2016.6.29
 

 

●男子U19日本代表レポート

つかみ取れ! 世界一!!
第11回世界男子ジュニア選手権に向け、
第1次国内強化合宿を実施!




第11回世界男子ジュニア選手権大会に向けて、
男子U19日本代表が第1次国内強化合宿を実施!



選考会後、はじめて「代表17名」を招集
5日間にわたり、本格的な強化に励んだ



大会前に唯一実施される貴重な強化合宿
世界の頂点を狙うチームとなるため、汗と泥にまみれる!



夜のミーティングでは、日本代表選手の心構えから
アンチドーピング・コンディショニングの重要性等も学ぶ



合宿3日目・4日目はいよいよ実戦でチームを強化
福岡大学、ダイワアクトと計4試合のテストマッチを行った



テストマッチは4戦全敗に終わったが……
試合を重ねるにつれて選手たちは「成長」!



開催迫る第11回世界男子ジュニア選手権
王者・アルゼンチンの3連覇を阻止せよ!



日本は予選リーグでニュージーランド、カナダと同グループ
チーム一丸となって両チームを撃破し、勢いに乗りたい



臆することなく、挑め、世界へ!
その手でつかもう、「世界一」!!



男子U19日本代表・第1次国内強化合宿/長崎県長崎市

 去る6月23日(木)〜27日(月)の5日間、長崎県長崎市において男子U19日本代表が第1次国内強化合宿を実施。7月24日(日)〜30日(土)、アメリカ・ミッドランドで開催される「第11回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会(大会スケジュールはこちら)」に向けて、本格的な強化に励んだ。

 今回の第1次国内強化合宿には、今年3月に実施された「平成28年度男子U19日本代表チーム選手選考会(第11回世界男子ジュニア選手権大会出場選手選考会)」で、厳正な選考の結果、選び抜かれた「代表17名」を招集。選手個々が「日本代表チーム」としてしっかりと一つにまとまり、「世界の舞台で戦える」集団になるということはもちろん、九州の強豪・福岡大学、また、日本男子西日本リーグに所属するダイワアクトと計4試合のテストマッチを行う等、実戦にも臨み、連日強化に取り組んだ。

 合宿初日、会場となる長崎県営野球場に集合した選手たちは、早速ウォーミングアップ、キャッチボール、トスバッティングで軽く汗を流した後、シートノックで守備の連係を確認。その後、バッティングマシンを利用したフリーバッティングが行われ、合宿3日目・4日目に予定されたテストマッチに向けた準備が進められた。宿舎に入り、夕食後のミーティングでは、冒頭で山口義男ヘッドコーチが今回のチームの目標、方針を改めて確認。「目標は日本代表ではなく、世界一!」「実績が人を作る」という2つの大きなテーマを掲げ、「U19日本代表になるということがゴールではなく、あくまでもチームの目標は、この世界ジュニア選手権で『優勝』し、『世界一』をつかみ取ること。そして今大会で頂点を極めることにより、『男子ソフトボール』の存在を大いにアピールすることが我々に課せられた使命でもある。自分自身の未来を切り拓くために、また、日本のソフトボール界をこの男子からも支え、盛り上げていけるよう、チーム一丸『全力』で世界にチャレンジしよう!」と選手全員に投げかけると、「目標に向かって努力を重ね、そこで結果を出し、実績を残せば、おのずと周囲から注目される存在となる。周囲から注目される存在となれば、当然のことであるが、自分の発言や行動により責任を持たなければならない。強い責任感が生まれれば、自分に厳しくなれる。また、やるべきことが明確になり、もっと上をめざせる人間になれる。U19日本代表としての経験は、今後、君たちの人生において必ずや『大きな財産』となるだろう。目標は高く、その道は険しいかもしれない。しかし、だからこそ、やりがいもある。日本代表の誇りとプライドを胸に、皆で世界一をつかみにいこう!!」と自身の熱い思いを語った。また、ミーティングの後半では、前回、前々回の世界ジュニア選手権の映像(国際大会の様子や海外の投手、打者の映像)を視聴。ライバル国の特徴等説明を加えながら、大会本番で戦う相手を知り、研究することの重要性が説かれ、今後、上のカテゴリー(ナショナルチーム)をめざし、「日本代表」として戦い続けていくためにも、このジュニア世代から常に「世界のトップレベル」を意識しておくことの必要性や、その意識を持ち続けた中で、日々努力を積み重ねていくことが選手たちに強く求められた。

