2016.7.9
 

 

USAワールドカップ
女子TOP日本代表
カナダ戦に2日がかりで勝利!
アメリカ・エリート破り、全勝で決勝進出!!




前日の予選ラウンド第5戦のカナダ戦が
雷雨のため、サスペンデッドゲームに……



5回表一死一塁、女子TOP日本代表の攻撃中に
サスペンデッドゲームとなり、その状態から試合再開!



カナダ代表チームは6月に来日し、女子TAP−A・B
日本代表と強化試合を行った



予選ラウンド最終戦はアメリカ・エリートチームと対戦



アメリカ・エリートチームに食い下がられ、意外な苦戦を強いられた……



7回裏、一死三塁からヒットエンドランを決め、サヨナラ勝ち!



女子TOP日本代表は、予選ラウンドを6戦全勝の1位で通過。
明日の決勝へと駒を進めた



USAワールドカップ
予選ラウンド第5戦 カナダ戦
予選ラウンド第6戦 アメリカ・エリート戦

 現地時間の7月9日(土)、アメリカ・オクラホマシティで開催されている「USAワールドカップ」(大会正式名称:World Cup of Softball XI 大会公式サイトはこちら)は大会5日目を迎えた。
 前日、激しい雷雨のため、予選ラウンド第5戦のカナダ戦の5回表攻撃中にサスペンデッドゲームとなった女子TOP日本代表は、この日の早朝8時30分から試合が再開された。

・大会第5日/7月9日(土)
【予選ラウンド第5戦】
  1 2 3 4 5 6 7
女子TOP日本代表 0 0 0 2 4 0 1 7
カナダ 2 0 0 0 0 0 0 2
バッテリー:○藤田倭(5回)、平原かすみ(1回)、岡村奈々(1回)−我妻悠香
長打: 〔本塁打〕洲鎌夏子、長楓]未、山下りら

 今大会初めて先攻となった女子TOP日本代表は、一死から2番・市口侑果がストレートのフォアボールで歩き、出塁。3番・河野美里のショートゴロの間に二塁へ進み、今大会「初スタメン」の4番・山田恵里が「貫禄」のレフト前ヒット。二塁走者は三塁ストップで送球間に打った山田恵里が二塁まで進み、二死ながら二・三塁と攻め立て、5番・坂元令奈が球で歩き、満塁。しかし、6番・長崎望未がライトフライに倒れ、先制のチャンスを逃した。

 女子TOP日本代表の先発は今大会「初登板」となる藤田倭。その立ち上がり、先頭打者をエラーで出塁させると、犠打で二塁へ進められ、次打者のサードゴロの間に三塁へ進塁。ここで4番・セーリングにフルカウントからの7球目をライトスタンドへ運ばれ、2点を失い、今大会初めて相手に先制を許す展開となった。

 2点を追う女子TOP日本代表は4回表、一死から7番・渥美万奈がストレートのフォアボールで歩き、続く8番・洲鎌夏子がレフトスタンドへ「起死回生」の同点ツーランホームラン。これで息を吹き返した女子TOP日本代表は続く5回表にも、敵失、安打、死球等で一死満塁の勝ち越しのチャンスをつかむと、初回のチャンスで凡退していた6番・長楓]未が、その「悔しさ」を晴らすかのように満塁ホームランを放ち、一気に逆転。センター頭上を高々と越える「グランドスラム」で試合をひっくり返した。
 続く7番・渥美万奈がショート内野安打で出塁し、8番・洲鎌夏子の打席でツーボール・ワンストライクとなったところで激しい雷雨に見舞われ、試合続行不可能となり、サスペンデッド。翌朝8時30分から、このままの状態で試合が再開されることになった。

 試合は予定通り、大会5日目となる7月9日(土)の第1試合に組み込まれ、早朝8時30分、5回表一死一塁、女子TOP日本代表の攻撃から再開された。女子TOP日本代表は、8番・洲鎌夏子が空振り三振に倒れ、二死となった後、代打・又吉薫、1番・山本優の連続四球で満塁と攻め立てたが、「あと一本」が出ず、追加点はならず。
 7回表、代打・山下りらが2試合連続となるソロホームランを放ち、ダメ押しの1点を奪い、5点差にリードを広げ、勝利を決定づけた。

 守っては、先発・藤田倭が初回にツーランホームランを浴び、2点を失ったものの、その後は追加点を許さず、5回裏の内野安打、バント安打で招いた無死一・二塁のピンチも「注文通り」のセカンドゴロゲッツー、セカンドフライで切り抜け、先発の役割をしっかりと果たし、2番手・平原かすみと投手交代。その平原かすみは6回裏、安打2本で二死一・三塁とされながらも何とか踏ん張り、最後はチーム唯一の大学生・岡村奈々が三者凡退で締めくくり、7−2で快勝。無傷の5連勝を飾った。

【予選ラウンド第6戦】
  1 2 3 4 5 6 7
アメリカ・エリート 0 0 0 2 0 0 0 2
女子TOP日本代表 1 0 0 1 0 0 1x 3
バッテリー:藤田倭(4回)、○濱村ゆかり(3回)−我妻悠香
長打: 〔三塁打〕洲鎌夏子
〔二塁打〕山田恵里、山本優

