2012.7.15

 

 

──B
第13回世界女子ソフトボール選手権大会 第2日

日本、ニュージーランドに大勝!
5回コールドで2勝目を挙げる!!

初戦のオーストラリアに快勝した日本は、
大会2日目、ニュージーランドと対戦した

ニュージーランドは捕手、二塁手が左利きと
いう珍しい布陣で日本に挑んできたが……

先発し、3イニングを被安打1・無失点と
好投した藤田。しっかりと試合を作った

初回、満塁の走者を一掃する二塁打を放った古田

「キャプテン」としてチームを引っ張る岩渕。
チーム最年長の「激走」がベンチを沸かせた

この日も日本の「鉄壁の守備」が光った

ニュージーランドにコールド勝ち!
明日は地元・カナダとの対戦となる

 
 
 
 


 大会2日目(7月14日/土)、日本は予選リーグ第2戦でニュージーランドと対戦した。ニュージーランドは大会初日のメキシコ戦に7−3と快勝しており、勢いに乗って日本に挑んできた。
 ニュージーランドは、男子では世界選手権3連覇の偉業を達成するなど、「強豪」としてその名を轟かせているが、女子は「怪物」ジーナ・ウェバーを擁し、1982年の第5回大会を制し、「世界一」となっているものの、近年は目立った成績を残すことができず、低迷している。
 また、日本も1970年の第2回大会を制しているものの、その後は長らく王座を明け渡し、1986年の第6回大会以降は、アメリカが「7連覇」と勝ち続け、「一人勝ち」の状態が続いている。
 かつて「世界一」を経験したチーム同士が、予選リーグ第2戦で対戦した。

大会第2
選リーグ第2戦/ニュージーランド戦

  1 2 3 4 5
日      本 4 0 0 3 0 7
ニュージーランド 0 0 0 0 0 0
○藤田(3回)・栗田(1回)・染谷(1回)−渡邉
長打:〔三塁打〕鈴木〔二塁打〕古田、山田

 先攻の日本は初回、1番・河野美里の左中間への長打性の当たりは相手センターの好守備に阻まれたものの、2番・西山麗が四球を選び、3番・大久保美紗が「持ち味」を十分生かした右打ちで渋くライト前に落とし、一・二塁。4番・山田恵里も四球を選び、満塁とし、5番・藤野遥香の強烈な当たりがエラーを誘い、まず1点を先制。なお満塁のチャンスが続き、この試合、スタメンに起用された6番・古田真輝がライト線へ走者一掃のタイムリーツーベースを放ち、この回一挙4点を奪い、早々と勝負を決めたしまった。

 日本の先発は藤田倭。二死からポテンヒットの走者を一人出したものの、初回に4点のリードをもらったこともあり、落ち着いたピッチングで後続を断ち、上々の立ち上がりを見せると、続く2回裏、3回裏は簡単に三者凡退。先発ピッチャーとして試合を作り、十分に先発の責任を果たすピッチングを見せ、今後に大きな期待が膨らむ好投で3イニングを無失点に抑えた。

 追加点の欲しい日本は4回表、チームを引っ張る「キャプテン」7番・岩渕有美がセンター前へクリーンヒット。続く8番・鈴木美加は進塁打を意識しながらも、持ち前の長打力を発揮し、ライトオーバーのスリーベース。途中、足がもつれそうになりながらも一気にホームを駆け抜けた「チーム最年長」の岩渕有美の「激走」に日本ベンチが大いに沸いた。
 続く9番・渡邉華月もセンター前にはじき返し、1点を追加。さらに途中出場の1番・関友希央、2番・相馬満利の「ちびっこコンビ」が持ち前の機動力を生かしたスラップ、セーフティーバントで揺さぶりをかけると、これに動揺したか、ニュージーランドの守備が乱れ、さらに1点を追加。この回3点を挙げ、大きくリードを広げた。

 守っては、先発・藤田倭が3イニングを無失点に抑えると、栗田美穂、染谷美佳とつなぎ、ニュージーランド打線を完封。7−0の5回コールド勝ちを収め、今大会2勝目を挙げた。

 確か、テクニカルミーティングでは、「オーストラリア戦以外はコイントスに勝って後攻を選択した」と、宇津木麗華ヘッドコーチは語っていたはずだが……この試合も先攻(笑)。ただ、そのときにも宇津木麗華ヘッドコーチ自身が、「このチームは打線がいいので先攻向き」の言葉をしっかりと証明する試合結果となった。

 また、昨日のオーストラリア戦とスタメンを入れ替えたサードの古田真輝が満塁から走者一掃の二塁打を放ち、3打点の活躍を見せれば、同じくキャッチャーの渡邉華月もタイムリーを放つなど、宇津木麗華ヘッドコーチの選手起用が大当たり。選手もその起用・期待にしっかりと応えている。

 明日は、地元・カナダとの対戦。今日のメキシコ戦でも土曜日とあって満員の観客が詰めかけ、カナダの一投一打に大いに盛り上がり、熱い声援でチームを後押ししていた。
 明日は日曜日。まだ、大会序盤とはいえ、「全勝同士」の日本との対戦が盛り上がらない訳がない。今日以上の観客が詰めかけ、「サポーター」となり、日本に挑んでくることだろう。
 この世界選手権の直前に行われたカナダカップ(カナディアンオープン)では、予選リーグの対戦で最終回ツーアウトまでリードを奪われる場面もあっただけに、日本にとっては予選リーグ「最大の難敵」であり、「最大の山場」といえるだろう。
 明日の対戦が、今から楽しみである。



第13回世界女子選手権大会 第2日

予選リーグ第2戦 ニュージーランド戦スターティングラインアップ
打順 守備 選手名 所属
1 9 河野 美里 太陽誘電
2 6 西山  麗 日立ソフトウェア
3 3 大久保美紗 ルネサスエレクトロニクス高崎
4 8 山田 恵里 日立ソフトウェア
5 DP 藤野 遥香 トヨタ自動車
6 5 古田 真輝 豊田自動織機
7 7 岩渕 有美 ルネサスエレクトロニクス高崎
8 4 鈴木 美加 トヨタ自動車
9 2 渡邉 華月 トヨタ自動車
FP 藤田  倭 太陽誘電

※選手交代
イニング  
2回表 代打 河野OUT→関友希央(ルネサスエレクトロニクス高崎)IN
代打 西山OUT→相馬満利(日本体育大)IN
2回裏 守備交代 代打の関がライト、同じく相馬がショートの守備に入る
4回裏 投手交代 藤田OUT→栗田美穂(豊田自動織機)IN
守備交代 DP・藤野がレフトの守備に入る
5回裏 投手交代 栗田OUT→染谷美佳(デンソー)IN