2015.7.4
 

 


第14回世界男子ソフトボール選手権大会(カナダ・サスカツーン)

勝負の決勝トーナメントに突入!日本、チェコに8−3で快勝



いよいよこの日から決勝トーナメントに突入!



日本の決勝トーナメント初戦(3位・4位戦)の相手はチェコ



先発投手に起用された高橋速水
ピンチを背負いながらも、3イニングを無失点に抑える


4回表、ついに日本が先制!
2本のタイムリーで一挙3点を奪った


勢いづいた日本打線は5回表にも追加点
まず6番・浦本大嗣が、三遊間を破る2点タイムリーを放つ


7番・松田光にもセンターへの
スリーランホームランが飛び出し、リードを広げた


日本、決勝トーナメント初戦に快勝!
次戦はオーストラリアと「生き残り」をかけて対戦する


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 第14回世界男子選手権大会(※大会スケジュールはこちら※大会オフィシャルサイトはこちら)第8日。大会はいよいよこの日から「最後の戦い」となる決勝トーナメントに突入。前日予選リーグ最終戦となったオランダ戦に9−1の5回コールド勝ちを収め、予選リーグ・POOLBを4勝3敗の4位で通過し、決勝トーナメント進出を決めた日本は、決勝トーナメント初戦(3位・4位戦)でPOOLA3位のチェコと対戦した。

 チェコは、予選リーグ・POOLAを5勝2敗の3位で通過。勝敗はニュージーランド、アルゼンチンと同率に並んだが、3チームの直接対決の失点数の合計で、まずニュージーランドの2位が決定(ニュージーランド4、アルゼンチン6、チェコ13で、ニュージーランドの2位が決定)。3位、4位はニュージーランドを除く同率の2チーム(アルゼンチン・チェコの2チーム)の直接対決の結果で決定されることになり、チェコがアルゼンチンに4−2で勝利していたため、順位が上回り、3位でこの決勝トーナメントに進出してきた。

 また、日本とチェコは以前から非常に交流があり、チェコ・プラハではこれまで2回にわたり「ISF男子ワールドカップ」が開催されている。日本はこのISF男子ワールドカップに、2007年、2011年と2大会続けて参加しており、特に2011年に開催された第2回大会では、予選リーグ、決勝トーナメントを含め、4度にわたり激戦を展開。ファイナルでは7−2で快勝し、連覇を飾ったものの、4試合の内2試合が延長タイブレーカーにもつれ込む等、壮絶な試合を繰り広げている。日本にとって、「ヨーロッパのライバル」であり、「良き友」でもあるチェコとの一戦。負ければその時点で終戦となる究極の「サバイバルゲーム」がはじまった。

大会第8日/7月3日(金) 
《決勝トーナメント(3位・4位戦)》
  1 2 3 4 5 6 7
日 本 0 0 0 3 5 0 0 8
チェコ 0 0 0 0 3 0 0 3
バッテリー:高橋速水(3回) 、〇松田光(3回)、照井賢吾(1回)−片岡大洋、平本拓朗
長打:〔本塁打〕松田光〔二塁打〕片岡大洋、平本拓朗、澤田優生

 先攻の日本は初回、一死から2番・西山幸助がサードへのセーフティーバントが相手エラーを誘い、出塁。続く3番・米良孝太のセンターフライでタッチアップし、二死二塁と先制のチャンスを作ったが、4番・中村健二がライトファウルフライに打ち取られ、スリーアウト。初回を無得点で終えた。

 日本の先発・高橋速水は初回、先頭打者を三振、2番打者をサードゴロに打ち取り、簡単にツーアウト。ここから3番、4番打者に連打を許し、二死一・二塁とされたが、続く5番打者を「気持ちの入った速球」で三振に仕留め、こちらも無失点の立ち上がりを見せた。

 試合はこの後、日本が2回表に一死一・三塁、3回表には一死三塁とチャンスを作るが、いずれも「あと一本」が出ず、無得点。チェコも3回裏に二死満塁と攻め立てるが、高橋速水が「粘りのピッチング」でこれを凌ぎ、得点を与えず、0−0のまま中盤へと入った。

 迎えた4回表、日本は一死から6番・浦本大嗣が一・二塁間を破るヒットで出塁すると、二死後、8番・川田直諒も三遊間を破り、一・二塁。ここで代打に起用された平本拓朗が「執念」でセンター前に落とすタイムリーを放ち(記録は二塁打)、一気に二者が生還。木谷謙吾、西山幸助と同じ西村信紀ヘッドコーチの「秘蔵っ子」が、その「期待」にしっかりと応え、ついに喉から手が出るほど欲しかった先制点を奪った。この先制点によって勢いづいた日本打線は、なおも続く1番・澤田優生のレフト線ギリギリのところに落とす「技あり」のタイムリーツーベースで1点を追加。この回3点を挙げると、5回表にも一死満塁から6番・浦本大嗣の三遊間を破るタイムリーで2点、さらに一・二塁のチャンスが続き、7番・松田光のセンターへのスリーランホームランで3点を加え、大きな5点を追加。鮮やかな「集中打」で得点差を8点に広げ、チェコを圧倒した。

