃次郎を4−1で破り、見事3年ぶり4度目の「日本リーグチャンピオン」に返り咲いた。

■決勝トーナメント・結果