2012.8.28
 

 

●男子U19日本代表レポート

第9回世界男子ジュニア選手権大会に向け、
男子U19日本代表17名が決定!


平成24年度 男子U19日本代表17名が決定!

選考会には実業団、クラブ、大学生、高校生を含め
全国から74名の選手が参加

今回、男子U19日本代表の指揮を執る
山口義男ヘッドコーチ(大村工業高)

選考会は74名の選手を4つのグループに振り分け、
「実戦主体」で選手の能力がチェックされた

今回は大学から10名の選手が代表入り
攻守にリーダーシップを発揮できるか

若き男子U19日本代表の「無限の可能性」に期待

若さ溢れるプレーで、戦え、力の限り!



 去る8月14日(火)〜16日(木)の3日間、静岡県伊豆市の天城ドームおよび野球場を会場に、「平成24年度男子U19日本代表チーム選手選考会」が実施され、厳正な選考の結果、来る11月1日〜10日(土)、アルゼンチン・パラナで開催が予定されている「第9回世界男子ジュニア選手権大会」に出場する男子U19日本代表17名が決定した。

 選考会当日は、全国から実業団、クラブ、大学生、高校生を含め74名の選手が参加。今回、男子U19日本代表の指揮を執る山口義男ヘッドコーチ(大村工業高)、(公財)日本ソフトボール協会選手強化本部会・西村信紀男子強化委員長をはじめ、(公財)日本ソフトボール協会選手強化本部会男子強化委員の面々が選考委員を務め、連日厳しい選考が行われた。

 選考会では、初日に、まず野手のベースランニング測定、投手の球速測定、またシートノック、フリーバッティングが行われ、選手全員の基本的な打撃・守備の能力がチェックされると、2日目、3日目は74名の選手を4つのグループに振り分け、紅白戦で対戦させる「実戦形式」の選考が行われ、選手それぞれの実戦での能力をチェック。“世界”との戦いを見据え、国際大会の舞台で通用する、また力を発揮することのできる選手か否かという部分に、選考委員の厳しい目が向けられた。

 選考にあたった山口義男ヘッドコーチ(大村工業高)は、「今回、男子U19日本代表チームのヘッドコーチを務めるにあたり、私自身、国際大会での経験が浅く、正直なところ手探りな部分が多々あるが、前回(第8回大会)で得た経験、また思いを胸に、やるからには“世界一”という大きな目標を掲げて、精一杯戦いたいと思う。前回(第8回大会)では、王者・オーストラリアに次ぐ予選リーグ2位で決勝トーナメントに進出し、決勝トーナメントではオーストラリア、カナダに連敗。ファイナル進出を果たすことができず、結果的には銅メダルに終わったが、出場した選手たちは試合を重ねるごとにたくましく成長し、堂々たる戦いを見せてくれた。そのプレーは、現地(カナダ)のソフトボールファンの心をつかみ、世界のソフトボールファンの心をつかむものであったと私は思っている。今回も、我々には日本代表の伝統を受け継ぎ、新たな歴史を創造する使命があることを忘れず戦いたい」と、まず大会に向けた思いを語ると、「前回同様、私としては、若い選手たちの“成長”また“可能性”に期待したい。U19の選考会の場合は、高校生のイエローボールへの対応が大きなポイントになり、実業団、クラブ、大学生を含め、どのようなチーム編成にするのかという点も考えなけらばならないが、最大の目標である“世界一”に向けて、まずは世界の舞台で戦える選手か否かという部分をしっかりと選考したい」と、今回の選手選考についてポイントを述べた。また、「今後については、まずはここでしっかりと選手を選考し、選ばれた選手たちと我々スタッフが、“世界一”という目標に向かって、真の意味で戦う集団となり、一つになることが何よりも大切だと思っている。また、大会本番に向けて、唯一の強化合宿となる9月の第1次国内強化合宿(岡山県岡山市)で、地元・平林金属、IPU環太平洋大学の胸を借り、高いレベルで実戦を重ねながら良い準備をしたい。個々の技術面のレベルアップ、チームとしての戦術の確認はもちろんのことだが、選手たちには、日の丸を胸に日本代表として戦うことの重みや、日本代表の伝統を受け継ぎ、守っていくことの大切さも伝えていきたい」と、大会に向けてチームの強化方針を語った。

