2014.9.28
 

 

第17回アジア競技大会

日本、チャイニーズタイペイ(台湾)に
6回コールド勝ち! 順調に3連勝!!

 






初日、ダブルヘッダーを連勝した日本。第3戦に臨む!


難敵「チャイニーズタイペイ」との一戦とあって、宇津木麗華
ヘッドコーチから、バッテリーに入念な指示が飛ぶ!!



予選リーグ第3戦の相手は「下剋上」を狙うチャイニーズタイペイ



この試合で始球式を行い、試合前、両チームを激励する
公益財団法人日本ソフトボール協会・徳田脂長



日本の先発は「エース」上野由岐子。「格の違い」を見せつけた



日本は4回裏、二死一・三塁から見事なダブルスチールで先制!!



6回裏、走者一掃のタイムリーツーベースを放った西山麗



最後は「チームリーダー」山田恵里が決め、6回コールド勝ち!

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 韓国・仁川で開催されている「第17回アジア競技大会」(オフィシャルサイトはこちら)ソフトボール競技の大会2日目( 大会スケジュールはこちら)、4大会連続の金メダル獲得をめざす日本(代表メンバーはこちら)は、初日のダブルヘッダーでタイ、フィリピンを相手に2試合連続のコールド勝ち。
 日本はこの日、アジア大会では、常に「メダル争い」に絡んでくる「上位進出の常連」であり、今大会では多額の報奨金に目の色を変え、「打倒・日本」、初の「金メダル獲得」に意気込むチャイニーズタイペイと対戦した。

・大会第2日(9月28日/日)
〈予選リーグ第3戦〉
  1 2 3 4 5 6
チャイニーズタイペイ 0 0 0 0 0 0 0
日  本 0 0 0 2 2 3x 7
※大会規程により6回得点差コールド
日本: 上野由岐子(6回)− 峰 幸代
長打: 〔二塁打〕河野美里、西山 麗

 メダル争いの上で「重要な一戦」となるこの試合、日本は前日のフィリピン戦で先発し、1イニングを投げ、「試運転」を済ませていた「エース」上野由岐子を先発に立て、「必勝」を期した。
 その立ち上がり、先頭打者にいきなり一・二塁間を破られ、走者を出したが、ここからが「エース」上野由岐子の「真骨頂」。次打者に送りバントすら許さず、送りバント失敗のファーストへの小フライに打ち取ると、3番打者を三振、4番打者をセカンドゴロに打ち取り、無失点の滑り出しを見せた。

 日本はその裏、二死走者なしから3番・河野美里が一塁強襲のツーベースヒットを放ち、先制のチャンスをつかんだが、4番・山田恵里がセカンドゴロに倒れ、無得点。
 続く2回裏にも、2四球と安打で二死満塁のチャンスを迎え、1番・山本優がレフトへ火の出るようなライナーを放ったが、レフト真正面。この回も無得点に終わり、3回裏にも一死から3番・河野美里がセンター前ヒットで出塁したものの、4番・山田恵里の当たりがショートへの併殺打となり、チャンスを潰し、重苦しい雰囲気のまま、試合は中盤4回を迎えた。

 チャイニーズタイペイは4回表、この回の先頭打者が内野安打で出塁したが、またしても送りバントすらさせてもらえず、送りバント失敗のファーストへの小フライ、三振、内野ゴロに後続が打ち取られ、チャンスの「芽」を摘み取られてしまう。

 日本はその裏、この回先頭の5番・峰幸代がセンター前ヒットで出塁すると、すかさず代走・長楓]未を送って「勝負」に出ると、初回、4回表と二度先頭打者を出塁させながら、走者を進めることすらできなかったチャイニーズタイペイとは対照的に、6番・坂元令奈が確実に送りバントを決め、一死二塁。7番・市口侑果のライトフライで二塁走者・長楓]未がタッチアップから三塁へ進み、8番・大久保美紗のカウントがノースリーとなったところで、チャイニーズタイペイが故意四球を選択。二死一・三塁となったところで、9番・永吉理恵の初球にダブルスチールを敢行。三塁走者・長楓]未が判断良く本塁に突入し、巧みなスライディングでタッチをかわし、待望の先取点を挙げた。
 なお二死二塁のチャンスが続き、先取点を奪われ、気落ちしたチャイニーズタイペイに追い打ちをかけるように、9番・永吉理恵がセンター前にタイムリーを放ち、この回2点を先制した。

