2014.10.2
 

 

●男子日本代表レポート
【平成26・27年度男子日本代表チーム選手選考会】

再び世界の舞台へ!
男子日本代表候補選手「24名」が決定



再び世界の「頂点」をめざして!
平成26・27年度男子日本代表選考会を実施



選考会には、全国の実業団・クラブ・大学から
計63名の選手が参加した



世界との差は「戦い方」次第で埋まる!
世界の舞台を知り尽くす西村信紀ヘッドコーチが今回も指揮を執る



選考会初日は、選手全員の運動能力を細かくチェック



2日目からはいよいよ実戦形式での選考がスタート!
球速測定で投手陣最速のMAX128km/hを叩き出した岡阜囀l(デンソー) 紅白戦でもその「剛腕」が唸りを上げた



選考委員の熱い眼差しが、選手たちに向けられる



「世界」と戦うのは俺だ!
選手たちは持てる力を懸命にアピール



日本代表としての「経験」が豊富な
ベテラン勢の味のあるプレーも見逃せない



再び、世界の舞台へ!
新生・男子日本代表の挑戦がはじまる




平成26・27年度男子日本代表選考会


 去る9月13日(土)〜15日(月・祝)の3日間、静岡県伊豆市の天城ドームおよび野球場を会場に、「平成26・27年度男子日本代表チーム選手選考会(第14回世界男子ソフトボール選手権大会アジア地区予選出場選手・第14回世界男子ソフトボール選手権大会出場選手第1次選考会)」が実施され、全国の実業団・クラブ・大学から計63名の選手が参加。(公財)日本ソフトボール協会選手強化本部会男子強化委員の面々が選考委員を務め、厳しい選考の結果、平成26・27年度男子日本代表候補選手「24名」が決定した。

 今回実施された選考会は、今年12月に開催される世界選手権のアジア地区予選(シンガポール)に出場する17名の決定、また、来年6月26日〜7月5日に開催される世界選手権(カナダ・サスカツーン)に出場する選手の1次選考を目的としたもので、参加選手63名の中から24名を「平成26・27年度男子日本代表候補選手」としてピックアップ。さらに、その候補選手24名の内17名をアジア地区予選出場選手とし、世界選手権出場選手17名については、来年3月に全候補選手(24名)で国内強化合宿を行い、その場を“最終選考”とし、正式決定することになった。

 選考会冒頭では、前回の世界選手権に続き、今回も男子日本代表の指揮を執る西村信紀ヘッドコーチ((公財)日本ソフトボール協会選手強化本部会男子強化委員)が挨拶に立ち、まず「前回の世界選手権(ニュージーランド・オークランド)では、残念ながら3大会連続の5位という結果に終わってしまったが、私が現役時代、日本代表として世界の強豪と戦い、そこで感じた『世界との差』を思い起こせば、今回の戦いはそれほど圧倒されたわけではなく、ニュージーランド、オーストラリアといった世界のトップクラスを相手にしても、正直なところ、まったく歯が立たなかったというわけではなかった。だからこそ、前回の5位という成績は、私の中で非常にもったいなかったと感じている。球速135km/hを超える速球を投げ込み、“世界最速の投手”と称されるオーストラリアのアダム・フォーカードをはじめ、世界のトップレベルは確かに異次元の領域にあるが、我々日本も『戦い方』次第で十分に張り合えるのではないか。そんな“ヒント”を得た大会でもあったと思う」と、前回の世界選手権を総括。また「男子日本代表の今後の強化を考えると、やはり次世代を担う『若い選手』の台頭に期待したい。今回の選考会では、前回同様、国内のトップリーグである日本リーグで活躍し、実績を残している選手たちを優先的にピックアップするつもりだが、その他の選手についても決して可能性がないわけではなく、この選考会で猛アピールし、我々の目に留まる活躍をすれば、当然評価したいと考えている。再び世界の舞台に挑むために、ぜひ皆さんの力を貸してほしい!」と、今回の選手選考のポイントを含め、参加選手へ期待を述べた。

