2015.4.16
 

 

●男子日本代表レポート

挑め、世界のトップレベルへ!
世界男子選手権大会「代表17名」が決定!!




今夏の世界男子選手権大会に向け、
男子日本代表・最終選考合宿を実施



最終選考合宿には、候補選手24名が参加
「世界のトップレベル」で戦える選手か否かが再度見極められた



選考は終始「実戦形式」で行なわれ、
候補選手たちの力量・コンディションを厳しくチェック!


平林金属、愛媛ウエスト、福井県選抜、大阪グローバルの
サポートにより、計4試合のテストマッチを実施することができた


世界選手権初出場となる「新たな顔ぶれ」に注目!


3大会連続で「5位の壁」に阻まれている男子日本代表
この選ばれし17名が、新たな時代を切り拓けるか!?


世界選手権の大会スケジュールも決定
日本は初戦で前回3位のオーストラリアと激突する


「連覇」を狙うソフトボール王国・ニュージーランド
世代交代を進めるチームが、今大会ではどのような戦いぶりを見せるか!?


前回4位のアルゼンチンも不気味な存在
世界ジュニア選手権では連覇を果たすなど躍進中だ


日本代表の誇りとプライドを胸に……
挑め!世界のトップレベルへ!!



2015 男子日本代表・最終選考合宿(岡山県岡山市)/世界選手権代表17名が決定!

 去る3月6日(金)〜8日(日)の3日間、岡山県岡山市において男子日本代表・最終選考合宿が実施され、平成26・27年度男子日本代表候補選手(24名)が参加。今年6月26日(金)〜7月5日(日)、カナダ・サスカツーンで開催される「第14回世界男子ソフトボール選手権大会(大会スケジュールはこちら)」の代表選手「17名」入りをかけて、実戦主体の激しいサバイバルに臨んだ。

 今回の最終選考合宿は、地元・岡山県の環太平洋大学、平林金属の全面的なバックアップにより、天候に悩まされながらも何とか選考が進められ、平林金属、愛媛ウエスト、福井県選抜、大阪グローバルと計4試合のテストマッチを実施。(公財)日本ソフトボール協会選手強化本部会男子強化委員の面々が選考委員を務め、選ばれし候補選手の中から、さらに「世界のトップレベル」で戦える選手か否かが見極められた。

 この最終選考合宿に臨んだ候補選手は、昨年9月13日(土)〜15日(月)、静岡県伊豆市において開催された「平成26・27年度男子日本代表選手選考会」で、参加選手63名の中から選び抜かれた24名。選考会の後、まず17名がピックアップされ、同じく昨年12月16日(火)〜20日(土)、シンガポールで開催された「第14回世界男子ソフトボール選手権大会アジア地区予選」に出場。日本をはじめ、フィリピン、パキスタン、ブルネイ、インドネシア、シンガポールの6カ国が参加したこのアジア地区予選で、予選リーグ、決勝トーナメントを通じて7戦全勝。無敗のまま「完全優勝」を飾り、圧倒的な強さで今夏の世界選手権への出場権を手に入れた。今回の最終選考合宿では、そのアジア地区予選出場メンバーを含めた候補選手全員をはじめて招集。24名一人ひとりを再度厳しく選考するものとなった。

 選考合宿初日、候補選手たちは、早速環太平洋大学(男子ソフトボール部専用グラウンド)へと移動し、ウォーミングアップ、キャッチボール、トスバッティング、シートノックで軽く汗を流し、コンディションを調整。この後、バッティングマシンを利用したフリーバッティングが行われ、翌日の実戦に備えた準備が進められた。

 選考合宿2日目からは、HIRAKINライズ球場へと会場を移し、いよいよ実戦にて本格的な選手選考がスタート。この日は、日本男子西日本リーグに所属する地元・平林金属、愛媛ウエストとのダブルヘッダーを実施し、選考合宿最終日となった3日目には、3年後(2018年)に開催される福井国体に向けて強化を進める福井県選抜、日本男子東日本リーグに所属する大阪グローバルとのダブルヘッダーが組まれるなど、終始「実戦形式」の選手選考が行われ、全日程を終了した。

 男子日本代表・西村信紀ヘッドコーチは、今回の最終選考合宿を通し、「アジア地区予選と世界選手権はまったくの『別物』。アジアでいくら結果を残したといっても、世界トップレベルの相手と戦うことを考えれば、残念ながら参考にはできない。世界選手権の舞台では、打者でいえば、打率というよりここぞという場面での『勝負強さ』が必要になってくる。世界最速と称されるオーストラリアのアダム・フォーカードのような、球速130km/hを超えてくる『世界一線級』の投手との対戦になれば、正直なところ、打率やアベレージがどうこうというより、まずボールにバットが当たるのかどうかというレベルの話になってくるのだから……。たった1本のヒット、たった1本のホームランでも、状況によってはそれが決勝打となり、チームに勝利をもたらすこともある。2000年に開催された南アフリカ大会で日本打線の主軸を務め、活躍した岡本友章(現・高知パシフィックウェーブ)ではないが、私はやはり『ここ一番』の『一振り』に期待できる打者がおもしろいのではないかと考えている。また、投手についても何か『特徴』『武器』を持った選手が必要になる。オーソドックスな、一本調子の投球スタイルで戦えるほど世界の舞台は甘くない。球威、変化球のキレ、繊細なコントロール、投球術、何か一つでも光る能力があれば、それが相手によって『ハマる』こともあるだろうし、こちらの『切り札』になる可能性がある。ただ、国際大会の経験・実績という部分も重要になってくるので、じっくりと、総合的に判断したい」と選手選考・チーム編成について考えを述べると、今回の世界選手権での日本の戦い方にもふれ、「攻撃に関しては、とにかくボールにバットを当て、どんな形でもいいから塁に出ること。そして出塁後は機動力を絡めてどんどん相手にプレッシャーをかける。後はチャンスでその走者をどう返していくか……。まずは前回以上にボールを見極めること。そして一振りにかける集中力を研ぎ澄ませ、ミスショットをしないことが重要になるだろう。守りでは、投手を中心にいかに最少失点で、我慢強く守り抜けるかどうかがカギになる。そのためには、まず投手陣が個々の持ち味を発揮し、しっかりと試合を作らなければならない。すべてはそこから!」と前回大会の経験から、今夏の戦いで「やらなければならないこと」を明確にし、再び世界の強豪に挑む決意を新たにしていた。

