2016.4.19
 

 

第45回日本男子ソフトボール西日本リーグ第1節

平林金属、高知パシフィックウェーブが4勝1敗の好スタート!




第45回日本男子西日本リーグが開幕!
昨年の「王者」平林金属が、4勝1敗の好発進



同じく4勝1敗と勝ち越した、高知パシフィックウェーブ
5年ぶりの決勝トーナメントへ!今年は「結果」を残したい



ダイワアクトも4勝2敗と、まずは順調な滑り出し
アンドリュー・カークパトリックが4本の本塁打を
叩き込み、打撃面で「力」を見せつけた


これに3チームが3勝2敗で続く大混戦!
旭化成は、自慢の強力打線が好調を維持できるかがカギだ


大型補強を行い、7名の新戦力を加えた大阪桃次郎
ニュージーランドで腕を磨いた岡阜囀l、河野拓郎の
ピッチングに大きな注目が集まった


昨年と違い、白星先行のスタートを切ったジェイテクト
平林金属から移籍した森田雄介がチームを変えた!


愛媛ウエストは今節2勝3敗と負け越し
石村寛新監督のもと、「立て直し」を図れるか!?


Neo長崎は1勝5敗と苦しいスタート……
本来は上位を狙えるチームであり、巻き返しに期待したい


オール福岡は投手陣が打ち込まれ、開幕6連敗
チームの課題である「投手力の底上げ」を!



第45回日本男子西日本リーグ第1節/広島県尾道市

 第45回日本男子ソフトボール西日本リーグが開幕。第1節が、去る4月15日(金)〜17日(日)の3日間にわたり、広島県尾道市・尾道市御調ソフトボール球場において開催された。

 第1節では、昨年3年ぶりに西日本リーグ・決勝トーナメントを制し、「日本リーグチャンピオン」に輝いた平林金属と、昨年5位に終わり、このところ4年連続で決勝トーナメント進出を逃している高知パシフィックウェーブが順調に白星を重ね、4勝1敗の好スタート。上位グループはこの平林金属、高知パシフィックウェーブを、ダイワアクトが4勝2敗、旭化成、大阪桃次郎、ジェイテクトの3チームが3勝2敗で追いかける展開となった。

 平林金属は、初日、開幕ゲームで高知パシフィックウェーブと対戦。松田光、高橋速水の両「日本代表投手」が4回まで一歩も譲らぬ投げ合いを展開し、試合は0−0のまま終盤に突入。迎えた5回裏、二死二・三塁から1番・祝弘樹、2番・西山幸助の連続タイムリーで平林金属がついに3点を先制すると、続く6回裏にも、一死から5番・平本拓朗がセンターへ豪快なソロホームランを叩き込み、大きな4点目を追加。エース・松田光が7回表に3点を返され、1点差に追い上げられはしたものの、4−3で逃げ切り、大事な初戦をモノにした。続くジェイテクト戦は、エース・松田光を温存し、若い水野拓実を先発投手に起用。打線も初回、2回裏に1点ずつを挙げ、序盤からリードを奪ったが、2−1と1点をリードして迎えた5回表、2番手・横畠充が2本のホームランを浴び、まさかの3失点。直後に再出場した水野拓実も自らのワイルドピッチで痛い5点目を献上してしまい、3−5の逆転負け。2日目・3日目は、エース・松田光を「フル回転」させる「本来の戦い方」へと戻し、ダイワアクト戦に3番・松田光自らの逆転ツーランホームランで4−3、旭化成戦に2番・西山幸助、代打・松木光、3番・松田光のタイムリー等で5−0、Neo長崎戦に9番・宮宅健次のサヨナラタイムリーで2−1と勝利し、3連勝。最終的にこの第1節を4勝1敗と勝ち越し、好スタートを切った。
 昨年、西日本リーグMVP、首位打者、打点王と個人賞で3タイトルを総なめにした「チームの顔」松田光が、今年も「投打の軸」であるのは間違いない。今後に向け、あえて課題を挙げるとするならば、今節初日のジェイテクト戦で露呈されたように、その「エース・松田光を温存した試合でいかに勝利を収めていくか」といったところであろう。横畠充、水野拓実といった他の投手に試合を任せても、しっかりと勝ち切り、勝ち星を重ねていけるチームになること。投手陣に限らず、今年は攻守両面において「松田光以外のヒーロー」が出てきてくれることを期待したい。レギュラーで活躍している選手だけではなく、「ここぞ!」という場面で起用された選手が、瞬時にベンチの意図、そこで果たすべき役割を理解し、確実に仕事をする。「常勝」と呼ばれるチームは、そんな選手たちの集合体である。西日本リーグ・決勝トーナメント「連覇」をめざす「王者」の「進化した姿」を、今後ぜひ見せてもらいたいものだ。

