2014.10.1
第17回アジア競技大会
日本、チャイニーズタイペイを撃破!
4大会連続の金メダル獲得へ「王手」
戦いの舞台は、いよいよ決勝トーナメントへ……
決勝トーナメント初戦の相手は「打倒・日本」「下剋上」を目論むチャイニーズタイペイ
日本は「切り込み隊長」山本優の先頭打者本塁打で先制!
日本はエース・上野由岐子を先発に立て必勝を期した
4打数3安打・2打点を挙げる活躍を見せた市口侑果
この日も「世界一」の守備陣が輝きを見せた
4大会連続の金メダル獲得に「王手」
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韓国・仁川で開催されている「第17回アジア競技大会」(
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)ソフトボール競技も大会5日目(
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)を迎え、戦いの舞台は、予選リーグから決勝トーナメントへと移された。
予選リーグを5戦全勝の1位で通過した日本(
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)は、予選リーグ2位で決勝トーナメントに勝ち上がったチャイニーズタイペイ(台湾)と、ゴールドメダルゲーム(ファイナル/決勝)進出をかけ、激突した。
・大会第5日(10月1日/水)
〈決勝トーナメント1位・2位戦〉
1
2
3
4
5
6
7
計
日 本(予選1位)
1
1
2
0
1
1
0
6
チャイニーズタイペイ(予選2位)
0
0
0
0
0
0
1
1
日本:
○上野由岐子(4回)・藤田 倭(2回)・山根佐由里(1回)− 峰 幸代・佐藤みなみ
長打:
〔本塁打〕山本 優 〔二塁打〕河野美里
予選リーグを全勝の1位で通過した日本は、その勢いそのままに、初回、先頭打者・山本優がレフトスタンドへ弾丸ライナーで突き刺す先制のソロホームランを放ち、いきなり1点を先制。「打倒・日本」「下剋上」を目論み、このアジア大会に乗り込んできたチャイニーズタイペイに強烈な「先制パンチ」を浴びせた。
日本の先発は、もちろん「エース」上野由岐子。1点のリードをもらったこともあり、「エンジン全開」というよりは、やや「抑え目」なピッチング。先頭打者を三振に打ち取ると、後続は簡単に内野ゴロに仕留め、力づくで三振を狙いに行くようなピッチングではなく、明日のファイナル(決勝)のことも視野に入れ、なるべく省エネに努め、「打たせて取ろう」という意図が感じられる立ち上がりだった。
日本は2回表、一死から7番・市口侑果がセンター前ヒットで出塁。8番・大久保美紗のところでヒットエンドランが外され、結果的に盗塁失敗の形となり、二死走者なし。普通なら、こういったプレーが試合の流れそのものを変えてしまいかねないところだが、今大会の日本は一味違う。8番・大久保美紗、9番・永吉理恵の連打で二死一・三塁とチャンスを作り直し、最初の打席で先制ホームランを放っている「切り込み隊長」1番・山本優が三遊間を破るタイムリー。二死走者なしからでも得点に結びつける「日本らしい」粘りとつなぎのソフトボールで、試合の流れを手放すことなく、貴重な追加点を挙げた。
日本は続く3回表にも、この回先頭の3番・河野美里がレフトオーバーのツーベースを放ち、チャンスメイク。一死後、「勝負どころ」で必ずといっていいほど、快打を放つ「いぶし銀」5番・坂元令奈が、センター前にタイムリーを放ち、3点目。
さらに、6番・峰幸代が確実に送りバントを決め、二死ながら得点圏に走者を進めると、7番・市口侑果がレフト前に鮮やかな流し打ち。二塁走者を迎え入れ、4点差にリードを広げた。
