2013.7.15

 

 

第8回USAワールドカップ


女子日本代表、宿敵アメリカを破り、
2005年以来、2度目の戴冠!



女子日本代表が2005年以来となる優勝を飾った



日本、アメリカ、オーストラリア、カナダ、プエルトリコの代表チームが アメリカ・オクラホマシティに集結!
4日間にわたり、熱戦を展開!!



大会参加だけではなく、野球・ソフトボールの2020オリンピック 競技復帰もアピール! 
WBSC(世界野球ソフトボール連盟)の オフィシャルサイトにも掲載され、オリンピック競技復帰を訴えた



予選リーグではカナダに敗れるという「波乱」もあったが……



「宿敵」アメリカの「ホーム」で二度にわたって勝利!
チーム一丸の戦いで2005年以来となる優勝を飾った



「世界一」となったU19日本代表選手も合流し、将来を見据え、 「収穫」を手にすると同時に、しっかりと「結果」も出して優勝を 飾った意味は大きい!
決勝は上野抜きでアメリカを撃破した



昨年、42年ぶりとなる世界選手権優勝をもたらした宇津木麗華、 ルーシー・カサレスの「名コンビ」が、今回も日本を優勝に導いた



メンバーの入れ替わりはあっても変わらぬ「強さ」を発揮する……。
これこそが女子日本代表の「良き伝統」であり、勝者の「DNA」が 次なる世代へ確実に受け継がれ、息づいてている「証」でもある

※写真撮影・提供:ミズノ株式会社 塚原弘珠
 

 去る7月11日(木)〜14日(日)、アメリカ・オクラホマシティで開催された「第8回USAワールドカップ」(大会正式名称:General Tire World Cup of Softball VIII/大会オフィシャルホームページはこちら)に出場していた女子日本代表(代表選手名簿はこちら)が、2005年の第1回大会以来となる優勝を飾った(予選リーグ戦績表はこちら 最終順位決定戦の結果はこちら)。

 7月4日(木)〜7日(日)、岐阜県揖斐川町で開催された「ぎふ清流国体開催記念第2回東アジアカップ」を4戦全勝で制した女子日本代表は、その足で渡米。アメリカ・オクラホマシティへと渡り、「第8回USAワールドカップ」に出場した。

 大会には、ホスト国のアメリカをはじめ、オーストラリア、カナダ、プエルトリコ、日本の代表チームが参加。シングルラウンドロビン(1回戦総当たり)の予選リーグを行い、その順位に基づき、予選リーグ1位と2位、3位と4位が対戦する最終順位決定戦を行う試合方式で覇が競われた。

 大会初日(7月11日/木)、日本は初戦で難敵・オーストラリアと対戦。初回、「切り込み隊長」河野美里がセンター前ヒットで出塁。2番・西山麗の送りバントが内野安打となり、無死一・二塁とし、3番・林佑季が手堅く送り、二・三塁とチャンスを広げると、4番・峰幸代は故意四球で歩かされ、満塁。続く5番・大久保美紗のセカンドゴロで一塁走者が二塁フォースアウトになる間に、三塁走者が生還し、1点を先制。さらに6番・永吉理恵が三遊間を鋭く破るタイムリーを放ち、この回2点を先制した。
 日本の先発は「エース」上野由岐子。早々と2点のリードをもらい、「楽勝」かと思われたが、3回裏に3安打を集中され、2点を失い、試合は振出に戻った。
 日本は、その直後の4回表、この回先頭の6番・永吉理恵が四球を選び、出塁。続く7番・島崎望が三遊間を破り、無死一・二塁とし、8番・国吉早乃花が確実に送り、一死二・三塁とチャンスを広げ、9番・市口がしぶとくヒットエンドランを決め、三塁走者を迎え入れ、1点を勝ち越し。
 このリードを「エース」上野由岐子が9安打されながらも守り切り、3−2で辛勝。まず1勝を挙げた。

 大会2日目(7月12日/金)はカナダ戦と対戦。この大会の直前、カナダ・ブランプトンで開催された「第10回世界女子ジュニア選手権大会」で3大会ぶり5度目の「世界一」に輝いたU19日本代表から合流した「期待の若手」中野花菜が先発。3回裏に1点を失ったものの、4イニングで1失点とまずまずのピッチングを見せ、同じくU19日本代表から合流した岡村奈々につないだが、その岡村奈々が1−1の同点で迎えた7回裏、一死二塁からレフトオーバーのタイムリーツーベースを浴び、サヨナラ負け。打線もわずか4安打で1得点と振るわず、1−2で敗れ、今大会初黒星を喫した。

 大会3日目(7月13日/土)、この日はダブルヘッダーとなり、まずプエルトリコと対戦。日本は3回裏、二死から9番・永吉理恵が死球で出塁し、続く1番・河野美里がライナーでライト頭上を越すタイムリーツーベース。まず1点を先制すると、2番・渥美万奈の四球で一・二塁とし、すかさずダブルスチールで揺さぶり、これがキャッチャーの三塁悪送球を誘い、2点目。さらに3番・市口侑果も四球を選び、一・三塁とすると、今度は一塁走者と三塁走者の間でダブルスチール。これが見事に決まり、「日本らしい」機動力を使った攻めで追加点を挙げ、この回3点を先制した。
 終盤6回裏には、7番・小野奈津子が三塁打を放ち、追加点のチャンスをつかむと、8番・大久保美紗がキッチリとライトへ犠牲フライを打ち上げ、決定的な4点目。ソツのない攻めで追加点を挙げた。
 守っては、「世界一」のU19日本代表から合流した中野花菜、小薗美希が若さ溢れるピッチングを展開。先発・中野花菜が4イニングを無失点で抑え、しっかりと試合を作ると、5回からリリーフした小薗美希は3イニングをノーヒットピッチング。プエルトリコ打線に最後まで得点を許さず、4−0で快勝した。

