2016.12.23
 

 

宇津木麗華体制、本格始動!
2020東京オリンピックへ向け、
第3次国内強化合宿を実施!!




「新生」女子TOP日本代表、全員集合!
三宅豊選手強化本部長が訓示を行った



選手29名全員が顔を揃え、自己紹介を行った



合宿地・沖縄県読谷村では熱烈な歓迎を受けた



宇津木麗華ヘッドコーチ就任後、初の強化合宿がスタート!



「教え甲斐のある選手たち」への「熱烈指導」がはじまった



シドニー銀メダル、アテネ銅メダルの伊藤良恵氏がその経験を
伝授すべく、「臨時コーチ」として選手たちを指導した



朝から晩まで「ソフトボール漬け」の毎日……
とにかく今はとことんまで「鍛える」しかない!



投手陣の指導はルーシー・カサレスコーチが担当。2012年、2014年の世界選手権「連覇」に貢献した手腕が高く評価され、再びコーチに!



笑顔で、明るく、選手たちを鍛え上げる杉浦千恵子トレーナー(写真中央)選手たちからは「鬼浦」の別名で呼ばれ、愛されるチームのムードメーカー



合宿を打ち上げ、沖縄だけに「シーサーポーズ」で笑顔を見せる選手たち
2020東京オリンピックへ向けた歩みははじまったばかりだ



女子TOP日本代表 第3次国内強化合宿(沖縄合宿)

 去る12月13日(火)〜23日(金・祝)、2020東京オリンピックへ向け、ヘッドコーチに就任した宇津木麗華「新体制」のスタートとなる「第3次国内強化合宿」が実施された。

 合宿初日(12月13日/火)、女子TOP日本代表に選出された29名の選手たちは、「味の素ナショナルトレーニングセンター」(NTC)に全員集合。(公財)日本ソフトボール協会・三宅豊選手強化本部長が、「いよいよ2020東京オリンピックへ向けた強化が本格的にスタートすることになります。これから作っていくチームは、東京オリンピックで金メダルを獲るためのチームです。今はまだ、選手を固定しませんので、『TOPチーム』と表現をしていますが、これから選手の入れ替え、絞り込みを行いながら、オリンピックに臨む『最強チーム』を編成していくことになります。今日から始まる合宿が、その『スタート』であり、その先にあるのは東京オリンピックの金メダルです。だからといって、『義務』を負わされてこことに集まったのではなく、これから始まる厳しい練習、日常生活を含めた厳しい道を、『自らの強い意志』で切り拓き、乗り越え、金メダルをつかんでほしいと思います」と、気持ちを引き締めた。さらに、「皆さんは投げる、打つ、守る、走る、という技術を磨き、勝負をしていきますが、技術を磨くということは、同時に『自分を磨く』ということでもあります。『技術』は言うなれば、選手としての『武器』であり、その『武器』をとったときに残るのが『等身大の自分の姿』です。宇津木麗華ヘッドコーチもよく『人間力』という言葉を使われますが、グラウンドを離れ、いずれ競技を離れるとき、最後に残るのが自分の姿なのです。技術・体力だけでなく、心・気持ち・精神力を含めた『人としての力』を磨き、『日本代表』の名に恥じることのない立ち居振る舞いを心がけてください」と付け加え、最後に「(公財)日本ソフトボール協会では、『ALL JAPAN体制』を提唱しており、たくさんの選手、そして、ソフトボール愛好者の『みんなのJAPAN』として一体となって、その日を迎え、その日を戦いたいと切に願い、そのための取り組みを進めています」と、思いを述べ、選手・スタッフと心を一つにした。

 翌朝、選手たちは合宿地である沖縄県読谷村へ出発。ケガの療養のため、合宿参加が叶わなかった3名の選手を除く26名の選手で、宇津木麗華ヘッドコーチ就任後、「初」となる強化合宿をスタートさせた。

 合宿前半は、バッテリー、内・外野に分かれ、ピッチング練習、守備練習、バッティング練習を交互に行い、時間をかけ、ミッチリと練習。また、技術練習と並行してトレーニングもビッシリと盛り込まれ、夕食後には約2時間の夜間練習も実施。まさに「ソフトボール漬け」の毎日。「これでもか」とばかりに心身を鍛え上げ、合宿後半から地元の男子チームの協力を得て、男子ピッチャーの打ち込みや紅白戦も行われた。

 チームの指揮を執る宇津木麗華ヘッドコーチは、「教えたいことは山ほどあるのに……今はまだ教えることができない状態(笑)。今は『教える』前の『鍛える』段階です。しっかりと走り込み、体幹を鍛え、まず『土台』を築かないことには、その上に技術を積み上げていくことはできません。2012年、2014年の世界選手権で優勝したときには、オリンピック競技から除外された後ということもあり、十分な強化合宿も海外遠征も行うことができない状態で、すでに完成された選手、ベテラン重視のチーム構成で、『結果を出すこと』を優先してきましたが、今回はじっくりと時間をかけて選手を鍛え、チームを作ることができます。その意味ではとても楽しみですし、自分がまだ現役選手だったシドニーオリンピックの頃のことが思い出されます。当時は、私たちが『ベテラン組』で、若い内藤(現姓・松岡)恵美選手たちを鍛え上げ、世界で戦うことのできるレベルへ引き上げるべく、とにかく一生懸命練習しました。あの頃のことを思い出しますね」と、「鍛え甲斐のある選手たち」の現状と今後への期待を語った。

