2016.7.30
 

 



第11回世界男子ジュニア選手権大会(アメリカ・ミッドランド)

日本、「無敗」のまま完全優勝!
第1回大会(1981年)以来、2度目の世界一に輝く!!




いよいよ大会もクライマックス!
日本はファイナルでニュージーランドと再び対戦



日本の先発投手はもちろん「エース」小山玲央
球速125q/hの速球で勝負を挑んだ



ニュージーランドも「エース」ダニエル・チャップマン
を先発に起用。「世界一の座」をかけ、勝負に出る



2回裏、日本が7番・森田健斗のタイムリーで先制!



戦いは4回表にニュージーランドが同点に追いつき、熾烈を極める
7回裏、7番・森田健斗が再びタイムリーを放ち……



日本が劇的なサヨナラ勝ち!
2−1でニュージーランドを破り、「世界一」に輝いた



まさにチーム全員の力で勝ち獲った完全優勝
優勝メダルを胸に、喜びが爆発する



山口義男ヘッドコーチ、歓喜の胴上げ!



第1回大会以来2度目の「世界一」に輝いた日本
チーム一丸となり、実に35年ぶりの優勝を飾った



試合後、ニュージーランド、カナダと記念写真に収まる
決してここがゴールではない。彼らの「挑戦」は続いていく!



第11回世界男子ジュニアソフトボール選手権
(アメリカ・ミッドランド)
最終日

 第11回世界男子ジュニア選手権大会(※大会オフィシャルサイトはこちら ※大会スケジュールはこちら)もいよいよ最終日。前日、セミファイナルでニュージーランドに3−0の完封勝利を収め、一足先にファイナル(決勝/ゴールドメダルゲーム)進出を決めた日本は、この日、敗者復活戦(3位決定戦/ブロンズメダルゲーム)を勝ち上がってくるチームを待ち受け、「最後の決戦」に臨むこととなった。3位決定戦(ブロンズメダルゲーム)では、前日のセミファイナルで日本に敗れたニュージーランドと、「負けたらその時点で終わり」となる厳しい状況の中で連戦を勝ち上がり、「勢い」に乗るカナダが対戦。試合は5回表終了時点でカナダが7−4とリードし、有利に試合を進めていたが、その裏、ニュージーランド打線が爆発し、一挙7点を奪って逆転に成功。最終的にニュージーランドが計15安打を浴びせる猛攻で12−7と打ち勝ち、日本が待つファイナルへと駒を進めた。

■7月30日(土)/決勝トーナメント・ファイナル
  1 2 3 4 5 6 7
ニュージーランド 0 0 0 1 0 0 0 1
日    本 0 1 0 0 0 0 1x 2
バッテリー:○小山玲央(7回)−調和政

 今大会3度目となるニュージーランドとの対戦。日本はこの優勝をかけた「大一番」に迷わず「エース」小山玲央を起用し、必勝を期した。その小山玲央は立ち上がり、1番・ジェローム・マッケンジーをファーストフライに打ち取ったものの、2番・ケーラム・ビショップを四球で歩かせてしまい、一死一塁。さらにこの後、盗塁、四球等で一・三塁といきなりピンチを背負ったが、ここから球速125q/hの自慢の快速球でニュージーランド打線を続けて内野ゴロに打ち取り、窮地を脱出。まずは初回を無失点で切り抜けた。

 ニュージーランドの先発は、こちらも「エース」のダニエル・チャップマン。3位決定戦(カナダ戦)では先発を回避したものの、このファイナルではこれまで二度苦杯をなめさせられた日本に「リベンジ!」を誓って、再び登板してきた。日本の小山玲央と同じく、「今大会屈指の右腕」と評されるそのダニエル・チャップマンも、立ち上がりからいきなり128q/hを叩き出すなどエンジン全開。得意の膝元に「消える」ように落ちる「ドロップ」を主体に、初回は日本打線を三者連続三振に斬って取り、快調な滑り出しを見せた。

 試合が動いたのは2回裏、日本は一死から5番・松尾舞輝が一・二塁間を破るヒットで出塁。6番・池田泰一朗のサードゴロの間に代走・坂田大士が二塁へ進塁すると、ここで7番・森田健斗が「迷いのないバッティング」で鮮やかにセンター前にはじき返し、1点を先取。「優勝」のかかったこの「大一番」でも、日本が大事な先制点を奪った。

 しかし、「ソフトボール王国」の意地にかけて戦うニュージーランドも決して黙ってはいない。1−0と日本リードで迎えた4回表、3番・レイリー・マケアがレフト前ヒットで出塁し、反撃の口火を切ると、これを犠打でキッチリと送り、一死二塁。5番・ハリソン・バルクは三振に倒れたが、6番・ジェイコブ・ズルシャーが四球。二死一・二塁とし、続く7番・ザック・ボイドがセンター前に「執念」で運ぶタイムリー。二塁走者が一気に本塁へ生還し、試合を振り出しに戻した。

 試合はこの後、日本・小山玲央、ニュージーランド・ダニエル・チャップマンの両エースが一歩も譲らぬ「投げ合い」を展開。互いに120q/h台のライズ・ドロップで押しまくり、1−1とがっぷり四つに組んだまま、いよいよ最終回へと入った。

