2015.6.29
 

 


第14回世界男子ソフトボール選手権大会(カナダ・サスカツーン)

日本、アメリカに5−4で競り勝ち、予選リーグ2勝1敗!



ここまで1勝1敗の日本は、いよいよ予選リーグの山場を迎える



この日は予選リーグ第3戦でアメリカと対戦した



日本の先発投手は松田光
重要な一戦になるほど力を発揮する右腕に期待が高まる


日本は2回裏に集中打!
まずキャプテン・松岡真央がセンターへ鮮やかなツーラン


代打・川田直諒も走者一掃のタイムリースリーベース
この回一挙5点を奪い、リードを広げた!


その後アメリカの猛反撃を受け、1点差に迫られるが……
松田光、中村健二、照井賢吾と3人の投手をつなぎ、何とか逃げ切った


日本、アメリカに5−4で競り勝ち、2勝1敗
次戦も強豪・ベネズエラと対戦し、負けられない戦いが続く


Broadcast live streaming video on Ustream

 第14回世界男子選手権大会(※大会スケジュールはこちら※大会オフィシャルサイトはこちら)第3日、前日デンマークを5−2で破り、今大会初勝利を挙げた日本は、予選リーグ第3戦でアメリカと対戦した。

 アメリカは、ここまでメキシコに7−0(6回コールド勝ち)、ドミニカに6−4と連勝し、順調な戦いぶり。前回の第13回大会(ニュージーランド・オークランド)は対戦がなかったが、2009年の第12回大会(カナダ・サスカツーン)では同じく予選リーグ第3戦で対戦し、0−3の完封負けを喫している「侮れない」相手。初戦のオーストラリア戦に敗れたことで、予選リーグ1位・2位通過を狙うには「もうこれ以上負けられない」状況に立たされた日本は、ここからいよいよ「正念場」を迎えることになる。

・大会第3日/6月28日(日)
《予選リーグ第3戦》
  1 2 3 4 5 6 7
アメリカ 0 0 4 0 0 0 0 4
日  本 0 5 0 0 0 0 x 5
バッテリー:○松田光(5回)、中村健二(1回)、照井賢吾(1回)− 平本拓朗、片岡大洋
長打:〔本塁打〕松岡真央〔三塁打〕川田直諒〔二塁打〕筒井拓友

 日本の先発投手は、松田光。ここまでDPとして打撃のみの出場であったが、岡阜囀lと同じく、相手が強く、その舞台が大きいほど闘志を燃やし、力を発揮する右腕に重要な一戦が託された。

 その松田光は初回、先頭打者をいきなり三振に仕留めると、2番打者をセカンドゴロ、3番打者からも三振を奪い、三者凡退に抑える上々の滑り出し。2回表も、この回先頭の4番打者を四球で歩かせたものの、ここからセンターフライ、三振、ファーストゴロと落ち着いて後続を断ち、無失点。「松田光らしい」テンポの良いピッチングを展開し、まずは守備でリズムを作った。

 初戦、2戦目と攻撃面であまりいいところを見せられず、苦しい戦いを余儀なくされた日本はその裏、一死から5番・松田光がレフト前ヒットで出塁すると、続く6番・松岡真央が相手投手の甘く入った失投を見逃さず、センターへ完璧な当たりのツーランホームラン。「頼れるキャプテン」が日本の今大会第1号を放ち、「不完全燃焼」気味のチームに「喝」を入れ、喉から手が出るほど欲しかった先制点を奪った。この一発で勢いづいた日本打線は、この後7番・浦本大嗣の内野安打、8番・米良孝太のセンター前ヒット、9番・平本拓朗の四球で一死満塁と追加点のチャンスを作り、1番・澤田優生が三振に倒れると、「ここが勝負どころ」と見た西村信紀ヘッドコーチが早めの仕掛け。2番・西山幸助に代わり、「代打・川田直諒」を告げると、その川田直諒が期待に応え、ライト線を抜く走者一掃のタイムリースリーベース。ベンチの采配がズバリと当たり、大きな3点を追加。この回一挙5点を挙げ、試合の主導権を握った。