 守っては、先発・高橋速水が3イニングを投げ、ピンチを背負いながらも無失点の力投。4回裏から2番手として登板した松田光が、5回裏に無死一・二塁から3番打者にレフトへ特大のスリーランホームランを浴びて3点を返されたが、その後何とか凌ぎ、最後はサウスポー・照井賢吾へと投手リレー。7回裏はその照井賢吾が死球で一人走者を出塁させたものの、リードを守り抜き、8−3でチェコを撃破。決勝トーナメント2回戦(3位・4位戦勝者対1位・2位戦敗者)進出を決めた。

 明日、日本が対戦する相手は、決勝トーナメント1位・2位戦でホスト国・カナダに3−8で敗れたオーストラリア。今大会、オーストラリアは「優勝候補の大本命」に挙げられながらも、予選リーグ・POOLBをドミニカに次ぐ5勝2敗(ベネズエラと同率で並んだが、直接対決で勝利していたため、オーストラリアが2位、ベネズエラが3位となった)の2位で通過。この日行われたホスト国・カナダ(POOLA1位)との1位・2位戦では、初回に2番・マーク・ハリス、3番・ニック・シャイレスの連続タイムリーでいきなり2点を先制したが、先発したエース・アダム・フォーカードが、初回、3回裏に1点ずつを返され、同点。流れは次第にカナダへと傾き、2−2のまま迎えた5回裏、カナダが5番・ジェイソン・ヒルのスリーランホームランで一挙3点を挙げ、逆転に成功。詰めかけた大観衆の声援に後押しされたカナダ打線の前に、「世界最速の投手」がまさかのノックアウト。続く6回裏にもダメ押しの3点を追加され、3−8で完敗を喫した。

 日本とオーストラリアは、今大会予選リーグ第1戦で対戦。日本はチャンスを作りながらも、オーストラリアの先発・アダム・フォーカードの前に13三振を喫し、0−1で敗れている。日本にとってオーストラリアは、2004年の第11回大会(ニュージーランド・クライストチャーチ)、前回の第13回大会(ニュージーランド・オークランド)と、いずれも決勝トーナメント2回戦で激突し、0−5、0−4の完封負けを喫した「因縁」の相手。特に前回大会では、先発・アンドリュー・カークパトリックの前に屈辱のノーヒット・ノーランを達成され、敗れ去っている。明日はどんな形であれ、その「難敵」に勝って「リベンジ」を果たしたいところだ。日本が「世界一の投手力」を有するオーストラリアに勝つためには、まず何よりも投手陣が踏ん張らなければならない。とにかく相手に得点を与えないことが、絶対条件となる。敗者復活戦に回ったとはいえ、「世界一の投手」を擁するオーストラリアはやはり「優勝候補」。日本がここでその「優勝候補」を食ってしまえば、逆に一気に勢いに乗ることができる。負ければその時点で終わりとなる一発勝負。互いに「生き残り」をかけた大一番がはじまる!



決勝トーナメント(3位・4位戦)
チェコ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 2B 澤田優生 大阪桃次郎 12
2 CF 西山幸助 平林金属 24
3 3B 米良孝太 旭化成 5
4 DP 中村健二 大阪桃次郎 17
5 SS 松岡真央 旭化成 10
6 1B 浦本大嗣 ホンダエンジニアリング 9
7 RF 木谷謙吾 平林金属 28
8 LF 川田直諒 旭化成 7
9 片岡大洋 高知パシフィックウェーブ 2
FP 高橋速水 高知パシフィックウェーブ 21

※選手交代
3回表 代打 西山OUT→筒井拓友(大阪桃次郎)IN
3回裏 再出場 筒井OUT→西山幸助(平林金属)IN
センターの守備で再出場
4回表 代打 木谷OUT→松田光(平林金属)IN
片岡OUT→平本拓朗(平林金属)IN
4回裏 FP交代 高橋OUT→糸瀬勇助(ホンダエンジニアリング)IN
守備交代 ライト・木谷の代打で出場した松田が投手の守備に入り、
FPに入った糸瀬がライトの守備につく
代打・平本がそのまま捕手の守備に入る
5回表 代走 FP・糸瀬勇助がDP・中村に代わって走者となる
7回裏 投手交代 松田OUT→照井賢吾(高崎市役所)IN
再出場 平本OUT→片岡大洋(高知パシフィックウェーブ)IN
捕手の守備で再出場
糸瀬OUT→木谷謙吾(平林金属)IN
ライトの守備で再出場



決勝トーナメント組み合わせ・結果