2014.8.24
 

 

第14回世界女子ソフトボール選手権大会

日本、無敗のまま、「頂点」へ!
「連覇」達成!!

 






大会最終日、スタンドは満員の観客で埋め尽くされた


ファイナルはアメリカとの再戦となった



日本は初回、坂元令奈のタイムリーでで先制!
主導権を握り、有利に試合を進めた

  最後の打者を三振に打ち取り、日本「連覇」達成!



「連覇達成!」に喜びが爆発!! 超過酷な大会
スケジュールを戦い抜き、再び「世界の頂点」に



各国の選手たちと2020年東京オリンピックのPRと
ソフトボールの「オリンピック競技復帰」を呼びかけた



「連覇」を達成した女子日本代表。しかし、
この瞬間「次なる戦い」がはじまっている

 


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 「第14回世界女子ソフトボール選手権大会」(オフィシャルサイトはこちら)最終日、一足先にファイナル(ゴールドメダルゲーム/決勝)進出を決めている女子日本代表(代表メンバーはこちら)は、この日、ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)でオーストラリアに8−1の6回コールド勝ちで勝ち上がってきたアメリカとファイナル(ゴールドメダルゲーム/決勝)で対戦した。

・大会第10日(8月24日/日)
〈決勝トーナメント・ファイナル〉
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 3 0 0 1 0 0 0 4
アメリカ 0 0 0 0 1 0 0 1
日本: ○上野由岐子(7回)−峰幸代
長打: 〔二塁打〕峰幸代

 先攻の日本は初回、一死から2番・西山麗が四球を選び、出塁。3番・河野美里が手堅く送り、得点圏に走者を進めると、前日の対戦で先制のタイムリーを浴びた4番・山田恵里は故意四球で歩かされ、一・二塁。5番・峰幸代も四球で歩き、満塁と攻め立て、6番・坂元令奈が前日の対戦に続き、先制のタイムリー。二者を迎え入れ、続く5番・佐藤みなみもライト前にタイムリーを放ち、1点を追加。鮮やかな先制攻撃でアメリカの出鼻をくじき、試合の主導権を握った。

 日本の先発は「エース」上野由岐子。3連投となり、その疲れからか、毎回のように走者を背負う苦しいピッチング。しかし、ピンチはあれども、簡単に失点しないのが、日本の「エース」上野由岐子の「真骨頂」。2回裏、3回裏と一死二・三塁のピンチを招いたが、落ち着いて後続を断ち、アメリカに得点を許さない。

 日本は4回表、二死走者なしから1番・山本優、2番・西山麗、3番・河野美里の3連打で1点を追加。貴重な追加点を挙げ、4点差にリードを広げた。

 「エース」上野由岐子は8安打を浴び、毎回のように走者を背負いながらも、失点は5回裏の1点のみ。いつものように相手を圧倒するようなピッチングではなかったが、丁寧なピッチングで相手の打ち気をかわす「粘り」のピッチングで最少失点に抑え、試合は4−1と日本がリードしたまま、最終回を迎えた。

 アメリカは最終回にも、二死一・二塁のチャンスを作ったが、日本が世界に誇る「エース」上野由岐子に後続を断たれ、そのまま試合終了。日本が2大会連続3回目の優勝を飾った。

 「王座は奪うより、守ることの方が難しい」とよく言われるが、今大会には、まったくそれはあてはまらず、試合によっては、山根佐由里、藤田倭、中野花菜の3投手を臨機応変に使い分ける継投も含め、「エース」にかかる負担を少しでも減らそうと、それぞれがそれぞれに与えられた役割を果たし、日本は予選リーグ、決勝トーナメントを通じて、「無敗」のまま、「頂点」へ登り詰めた。

 打線も「チームリーダー」山田恵里を中心に投手陣を援護。勝負どころとなる決勝トーナメントでは、常に先手を取る試合を展開し、危なげのない試合運びで「連覇」を達成した。