 7回表の二死二塁のピンチを凌いだ日本はその裏、この回先頭の5番・松尾舞輝がファースト前にボテボテの当たりを転がし、これが幸運にも内野安打。さらに6番・池田泰一朗の三遊間深い当たりに追いつき、二塁封殺を狙ったショートの送球が悪送球となり、この悪送球の処理をニュージーランド守備陣がもたつく間に、一塁走者・松尾舞輝の代走として入ったキャプテン・竹森歩夢が一気に本塁突入。果敢にヘッドスライディングで正面から突っ込んだが、惜しくも間一髪タッチアウト……。しかし、この竹森歩夢の気迫溢れる走塁が続く7番・森田健斗に大きな「勇気」を与えることとなり、最後はその7番・森田健斗がライトへ勝負を決める「値千金」のタイムリー。「ソフトボール王国」との息詰まる熱戦にとうとう終止符を打ち、日本が2−1と劇的なサヨナラ勝ちで見事優勝。第1回大会(1981年)以来、実に35年ぶりとなる「世界一」に輝いた。

 今大会、無敗のまま「頂点」へと登り詰め、まさに文句なしの強さで「完全優勝」を成し遂げた男子U19日本代表。世界の強豪に臆することなく立ち向かい、自らの力で新たな時代を切り拓いて見せた彼らに、心から称賛の拍手を送りたいと思う。正直なところ、今回は大会に臨むにあたってチームが思うように仕上がらず、前回以上の苦戦を強いられるのでは……とも感じられた。しかし、これが「若さの無限の可能性」か、アメリカ・ミッドランドの地で選手たちは日々たくましく成長。「ここで世界一になり、男子ソフトボールの歴史を変える!」と皆が口を揃え、その公言を見事現実のものにして見せたのである。

 この優勝は、男子ソフトボール界にとってまさしく「希望」そのもの。「新たな時代の幕開け」といってもいいだろう。今回の選手・スタッフは、大会期間中、優勝をめざすこととは別によくこう話していた。「自分たちの力で『男子ソフトボール』をもっと盛り上げていきたい!」と。「優勝」「世界一」という称号を手にはしたが、この言葉にもあるように、彼らの「挑戦」は決して終わることはない。純粋に、ただひたすらソフトボールに向かう気持ち。これから上のカテゴリー(ナショナルチーム)に上がっても、絶対に忘れないでほしいと強く思う。その思いがある限り、彼らの可能性はこうして無限に広がっていくのだから。次は真の頂点を極めるべく、ナショナルチームの一員となった彼らに会いたい。そしてまた、皆で「世界一になる!」という目標を高々と掲げたいものである。

 誇り高き17名の戦士たちよ、また会おう! そして……本当におめでとう! 男子U19日本代表!!



決勝トーナメント・ファイナル
ニュージーランド戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 SS 芦田翔 神戸学院大 12
2 調和政 佐世保西高 2
3 CF 瓦口昂弥 オール福岡 8
4 DP 真賦C斗 佐世保西高 3
5 1B 松尾舞輝 ジェイテクト 17
6 RF 池田泰一朗 日本体育大 7
7 LF 森田健斗 ホンダエンジニアリング 23
8 2B 今井悠貴 平林金属 4
9 3B 昆野智之 IPU環太平洋大 6
FP 小山玲央 佐世保西高 1

選手交代
イニング
2回裏 代走 松尾OUT→坂田大士(熊本工業高)IN  
3回表 再出場 坂田OUT→松尾舞輝(ジェイテクト)IN  
7回裏 代走 松尾OUT→竹森歩夢(日本体育大)IN  




第11回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会出場選手
選手(※ポジション別五十音順)
NO 守備 氏名 支部 所属 プロフィール
1 投手 小山 玲央 長崎 長崎県立佐世保西高校
2 酒井 匠 東京 日本体育大学
3 長井 風雅 広島 広島県立御調高校
4 中島 優人 東京 国士舘大学
5 メーンズ ジェーラン 秀吉 長崎 長崎県立大村工業高校
6 捕手 上田 郁也 東京 日本体育大学
7 調 和政 長崎 長崎県立佐世保西高校
8 内野手 芦田 翔 兵庫 神戸学院大学
9 今井 悠貴 岡山 平林金属
10 昆野 智之 岡山 IPU環太平洋大学
11 坂田 大士 熊本 熊本県立熊本工業高校
12 竹森 歩夢 東京 日本体育大学
13 真普@海斗 長崎 長崎県立佐世保西高校
14 松尾 舞輝 徳島 ジェイテクト
15 外野手 池田 泰一朗 東京 日本体育大学
16 瓦口 昂弥 福岡 オール福岡
17 森田 健斗 栃木 ホンダエンジニアリング

役員・スタッフ
NO 役職 氏名 支部 所属
1 団長 三宅 豊 群馬 (公財)日本ソフトボール協会
2 ヘッドコーチ 山口 義男 長崎 長崎県立大村工業高校
3 アシスタントコーチ 吉村 啓 岡山 平林金属
4 アシスタントコーチ 田中 徹浩 群馬 新島学園高校
5 マネージャー 松繁 冬樹 高知 高知県立高知農業高校
6 トレーナー 田岡 幸一   Body Laboratory
7 広報 竹普@治   日本体育社
8 帯同審判 足袋抜 豊松 石川 (公財)日本ソフトボール協会