 選考会初日は、ウォーミングアップの後、参加選手全員をA・B・C・Dの4つのグループに振り分け、そのグループごとにシートノックと体力測定(握力、背筋力等の計測や50m走、ベースランニングのタイム計測)を実施。また、基本的な運動能力の測定とは別に、投手は球速(自らが持つ球種をすべて申告し、その球種のスピードや切れ、コントロールをチェック)、捕手はスローイング(盗塁を想定した上での二塁への送球の正確性、速さ)の測定も行われた。

 選考会2日目は、いよいよ実戦形式での選考がスタート。初日に振り分けられた4つのグループ(A・B・C・D)がそれぞれ対戦する紅白戦の中で選考が行われ、投手は限られたイニングの中で、打者は限られた打席の中で、いかに結果を残すことができるかという非常に重要でシンプルな部分が選考のポイントとされ、各選手の実戦的な能力を見極める選考が行われた。また、この日は実戦形式の選考に加え、参加選手全員の個人面談も実施。各選考委員が選手たちへ、日本代表として選ばれた際、各国際大会への出場はもちろんのこと、予定されたすべての強化事業に参加することができるか?今回の選考会で自分が最もアピールしたい部分はどこか?この選考会を通じて、自分自身が感じ、考えたことは何か?など、さまざまな質問を投げかけ、技術だけではなく、選手のメンタル面に踏み込んだ内容の面談が行われた。

 選考会最終日は、初日に行われた各種計測、2日目の実戦での評価を踏まえ、選考委員が新たに編成し直したグループに分かれて、再び紅白戦を実施。紅白戦では、前日同様、投手は限られたイニングの中で、打者は限られた打席の中で、いかに結果を残し、アピールすることができるかという部分が再確認された。選手たちは最後のアピールの場となったこの日の実戦でも、一投・一打、持てる力をふり絞り、懸命にプレー。最後の一球、ワンプレーまで熾烈なサバイバルを繰り広げ、全日程を終えた。

 今回の選考会でも、西村信紀ヘッドコーチの選手たちを見る“目”はやはり厳しい。選考会の序盤で早くも選手たちの動きや傾向を見極めると、「たった3日間しかないこの選考会で、いかに自分の実力をアピールするのか。選手個々がもっと考えてプレーしなければならない」と、すかさず指摘。「これまで日本代表に選ばれた経験があり、なおかつ国際大会での実績がある選手。また、国内トップレベルの日本リーグでプレーし、そこで実績を残している選手たちが優先的に評価されるのは、仕方のないこと。であれば、それ以外の選手たちはまず何をしなければならないか。それは言うまでもなく、この選考会で誰よりも『アピール』し、自分の実力を『結果で示す』ことである。この場に来て、実績のない選手が、おとなしく、ただ普段通りにプレーしていたのでは話にならない。逆に、日本リーグで実績を残している選手が、日本代表の選考会だからと舞い上がり、本来の実力を発揮できないというのも困る……。自らのストロングポイントはどこなのか、また、それをどのようなプレーで見せれば選考委員に伝わるのか。普段通り、変わらずプレーすることが悪いということではないが、この短期間の選考会で自分の存在を他の者にアピールするためには、その“アピールの仕方”を考え、工夫しなければならない」と、西村信紀ヘッドコーチならではの意見も述べられた。

 今回、新たに選び抜かれた男子日本代表候補24名の内、「代表初選出」となったのは、岡阜囀l(デンソー)、深津悠平(豊田自動織機)、森勇紀(Neo長崎)、平本拓朗(平林金属)、糸瀬勇助(ホンダエンジニアリング)、猪股要(大阪桃次郎)、澤田優生(大阪桃次郎)、床井優介(ホンダエンジニアリング)、西山幸助(平林金属)の9名。

 投手では、前回の世界選手権に出場した高橋速水(高知パシフィックウェーブ)、照井賢吾(高崎市役所)、中島幸紀(大阪桃次郎)、中村健二(大阪桃次郎)、松田光(平林金属)ら日本代表としての「経験」が豊富なメンバーの中に、U19日本代表での輝かしい実績をひっさげ、今回の選考会でも“投手陣最速”のMAX128km/hを叩き出した“若き剛腕”岡阜囀l。先月(9月)に開催された全日本総合選手権を制し、西村信紀ヘッドコーチが大きな期待を寄せる森勇紀。昨年まで低迷していた豊田自動織機の“救世主”となり、現在、ルーキーながら東日本リーグで防御率トップ(1.65)を走る深津悠平がどのように割って入り、刺激を与えていくのか。