 前回大会では、42年ぶりの「王座奪還」を果たすために「結果」にこだわって戦い続け、それを「現実」のものとした。
 今大会では、雨による度重なる試合時間や会場の変更に振り回され、深夜におよぶ試合や早朝の試合開始など、コンディション調整の難しい過酷なスケジュールを戦い抜き、2大会連続3回目の優勝を飾った。

 日本では絶対に経験することのない深夜近くのプレーボール、数時間にわたる待ち時間、スケジュールの変更に次ぐ変更……それでも誰一人、不平不満を口にする者はなく、どんな悪条件の中でも、どんな厳しい状況の中でも、ただ前を向き、戦い続け、「連覇」を達成した。

 「連覇」を成し遂げたとはいえ、「課題」がないわけではない。「エース」上野由岐子に次ぐ存在、計算できる投手が出現したかといえば、まだそう断言できる状況にはなっていない。予選リーグでは継投策で結果を出し、決勝トーナメントでも山根佐由里が2試合に登板するなど、進歩・成長は感じられるが、まだ、大事な試合を「任せた!」と言えるまでの状況にはなっていない。
 「連投」や「鉄腕」が代名詞であった上野由岐子も年齢を重ね、いつもいつもフル回転できるとは限らない状況にあることが今大会で証明されてしまった。
 トップリーグたる日本リーグのほとんどが外国人投手を「エース」とする状況では、簡単ではない話だが、日本人投手の育成・強化を真剣に考えていかないと、オリンピック競技に復帰したはいいが、メダル圏外であった……では笑い話にもならない。次代を担う投手の育成・強化は緊急を要する課題であることを強く意識する必要がある。

 野手に目を向けても、打線の軸は山田恵里であり、守備の要は西山麗であることは変わっていない。「エース」上野由岐子を含め山田恵里、西山麗、峰幸代の北京オリンピック金メダリストたちが、それだけ「偉大」な存在であることは事実なのだが……。
 たとえば、長楓]未には山田恵里に取って代わるぐらいの「野心」を見てみたかったし、市口侑果には西山麗を「追い越してやるんだ」という気概を感じたかった。もちろん随所に「可能性」を感じさせるプレーを見せてはくれたが、「追い越す」どころか、今回も金メダリストたちの凄さを見せつけられた感が強い。
 若手選手たちには、この「偉大な存在」に挑み、追いつき、追い越す、気持ちを持ってプレーしてもらいたいものである。

 10日間にわたる戦いは終わった。これほどまでに天候に悩まされ、振り回された大会はかつてなかった。それでも……17名の戦士たちは「笑顔」のまま、戦い続け、再び「世界の頂点」へと辿り着いた。
 2年後、さらに強く逞しく成長した彼女たちの姿に会いたいものである。また、願わくば、6年後、2020年東京オリンピックの舞台でソフトボールが行われ、そこに彼女たちの姿があることを期待したい。

 

第14回世界女子選手権大会 決勝トーナメント・ファイナル

アメリカ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 山本 優 ルネサスエレクトロニクス高崎 5
2 SS 西山 麗 日  立 3
3 RF 河野美里 太陽誘電 9
4 CF 山田恵里 日  立 11
5 峰 幸代 ルネサスエレクトロニクス高崎 2
6 2B 坂元令奈 トヨタ自動車 6
7 DP 佐藤みなみ 太陽誘電 26
8 LF 永吉理恵 デンソー 8
9 1B 大久保美紗 ルネサスエレクトロニクス高崎 10
FP 上野由岐子 ルネサスエレクトロニクス高崎 17

※選手交代
3回表 代走 峰OUT→国吉早乃花(豊田自動織機)IN
3回裏 再出場 国吉OUT→峰幸代(ルネサスエレクトロニクス高崎)IN
※キャッチャーの守備に再出場



決勝トーナメント