 高知パシフィックウェーブは、初日、開幕ゲームとなった平林金属戦に3−4で競り負け、黒星スタート。しかし、続く大阪桃次郎戦では1番・古敷谷亮のソロホームラン、4番・片岡大洋の2点タイムリーで3点をリードすると、このリードをチームの「エース」であり、「キャプテン」でもある高橋速水が奪三振12の力投で守り抜き、3−1で勝利。2日目、ジェイテクトとの一戦にも、2回裏に3点を先制された直後、打線が爆発し、6番・岡本友章、7番・立石壮平、4番・片岡大洋、代打・松下蓮、9番・村上魁の5本のホームランを含む10安打の猛攻で13−3の6回コールド勝ち。3日目もその打線が好調を維持し、オール福岡戦に1番・古敷谷亮(※古敷谷亮はこの試合2本のホームラン(スリーラン、満塁)を放ち、7打点を挙げる活躍)、8番・田中省次の3本のホームランなどで11−6、旭化成戦ではエース・高橋速水が奪三振10と再び好投を見せ、4−0の完封勝利。敗れた開幕戦以外は投打の歯車がうまく噛み合い、4勝1敗の順調な滑り出しを見せた。
 昨年もこの第1節(同じく尾道市御調ソフトボール球場で開催)で4勝1敗と勝ち越し、好スタートを切った高知パシフィックウェーブ。まず5年ぶりの決勝トーナメント進出に向け、「カギを握る」のは「若手の成長・活躍」である。選手兼任監督として「いぶし銀の活躍」を続ける男子ソフトボール界の「レジェンド」岡本友章が未だ健在ではあるものの、チームとしては重要な世代交代の時期を迎えており、今年はその真価が問われるシーズンといっても過言ではない。今節はチームに合流できなかったが、2012年に男子U19日本代表のキャプテンを務め、第9回世界ジュニア選手権(アルゼンチン・パラナで開催)準優勝の成績を収めた西森圭祐をはじめ、高石尚輝、村上魁、松下蓮ら若い選手たちの活躍に期待したい。ソフトボール王国・高知の「復活」は、何より彼らの成長にかかっている。

 この2チームに続くのは、4勝2敗のダイワアクト。初日、初戦となった旭化成戦は、「世界一の左腕」であり「投打の大黒柱」であるアンドリュー・カークパトリックが2本のホームランを含む10安打を浴びる等、まさかの試合展開を強いられ、2−7の完敗。2日目の平林金属戦でも、終盤6回表に4番・アンドリュー・カークパトリックのツーランホームランで一時試合をひっくり返しながら、その裏、「お返し!」とばかりにツーランホームランを叩き込まれ、3−4の逆転負け。今節2敗を喫しはしたものの、その他、Neo長崎戦では6−1、愛媛ウエスト戦では4−3(延長9回タイブレーカー)、大阪桃次郎戦では1−0、オール福岡戦では6−1と白星を重ね、4勝2敗と勝ち越し。大崩れすることなく、まずは上位グループにつけた。
 5年ぶりの「王座奪還」を狙うダイワアクト。今年もやはりアンドリュー・カークパトリックの「世界トップレベル」の実力は健在である。ピッチングでは長丁場のリーグ戦を考え、状況によっては「省エネ」の投球を見せることもあるが、重要な一戦になると「さすが!」の安定感を感じさせる。また、その実力はピッチングだけでなく、打撃面でも光り、この第1節で早くも4本の本塁打を記録。特に3日目の大阪桃次郎戦で、7回裏、岡阜囀lが投じた渾身のライズボールを「完璧」にとらえたサヨナラホームランは、「圧巻」の一言に尽きるものであった。チームとしても、2010年・2011年と西日本リーグ連覇を成し遂げた「経験」があるだけに、次節以降もしっかりと星勘定し、上位争いを展開していくことだろう。

 旭化成、大阪桃次郎、ジェイテクトの3チームはそれぞれ3勝2敗で並んだ。
 旭化成は、開幕ゲームで「難敵」アンドリュー・カークパトリックを見事攻略し、7−2の快勝。この勢いで2日目のオール福岡戦も、松岡真央、川田直諒、上杉大輝の3本のホームランを含む13安打の猛攻で15−6、3日目のジェイテクト戦でも、夏田陽平、園田努、上杉大輝の3本のホームランを含む12安打を浴びせて9−1と快勝したが、その他は、「上位争いのライバル」平林金属戦で0−5、高知パシフィックウェーブ戦で0−4といずれも完封負け。今後は、米良孝太、松岡真央、川田直諒ら日本代表を擁する自慢の「強力打線」がいかに好調を維持していくかがカギとなりそうだ。