 日本は続く5回裏には、二死走者なしから2つの四球と内野安打で満塁とすると、6番・坂元令奈がノースリーから苦し紛れにストライクを取に来た甘い球を狙い撃ち。センター前にはじき返し、二者生還。4点差にリードを広げた。

 こうなると試合は完全に日本のペース。6回裏にも、一死一・二塁から2番・西山麗が走者一掃のタイムリーツーベースを放ち、二死後、最後は「チームリーダー」4番・山田恵里が6回コールドに必要な7点目となるタイムリーを右中間に放ち、ゲームセット。難敵・チャイニーズタイペイを6回コールドで退け、無傷の3連勝を飾った。

 今夏の「USAワールドカップ」では、二度対戦し、連敗を喫するなど、嫌な感じのある相手であったが、「エース」上野由岐子が登板し、日本、「本来の姿」での試合となれば、まだまだ両者には差があった。

 もちろん、「エース」上野由岐子という「切り札」が日本にはあるという点が一番大きなアドバンテージではあるが、両者のソフトボールの「質」の違いを感じさせたのが、チャイニーズタイペイの初回、4回表の攻撃と、日本が先取点を奪った4回裏の攻撃であった。
 チャイニーズタイペイは、せっかく先頭打者が出塁し、ノーアウトの走者を出しながら、走者を進めることすらできず無得点。
 日本は、送りバントを確実に決め、得点圏に走者を進め、「打てなくても点を取る方法はある」とばかりに、ダブルスチールを仕掛け、先取点を奪うという「ソツのなさ」を見せた。まだ試合が中盤にありながら、足の遅い峰幸代が出塁した時点で代走・長楓]未を送った宇津木麗華ヘッドコーチの采配・決断力、ダブルスチールを仕掛けた際の長楓]未の判断、巧みなスライディングも見事だった。
 そして、先取点を奪い、続くチャンスで気落ちした相手の「心の揺れ」を逃すことなく、キッチリとタイムリーを放って見せた永吉理恵のバッティング。5回裏の二死走者なしから、何とかつないで満塁のチャンスを作った「打線」。そのチャンスに、ノースリーから積極的に打って出た坂元令奈の勇気と確かな判断を伴った技術。6回裏、その流れに乗り遅れまいと金メダリストの「意地」で放った西山麗、山田恵里の一打……どれもこれも奥深く、味わいのあるプレーだった。

 ただ勝ったというだけでなく、そのプレーの「クオリティの高さ」を見せつけた日本。今日の試合は、ソフトボールの面白さ、楽しさ、そして……難しさと奥深さがギッシリと詰まった試合だった。

第17回アジア競技大会 予選リーグ第3戦

チャイニーズタイペイ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 山本 優 ルネサスエレクトロニクス高崎 5
2 SS 西山 麗 日立 3
3 RF 河野美里 太陽誘電 9
4 CF 山田恵里 日立 11
5 峰 幸代 ルネサスエレクトロニクス高崎 2
6 2B 坂元令奈 トヨタ自動車 6
7 DP 市口侑果 ルネサスエレクトロニクス高崎 4
8 1B 大久保美紗 ルネサスエレクトロニクス高崎 10
9 LF 永吉理恵 デンソー 8
FP 上野由岐子 ルネサスエレクトロニクス高崎 17

※選手交代
4回裏 代走 峰OUT→長楓]未(トヨタ自動車)IN 
5回表 再出場 長浮nUT→峰幸代(ルネサスエレクトロニクス高崎)IN
※キャッチャーの守備に再出場 
5回裏 代打 西山OUT→藤田倭(太陽誘電)IN  
5回裏 再出場 藤田OUT→西山麗(日立)IN
※代走(テンポラリーランナー)として再出場