 今回発表された世界選手権「代表17名」の顔ぶれを見てみると、まず投手陣では、昨年のアジア地区予選出場メンバーでもある岡阜囀l、高橋速水、照井賢吾、中村健二、松田光に加え、新たに森勇紀(Neo長崎)が選出された。森勇紀は、以前からその球威と切れ味鋭いドロップに定評があり、西村信紀ヘッドコーチも注目していた投手の一人。最終選考合宿で最も安定感を見せた存在でもあり、世界の舞台でどこまで通用するのかという部分で、周囲の期待は大きい。また、世界ジュニア選手権での「輝かしい実績」をひっさげ、昨年代表デビューを果たした「若き剛腕」岡阜囀lの「世界選手権デビュー」にも大きな注目が集まる。ジュニアで輝きを放ち、アルゼンチン、ニュージーランド、オーストラリアといった世界の強豪も舌を巻いた自慢の「ライズボール」で、並み居る強打者たちを抑え込むことができるか、そのピッチングが今大会のカギを握っているといっても過言ではない。

 野手では、昨年のアジア地区予選に出場した顔ぶれに加えて、木谷謙吾(平林金属)が代表入りを果たした。木谷謙吾は前回の世界選手権代表メンバーでもあり、西村信紀ヘッドコーチの大学(環太平洋大学)の教え子として、日本リーグでも頭角をあらわしてきた選手の一人。外野手3名という今回のチーム編成を考えると、走・攻・守すべての面においてフル回転することが求められる重要な存在となる。

 また、今回の野手の中では、前回世界選手権代表メンバーであった選手たち以外の顔ぶれにも注目したいところ。特に、2005年の第7回世界ジュニア選手権(カナダ・プリンスエドワード島)でチームの主力として活躍し、準優勝に大きく貢献。ジュニアの頃から「天才的なソフトボールセンス」を持つと評価され、今回ようやく世界選手権代表の座をつかみ取った澤田優生(大阪桃次郎)と筒井拓友(大阪桃次郎)。昨年の東日本リーグで1試合最多安打(5本)、連続安打(7本)の最高記録を樹立し、シーズン・1試合最多本塁打の最高記録にも並ぶなど、一気に「ブレイク」した糸瀬勇助(ホンダエンジニアリング)。西村信紀ヘッドコーチ「お墨付き」の「俊足」を武器に、今大会攻撃のキープレーヤーとなりそうな西山幸助(平林金属)ら、まだ世界選手権の舞台を経験していない選手たちがどのような活躍を見せてくれるのか、興味は尽きない。

 男子日本代表は、今後、6月20日(土)に日本を出発し、世界選手権が開催されるカナダへと入る予定。現地ではテストマッチを実施するなど事前合宿、最終調整を行い、いよいよ「第14回世界男子ソフトボール選手権大会」の開幕を迎えることになる。

伝統ある男子日本代表の誇りとプライドにかけて!
選ばれし17名の選手たちが再び「世界の舞台」に挑む!!




平成27年度男子日本代表チーム
第14回世界男子ソフトボール選手権大会 出場選手
選手(守備別・五十音順)
No. 守備 氏名 支部 所属
1 投手 岡普@建斗 愛知 デンソー
2 高橋 速水 高知 高知パシフィックウェーブ
3 照井 賢吾 群馬 高崎市役所
4 中村 健二 大阪 大阪桃次郎
5 松田 光 岡山 平林金属
6 森 勇紀 長崎 Neo長崎
7 捕手 片岡 大洋 高知 高知パシフィックウェーブ
8 平本 拓朗 岡山 平林金属
9 内野手 糸瀬 勇助 栃木 ホンダエンジニアリング
10 浦本 大嗣 栃木 ホンダエンジニアリング
11 澤田 優生 大阪 大阪桃次郎
12 筒井 拓友 大阪 大阪桃次郎
13 松岡 真央 宮崎 旭化成
14 米良 孝太 宮崎 旭化成
15 外野手 川田 直諒 宮崎 旭化成
16 木谷 謙吾 岡山 平林金属
17 西山 幸助 岡山 平林金属

コーチングスタッフ
No. 役職 氏名 支部 所属
1 ヘッドコーチ 西村 信紀 岡山 環太平洋大学
2 コーチ 浜口 辰也 栃木 ホンダエンジニアリング
3 コーチ兼総務 城戸 健雄 大阪 大阪桃次郎
4 トレーナー 矢内 智也   (株)スポーツプログラムス
5 サポートスタッフ
(マネージャー)
三村 奈弓 栃木 ホンダエンジニアリング