2014.8.6
 

 

 

テレビ東京・BSジャパンが
第14回世界女子選手権大会を生中継!

 






オランダ・ハーレムで開催される「第14回世界女子選手権大会」の ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)・ゴールドメダルゲーム(決勝)を テレビ東京・BSジャパンが生中継することが決定!!!


日本の「切り札」上野由岐子。コンディションが唯一の気がかり......



「エース」に続く「計算できる」投手の出現が「連覇」への条件となる

  日本打線の中で、ひときわ大きな「存在感」を示す山本優



日本の守備は「世界一」と評価が高く、チームの「生命線」でもある



「王座」は奪うより、守ることの方が難しいという......。
女子日本代表「連覇」「世界一」への挑戦がはじまる!

 


第14回世界女子ソフトボール選手権大会
最終日 テレビ生中継決定!

 来る8月15日(金)〜24日(日)、オランダ・ハーレムで開催される「第14回世界女子選手権大会」の最終日、ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)とゴールドメダルゲーム(決勝戦)を、テレビ東京・BSジャパンが生中継することが決まった。
 放送スケジュールは下記の通り。

【テレビ東京・BSジャパン 放送スケジュール】
・8月24日(日)
夕方5:30〜6:00 見所紹介
夜 7:00〜8:55 ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)
夜 10:15〜0:15 ゴールドメダルゲーム(決勝戦)※延長有り

 前回大会(第13回世界女子選手権大会/2012年・カナダ・ホワイトホースで開催)では、1970年の第2回大会以来、42年ぶりとなる「王座奪還」を果たし、「世界一」となった女子日本代表。今大会では、アメリカ以外成し遂げたことのない「連覇」に挑む。

 女子日本代表は、世界選手権「連覇」へ向け、北米遠征を実施するなど、「強化」を進め、チームとしての「熟成」を図ってきた。

 まず7月7日(月)〜13日(日)、アメリカ・カリフォルニア州アーバインで開催されていた「第9回USAワールドカップ」(大会正式名称:World Cup of Softball \)に出場。この大会でも昨年に続き、「連覇」を狙ったが、予選リーグでカナダ、アメリカ、チャイニーズタイペイ(台湾)に敗れ、決勝進出を逃し、最終順位は4位に終わった。
 この大会では、「エース」上野由岐子に続く投手の不在が浮き彫りにされ、大きな不安材料として残った。優勝したアメリカ、準優勝のカナダには、「屈辱」の5回コールド負けを喫し、国際大会でほとんど負けたことのなかったチャイニーズタイペイ(台湾)に、予選リーグ、最終順位決定戦(3位決定戦)で、いずれも先制しながら逆転負けを喫するという「想定外」の「厳しい現実」を突き付けられる結果となった。

 この後、女子日本代表はカナダ・サレーへと移動。7月15日(火)〜21日(月)、「2014カナダカップ」(カナディアンオープン)に出場した。
 USAワールドカップで「苦い経験」を味わった女子日本代表は、その「反省と教訓」を生かし、見事に甦った。
 予選リーグ初戦のアメリカ戦で、USAワールドカップの「お返し」とばかりに9−2で5回コールド勝ち。これで勢いに乗り、ホスト国・カナダも4−2で撃破するなど、予選リーグを7戦全勝の1位で通過。
 決勝トーナメントでも、1回戦でメキシコに10−2で大勝し、セミファイナルではアメリカを破って勝ち上がってきたホスト国・カナダに8−4で勝利し、決勝進出。大会4連覇に「王手」をかけた。
 決勝では、敗者復活戦を勝ち上がってきたアメリカと対戦。7−0の5回コールド勝ちを収め、「宿敵」アメリカに2試合連続のコールド勝ちという「おまけ」までつけて、圧倒的な強さで大会4連覇を達成した。

 7月23日(水)、日本に帰国すると、28日(月)に再招集。岐阜県揖斐川町で「直前合宿」を行い、31日(木)に「大垣国際女子ソフトボール大会」(大垣カップ)の開催地である岐阜県大垣市に入り、翌日(8月1日/金)から同大会に出場。世界選手権上位進出の「常連」オーストラリア、昨年の「第14回世界女子選手権大会アジア地区予選」の決勝で敗れた中国と対戦し、ダブルラウンドロビン(2回戦総当たり)のリーグ戦を戦い、4戦全勝で優勝。世界選手権前、最後の大会を「優勝」という形で締めくくり、いよいよ世界選手権「本番」を迎えることになる。

 ただ、この間、「エース」上野由岐子の登板は、「大垣国際女子ソフトボール大会」(大垣カップ)の最終戦、わずか1試合・1イニングのみ。その試合では打者3人に対し、2三振を奪うなど、「さすが!」というところを見せてはくれたが、いまだ「伝説」として語り継がれる2008年の北京オリンピックでの熱投、その北京オリンピックを再現するかのようにフル回転し、42年ぶりの「世界一」「王座奪還」を成し遂げた2012年の前回大会のような獅子奮迅の活躍を期待するのは酷な状況にあるといえよう。
 もちろん、今までも、私たちの「常識」や「予想」を覆し、何度も奇跡的な活躍を見せてくれた「スーパーエース」のこと、今大会でもいい意味で予想外の活躍を見せてくれる可能性は十分にある。また、ある意味では、この世界選手権に照準を絞り、調整を進めてきたという部分もあるかもしれない。
 少なくとも、「大事な試合」「ここ一番」では、「エース」としての役割・働きを見せてくれるであろうことは、何よりもこれまでの「実績」が物語っている。