4回表は無得点に終わったが、5回表にも、4番・山田恵里のレフト前ヒットを足掛かりに、二死二塁のチャンスを作ると、この試合大当たりの7番・市口侑果が今度はライト前にタイムリーを放ち、5点目。小刻みに得点を挙げ、着々とリードを広げた。
守っては、4回まで、「エース」上野由岐子が「抑え目」といいながらも、被安打2・奪三振6の好投で、しっかりと試合を作ると、5回裏からは藤田倭を投入。その代わり端、先頭打者に安打を許したものの、次打者を力強いピッチングでセカンドフライに打ち取ると、続く打者の強烈な当たりのファーストゴロを、大久保美紗がいとも簡単に捌き、3−6−3とわたるダブルプレー。昨日の中国戦に続き、「世界一」の守備陣が輝きを見せた。
日本は6回表にも、またしても二死走者なしから死球、内野安打でしぶとくつなぎ、代打・長楓]未がセンター前にタイムリー。日本らしく、粘り強くつなぎ、そのチャンスをソツなくモノにする攻めで、ダメ押しとなる6点目を挙げた。
6回裏は藤田倭が二死二・三塁のピンチを背負いながらも無失点でしのぎ、7回裏には山根佐由里を投入。山根佐由里は2本の二塁打を浴び、1点を失ってしまったが、打線の大量援護もあり、6−1でチャイニーズタイペイに快勝。一足先にゴールドメダルゲーム(ファイナル/決勝)進出が決定。4大会連続の金メダル獲得へ「王手」をかけた。
敗れたチャイニーズタイペイは敗者復活戦に回り、3位・中国と4位・フィリピンの勝者・中国(中国が3−0でフィリピンに勝利)と明日の第1試合・ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)で、日本への「挑戦権」をかけて戦うことになる。
4大会連続の金メダル獲得まで、あと「1勝」に迫った。目標であった「世界選手権連覇」を成し遂げ、今また、もう一つの目標である「アジア大会4大会連続の金メダル獲得」の実現が目の前に迫っている。
ただ……「あと一つ」が本当に難しい。また、「勝って当然」と誰もが思っている中で、その期待通り「勝つ」ということは、そんなに簡単なことではない。
過去のアジア大会の戦歴を振り返ってみても、意外な苦戦や思わぬ敗戦がなかったわけではなく、何とかそれを乗り越え、王座を守ってきた「事実」「歴史」がある。
それでも、今の日本に「死角」は見当たらない。彼女たちなら必ずややり遂げてくれることだろう。そう信じられるだけのプレーのクオリティを彼女たちは見せてくれている。ここまで他を圧倒したアジアでの戦いは過去なかった。それだけ今の「日本代表」は充実しているし、明日の試合でもきっとそれを証明してくれることだろう。
第17回アジア競技大会 決勝トーナメント1位・2位戦
チャイニーズタイペイ戦 スターティングラインアップ
打順
守備位置
選手名
所属
UN
1
3B
山本 優
ルネサスエレクトロニクス高崎
5
2
SS
西山 麗
日立
3
3
RF
河野美里
太陽誘電
9
4
CF
山田恵里
日立
11
5
2B
坂元令奈
トヨタ自動車
6
6
C
峰 幸代
ルネサスエレクトロニクス高崎
2
7
DP
市口侑果
ルネサスエレクトロニクス高崎
4
8
1B
大久保美紗
ルネサスエレクトロニクス高崎
10
9
LF
永吉理恵
デンソー
8
FP
P
上野由岐子
ルネサスエレクトロニクス高崎
17
※選手交代
5回裏
投手交代
上野OUT→藤田倭(太陽誘電)IN
5回裏
選手交代
峰OUT→佐藤みなみ(太陽誘電)IN
※キャッチャーの守備に入る
6回表
代打
山田OUT→長楓]未(トヨタ自動車)IN
6回裏
守備交代
代打・長楓]未がそのままライトの守備に入り、
ライト・河野美里がセンターへ
DP・市口侑果がセカンドの守備に入り、
セカンド・坂元令奈がOPO(打撃専門選手)となる
7回裏
投手交代
藤田OUT→山根佐由里(トヨタ自動車)IN
決勝トーナメント