 この日、ダブルヘッダーの日本は、予選リーグ初戦で、カナダに7−0の5回コールド勝ち、オーストラリアにも4−0と完勝し、強さを見せるホスト国・アメリカと対戦。この試合を落すと2位以上・決勝進出の可能性がなくなる日本が、見事な先制攻撃を見せた。
 先攻の日本は初回、「切り込み隊長」河野美里が先頭打者本塁打を放ち、チームに勇気と勢いを与えると、二死後、4番・峰幸代、5番・大久保美紗の長短打で二・三塁と攻め立て、日本のいきなりの積極果敢な攻めに浮足立ったアメリカバッテリーのワイルドピッチ、パスボールで労せずして2点を追加。初回に大きな3点を先制した。
 日本の先発は「エース」上野由岐子。初回にいきなり3点のリードをもらいながら、その裏、2回裏と1点ずつと失い、1点差に迫られた。
 追加点のほしい日本は4回表、5番・大久保美紗、6番・国吉早乃花の長短打で無死二・三塁とし、7番・島崎望、代打・小野奈津子のタイムリーなどでこの回3点を追加。6回表にもダメ押しの1点を加え、追いすがるアメリカを突き放した。
 日本の先発・上野由岐子は、いつもの相手を圧倒するようなピッチング、手も足も出ないというような投球内容ではなかったが、珍しく!? 打線の援護があったこともあり、試合展開を見ながら、あるいは得点差を考えながらの「大人」のピッチング。8安打・4失点ながら、「余裕」を感じさせるピッチングで予選リーグ1位通過をほぼ確実なものとした。

 大会最終日(7月14日/日)、まず予選リーグの残り1試合、アメリカとプエルトリコの一戦が行われ、アメリカが10−3の5回コールド勝ちでプエルトリコを一蹴。これで日本、アメリカ、カナダの3チームが3勝1敗で並んだが、同率で並ぶ3チーム間の対戦成績はいずれも1勝1敗(日本がアメリカに勝ち、カナダに敗れ、カナダは日本に勝ち、アメリカに敗れ、アメリカはカナダに勝ち、日本に敗れている)、同率で並ぶ3チームの対戦における総失点は日本が6、アメリカが7、カナダが8となり、最も失点の少ない日本の1位が決定。失点7のアメリカが2位、失点8のカナダが3位となり、その順位に基づき、最終順位決定戦に進むことになった。

 予選リーグ1位で最終順位決定戦・決勝に進んだ日本は、「宿敵」アメリカと再戦。この試合も日本打線が爆発! 初回に今大会大当たりの「切り込み隊長」河野美里が安打で出塁すると、2つの内野ゴロで三塁へ進み、「4番でキャプテン」の重責を担う峰幸代が先制のタイムリー。続く2回表には、一死から7番・小野奈津子、8番・島崎望の連打でチャンスをつかみ、二死後、1番・河野美里が故意四球で歩かされ、満塁となった後、2番・市口侑果、3番・林佑季の連続タイムリーで一挙4点を追加。大きくリードを奪った。
 2回裏、3回裏に1点ずつを返され、迎えた4回表には、2番・市口侑果、3番・林佑季の長短打で貴重な追加点を挙げ、追い上げにかかるアメリカを突き放した。
 守っては、「世界一」のU19日本代表から「昇格」したばかりの岡村奈々、中野花菜とつなぎ、「エース」上野由岐子を温存したまま、6−3で快勝。再びアメリカを破り、2005年以来となる優勝を飾った。




第8回USAワールドカップ/アメリカ・オクラホマシティ

7月11日(木)/予選リーグ第1戦

  1 2 3 4 5 6 7
日  本 2 0 0 1 0 0 0 3
オーストラリア 0 0 2 0 0 0 0 2
バッテリー:○上野(7回)−峰

7月12日(金)/予選リーグ第2戦
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 0 0 0 0 1 0 0 1
カナダ 0 0 1 0 0 0 1x 2
バッテリー:中野(4回)・●岡村(2回1/3)−峰

7月13日(土)/予選リーグ第3戦
  1 2 3 4 5 6 7
プエルトリコ 0 0 0 0 0 0 0 0
日  本 0 0 3 0 0 1 x 4
バッテリー:○中野(4回)・小薗(3回)−我妻・青木
長打:〔三塁打〕小野〔二塁打〕河野

7月13日(土)/予選リーグ第4戦
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 3 0 0 3 0 1 0 7
アメリカ 1 1 0 0 2 0 0 4
バッテリー:○上野(7回)−峰
長打:〔本塁打〕河野〔二塁打〕大久保、国吉
※日本、予選リーグ3勝1敗の1位で通過

7月14日(日)/最終順位決定戦・決勝
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 1 4 0 1 0 0 0 6
アメリカ 0 1 1 0 0 0 1 3
バッテリー:岡村(2回)・○中野(5回)−峰
長打:〔三塁打〕市口
※日本、優勝