 だとしても……そろそろ日本のソフトボール界を背負ってきた「エース」に続く投手の出現がなければ、「連覇」は覚束ない。「エース」の負担をできる限り軽減させ、よりよいコンディションで登板させること。それが連覇達成の「条件」になりそうな気配だ。
 「エース」に続く存在となるのは、日本リーグで「連勝記録」を更新し(28連勝中)、「不敗神話」を作った山根佐由里か、日本人離れしたパワーを持つ藤田倭か、「次世代のエース」として期待される中野花菜か、この中から最低一人、「計算できる」投手が現れないと「連覇」への道は相当に厳しいものとなるだろう。また、仮に「スーパーエース」がフル回転し、連覇を達成したとしても、それは「次につながる」ものにはならない。
 北米遠征、大垣国際女子ソフトボール大会(大垣カップ)を、ほぼ「エース」抜きで戦い、USAワールドカップでは「屈辱」を味わい、そこから立て直し、カナダカップ(カナディアンオープン)、大垣国際女子ソフトボール大会(大垣カップ)で優勝を飾ったことは、「価値あること」であり、「大きな収穫」ではあるが、それを世界選手権「本番」で立証してこそ、意味あるものとなる。今大会は投手陣の「真価」が問われる大会であり、日本のソフトボールの「未来」を明るいものとできるか否かの「ターニングポイント」となる大会ともなりそうな気配だ。

 打線では、山本優の存在が大きい。一度は現役を引退し、1年のブランクを経てカムバック。代表入りを果たした「苦労人」が打線を引っ張っている。今までどうしても「ソフトボール界のイチロー」山田恵里にかかる負担が大きかったが、右打ちのスラッガー・山本優が加わったことで、打線に厚みと幅が増した。

 ここに「若手」ながら天才的なバッティングセンスを見せる長楓]未、市口侑果らが絡んでくれば、非常に面白い打線になる。昨シーズンから代表入りしている市口侑果が、「確実な成長」を感じさせる一方、今回が初代表となる長楓]未は、まだその持てる力を十分に発揮し切れずにいる状態にある。
 この二人がそのポテンシャルに見合う活躍を見せてくれれば……「連覇」の可能性はグッと高まることになる。

 北京オリンピックの金メダリストである山田恵里、西山麗、峰幸代、前回大会の優勝メンバーである大久保美紗、河野美里は、「守備の要」としての役割を担い、コンスタントな活躍が「計算できる」選手たちである。逆にいえば、この選手たちが期待通り、額面通りの活躍を見せてくれないことには、チームは機能しない。

 同じく前回大会で優勝を経験した坂元令奈、天性の「明るさ」を持つ国吉早乃花には、前回大会で藤野遥香(当時・トヨタ自動車/現役引退)、古田真輝(当時・豊田自動織機/現役引退)が果たした役割を担うことが期待される。「主役」となること以上に、「光る脇役」としてチームを支え、チームが本当に苦しい状態となったとき、その苦境を脱し、局面を打開する選手となることを期待したい。

 佐藤みなみは、ここまで宇津木麗華ヘッドコーチが投手によって捕手を使い分ける戦術を採っていることもあり、出場機会も多くなりそうだ。小柄ながらパワフルでシュアなバッティングに魅力があり、正捕手・峰幸代とは一味違ったコントラストが出せれば、チームにまた違った魅力をもたらしてくれることだろう。
 外野手の永吉理恵は、山田恵里、河野美里、長楓]未、国吉早乃花といった「実力者」がひしめく外野手陣の中でも、それに遜色ない実力を有する。コンディションさえ整えば、その一角に食い込んでもまったくおかしくないし、日本リーグで躍進を続けるデンソーの一員として、日本代表にも大きなインパクトを与えてほしい。そのインパクトが、実力者たちのさらなる「競争」を生み、高め合っていけば、さらなる「化学反応」が期待できる。
 同じく外野手の森さやかは、昨シーズン打率5割のハイアベレージを残し、日本リーグの首位打者を獲得した「実力者」であり、特にその思い切りのよいバッティングには定評がある。2007年のU19日本代表に選出されたのを皮切りに、大学女子日本代表にも何度も選出されるなど、国際経験も豊富な選手だけに、今大会での活躍にも注目が集まる。

 ここまでの強化の足跡を辿ると、USAワールドカップは時差調整すら行う時間もなく、大会に突入し、あえて厳しいコンディション、環境の中に身を置き、戦うことを求め、ある意味では「結果」を求めるのではなく、その中でどれだけの戦いができるかを確認した大会であった。

 カナダカップ(カナディアンオープン)、大垣国際女子ソフトボール大会(大垣カップ)は、徐々に選手のコンディションも上がり、チームとしての熟成が進み、「本来の力」が発揮された大会であった。

 これらの大会を通じ、世界選手権で「最大のライバル」となるアメリカ、優勝争いを演じると見られるカナダ、オーストラリア、「アジアのライバル」である中国、チャイニーズタイペイ、情報の少ない中南米勢・メキシコ、ベネズエラとの対戦を通じ、その各国との「距離」を、冷静に、確実に、測ってきた。

 もちろん、相手も「世界選手権本番」を見据え、様々なテストを試み、手の内を隠し、水面下での駆け引きを繰り返しながら戦っている。ここまでの大会結果・試合結果が、互いの「実力」を100%表すものとはなっていないだろう。

 ただ、日本の「実力」は間違いなく「世界一」であり、世界一に「最も近いチーム」であることは疑いようのない「事実」である。
 そして……せっかく用意されたテレビ中継の枠を、他国にわたすようなことがあっては絶対にならない。ソフトボールをより盛り上げ、2020年オリンピック競技復帰へとつなげていくには……勝たねばならないし、勝つしかない。