 予選ラウンド最終戦、POOL・Bの1位通過をかけた一戦は、ここまでともに「全勝」のアメリカ・エリート(アメリカの代表チームに次ぐカテゴリーの若手主体のチーム。日本のTAP−A・Bにあたるチーム)と女子TOP日本代表が対戦した。

 後攻の女子TOP日本代表は初回、一死から2番・洲鎌夏子が右中間への当たりを放つと、うまく回り込めばシングルヒットで止められる打球にも見えたが、打球はそのまま右中間を抜け、三塁打。二死後、4番・山田恵里が「芸術的」なバットコントロールでセンター頭上をライナーで抜くタイムリーツーベース。あっさり先取点を挙げた。

 一方、女子TOP日本代表の先発・藤田倭は、初回の一死二塁、2回表の無死一・二塁、3回表の無死満塁と立ち上がりからピンチの連続。2回表はセカンドゴロゲッツーで切り抜け、3回表は無死満塁・スリーボール・ノーストライクの絶体絶命のピンチから空振り三振、ファーストゴロ、見逃し三振に斬って取り、ピンチを脱した。しかし、その「綱渡り」のピッチングの連続もついに4回裏につかまり、途中出場の8番打者に「まさか……」の逆転ツーランを浴び、試合をひっくり返されてしまった。

 逆転を許した女子TOP日本代表はその裏、一死から6番・長楓]未が四球を選び、出塁。二死後、8番・山崎早紀のショートゴロが一塁への悪送球を誘い、一塁走者が一気に生還。2−2の同点に追いつき、続く9番・我妻悠香のセカンド後方へフラフラっと上がった打球を懸命に前進してきたライトがお手玉し、落球。一塁走者・山崎早紀が一気にホームを狙ったが、これは本塁寸前タッチアウトとなり、逆転はならなかった。

 女子TOP日本代表は、5回表から2番手・濱村ゆかりに投手交代。代わった濱村ゆかりも5回表、6回表の二死一・二塁、7回表の一死一・二塁と毎回のように得点圏に走者を背負う苦しいピッチング。それでも粘りのピッチングで「決定打」を許さず、追加点を許さない。

 女子TOP日本代表は7回裏、この回先頭の1番・山本優がレフト線を痛烈に破るツーベースヒットで出塁。「切り込み隊長」が突破口を開くと、2番・洲鎌夏子が手堅く送り、一死三塁とし、3番・河野美里のワンボール・ワンストライクからの3球目、ヒットエンドランを敢行。ピッチャーゴロで三塁走者を迎え入れ、苦しみながらも劇的なサヨナラ勝ちを収め、予選ラウンド6戦全勝。POOL・B1位で決勝進出を決めた。

 初回にあっさり1点を先取したときには、アメリカ・エリートに「代表チーム」の貫禄を見せつけるかと思われたが……。勝ったとはいえ、アメリカの「底力」を感じさせるエリートチームの健闘に土俵際まで追い詰められ、一歩間違えば「アメリカ同士の決勝」を許してしまうところだった。




USAワールドカップ出場選手名簿
ポジション別50音順
No. 守備 氏名 支部 所属名
1 投手 岡村 奈々 東京 日本体育大学
2 濱村 ゆかり 群馬 ビックカメラ高崎
3 平原 かすみ 愛知 トヨタ自動車
4 藤田 倭 群馬 太陽誘電
5 山根 佐由里 愛知 トヨタ自動車
6 捕手 我妻 悠香 群馬 ビックカメラ高崎
7 佐藤 みなみ 群馬 太陽誘電
8 内野手 渥美 万奈 愛知 トヨタ自動車
9 市口 侑果 群馬 ビックカメラ高崎
10 川畑 瞳 愛知 デンソー
11
(主将)
坂元 令奈 愛知 トヨタ自動車
12 洲鎌 夏子 愛知 豊田自動織機
13 又吉 薫 栃木 Honda
14 山下 りら 愛知 トヨタ自動車
15 山本 優 群馬 ビックカメラ高崎
16 外野手
(副将)
河野 美里 群馬 太陽誘電
17 大工谷 真波 群馬 ビックカメラ高崎
18 長普@望未 愛知 トヨタ自動車
19 山崎 早紀 愛知 トヨタ自動車
20 山田 恵里 神奈川 日立

【コーチングスタッフ】
No. 役職 氏名 支部 所属名
1 チームリーダー 矢端 信介 (公財)日本ソフトボール協会
選手強化副本部長
2 ヘッドコーチ 福田 五志 愛知 トヨタ自動車
3 アシスタントコーチ 木田 京子 兵庫 園田学園女子大学
4 アシスタントコーチ 染谷 美佳 愛知 デンソー
5 トレーナー 金城 充知   スポラックス
6 トレーナー 井上 章平 愛知 トヨタ自動車
7 マネージャー 渡部 せい子 愛知 トヨタ自動車