2015.7.3
USAワールドカップ(World Cup of Softball 10)
女子日本代表TAP−A(U24A)
アメリカとの全勝対決に敗れ、初黒星!
USAワールドカップ第4日 「宿敵」アメリカと激突!
TAP−Aはアメリカのパワフルな「一発攻勢」を浴び、
苦しい試合展開を強いられた
TAP−Aは4人の投手をつぎ込み、防戦に努めたが……
スコアは1−4……この敗戦に何を思い、何を得るかが肝心だ
試合後、選手を集め、ミーティングを行う福田五志ヘッドコーチ
結果以上に、この敗戦から「何を学ぶか」が重要である
※画像・動画提供
・公益財団法人日本ソフトボール協会理事・選手強化副本部長、女子日本代表TAP−Aチームリーダー・矢端信介氏
・女子日本代表TAP−Aサポートスタッフ(マネージャー)伊藤幸子氏
・女子日本代表TAP−A通訳 生原都氏
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7月2日(木)、アメリカ・アーバインで開催されている「USAワールドカップ(World Cup of Softball 10)」(
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、
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)は大会4日目を迎え、ここまで無傷の3連勝と好調な女子日本代表TAP−Aは、同じくここまで土つかずの4連勝と絶好調の「宿敵」アメリカと対戦した。
・大会第4日/7月2日(木)
《予選リーグ第4戦》
1
2
3
4
5
6
7
計
女子日本代表TAP−A
0
0
0
1
0
0
0
1
アメリカ
0
1
3
0
0
0
x
4
バッテリー:●中野花菜、近藤光、平原かすみ、濱村ゆかり − 我妻悠香
アメリカの先発は、日本女子リーグ1部・デンソーでプレーしているジャクリン・トレイナ。初回、1番・市口侑果がセンターフライ、2番・山下りらが三振、3番・長楓]未がレフトフライに倒れ、三者凡退。簡単に初回の攻撃を終えてしまった。
その裏、TAP−Aの先発・中野花菜は、先頭打者にレフト前に運ばれ、次打者の内野ゴロ、3番打者のレフト前ヒットで一死一・三塁のピンチを招いたが、後続をキャッチャーファウルフライ、セカンドゴロに打ち取り、ピンチを脱した。
TAP−Aは2回表も三者凡退。その裏、中野花菜は簡単に二死を取り、このままリズムに乗るかと思われたが、8番・ケリー・フォックスにツーボール・ツーストライクからの5球目をとらえられ、センター頭上をはるかに超える特大のソロホームラン。「パワーの違い」を見せつける一発でアメリカが先取点を挙げた。
一方、TAP−Aもその直後の3回表、この回先頭の7番・古澤春菜が四球で出塁。続く8番・山本絵梨奈は走者を進めることができず、空振りの三振。しかし、9番・我妻悠香がコンパクトなスイングで上手く合わせ、ライト前に運び、一塁走者が一気に三塁へ。一死一・三塁の反撃機を作り、1番・市口侑果のバットに期待がかかったが、あえなく三振。二死となり、続く2番・山下りらの打席でワンボール・ツーストライクからの4球目、一塁走者が盗塁。しかし、ダブルスチールを狙った三塁走者がキャッチャーの偽投に引っかかってに飛び出してしまい、三・本間に挟まれ、タッチアウト。同点に追いつくチャンスを逃してしまった。
TAP−A・福田五志ヘッドコーチは早めの投手交代を決断。3回裏から左腕・近藤光を投入した。しかし、結果的にはこれが「裏目」となり、この回の先頭打者をセカンドゴロエラーで出塁させ、ここは一塁走者の盗塁を刺し、ピンチを未然に防いだかに見えたが、死球、イリーガルピッチ、四球で一死一・二塁のピンチを招き、5番・シエラ・ロメロにスリーランを浴び、傷口を広げてしまった。
