2014.9.27
 

 

第17回アジア競技大会

日本、ダブルヘッダーに連勝!
フィリピンにもコールド勝ちで2勝目

 






試合前、国家吹奏を厳粛な面持ちで聞く日本チーム


スタンドには、大勢の「フィリピン応援団」が詰めかけた



先攻の日本は初回、「切り込み隊長」山本優の二塁打で
猛攻の口火を切り、見事な先制攻撃で大量6点を挙げた



日本の先発は「エース」上野由岐子。貫禄のピッチングを見せた



3回裏、フィリピン打線が反撃に転じ、2点を失う場面も……



4回表、6番・峰幸代以下の「怒涛の4連打」で4点を追加。
フィリピンの反撃意欲を断ち、完全に試合を決めてしまった



3回裏に2点を失った山根佐由里だが、4回裏、5回裏は
三者凡退に抑える力投。「本来のピッチング」を取り戻した



フィリピンを下し、2勝目を挙げた日本。
大会初日、まずは順調な滑り出しを見せた

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 韓国・仁川で開催されている「第17回アジア競技大会」(オフィシャルサイトはこちら)ソフトボール競技の大会初日( 大会スケジュールはこちら)、4大会連続の金メダル獲得をめざす日本(代表メンバーはこちら)は、初戦のタイ戦に10−0の4回コールド勝ち。この日、ダブルヘッダーとなる日本は、同じくダブルヘッダーとなり、第2試合でホスト国・韓国に3−1で快勝したフィリピンと第4試合で対戦した。

・大会第1日(9月27日/土)
〈予選リーグ第2戦〉
  1 2 3 4 5
日  本 6 0 0 4 0 10
フィリピン 0 0 2 0 0 2
※大会規程により5回得点差コールド
日本: 上野由岐子(1回)・○山根佐由里(4回)− 峰 幸代
長打: 〔二塁打〕峰 幸代、山本 優

 先攻の日本は初回、「切り込み隊長」1番・山本優がいきなり左中間を破るツーベースで出塁。2番・西山麗が手堅く送ると、このバント処理を焦ったピッチャーが一塁へ悪送球。労せずして先取点を挙げ、打者走者も二塁まで進んだ。
 「世界チャンピン」日本を相手に、自らのミスでいきなりビハインドを背負ってしまったフィリピンは、すっかり意気消沈。日本はこの機を逃さず、3番・河野美里のレフト前ヒットで一・二塁と再び得点圏に走者を進め、一死後、5番・坂元令奈のセンター前へのタイムリーで1点を追加。なお一死一・三塁と攻め立て、ダブルスチールを敢行し、捕手の二塁送球の間に三塁走者・河野美里が判断良く本塁を陥れ、一塁走者も相手守備陣の一瞬の隙を突き、一気に三塁まで進塁。さらに6番・峰幸代が四球で出塁し、7番・長楓]未のショートゴロで一塁走者が二塁フォースアウトになる間に三塁走者が生還。その後も8番・大久保美紗、9番・市口侑果に連続タイムリーが飛び出し、鮮やかな先制攻撃で大量6点を挙げ、初回で試合を決めてしまった。

 日本は「エース」上野由岐子が「試運転」も兼ね、先発。いきなり大量援護をもらったこともあり、余裕しゃくしゃく、「貫禄」のピッチングで三者凡退。先頭打者を三塁ファウルフライに打ち取ると、後続を連続三振に斬って取り、「格の違い」を見せつけた。

 日本は2回裏から山根佐由里を投入。その山根佐由里が2回裏は三者凡退に抑えたものの、3回裏、連打と送りバントで一死二・三塁のピンチを招き、二死後、「打ち取った」と思った打球がライト前にポトリと落ち、二者が還り、2点を返されてしまった。
 さらに二死二塁のピンチが続き、続く3番打者もレフト前にヒット性の当たりを飛ばしたが、この試合、レフトに入った長楓]未が地面スレスレのところでダイビングキャッチ。ピンチを切り抜け、フィリピンに傾きかけた試合の流れを引き戻した。

 このプレーで目を覚ました日本打線は、その直後の4回表、二死走者なしから四球、敵失で一・二塁のチャンスをつかむと、6番・峰幸代、7番・長楓]未、8番・大久保美紗、9番・市口侑果が怒涛の4連打。この回4点を加え、フィリピンの息の根を止めた。

 リリーフした山根佐由里は、3回裏に2点を失ったものの、4回裏、5回裏は三者凡退に抑え、10−2で5回コールド勝ち。フィリピンを下し、今大会2勝目を挙げた。

 日本は明日、今日の第3試合で「メダル争いのライバル」中国に2−0と完封勝ちしたチャイニーズタイペイ(台湾)と対戦する。
 チャイニーズタイペイは、今大会、「金メダルを獲得すれば、一生生活に困らないほどの報奨金が与えられる」とも言われている。それだけに、今大会にかける意気込みは並々ならぬものがある。今日の中国戦も気迫あふれる試合を展開し、見事2−0の完封勝利を飾っている。
 過去の対戦成績では、日本が圧倒しているものの、今大会に限って言えば、「過去のデータは当てにならない」と思えるほど、チャイニーズタイペイには「やる気」「意欲」が漲っている。
 とはいえ、チーム力的にはまだまだ差があり、日本が負けるチームではない。もちろん、負けることは「許されない」し、「勝つしかない」ことに変わりはない。しかも、「ソフトボールの魅力」がたくさん詰まった試合を展開し、観客を魅了して、なおかつ勝たなければならない。
 これは「世界チャンピオン」日本にとっても、簡単なことではない。それでも……日本はそれが「できる」チームである。ソフトボールの「真の魅力」を体現しつつ、なおかつ「勝つ」のが、女子日本代表というチームが背負う「使命」であり、「任務」なのである。

第17回アジア競技大会 予選リーグ第2戦

フィリピン戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 山本 優 ルネサスエレクトロニクス高崎 5
2 SS 西山 麗 日立 3
3 RF 河野美里 太陽誘電 9
4 CF 山田恵里 日立 11
5 2B 坂元令奈 トヨタ自動車 6
6 峰 幸代 ルネサスエレクトロニクス高崎 2
7 LF 長楓]未 トヨタ自動車 1
8 1B 大久保美紗 ルネサスエレクトロニクス高崎 10
9 DP 市口侑果 ルネサスエレクトロニクス高崎 4
FP 上野 由岐子 ルネサスエレクトロニクス高崎 17

※選手交代
2回裏 投手交代 上野OUT→山根佐由里(トヨタ自動車)IN