 今回の男子U19日本代表17名の顔ぶれを見ると、日本リーグ在籍3名、大学生10名、高校生4名の内訳となり、選手としての経験、場数で高校生を上回る日本リーグ勢、また大学生がチームを引っ張る形となりそうだ。
 投手では、大村工業高時代にインターハイ、国体を制した中坂誠(日本体育大)をリーダーに、今年の全国高校選抜優勝投手で、大会では2試合連続の「完全試合」達成という偉業を成し遂げた大串泰生(大村工業高)、今回の選考会で投手陣最速を叩き出した岡阜囀l(明徳義塾高)、今年の全国高校選抜準優勝投手で、投打にセンス溢れる奥永拳也(御調高)らがどのようなピッチングを展開していくか。投手陣唯一のサウスポーで、打者に向かっていく強気なピッチングが持ち味の河野拓郎(日本体育大)の働き、またピッチングも勝利へのカギを握りそうだ。
 打者では、今回の選考会で抜きん出た長打力、勝負強さを見せ、「光るバッティング」を見せた西森圭祐(国士舘大)、朝長聖斗(Neo長崎)、山内直人(日本体育大)らが攻撃の中心か。朝長聖斗と同じく、日頃トップレベルで揉まれ、日本リーグでプレーしている清水洸佑(デンソー)、下井倉優斗(YKK)のバッティングにも期待が高まる。また、他の選手たちについても、U19のカテゴリーの場合は、より高いレベルで揉まれていくことで、短期間でも“大化け”する可能性が十分あり、今後、どの選手がチームの中心となっていくか楽しみである。

 日本は過去このカテゴリー(U19)の大会では、1981年に開催された第1回大会(世界ユース選手権/カナダ・エドモントン、現在の世界ジュニア選手権/U19世界選手権)で優勝を飾っているが、それ以来、「世界一」の座からは遠ざかっている。1985年の第2回大会(アメリカ・ファーゴ)では4位、1989年の第3回大会(カナダ・プリンスエドワード島)、1993年の第4回大会(ニュージーランド・オークランド)では3位、1997年の第5回大会(カナダ・セントジョンズ)こそ予選リーグ敗退を喫しているが、2001年の第6回大会(オーストラリア・ブラックタウン)、2005年の第7回大会(カナダ・プリンスエドワード島)ではファイナル進出。「王者」オーストラリアに肉薄しながら、惜しくも敗れ、準優勝に終わっている。
 前回大会(2008年/カナダ・ホワイトホース)では、ホスト国・カナダと歴史に残る激闘を展開し、惜しくも3位。3大会連続のファイナル進出は逃したが、関係者の間では、その大会に参加したすべてのチームの中で、一番多くの拍手と称賛の声が贈られた「Good Team!」であったと今も語り草になっている。今回、この選ばれし17名が「世界の舞台」でどのような戦いを繰り広げてくれるのか。選手たちには若さ溢れるプレーで、力の限り戦い、世界を驚かせてもらいたい。

 男子U19日本代表は、今後、9月27日(木)〜30日(日)の4日間、岡山県岡山市において第1次国内強化合宿を実施。来たる第9回世界男子ジュニア選手権大会「本番」に向けて強化を進める予定である。『無限の可能性』を秘めた、若き男子U19日本代表の戦いに期待したい!


■平成24年度 男子U19日本代表チーム選手名簿
(第9回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会出場選手名簿)


選手 (ポジション別、50音順)
No. 守備 氏名 支部 所属
1 投手 大串 泰生 長崎 大村工業高校
2 岡普@建斗 高知 明徳義塾高校
3 奥永 拳也 広島 御調高校
4 河野 拓郎 東京 日本体育大学
5 金城 太樹 沖縄 嘉手納高校
6 中坂 誠 東京 日本体育大学
7 捕手 岩原 史典 岡山 環太平洋大学
8 下井倉 優斗 富山 YKK
9 山内 直人 東京 日本体育大学
10 内野手 植田 晋伍 岡山 環太平洋大学
11 燒 晃平 東京 日本体育大学
12 朝長 聖斗 長崎 Neo長崎
13 藤原 雄歩 岐阜 中京学院大学
14 溝口 聖 東京 早稲田大学
15 外野手 清水 洸佑 愛知 デンソー
16 西森 圭祐 東京 国士舘大学
17 湯浅 拓人 東京 日本体育大学

コーチングスタッフ
No. 役職 氏名 支部 所属
1 ヘッドコーチ 山口 義男 長崎 大村工業高校
2 コーチ 高橋 流星 東京 日本体育大学
3 コーチ兼総務 松繁 冬樹 高知 高知農業高校
4 トレーナー 齊藤 学   (公財)日本ソフトボール協会