 捕手では、前回の世界選手権で正捕手を務めた片岡大洋(高知パシフィックウェーブ)に加え、所属の平林金属では松田光とバッテリーを組み、一発のある豪快なバッティングが売りの平本拓朗が初選出。

 内野手では、谷口淳(平林金属)、松岡真央(旭化成)、米良孝太(旭化成)ら前回の世界選手権を経験したメンバーを中心に、ホンダエンジニアリングの「切り込み隊長」糸瀬勇助。大阪桃次郎の「頼れるショートストップ」猪股要。天才的な守備のセンスを武器に、西日本リーグで打率トップ(0.500)を走る大阪桃次郎の「オールラウンダー」澤田優生。また、過去に日本代表として国際大会を戦った経験のあるホンダエンジニアリング・浦本大嗣、大阪桃次郎・筒井拓友らが加わり、激しいレギュラー争いを繰り広げることになる。

 外野手では、前回の世界選手権に出場した川田直諒(旭化成)、木谷謙吾(平林金属)をはじめ、旭化成の「リードオフマン」上杉大輝、2011年に開催された第2回ISFワールドカップ(チェコ・プラハ)で日本代表のキャプテンを務めた鈴木周平(岐阜エコデンSC)がカムバック。念願の日本代表選出を果たした床井優介(ホンダエンジニアリング)、平林金属の「スピードスター」西山幸助とともに、こちらも激しいレギュラー争いを展開することになるだろう。

 男子日本代表は、今後、今年12月に開催される「第14回世界男子ソフトボール選手権大会アジア地区予選(シンガポール)」に、候補選手(24名)の中から17名を選出し、出場(出場選手については下記選手名簿をご参照ください)。まずは、来年開催される世界選手権への出場権をかけて、アジアのライバルとの戦いに臨むことになる。西村信紀ヘッドコーチのもと、新たに生まれ変わった男子日本代表。かつて世界選手権準優勝を成し遂げるなど「黄金時代」を築いた歴史と伝統を受け継ぎ、「新たな時代」を切り拓くことができるか。その挑戦に期待と注目が集まる!

平成26・27年度 男子日本代表候補選手名簿
<第14回世界男子ソフトボール選手権大会 出場選手 第一次選考通過者>

(「アジア」欄○印:第14回世界男子ソフトボール選手権大会アジア地区予選(シンガポール) 出場選手(17名))

選手(ポジション別・五十音順)
No. 守備 氏名 支部 所属 アジア
1 投手 岡普@建斗 愛知 デンソー
2 投手 高橋 速水 高知 高知パシフィックウェーブ
3 投手 照井 賢吾 群馬 高崎市役所
4 投手 中島 幸紀 大阪 大阪桃次郎  
5 投手 中村 健二 大阪 大阪桃次郎
6 投手 深津 悠平 愛知 豊田自動織機
7 投手 松田 光 岡山 平林金属
8 投手 森 勇紀 長崎 Neo長崎  
9 捕手 片岡 大洋 高知 高知パシフィックウェーブ
10 捕手 平本 拓朗 岡山 平林金属
11 内野手 糸瀬 勇助 栃木 ホンダエンジニアリング
12 内野手 猪股 要 大阪 大阪桃次郎  
13 内野手 浦本 大嗣 栃木 ホンダエンジニアリング
14 内野手 澤田 優生 大阪 大阪桃次郎
15 内野手 谷口 淳 岡山 平林金属  
16 内野手 筒井 拓友 大阪 大阪桃次郎
17 内野手 松岡 真央 宮崎 旭化成
18 内野手 米良 孝太 宮崎 旭化成
19 外野手 上杉 大輝 宮崎 旭化成  
20 外野手 川田 直諒 宮崎 旭化成
21 外野手 木谷 謙吾 岡山 平林金属  
22 外野手 鈴木 周平 岐阜 岐阜エコデンSC
23 外野手 床井 優介 栃木 ホンダエンジニアリング  
24 外野手 西山 幸助 岡山 平林金属