2014.7.16
 

 

●男子U19日本代表レポート
第10回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会(カナダ・ホワイトホース)


日本、ダブルヘッダーで連敗......。通算成績4勝2敗に



大会5日目、日本はダブルヘッダーに臨む!


予選リーグ第5戦の相手はニュージーランド
日本と同じくここまで4連勝を飾り、「好調」を維持



3回表、日本が宇根良祐のタイムリーで1点を先制!

  しかし、「好調」ニュージーランドの反撃にあい、2失点。
4回裏に試合をひっくり返され、逆転負けを喫した......



続く予選リーグ第6戦ではアメリカと対戦



先制を許した後、岡浮フ「一発」で同点に追いついたが、
4回裏に勝ち越し点を奪われ、痛い連敗を喫した......



明日は「王者」アルゼンチンと激突!
「日本のソフトボール」を展開できるか!?

 
 


第10回世界男子ジュニア選手権大会
予選リーグ第5戦/ニュージーランド戦
予選リーグ第6戦/アメリカ戦


 第10回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会(■大会公式サイトはこちら)第5日、ここまで4連勝の日本(■日本選手団名簿はこちら)は、この日ダブルヘッダーに臨み、予選リーグ第5戦でニュージーランド、予選リーグ第6戦でアメリカと対戦した(■大会スケジュールはこちら)。

【大会第5日】
7月15日(火)/予選リーグ第5戦
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 0 0 1 0 0 0 0 1
ニュージーランド 0 0 0 2 0 0 x 2
日本: ●岡阜囀l(6回)−田口英雄
長打: 〔二塁打〕田口英雄

 予選リーグ第5戦の相手はニュージーランド。ニュージーランドは今大会、ニュージーランド代表「ブラックソックス」の一員として、何度も「世界の頂点」に登り詰め、その名を轟かせたトーマス・マケアヘッドコーチ、ジェラッド・マーティンアシスタントコーチがチームの指揮を執り、初戦で「因縁のライバル」オーストラリアを5−1で撃破。この勝利で勢いに乗り、日本と同じくここまで負けなしの4連勝を飾るなど、快進撃を続けている。日本としても、この試合は今後の展開を左右する重要な一戦。チームの「勢い」をさらに加速させるためにも、“負けられない戦い”に臨んだ。

 試合は序盤、日本・岡阜囀l、ニュージーランド・イーサン・ジョンストンの両先発が一歩も譲らぬ「投げ合い」を展開し、2回まで互いに無得点。このまま「膠着状態が続くか......」と思われたが、3回表についに試合が動いた。

 日本は、この回先頭の7番・日野隼一が四球で出塁。すかさず盗塁を仕掛けたが、これが失敗に終わり、一死。続く8番・尾本心平も三振に倒れ、二死となったが、ここから9番・田口英雄がレフト線を抜く二塁打を放ち、チャンスを作り直し、このチャンスで、打線の「リードオフマン」でもある1番・宇根良祐が、鮮やかにセンター前へはじき返し、待望の先制点を挙げた。

 打線の援護で「先制点」をもらったエース・岡阜囀lは、その裏、ニュージーランド打線を持ち前の「気迫溢れるピッチング」で三者凡退に打ち取り、1点のリードを守り、「先行逃げ切り!」の日本の「勝ちパターン」にはまったかに見えたのだが......。

 迎えた4回裏、ニュージーランドが反撃に転じ、再び試合が動く。日本は、この回先頭の2番打者をレフトフライに打ち取ったものの、続く3番、4番に連打を浴び、一死一・三塁と攻め立てられると、続く5番打者には四球を与え、満塁。ここで6番・ダンテ・マタカテアに三遊間を痛烈に破られ、一気に二者が生還。ここまで危なげのないピッチングを続けてきたエース・岡阜囀lが初めて見せた「一瞬の油断」、「気の緩み」が命取りとなり、ニュージーランドにたたみかけられ、一気に試合をひっくり返されてしまった。

 日本打線はこの後、懸命に反撃に転じようとするが、ニュージーランドの先発・イーサン・ジョンストンにうまくかわされ、得点を奪えず。7回表には、4番・金城春紀のファーストへの強烈な当たりが相手エラーを誘い、死球などで二死一・二塁と攻め、代打・尾赴M成のバットにすべてが託されたが、この「勝負に出た采配」も、あえなく見逃し三振に終わり、ゲームセット。日本は「好調」ニュージーランドから先制点を奪いながら、無念の逆転負けを喫し、今大会初黒星を喫することになった。

【大会第5日】
7月15日(火)/予選リーグ第6戦
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 0 0 0 2 0 0 0 2
アメリカ 2 0 0 2 0 0 x 4
日本: 岩松右近(3回)・●櫻田侑也(3回)−田口英雄
長打: 〔本塁打〕岡阜囀l
〔二塁打〕岡阜囀l