 今年、移籍選手を含む7名の「新戦力」を加えた大阪桃次郎は、この第1節から「期待の若手」を積極的に起用。特に投手陣は、オフシーズンにニュージーランドで「武者修行」を積んだ岡阜囀l、河野拓郎を軸に回し、3勝(オール福岡戦に10−3、愛媛ウエスト戦に4−2、Neo長崎戦に2−1で勝利)をマーク。高知パシフィックウェーブ戦は先発・河野拓郎が5イニングを投げ(被安打6・奪三振10)、1−3で敗戦。ダイワアクト戦も先発・岡阜囀lが6回まで被安打2の好投を見せながら、7回裏、アンドリュー・カークパトリックにサヨナラホームランを浴びて0−1で敗れ、結果的に今節2敗を喫する形となりはしたが、もともと「実績」があり、「評価の高い」両投手なだけに、次節以降も「注目」していきたいところだ。

 ジェイテクトは、昨年西日本リーグ・決勝トーナメントを制した平林金属から、左腕・森田雄介が移籍。良き「ムードメーカー」でもあるその森田雄介が、これまで低迷を続けてきたチームの「雰囲気」を一変させた。今節はそれが結果としても表れ、初戦、「王者」平林金属を5−3で破る大金星。2日目の愛媛ウエスト戦も、初回に3番・坂東伸昭がいきなりツーランホームランを叩き込む等「鮮やかな先制攻撃」を見せ、終わってみれば9−2の快勝。3日目のNeo長崎戦でも、延長8回タイブレーカーへともつれ込んだ激しい打撃戦を12−9で制し、今節3勝2敗と白星を一つ先行させた。敗れた2試合(高知パシフィックウェーブ戦は3−13(6回コールド負け)、旭化成戦は1−9で敗戦)はいずれも大量失点を喫しており、まだまだ大味な試合展開も目立つが、この調子を最後まで持続させ、「旋風」を巻き起こしてもらいたい。

 昨年西日本リーグ3位となり、2年連続で決勝トーナメント進出を果たした愛媛ウエストは、2勝3敗と負け越し、開幕ダッシュに失敗。初日のNeo長崎戦に4−1、オール福岡戦に13−2(6回コールド勝ち)と連勝し、このまま勢いに乗るかと思われたが、2日目のジェイテクト戦で先発・齋藤将平が打ち込まれ、2−9の完敗を喫したところからリズムを崩し、続くダイワアクト戦も3−4(延長9回タイブレーカーの末、サヨナラ負け)、3日目の大阪桃次郎戦にも2−4で敗れ、痛い3連敗。今年から選手兼任監督としてチームの指揮を執る石村寛新監督のもと、次節の「巻き返し」に期待したいところである。

 Neo長崎は、今節1勝5敗と大きく負け越し。2日目のオール福岡戦こそ、両チーム合わせて30本の安打(本塁打は計11本)が乱れ飛ぶ壮絶な打撃戦に17−15で勝利したものの、その他の試合では攻守に精彩を欠き、苦戦の連続(愛媛ウエスト戦に1−4、ダイワアクト戦に1−6、大阪桃次郎戦に1−2、平林金属戦に1−2、ジェイテクト戦に9−12(延長9回タイブレーカー)で敗戦)。エース・森勇紀に加え、今節5試合に先発登板した右腕・堀田拓郎が、ある程度勝ち星を稼いでくれるようになるとチームはかなり楽になるのだが……。次節は、この嫌な流れを一気に吹き飛ばす「会心の勝利」を挙げたいところだ。

 オール福岡は、開幕6連敗。今年は課題として「投手力の底上げ」を掲げ、地元・福岡のクラブチームから末永恭啓を「新戦力」として迎え入れたものの、今節6試合で計72失点を喫する非常に厳しい試合内容。昨年安定感を見せたベテラン右腕・貞方直泰のチーム合流を待ち、次節では何とか「立て直し」を図りたい。破壊力のある打線を売りに「打って勝つ!」のがこのチームのスタイルではあるが、まずその前に大量失点を減らしていかなければ「勝利」は遠いといわざるをえない。

 第45回日本男子ソフトボール西日本リーグ第1節終了時点、全チームの成績は下記の通りで、第2節は6月4日(土)・5日(日)の両日、大阪府大阪市・舞洲運動広場において開催される。

第45回 日本男子ソフトボール西日本リーグ 第1節終了時点 全チーム成績
チーム名
平林金属 4 1
高知パシフィックウェーブ 4 1
ダイワアクト 4 2
旭化成 3 2
大阪桃次郎 3 2
ジェイテクト 3 2
愛媛ウエスト 2 3
Neo長崎 1 5
オール福岡 0 6

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています