2012.4.10
 

 

女子日本代表レポート

第13回世界女子選手権
代表17名が決定!

第13回世界女子選手権大会へ臨む
代表選手17名の記者発表が行われた

記者発表冒頭、挨拶する笹田嘉雄専務理事(中央)

代表選手17名を読み上げる三宅豊選手強化本部長(右)

大会への意気込みを語る宇津木麗華ヘッドコーチ(左)

今大会でも「エース」として期待される上野由岐子投手

世界選手権へ向け、新調されたユニフォーム

1970年以来の世界選手権優勝へ向け、チーム一丸!

 


 4月9日(月)、公益財団法人日本ソフトボール協会は東京・渋谷の岸記念体育会館で記者発表を行い、「第13回世界女子選手権大会」の代表選手17名を発表した。
 「第13回世界女子選手権大会」は、7月13日(金)〜22日(日)、カナダ・ホワイトホースで開催が予定されており、女子日本代表は1970年以来となる「王座奪還」をめざし、大会に臨むことになる。

 記者発表には、公益財団法人日本ソフトボール協会・笹田嘉雄専務理事、同協会・三宅豊選手強化本部長、女子日本代表・宇津木麗華ヘッドコーチ、上野由岐子投手、岩渕有美外野手が出席。
 冒頭、笹田嘉雄専務理事が挨拶に立ち、続いて三宅豊選手強化本部長が「第13回世界女子選手権大会」に出場する代表選手17名の名前を一人ひとり読み上げた。
 従来の「公募形式」の代表選考会を取り止め、宇津木麗華ヘッドコーチらコーチングスタッフのチーム作りの方向性・意向を踏まえ、過去の国際大会の実績、日本リーグ等の国内主要大会の成績等を総合的に加味し、選手強化本部会で「代表候補選手」を選出。その「代表候補選手」中から、昨年夏のカナダカップ(カナディアンオープン)、USAワールドカップ、9月のアジア女子選手権(世界選手権アジア地区予選)の「実戦」を経て、今年3月の第1次海外強化合宿でも「2012インターナショナルソフトボールチャレンジ」に出場し、オーストラリア代表を相手に7試合を行い、世界選手権に臨む代表17名を選び出した。代表選手名簿はこちら

 第13回世界女子選手権大会には、中国、チェコ、ドミニカ、オランダ、プエルトリコ、南アフリカ、アメリカ、ベネズエラ、オーストラリア、カナダ、台湾、イギリス、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランドの16カ国が参加。
 日本は、オーストラリア、カナダ、台湾、イギリス、イタリア、メキシコ、ニュージーランドと同組のセクションBに入った。大会の組み合わせはこちら

 宇津木麗華ヘッドコーチは、「世界の舞台で戦うために、精神的にも肉体的にもタフで強い選手たちを選んだ。また、過去の世界選手権を振り返ると、投手5名をベンチ入りさせていても、実際に試合で登板する投手は軸になる投手2名、多くても3名というケースが多いことから、ベンチ入りが17名の場合、『常識』とされてきた投手5名の編成から1名減らして4名の編成とし、その分、野手を厚くし、打ち勝つチームをめざした」と攻撃的なチーム作りの方向性を示し、「今、世の中は女子サッカー、なでしこジャパン一色になっている。ここでソフトボールの面白さ、素晴らしさをアピールしないと、ソフトボールの未来はない。そのためにも勝って、世界一になって、もう一度ソフトボールの魅力を皆さんに伝えたい」と、この世界選手権に賭ける思いを語った。

 代表選手の顔ぶれを見てみると、投手陣は、2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得し、「伝説」となったエース・上野由岐子。同じく北京オリンピックの金メダリストであり、「上野不在」であった前回の世界選手権でエース格の働きを見せ、準優勝の原動力となった染谷美佳。この国際舞台で「実績」があり、経験豊富な「二枚看板」を投手陣の軸に据え、昨年、日本リーグで9勝を挙げ、成長著しい栗田美穂。同じく昨年の日本リーグで6勝を挙げるなど、頭角を現してきた「期待の若手」藤田倭。以上、4名の編成となった。

 捕手は、2007年の世界女子ジュニア選手権でキャプテンを務め、準優勝。翌年の北京オリンピックではチーム最年少で代表入りし、金メダルを獲得。前回の世界選手権でも巧みなリードで投手陣の能力・個性を最大限に引き出し、チームの準優勝に大きく貢献する等、若くして輝かしい実績と豊富な経験を持つ峰幸代。日本リーグ2連覇を果たしたトヨタ自動車で世界選手権では最大のライバルとなるアメリカの「エース」モニカ・アボットの『恋女房』でもある渡邉華月の2名が選ばれた。