 合宿2日目も、初日と同じく長崎県営野球場を会場に強化練習。午前中は守備に重点を置き、シートノックでは選手個々の各ポジションへの適応性の確認から、カットプレー(内・外野の連係)、走者一・三塁の場面での守備、ピックオフ、ベースカバー、バント処理にいたるまでそれぞれ入念に確認。実戦を想定したゲームノックも行われ、「日本の長所」とされる守備の精度が高められた。午後からは打撃に重点が置かれ、計3台のバッティングマシンを利用した打ち込みを敢行。球威のある海外の投手をイメージし、まずは速球に目を慣らし、振り負けないこと。そして切れ味鋭いライズ・ドロップに対応するべく、タイミングのとり方やバットの出し方、ミートポイントの調整やスイング軌道の確認等、個々の選手が考え、工夫して取り組むことを念頭に置きながら、時間の許す限りバットを振り続けた。また、この日の夜のミーティングでは、田岡幸一トレーナーの説明により「アンチドーピング・コンディショニングの重要性」について学習。日本を代表する選手として必要不可欠なアンチドーピングの知識、トップアスリートに求められる体調管理の徹底や自己管理能力の必要性を学ぶと、その後は翌日からの実戦に備えて、吉村啓、田中徹浩両アシスタントコーチがチームとしての戦い方を再確認。「今回のテストマッチの相手は、福岡大学とダイワアクト。大学生、社会人チームとの対戦になり、慣れない部分も出てくると思うが、4試合すべて『勝つ』つもりで挑もう!世界の強豪と戦い、激戦を勝ち抜いていくためには、当然それぐらいの『意気込み』『覚悟』が必要になってくる。ただ試合をしたというだけでは何も得られない。何度も繰り返すようだが、このチームの目標は世界ジュニア選手権で『優勝』し、『世界一』になること。その決意を一人ひとりが絶対に忘れないでほしい」と全体の雰囲気を引き締めた。

 合宿3日目・4日目は、会場を時津B&Gグラウンドへと移し、福岡大学、ダイワアクトと計4試合のテストマッチを実施。3日目の福岡大学戦は朝から雨にたたられ、予定より2時間遅れで何とか試合を開始できたものの、先発投手を任された小山玲央の制球が定まらず、いきなり劣勢な試合展開。雨の影響もあっただろうが、ボール先行でカウントを悪くし、ストライク欲しさゆえに甘く入った球を痛打されるという悪循環に陥ってしまい、3−8で完敗。雨の上がった2試合目はうまく気持ちを切り替え、最後まで接戦を演じたが、こちらも1−2で敗れ、連敗に終わった。4日目のダイワアクト戦では、ナショナルチームのカテゴリーにおいてオーストラリア代表であり、過去に世界ジュニア選手権を制覇(2001年にオーストラリア・ブラックタウンで開催された第6回大会に出場。決勝で日本を破り、優勝投手に輝いている)した「世界一の左腕」アンドリュー・カークパトリックとの対戦は残念ながら実現しなかったものの、前日の反省を生かし、攻守に積極果敢な戦いを展開。結果的に0−1、1−2とこの日も勝利を挙げることはできず、今回のテストマッチは4戦全敗となってしまったが、試合を重ねるにつれて確かな「成長」を感じさせ、本大会に向けて期待を抱かせる部分も随所に見せてくれた。

 合宿最終日は、再び会場を長崎県営野球場へと移し、打撃・守備の課題練習。午前中のみであったが、今回の合宿で浮き彫りとなった課題を具体的に洗い出し、それを一つひとつ克服していくための練習に多くの時間が割かれた。

