2015.7.6
 

 

USAワールドカップ(World Cup of Softball 10)
女子日本代表TAP−A(U24A)
またしてもアメリカに敗れ、準優勝に終わる




USAワールドカップ決勝は女子日本代表TAP−Aと
ホスト国・アメリカが激突! 「優勝」をかけ、戦った



初回からピンチを招いてしまったTAP−A。
いきなり3点を失い、苦しい試合展開に……



TAP−Aも最後まで諦めずに反撃したが……


準優勝のメダルを授与されるTAP−Aの選手たち


準優勝の表彰を受け、悔しさを押し殺して
記念写真に納まる福田五志ヘッドコーチ(中央)


「宿敵」アメリカに二度にわたって敗れての準優勝……
「若き日本代表」はここから何を学び、どう生かすのか

※画像・動画提供、取材協力
・公益財団法人日本ソフトボール協会理事・選手強化副本部長、女子日本代表TAP−Aチームリーダー・矢端信介氏
・女子日本代表TAP−Aサポートスタッフ(マネージャー)伊藤幸子氏
・女子日本代表TAP−A通訳 生原都氏


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 7月5日(日)、アメリカ・アーバインで開催されている「USAワールドカップ(World Cup of Softball 10)」(※大会オフィシャルサイトはこちら※大会スケジュールはこちら)は大会最終日を迎え、最終順位決定戦が行われた。
 女子日本代表TAP−Aは、5勝2敗の2位で予選リーグを通過し、6勝1敗の1位で予選リーグを勝ち上がったホスト国・アメリカと、優勝をかけ、決勝で対戦した。

・大会第7日(最終日)/7月5日(日)
《最終順位決定戦/決勝》
  1 2 3 4 5 6 7
女子日本代表TAP−A 0 0 0 1 0 0 0 1
アメリカ 3 0 0 0 0 3 x 6
バッテリー:●平原かすみ、近藤光、藤田倭 − 我妻悠香、山澤葵、我妻悠香
長打:〔本塁打〕山崎早紀〔三塁打〕山崎早紀

 先攻のTAP−Aは初回、二死から四球の走者を出したものの、4番・DPに入った藤田倭が三振に倒れ、無得点。

 その裏、TAP−Aの先発・平原かすみは、先頭打者に安打を許したものの、次打者のショートライナーで一塁走者が戻れず、ダブルプレー。ピンチを脱したかに見えたが、安打、四球で二死一・二塁と再びピンチを招き、今シーズンから戸田中央総合病院でプレーしている5番・アマンダ・チェデスターにタイムリースリーベースを浴び、2点を失い、6番・ローレン・ギブソンにもレフト前に運ばれ、3点目。いきなり3点のビハインドを背負う苦しい試合展開となった。

 3点を追うTAP−Aは、その直後の2回表、この回先頭の5番・山崎早紀がライトオーバーのスリベースヒットを放ち、出塁。しかし、続く6番・古澤春菜のショートゴロで本塁突入を試みたがタッチアウト。得点差は3点差、ノーアウトの走者だっただけに大事にしたい走者であり、120%セーフになるタイミングでなければ三塁に留まるべき場面だったのだが……強引な本塁突入で絶好の反撃機を逃してしまった。

 TAP−Aは4回表、一死から5番・山崎早紀がレフトスタンドへソロホームラン。先ほどの走塁ミスを取り戻す「一発」を放ち、1点を返した。TAP−Aは終盤6回表にも、この回先頭の2番・大工谷真波が死球で出塁。二死後、この試合当てっている5番・山崎早紀が故意四球で歩かされ、一・二塁とチャンスを広げたが、6番・古澤春菜がセカンドゴロに倒れ、得点を挙げることができない。

 逆にアメリカは、2回以降、TAP−Aの2番手・近藤光、3番手・藤田倭の継投策にかわされ、追加点を奪えずにいたが、終盤6回裏、3回裏からロングリリーフし、力投を続けていた藤田倭をついにとらえ、死球、次フィルダースチョイス、失策で一死満塁とすると、7番・ジャネール・リンドバルのレフトオーバーのタイムリーツーベース、8番・ケリー・フォックスのセンターへの犠牲フライで決定的な3点を奪い、ダメ押し。勝負を決めてしまった。

 日本は、アメリカの先発・ジェシカ・ムーア、リリーフした左腕・サラ・ネビンスに3安打に抑えられ、得点は山崎早紀のソロホームランにより1点のみ。念願かなって決勝でアメリカとの「再戦」は実現したものの、予選リーグに続き、完敗。アメリカの連覇を止めることができず、準優勝に終わった。

 もちろん、今大会の一番の目的は、若い選手たちに国際経験を積ませ、場数を踏ませることにある。その意味では、決勝に駒を進め、アメリカと2回の対戦が実現したことは「貴重な経験」であり、「敵地」アメリカに乗り込んで完全に「アウェー」の雰囲気の中での戦いは、二度にわたって敗れたとはいえ、それを「次」への飛躍の糧にできるのであれば、それはそれで意味のあることである。
 5年後、2020年に向けて踏み出した選手強化の「第一歩」。「宿敵」アメリカに敗れ、準優勝に終わりはしたが、大切なのは、ここから何を学び、どう「次」につなげていくか……である。

 女子日本代表TAP−Aは、このままカナダ・サレーへと移動。カナダカップ(カナディアンオープン)に出場し、さらなる強化に励む予定である。



最終順位決定戦


◇USAワールドカップ 出場選手・スタッフ
選手(※ポジション別五十音順)
NO 守備 氏名 支部 所属
1 投手 近藤 光 愛知 デンソー
2 中野 花菜 群馬 ビックカメラ高崎
3 濱村 ゆかり 群馬 ビックカメラ高崎
4 平原 かすみ 愛知 トヨタ自動車
5 藤田 倭 群馬 太陽誘電
6 捕手 我妻 悠香 群馬 ビックカメラ高崎
7 山澤 葵 愛知 デンソー
8 内野手 市口 侑果 群馬 ビックカメラ高崎
9 古澤 春菜 愛知 トヨタ自動車
10 丸本 里佳 群馬 太陽誘電
11 山下 りら 愛知 トヨタ自動車
12 山本 絵梨奈 愛知 トヨタ自動車
13 外野手 江口 未来子 愛知 デンソー
14 大工谷 真波 群馬 ビックカメラ高崎
15 塚本 智名 愛知 トヨタ自動車
16 長普@望未 愛知 トヨタ自動車
17 山崎 早紀 愛知 トヨタ自動車

コーチングスタッフ
No. 役職 氏名 支部 所属名
1 チームリーダー 矢端 信介 北海道 (公財)日本ソフトボール協会
2 ヘッドコーチ 福田 五志 愛知 トヨタ自動車
3 アシスタントコーチ 森澤 隆行 愛知 デンソー
4 アシスタントコーチ 秋元 理紗 愛媛 伊予銀行
5 トレーナー 井上 章平 愛知 トヨタ自動車
6 サポートスタッフ
(マネージャー)
伊藤 幸子 愛知 トヨタ自動車
7 帯同審判 太田 正夫 埼玉 (公財)日本ソフトボール協会
8 帯同審判 雑賀 大策 三重 (公財)日本ソフトボール協会
9 通訳 生原 都 愛知 トヨタ自動車