 内野手は、「今回の世界選手権の主力に」と期待されていた選手数名が昨シーズン限りでの現役引退を表明する等、入れ替わりの激しいポジションとなったが、北京オリンピックの金メダルを経験している名手・西山麗、前回の世界選手権準優勝メンバー・坂元令奈を中心に、地味ながら「つなぎ」の上手い大久保美紗、思い切りの良いスイングと長打力が魅力の鈴木美加、何度も「日本代表候補」に名を連ねながら、最後の最後で涙を飲んできた古田真輝、唯一の大学生で「若さの無限の可能性」が期待され、大抜擢された相馬満利の6名が選出された。

 外野手は、北京オリンピックの金メダリストであり、「ソフトボール界のイチロー」山田恵里を中心に、2002年世界選手権準優勝、2004年アテネオリンピック・銅メダリストのベテラン・岩渕有美が代表復帰。前回の世界選手権準優勝メンバーである河野美里。2003年の世界女子ジュニア選手権で「世界一」を経験し、一昨年、昨年とトヨタ自動車の日本リーグ連覇の中心メンバーとなった藤野遥香。得意のスラップと小技を武器に、日本得意の「機動力」を象徴する存在である「スピードスター」関友希央。以上5名が選び出された。

 また、この日の記者発表では、ソフトボール日本代表チームのオフィシャルサプライヤーである「ミズノ」が、第13回世界女子選手権大会に合わせて、新たに制作した女子日本代表のユニフォームもお披露目された。
 新たなユニフォームは、「つながり、仲間」と「復興への光」をテーマとしてデザインされ、ユニフォームのメインカラーは引き続き赤、白が採用され、ホーム用の赤を基調としたユニフォームのシャツの裾から放射状に広がるラインは、東日本大震災からの「復興の光」をイメージ。胸の「JAPAN」のロゴの「J」の文字が全体を支えることで、「つながり、仲間」を表現し、「皆で同じ船に乗っている」ことをイメージしている。
 素材面では、北京オリンピックモデルと同様に鮮やかな色彩と軽量性を保つため、繊維にインクを浸透させる「昇華プリント」を採用。縦横の伸縮性の高いメッシュ素材を使い、細めのシルエットでタイトフィットのアンダーシャツとの重ね着の際にも、その動きを妨げることなく、スムーズな動きをサポート。脇の前面、背面にストレッチ性の高い素材を組み合わせることで、身体のねじりにも対応できるような工夫が施されている。

 2008年の北京オリンピックで悲願の「金メダル」を手にし、「世界の頂点」に立ったとはいえ、世界選手権では1970年の第2回大会以来、優勝がない。久しく遠ざかっている世界選手権優勝。アメリカの世界選手権8連覇を阻止し、狙うは「王座奪還」。宇津木麗華ヘッドコーチ率いる女子日本代表の「戦い」に注目したい。

●第13回世界女子選手権大会 代表選手(17名)

・投手
 上野由岐子(ルネサスエレクトロニクス高崎)
 栗田 美穂(豊田自動織機)
 染谷 美佳(デンソー)
 藤田  倭(太陽誘電)
・捕手
 峰  幸代(ルネサスエレクトロニクス高崎)
 渡邉 華月(トヨタ自動車)
・内野手
 大久保美紗(ルネサスエレクトロニクス高崎)
 坂元 令奈(トヨタ自動車)
 鈴木 美加(トヨタ自動車)
 相馬 満利(日本体育大)
 西山  麗(日立ソフトウェア)
 古田 真輝(豊田自動織機)
・外野手
 岩渕 有美(ルネサスエレクトロニクス高崎)
 河野 美里(太陽誘電)
 関 友希央(ルネサスエレクトロニクス高崎)
 藤野 遥香(トヨタ自動車)
 山田 恵里(日立ソフトウェア)
※ポジション別50音順

●第13回世界女子選手権大会組み合わせ ※日本戦抜粋 

予選リーグ
日付 時間 チーム名   チーム名
7月13日(金) 14:30 日本 vs オーストラリア
18:00 オープニングセレモニー
7月14日(土) 18:30 日本 vs ニュージーランド
7月15日(日) 19:00 カナダ vs 日本
7月16日(月) 18:30 台湾 vs 日本
7月17日(火) 18:30 日本 vs イタリア
7月18日(水) 14:00 イギリス vs 日本
7月19日(木) 16:00 メキシコ vs 日本
決勝トーナメント セクションA・B上位4チームによるダブルページシステム
7月20日(金) 12:00 セクションA3位 vs セクションB4位 ※P1
14:30 セクションB3位 vs セクションA4位 ※P2
17:00 セクションA1位 vs セクションB2位 ※P3
19:30 セクションA2位 vs セクションB1位 ※P4
7月21日(土) 12:00 P1の勝者 vs P3の敗者 ※P5
14:30 P2の勝者 vs P4の敗者 ※P6
17:00 P3の勝者 vs P4の勝者 ※P7
19:30 P5の勝者 vs P6の勝者 ※P8
7月22日(日) ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)
13:00 P8の勝者 vs P7の敗者 ※P9
ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)
16:00 P9の勝者 vs P7の勝者

※試合時間は現地時間 日本との時差はマイナス16時間(サマータイム実施時)