4点を追うTAP−Aはその直後の4回表、一死から3番・長楓]未、4番・藤田倭の連打で一・三塁の反撃機をつかむと、5番・江口未来子のショートゴロの間に三塁走者が生還。1点を返し、その後は、TAP−Aの3番手・平原かすみ、4番手・濱村ゆかりが走者を出しながらも無失点で凌ぎ、味方打線の援護を待った。
しかし、頼みの打線がアメリカの3投手をつぎ込む継投策の前になかなかチャンスを作ることができず、ようやく最終回、2本の安打と相手エラーで一死一・二塁の「ホームランが出れば同点」という場面を作ったが、ここでも「あと一本」が出ず、1−4で敗れ、今大会初黒星を喫した。
この試合に関しては、前日のインタビューで矢端選手強化副本部長が危惧していた通り、打線の「破壊力」の差が勝敗を分ける結果となった。アメリカの得点は2本のホームランによるもの。安打数では日本が6本、アメリカが7本とほぼ同数。長打力の差がそのまま得点差となって表れたわけだが、今後その差をどう埋めていくのか。
日本としては、やはり3回表の一死一・三塁でまず最低でも同点にしなければならなかったし、最終回の一死一・二塁のチャンスでもキッチリと得点に結びつけ、少しでも点差を詰め、相手にプレッシャーをかけるような試合をしなければいけなかった。
やはり「パワー」という点では相手にアドバンテージがあり、同じ土俵で戦うのは分が悪い。もちろん、その部分においても少しでも差を詰めていく努力は怠ってはならないが、そう簡単に彼我の差がなくなるとは考えにくい。
だとするならば、やはり相手にはない特長を持つことが重要であり、相手が嫌がるようなプレーを徹底する必要がある。打線のつながり、つなぎ、相手のミスを誘発するようなプレー、一瞬のスキを突く走塁……「日本人だからこそできるプレー」があるはずだし、「ガラパゴス」と揶揄されても、独自に積み上げてきた「文化」ともいうべき戦略・戦術を日本が持っているからこそ、体格・パワーに劣る日本人が世界に伍して戦ってくることができたのである。相手と同じことをやっていたのでは勝てないし、どこかで「違い」を作り出すことができなければ、「世界の舞台」で勝機を見出すことは難しい。
とにかく、何とかこのまま2位の座をキープし、決勝でもう一度、アメリカと戦ってほしい。そこで「ジャパンオリジナル」の戦いができれば、それこそがTAP−Aの、ひいては「日本」の未来につながるものとなり、何よりの「強化」となり、「収穫」となるはずである。
◇USAワールドカップ 出場選手・スタッフ
選手(※ポジション別五十音順)
NO
守備
氏名
支部
所属
1
投手
近藤 光
愛知
デンソー
2
〃
中野 花菜
群馬
ビックカメラ高崎
3
〃
濱村 ゆかり
群馬
ビックカメラ高崎
4
〃
平原 かすみ
愛知
トヨタ自動車
5
〃
藤田 倭
群馬
太陽誘電
6
捕手
我妻 悠香
群馬
ビックカメラ高崎
7
〃
山澤 葵
愛知
デンソー
8
内野手
市口 侑果
群馬
ビックカメラ高崎
9
〃
古澤 春菜
愛知
トヨタ自動車
10
〃
丸本 里佳
群馬
太陽誘電
11
〃
山下 りら
愛知
トヨタ自動車
12
〃
山本 絵梨奈
愛知
トヨタ自動車
13
外野手
江口 未来子
愛知
デンソー
14
〃
大工谷 真波
群馬
ビックカメラ高崎
15
〃
塚本 智名
愛知
トヨタ自動車
16
〃
長普@望未
愛知
トヨタ自動車
17
〃
山崎 早紀
愛知
トヨタ自動車
コーチングスタッフ
No.
役職
氏名
支部
所属名
1
チームリーダー
矢端 信介
北海道
(公財)日本ソフトボール協会
2
ヘッドコーチ
福田 五志
愛知
トヨタ自動車
3
アシスタントコーチ
森澤 隆行
愛知
デンソー
4
アシスタントコーチ
秋元 理紗
愛媛
伊予銀行
5
トレーナー
井上 章平
愛知
トヨタ自動車
6
サポートスタッフ
(マネージャー)
伊藤 幸子
愛知
トヨタ自動車
7
帯同審判
太田 正夫
埼玉
(公財)日本ソフトボール協会
8
帯同審判
雑賀 大策
三重
(公財)日本ソフトボール協会
9
通訳
生原 都
愛知
トヨタ自動車