第14回世界女子ソフトボール選手権大会アジア地区予選第4日、昨日、予選リーグ第3戦(中国戦)、第4戦(台湾戦)に連勝し、予選リーグ1位通過を確定させ、早々と世界選手権への出場権を獲得した日本は、まず予選リーグ最終戦で香港と対戦。この日は午後、そのまま決勝トーナメントへと入るスケジュールが組まれ、決勝トーナメントでは予選1位・2位戦で中国と対戦することになった。
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1 |
2 |
3 |
4 |
計 |
香 港 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
日 本 |
7 |
2 |
1 |
x |
10 |
※大会規程により4回得点差コールド |
日本:○栗田 美穂(4回)−峰 幸代 |
長打:〔二塁打〕永吉 理恵 |
予選リーグ最終戦となる香港戦。昨日、このアジア地区予選最大の「山場」となる中国、台湾戦に続けて快勝し、勢いをつけた日本は、ここまで4連敗と未だ勝ち星がない香港とまず対戦。日本は初回、この試合先発投手に起用された栗田美穂が、テンポの良いピッチングで香港打線を三者凡退に打ち取り、まずは快調なスタートを切った。
打線はその裏、1番・市口侑果がいきなりセンター前にクリーンヒット。この打球を相手中堅手がはじき、後逸する間に、一気に二塁を陥れると、続く2番・渥美万奈は、しっかりとボールを見極め、四球。いきなり無死一・二塁の先制のチャンスを迎えた。このチャンスに3番・国吉早乃花が痛烈な当たりで二遊間を破り、早々と1点を先制。さらにここから相手投手の制球の乱れに乗じて、押し出し、7番・永吉理恵のタイムリーツーベースなどで一気に得点を重ね、この回7得点。初回であっという間に試合を決めてしまった。日本打線は、続く2回裏にも相手守備の乱れに乗じて2点を追加。3回裏には二死三塁のチャンスから5番・島崎望の二遊間を破るタイムリーで1点を加え、毎回得点の猛攻で4回コールド勝ちが成立する10点差にリードを広げた。
守っては、先発・栗田美穂が初回から大量援護をもらったこともあり、余裕のピッチングで香港打線を翻弄。4回を投げ、一人の走者も許さぬパーフェクトピッチングで試合を締めくくり、日本が10−0の4回コールド勝ち。予選リーグを5戦全勝の1位で通過し、いよいよ決勝トーナメントへと臨むことになった。
11月28日(木)/決勝トーナメント(予選1位・2位戦) |
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1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
計 |
中 国 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
日 本 |
0 |
0 |
2 |
2 |
0 |
0 |
x |
4 |
日本:○上野由岐子(5回)・中野花菜(2回)−峰幸代 |
長打:[三塁打]市口侑果 |
いよいよここから決勝トーナメントへと突入。決勝トーナメントには予選リーグの上位4チーム(1位・日本、2位・中国、3位・台湾、4位・フィリピン)が進出。ソフトボール独特のページシステム(敗者復活戦を含むトーナメント)で最終順位が決定されることになる。予選リーグを5戦全勝、1位で通過した日本は、まず予選1位・2位戦で中国と対戦することになった。
日本はこの試合、ここまで「温存」し続けてきたエース・上野由岐子をついに先発投手に起用。決勝進出をかけ、“必勝”を期した。その上野由岐子は初回、中国の1・2番を力のある速球で連続三振。続く3番打者も簡単にピッチャーゴロに打ち取り、三者凡退。「エースの貫録」を見せつけるピッチングで、まずは上々の滑り出しを見せた。
序盤は、2回を終了して両チームともに0−0。先制点のほしい日本は3回裏、この回先頭の9番・峰幸代が四球を選び、出塁すると、続く1番・山田恵里が二遊間を破るヒットで続き、一・二塁。2番・西山麗、3番・河野美里が連続三振に倒れ、二死となったが、パスボールで二・三塁とチャンスが広がり、4番・坂元令奈が鋭い当たりでセンター前にはじき返し、二者が生還。この回待望の先制点を奪い、試合の流れをつかんだ。日本は続く4回裏にも、この回先頭の6番・市口侑果がレフトオーバーのスリーベースヒットを放ち、チャンスメイク。7番・林佑季の三遊間を破るタイムリーで追加点を挙げると、手堅く送りバントで一死二塁と得点圏に走者を進め、9番・峰幸代のショートゴロが相手遊撃手のグラブをはじく間に大きな4点目を追加。着々とリードを広げた。