 ニュージーランド戦に敗れ、初黒星を喫した日本は、ダブルヘッダーの2試合目、予選リーグ第6戦に臨み、アメリカと対戦。先発投手に、岩松右近を起用した。

 その岩松右近は初回、アメリカの先頭打者を持ち前の「力のある速球」で三振に切って取り、快調な滑り出しを見せたかと思われたが、次打者に四球を与え、出塁を許すと、二死後、4番・ジェームス・ペーネティーにセンターへ特大のツーランホームランを叩き込まれ、今大会初となる先制点を奪われた。

 しかし、連敗を避けたい日本もこのまま黙ってはいない。0−2とリードを許したまま迎えた4回表、一死から4番・金城春紀が二遊間を抜く安打で出塁すると、この試合DPに入った岡阜囀lが右中間へ弾丸ライナーで突き刺すツーランホームラン。チームのエースであり、大黒柱でもある岡阜囀lの「意地の一発」で、一気に試合を振り出しに戻した。

 息を吹き返したかと思われた日本だったが、その裏、先発・岩松右近に代わった櫻田侑也が再びアメリカ打線につかまり、ピンチを招く。先頭打者を四球で歩かせ、続く9番打者にライト前ヒットを浴び、無死一・三塁と攻め立てられると、次打者に死球を与え、満塁。この後2番打者をショートフライ、3番打者を三振に取り、二死までこぎつけたが、ここで、初回にツーランホームランを放った4番・ジェームス・ペーネティーに、センター前にはじき返され、二者生還。痛い勝ち越し点を奪われてしまった。

 日本打線は、勝ち越しを許した後、6回表に安打、死球で無死一・二塁のチャンスを作ったが、このチャンスも7番・日野隼一、8番・尾本心平が連続三振に倒れ、二死。9番・田口英雄がショートのグラブをはじく痛烈な打球を放ったが、二塁走者(代走)の山本明が三塁をオーバーランしたところを狙われ、あえなくタッチアウト。チャンスは作るものの、本塁が遠く、結局、得点は岡阜囀lのホームランのみに終わり、2−4で敗戦。痛い連敗を喫することになった。

 日本は明日、予選リーグ第7戦で前回王者・アルゼンチンと対戦する。前回大会の「優勝投手」でもある、アルゼンチンのエース・ウエムル・マタは、前評判通り、ここまでまさに「圧巻」のピッチングを披露。球速120km/hをゆうに超えるライズ・ドロップはもちろんのこと、得意のチェンジアップも健在。単純に「力」で押しまくるだけではなく、その「投球術」も多彩で、すべての要素において前回大会のレベルを上回っている。今日の試合でも、日本を破った「好調」ニュージーランドを相手に5−0の完勝。ここまで3試合に登板し、3戦3勝、19イニングを投げ、37奪三振、防御率0.00、打たれた安打は3試合でわずか5本という驚異的な数字を残し、「連覇」へ向け、完璧な試合運びを見せている。

 今日、連敗を喫した日本が、明日、「王者」を相手にどのような戦いぶりを見せるのか。アルゼンチンは確かに強い......。だが、何度も言うようだが、我々はこの大会で「世界一」になることが目標である。前回「あと一歩」及ばず、準優勝に終わったときの「悔しさ」をもう一度思い出そう。日本のソフトボールのスタイル、日本人の「特徴」、「良さ」とは何か。自分たちの武器、そして長所を生かし、相手に全力でぶつかろうではないか。このまま終わることなど絶対にできない!


予選リーグ第5戦

ニュージーランド戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 宇根良祐 環太平洋大学 6
2 SS 永山健仁 YKK 20
3 1B 盛田英雄 熊本学園大学 28
4 LF 金城春紀 中京学院大学 5
5 岡阜囀l デンソー 17
6 RF 梶原和樹 デンソー 7
7 2B 日野隼一 日本体育大学 24
8 CF 尾本心平 環太平洋大学 1
9 田口英雄 大阪グローバル 14

※選手交代
4回表 代走 岡浮nUT→山本明(環太平洋大学)IN
4回裏 再出場 山本OUT→岡普iデンソー)IN  ※投手で再出場
7回表 代打 尾本OUT→尾赴M成(平林金属)IN



予選リーグ第6戦

アメリカ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 宇根良祐 環太平洋大学 6
2 SS 永山健仁 YKK 20
3 1B 盛田英雄 熊本学園大学 28
4 LF 金城春紀 中京学院大学 5
5 DP 岡阜囀l デンソー 17
6 RF 梶原和樹 デンソー 7
7 2B 日野隼一 日本体育大学 24
8 CF 尾本心平 環太平洋大学 1
9 田口英雄 大阪グローバル 14
FP 岩松右近 鹿屋農業高校 19

※選手交代
4回表 代打 尾本OUT→尾赴M成(平林金属)IN 
再出場 尾浮nUT→尾本心平(環太平洋大学)IN
※代走で再出場
4回裏 投手交代 岩松OUT→櫻田侑也(大村工業高校)IN
6回表 代走 岡浮nUT→山本明(環太平洋大学)IN