2014.12.9
 

 

IOC(国際オリンピック委員会)臨時総会で
「オリンピックアジェンダ2020」承認
野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰へ
大きく前進!!




モナコでのIOC臨時総会での「オリンピックアジェンダ2020」の承認を受け、野球・ソフトボールの合同記者会見が実施された

  8日夜、21時30分からの「緊急記者会見」にも関わらず
たくさんの報道陣が詰めかけ、注目度の高さを感じさせた



プロ野球、アマチュア野球、ソフトボールが三位一体となり、
オリンピック競技復帰へ向け、さらなる連携・協力体制を!



2020 野球・ソフトボールオリンピック競技復帰へ大きく前進!


 IOC(国際オリンピック委員会)臨時総会が、12月8日(月)から2日間、モナコで開催され、トーマス・バッハ会長が推進する40項目に及ぶ中長期改革「オリンピックアジェンダ2020」が審議され、28の競技数上限の撤廃やオリンピック開催都市が実施種目を提案できる項目を盛り込んだ改革案が承認された。
 これを受け、8日夜、一般財団法人全日本野球協会・鈴木義信副会長、公益財団法人日本ソフトボール協会・宇津木妙子副会長が出席し、東京都内で合同記者会見を行った。

一般財団法人全日本野球協会・鈴木義信副会長は、「インターネットで臨時総会の様子を見ていた。しかし、まだ『第一関門』を突破したに過ぎない。また、野球に関しては、まだまだクリアしなくてはいけない課題は多い。プロ野球、アマチュア野球、そしてソフトボールが三位一体となって『オリンピック対策委員会(仮称)』を立ち上げ、プロ野球とも話し合いを進めていく段階。これからが『本当の勝負』だと思っている」と語った。

 公益財団法人宇津木妙子副会長は、「今ようやくスタートラインに立ったというだけで、オリンピック競技復帰が実現したわけではない。とりあえず第一関門を突破したことは嬉しく思うが、鈴木副会長と同様、これからが『本当の勝負』と感じている」と、早くも今後の活動を視野に、新たな決意を感じさせる言葉を発した。

 続けて「これで子どもたちの『夢』をつなぐことができた。今後の普及活動にも大きなモチベーションになる。これは個人的な願望で、現時点では夢物語に過ぎないかもしれないが、これを契機に、ソフトボールのメッカ、聖地となるようなソフトボールスタジアムが建設できたら……とも思っている。皆さん、ぜひご協力を(笑)」と、自らの大きな『夢』を語り、「今後のソフトボールの普及については、日本代表の活動、世界選手権、アジア大会等の国際大会を通じて、世界中のソフトボールプレーヤーがオリンピック競技復帰を望んでいることが確認できた。今年、オランダで開催された世界選手権でも思った以上に観客も多く、熱い声援を送ってくれ、『野球・ソフトボール不毛の地』といわれるヨーロッパでの普及・発展にも大きな手応えと新たな可能性を感じている。だからこそ、『心を一つにして』普及活動を進めていかなくてはならないと感じている」と、今後の普及策にも言及した。

 今回の決定により、2020年東京オリンピックでの野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰が現実味を帯びてきた。
 メディアの論調も、これで野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰が決定したかのような伝え方をしている。しかし……現実的には、現時点では空手やスカッシュといった他競技と並んで追加候補に挙がったに過ぎない。
 2008年北京オリンピックを最後に実施競技から外された要因だった課題が完全に克服されたわけではなく、野球はMLB(メジャーリーグベースボール)が参加を確約してはおらず、ソフトボールも「全世界的な普及」という面では、まだまだ十分とはいえない状況にある。今後、「東京後」も見据えた調整・課題克服に努めなければ、仮に東京オリンピックでの競技復帰が実現したとしても、「1大会限り」になってしまう可能性もある。

 文字通り、まだ今は「スタートライン」に立っただけであり、ここから、これまで以上にオリンピック競技復帰へ向けた取り組みを加速させていかなければならない。
 オリンピック競技復帰へ向けた道のりは、まだまだ、「道半ば」なのである。『これからが本当の勝負』であり、正式決定のその日まで、関係者一丸となり、全力を尽くしていく必要があるということを忘れてはならない。