大会2日目(7月14日/土)、日本は予選リーグ第2戦でニュージーランドと対戦した。ニュージーランドは大会初日のメキシコ戦に7−3と快勝しており、勢いに乗って日本に挑んできた。
ニュージーランドは、男子では世界選手権3連覇の偉業を達成するなど、「強豪」としてその名を轟かせているが、女子は「怪物」ジーナ・ウェバーを擁し、1982年の第5回大会を制し、「世界一」となっているものの、近年は目立った成績を残すことができず、低迷している。
また、日本も1970年の第2回大会を制しているものの、その後は長らく王座を明け渡し、1986年の第6回大会以降は、アメリカが「7連覇」と勝ち続け、「一人勝ち」の状態が続いている。
かつて「世界一」を経験したチーム同士が、予選リーグ第2戦で対戦した。
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1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
計 |
日 本 |
4 |
0 |
0 |
3 |
0 |
7 |
ニュージーランド |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
○藤田(3回)・栗田(1回)・染谷(1回)−渡邉 |
長打:〔三塁打〕鈴木〔二塁打〕古田、山田 |
先攻の日本は初回、1番・河野美里の左中間への長打性の当たりは相手センターの好守備に阻まれたものの、2番・西山麗が四球を選び、3番・大久保美紗が「持ち味」を十分生かした右打ちで渋くライト前に落とし、一・二塁。4番・山田恵里も四球を選び、満塁とし、5番・藤野遥香の強烈な当たりがエラーを誘い、まず1点を先制。なお満塁のチャンスが続き、この試合、スタメンに起用された6番・古田真輝がライト線へ走者一掃のタイムリーツーベースを放ち、この回一挙4点を奪い、早々と勝負を決めたしまった。
日本の先発は藤田倭。二死からポテンヒットの走者を一人出したものの、初回に4点のリードをもらったこともあり、落ち着いたピッチングで後続を断ち、上々の立ち上がりを見せると、続く2回裏、3回裏は簡単に三者凡退。先発ピッチャーとして試合を作り、十分に先発の責任を果たすピッチングを見せ、今後に大きな期待が膨らむ好投で3イニングを無失点に抑えた。
追加点の欲しい日本は4回表、チームを引っ張る「キャプテン」7番・岩渕有美がセンター前へクリーンヒット。続く8番・鈴木美加は進塁打を意識しながらも、持ち前の長打力を発揮し、ライトオーバーのスリーベース。途中、足がもつれそうになりながらも一気にホームを駆け抜けた「チーム最年長」の岩渕有美の「激走」に日本ベンチが大いに沸いた。
続く9番・渡邉華月もセンター前にはじき返し、1点を追加。さらに途中出場の1番・関友希央、2番・相馬満利の「ちびっこコンビ」が持ち前の機動力を生かしたスラップ、セーフティーバントで揺さぶりをかけると、これに動揺したか、ニュージーランドの守備が乱れ、さらに1点を追加。この回3点を挙げ、大きくリードを広げた。
守っては、先発・藤田倭が3イニングを無失点に抑えると、栗田美穂、染谷美佳とつなぎ、ニュージーランド打線を完封。7−0の5回コールド勝ちを収め、今大会2勝目を挙げた。
確か、テクニカルミーティングでは、「オーストラリア戦以外はコイントスに勝って後攻を選択した」と、宇津木麗華ヘッドコーチは語っていたはずだが……この試合も先攻(笑)。ただ、そのときにも宇津木麗華ヘッドコーチ自身が、「このチームは打線がいいので先攻向き」の言葉をしっかりと証明する試合結果となった。
また、昨日のオーストラリア戦とスタメンを入れ替えたサードの古田真輝が満塁から走者一掃の二塁打を放ち、3打点の活躍を見せれば、同じくキャッチャーの渡邉華月もタイムリーを放つなど、宇津木麗華ヘッドコーチの選手起用が大当たり。選手もその起用・期待にしっかりと応えている。
明日は、地元・カナダとの対戦。今日のメキシコ戦でも土曜日とあって満員の観客が詰めかけ、カナダの一投一打に大いに盛り上がり、熱い声援でチームを後押ししていた。
明日は日曜日。まだ、大会序盤とはいえ、「全勝同士」の日本との対戦が盛り上がらない訳がない。今日以上の観客が詰めかけ、「サポーター」となり、日本に挑んでくることだろう。
この世界選手権の直前に行われたカナダカップ(カナディアンオープン)では、予選リーグの対戦で最終回ツーアウトまでリードを奪われる場面もあっただけに、日本にとっては予選リーグ「最大の難敵」であり、「最大の山場」といえるだろう。
明日の対戦が、今から楽しみである。
第13回世界女子選手権大会 第2日
予選リーグ第2戦 ニュージーランド戦スターティングラインアップ |
打順 |
守備 |
選手名 |
所属 |
1 |
9 |
河野 美里 |
太陽誘電 |
2 |
6 |
西山 麗 |
日立ソフトウェア |
3 |
3 |
大久保美紗 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
4 |
8 |
山田 恵里 |
日立ソフトウェア |
5 |
DP |
藤野 遥香 |
トヨタ自動車 |
6 |
5 |
古田 真輝 |
豊田自動織機 |
7 |
7 |
岩渕 有美 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
8 |
4 |
鈴木 美加 |
トヨタ自動車 |
9 |
2 |
渡邉 華月 |
トヨタ自動車 |
FP |
P |
藤田 倭 |
太陽誘電 |
※選手交代 |
イニング |
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2回表 |
代打 |
河野OUT→関友希央(ルネサスエレクトロニクス高崎)IN |
〃 |
代打 |
西山OUT→相馬満利(日本体育大)IN |
2回裏 |
守備交代 |
代打の関がライト、同じく相馬がショートの守備に入る |
4回裏 |
投手交代 |
藤田OUT→栗田美穂(豊田自動織機)IN |
〃 |
守備交代 |
DP・藤野がレフトの守備に入る |
5回裏 |
投手交代 |
栗田OUT→染谷美佳(デンソー)IN |
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