 しかし、「このまま圧勝か……」と思われた矢先の3回表、アメリカ打線が猛反撃。一死から長短打で二・三塁とすると、2番打者が三遊間を破るタイムリーを放ち、1点。この1点でこれまで強気に押していた松田光も慎重なピッチングを余儀なくされ、続く3番、4番打者を連続四球で歩かせてしまい、満塁となり、なおもワイルドピッチ、一・二塁間を破るタイムリー、ライトへの犠牲フライでこの回一挙4点を奪われ、アッという間に1点差へと詰め寄られてしまう。

 予選リーグ1位・2位通過へ「負けられない」日本は、この後、松田光が何とか粘りのピッチングを続け、4回表、5回表を無失点。打線も追加点を狙うが、アメリカの2番手をつかまえることができず、5−4と1点をリードしたまま、試合は6回に入った。

 6回表、日本は松田光から中村健二へと継投。3大会連続世界選手権出場で国際大会の舞台では「無類の強さ」を発揮するベテランが、この回二死一・二塁とピンチを背負いながらも持ち味の「緩急」で無失点に抑えると、7回裏は3人目の投手となる「サウスポー」照井賢吾がリリーフとして登板。同じく3大会連続の世界選手権出場となる「歴戦の強者」が、この回先頭の1番、2番打者を「気持ちの入った速球」で連続三振に仕留め、二死からセンター前に1本ヒットを許したものの、最後は4番打者をファーストゴロに打ち取り、ゲームセット。序盤に奪った5点のリードを何とか守り抜き、5−4の1点差でアメリカに競り勝った。

 日本はこれで予選リーグ2勝1敗。明日第4戦で前回準優勝の強豪・ベネズエラと対戦する。ベネズエラはここまでオランダに11−1(4回コールド勝ち)、メキシコに6−1と連勝した後、この日、日本戦の直後行われたオーストラリア戦に1−5で敗れ、同じく2勝1敗。「優勝候補の大本命」に挙げられているオーストラリアがこのまま全勝で予選リーグ・POOLBを1位で通過する可能性が高まり、日本とベネズエラで「2位の座」を争うことが予想される。ベネズエラはこの日オーストラリア戦を1−5で落としたが、決勝トーナメントでの再戦を見据えてか、「エース」を温存。打線は「世界最速の投手」アダム・フォーカードから特大のソロホームランを叩き込み、「力」で1点を奪っている。南米特有の「強力打線」はやはり健在で、明日の日本戦に満を持してエースをぶつけてくることになれば、「厳しい戦い」となることは間違いないだろう。

 しかし、日本はこの強豪に勝たなければならない。この試合に勝たなければ、今日のアメリカ戦の勝利も意味がなくなってしまうのだから……。「世界の頂点を狙うチーム」に臆することなく全力で挑む。いずれにしても、日本が「挑戦者」であることに変わりはない。失うものは何もない。見せてやれ!今こそ男子日本代表の底力を!!



予選リーグ第3戦
アメリカ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 2B 澤田優生 大阪桃次郎 12
2 CF 西山幸助 平林金属 24
3 DP 中村健二 大阪桃次郎 17
4 RF 筒井拓友 大阪桃次郎 8
5 松田光 平林金属 20
6 SS 松岡真央 旭化成 10
7 1B 浦本大嗣 ホンダエンジニアリング 9
8 3B 米良孝太 旭化成 5
9 平本拓朗 平林金属 26
FP LF 木谷謙吾 平林金属 28

※選手交代
2回裏 代打 西山OUT→川田直諒(旭化成)IN  
代走 中村→木谷謙吾(平林金属)
FPの木谷謙吾がDP中村に代わって走者となる
3回表 再出場 川田→西山幸助(平林金属)IN
センターの守備で再出場
6回表 投手交代 松田→中村健二(大阪桃次郎)
DPの中村健二が投手の守備を兼務し、松田がOPOとなる
守備交代 平本OUT→片岡大洋(高知パシフィックウェーブ)IN
7回表 投手交代 中村OUT→照井賢吾(高崎市役所)IN