守っては、エース・上野由岐子が5回を投げ、被安打2の危なげのないピッチング。6回表、7回表は、今年7月に開催された世界ジュニア選手権を制した「期待の若手」中野花菜がリリーフし、中国打線に最後まで得点を許さず、完封勝利。中国相手には、予選リーグ第3戦に続いてこの試合も4−0で快勝し、決勝進出を決めた。
明日はいよいよ大会最終日。まず3位決定戦で、地元・台湾と中国が激突。3位決定戦の勝者が、決勝で待ち受ける日本と優勝をかけ、対戦することになる。ここまで投・打に安定感抜群の戦いを見せ、まさに「盤石の試合運び」を展開している日本。今大会を優勝で飾ることは、もはや言うまでもないが、明日の決勝では、“世界チャンピオン”、また“アジアのリーダー”にふさわしいプレーを繰り広げ、見る者の心を動かし、会場に訪れた人々にソフトボールの「真の魅力」を伝えることができるような、そんな試合をぜひ見せてもらいたいものである。
予選リーグ戦績表
チーム名 |
中国 |
日本 |
香港 |
韓国 |
フィリピン |
台湾 |
勝数 |
敗数 |
得点 |
失点 |
順位 |
中国 |
☆ |
●0-4 |
○15-0 |
○7-5 |
○9-1 |
○7-0 |
4 |
1 |
38 |
10 |
2 |
日本 |
○4-0 |
☆ |
○10-0 |
○11-0 |
○7-0 |
○6-0 |
5 |
0 |
38 |
0 |
1 |
香港 |
●0-15 |
●0-10 |
☆ |
●0-11 |
●1-3 |
●0-16 |
0 |
5 |
1 |
55 |
6 |
韓国 |
●5-7 |
●0-11 |
○11-0 |
☆ |
●2-3 |
●2-13 |
1 |
4 |
20 |
34 |
5 |
フィリピン |
●1-9 |
●0-7 |
○3-1 |
○3-2 |
☆ |
●0-9 |
2 |
3 |
7 |
28 |
4 |
台湾 |
●0-7 |
●0-6 |
○16-0 |
○13-2 |
○9-0 |
☆ |
3 |
2 |
38 |
15 |
3 |
決勝トーナメント表
第14回世界女子選手権大会アジア地区予選 第4日 予選リーグ第5戦
香港戦 スターティングラインアップ |
打順 |
守備位置 |
選手名 |
所属 |
UN |
1 |
2B |
市口 侑果 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
4 |
2 |
SS |
渥美 万奈 |
トヨタ自動車 |
12 |
3 |
LF |
国吉 早乃花 |
豊田自動織機 |
27 |
4 |
1B |
佐藤 みなみ |
太陽誘電 |
26 |
5 |
RF |
島崎 望 |
Honda |
28 |
6 |
3B |
林 佑季 |
日立 |
5 |
7 |
CF |
永吉 理恵 |
デンソー |
8 |
8 |
C |
峰 幸代 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
2 |
9 |
DP |
坂元 令奈 |
トヨタ自動車 |
6 |
FP |
P |
栗田 美穂 |
豊田自動織機 |
15 |
第14回世界女子選手権大会アジア地区予選 第4日 決勝トーナメント(予選1位・2位戦)
中国戦 スターティングラインアップ |
打順 |
守備位置 |
選手名 |
所属 |
UN |
1 |
CF |
山田 恵里 |
日立 |
11 |
2 |
SS |
西山 麗 |
日立 |
3 |
3 |
RF |
河野 美里 |
太陽誘電 |
9 |
4 |
2B |
坂元 令奈 |
トヨタ自動車 |
6 |
5 |
1B |
大久保 美紗 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
10 |
6 |
DP |
市口 侑果 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
4 |
7 |
3B |
林 佑季 |
日立 |
5 |
8 |
LF |
永吉 理恵 |
デンソー |
8 |
9 |
C |
峰 幸代 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
2 |
FP |
P |
上野 由岐子 |
ルネサスエレクトロニクス高崎 |
17 |
※選手交代 |
3回裏 |
代走 |
峰OUT→島崎 望(Honda)IN |
4回表 |
再出場 |
島崎OUT→峰 幸代(ルネサスエレクトロニクス高崎)IN |
6回表 |
投手交代 |
上野OUT→中野 花菜(ルネサスエレクトロニクス高崎)IN |
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