 開催を間近に控えた「第11回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会」。今大会は、日本にとって「因縁の相手」でもある王者・アルゼンチンが「3連覇」を狙う。アルゼンチンは、前回「強力二枚看板」として獅子奮迅の活躍を見せ、連覇達成の原動力となったウエムル・マタ、ロマン・ゴドイら主力選手がナショナルチームのカテゴリーへとステップアップ。今回は選手の顔ぶれが様変わりすることになり、戦力的には未知数だが、ここ数年の躍進ぶりを見ても分かるように、やはり「優勝候補」であることに変わりはない。日本と同じPOOL・Bで決勝トーナメント進出を争うライバルとなるのは、前回準優勝のニュージーランドとカナダ。予選リーグ1位・2位通過をめざす日本としては、決勝トーナメントを有利に戦える権利(予選リーグ1位・2位のチームには、決勝トーナメントで一度敗れても敗者復活戦に回る権利が与えられる)を得るためにこのどちらかを必ず叩かねばならず、今大会の行方を占う意味でも、この両チームとの対戦が大きな「山場」となりそうである。当然、他の相手も油断することはできないが、「世界一」を狙うのであれば、このニュージーランド、カナダに勝ち切れるチームにならなければいけない。若き戦士たちの「無限の可能性」に期待するとともに、3大会連続でチームを指揮し、これまで数々の激戦をくぐり抜けてきた名将・山口義男ヘッドコーチの「手腕」にも大いに注目したいところだ。

 世界の舞台は、まさに強者揃い。シビアな言い方になってしまうが、大会期間中は「世界の壁」にぶち当たり、その現実、またはレベルの差に打ちひしがれることも出てくるだろう。力で三振を奪うことが難しくても、あらゆる球種や投球術を駆使していかに打者を打ち取っていくか。国際大会に来て一度バッティングを崩されても、大会中の短期間で柔軟に修正する能力を身に付け、最後までしぶとく、泥臭く、戦い抜くことができるかがカギになる。これは決して並大抵のことではないが、そこにうまく「アジャスト」し、その中で自らの「活きる術」を探しながら、結果を残すしかないのである。

 第1回大会(1981年)以来遠ざかっている世界一の座。目標は高く、その道は険しいかもしれないが、やるしかない。この世界ジュニア選手権に「優勝」して、「男子ソフトボール」の存在を大きく、広く、アピールしてやろうではないか。結果がすべてと言われる勝負の世界。厳しい世界ではあるが、そこには戦う者でしか味わうことのできない究極の「醍醐味」がある。さぁ!「世界の頂点」へと挑む男子U19日本代表にともに声援を送ろう!!

 男子U19日本代表は、今後、7月21日(木)に日本を出発。「決戦の地」アメリカ・ミッドランドへと入り、現地に入った後は、カナダ、アルゼンチンと最終調整を兼ねたテストマッチを実施。24日(日)には、いよいよ「第11回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会」の開幕を迎えることとなる。
              
めざすは「世界の頂点」
戦え! 男子U19日本代表!!



平成28年度男子U19日本代表チーム選手名簿
(第11回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会出場選手)
選手(※ポジション別五十音順)
 クリックすると選手のプロフィールが表示されます
NO 守備 氏名 支部 所属 プロフィール
1 投手 小山 玲央 長崎 長崎県立佐世保西高校
2 酒井 匠 東京 日本体育大学
3 長井 風雅 広島 広島県立御調高校
4 中島 優人 東京 国士舘大学
5 メーンズ ジェーラン 秀吉 長崎 長崎県立大村工業高校
6 捕手 上田 郁也 東京 日本体育大学
7 調 和政 長崎 長崎県立佐世保西高校
8 内野手 芦田 翔 兵庫 神戸学院大学
9 今井 悠貴 岡山 平林金属
10 昆野 智之 岡山 IPU環太平洋大学
11 坂田 大士 熊本 熊本県立熊本工業高校
12 竹森 歩夢 東京 日本体育大学
13 真普@海斗 長崎 長崎県立佐世保西高校
14 松尾 舞輝 徳島 ジェイテクト
15 外野手 池田 泰一朗 東京 日本体育大学
16 瓦口 昂弥 福岡 オール福岡
17 森田 健斗 栃木 ホンダエンジニアリング

役員・スタッフ
NO 役職 氏名 支部 所属
1 団長 三宅 豊 群馬 (公財)日本ソフトボール協会
2 ヘッドコーチ 山口 義男 長崎 長崎県立大村工業高校
3 アシスタントコーチ 吉村 啓 岡山 平林金属
4 アシスタントコーチ 田中 徹浩 群馬 新島学園高校
5 マネージャー 松繁 冬樹 高知 高知県立高知農業高校
6 トレーナー 田岡 幸一   Body Laboratory
7 広報 竹普@治   日本体育社
8 帯同審判 足袋抜 豊松 石川 (公財)日本ソフトボール協会