 また、「東京オリンピックに向けたチーム作りにおいては、投手陣では上野由岐子、野手では「キャプテン」に指名した山田恵里、この北京オリンピックで金メダルを経験しているメンバーにその役割を期待しています。また、コーチングスタッフに、アトランタ、シドニー、アテネと3大会でオリンピックを経験し、銀メダル、銅メダルを獲得している山路典子氏(太陽誘電 ソルフィーユ監督)がアシスタントコーチとして加わってくれました。世界のトップレベルで戦った経験やオリンピックという大舞台で戦うことの意味、重さ、またそのためにどんな準備をしていけばいいのか、を伝えていってもらいたいと思っています。また、今回の合宿にはシドニー、アテネの両オリンピックに出場し、山路コーチと同じく、銀メダル、銅メダルを手にしている伊藤良恵氏(デンソー ブライトペガサス監督)に『臨時コーチ』として合宿に参加してもらいました。現役時代、ともに戦ったオリンピアンに協力を仰ぎ、女子TOP日本代表の良き伝統と貴重な経験を継承し、その戦う『魂』を注入していきたいと思います」と、世界のトップレベルで戦い続け、「世界の頂点」を争ってきた経験の伝承を誓った。

 その上で、「最大のライバルはやはりアメリカ。2012年、2014年の世界選手権では勝たせてもらっていますが、私はアメリカの『最強の時代』を知っています。また、現状でも世界選手権には参加しなかったプロリーグの選手たちが加わってくれば、情勢は変わってくるでしょう。それだけに、そのアメリカの情報に精通し、実際に現地で常にライバルの動向を探ってくれるルーシー・カサレス氏の存在は非常に大きなものがありますし、その正確な情報収集力と分析力が二度の世界選手権優勝をもたらしてくれたと言っても過言ではありません」と、2012年、2014年の世界選手権『連覇』を達成した『盟友』であり、再びコーチに就任したルーシー・カサレス氏には全幅の信頼を寄せていた。

 一年が終わろうかというこの時期に、温暖な沖縄の地で、朝から晩までボールを追いかけ、バットを振り、心身をいじめ抜いた。特にトレーニングの指導に当たった杉浦千恵子トレーナーには、杉浦ならぬ「鬼浦」の別名をつけられるほど、選手たちを容赦なく鍛え上げた。

 年明け早々には、台湾での合宿が控え、2月にはオーストラリア遠征が組まれている。2020東京オリンピックへ向けた歩みははじまったばかり……。実績十分なベテランもいれば、「代表」で結果を残し、確かな自信を始めた者、「世界」の厚く高い「壁」の前でもがき苦しむ者、初めて代表チーム一員となり、大きな可能性を秘めながらも戸惑いを隠せない者まで、置かれた立場・状況はそれぞれ異なる。
 どんなに実績があり、キャリアを積んだベテランであっても「明日の保証」があるわけではなく、若さの「可能性」はあくまで「可能性」であって、まだ何かを成し遂げたわけではない。

 今はまだ「横一線」。2020東京オリンピックへ向かう道を歩み始めたばかりである。

※今後のスケジュール
〈海外強化合宿〉
●第1次海外強化合宿(台湾合宿)
・1月17日(火)〜30日(月) ※場所:台湾・高雄市
●第2次海外強化合宿(オーストラリア合宿)
・2月1日(水)〜4日(土)/味の素ナショナルトレーニングセンター集合
(メディカル・フィットネスチェック、各種講習)
・2月4日(土)〜15日(水) ※場所:オーストラリア・ブラックタウン
(バッテリーは引き続き、現地でバッテリー合宿。24日(金)まで)
〈国内強化合宿〉
◎第4次国内強化合宿(鴨川合宿)
・3月10日(水)〜18日(土) ※場所:鴨川市民球場・ソフトボール場

女子TOP強化指定選手 第3次国内強化合宿(沖縄合宿)参加選手・スタッフ
【選手】
No. 守備 氏名 支部 所属名
1 投手 泉 礼花 神奈川 日立
2 上野 由岐子 群馬 ビックカメラ高崎
3 岡村 奈々 東京 日本体育大学
4 海部 栞菜 愛知 豊田自動織機
5 勝股 美咲 岐阜 多治見西高等学校
6 田内 愛絵里 愛知 トヨタ自動車
7 中野 花菜 群馬 ビックカメラ高崎
8 濱村 ゆかり 群馬 ビックカメラ高崎
9 捕手 我妻 悠香 群馬 ビックカメラ高崎
10 切石 結女 千葉 千葉経済大学附属高等学校
11 清原 奈侑 神奈川 日立
12 佐藤 みなみ 群馬 太陽誘電
13 内野手 奥田 茉優希 神奈川 日立
14 田井 亜加音 兵庫 園田学園女子大学
15 市口 侑果 群馬 ビックカメラ高崎
16 川畑  瞳 愛知 デンソー
17 鈴木 鮎美 愛知 トヨタ自動車
18 洲鎌 夏子 愛知 豊田自動織機
19 渥美 万奈 愛知 トヨタ自動車
20 那須 千春 神奈川 日立
21 外野手  江口 未来子 愛知 デンソー
22 河野 美里 群馬 太陽誘電
23 長普@望未 愛知 トヨタ自動車
24 原田 のどか 群馬 太陽誘電
25 舛田 妃美呼 愛知 豊田自動織機
26 山田 恵里 神奈川 日立

【コーチングスタッフ】
No. 役職 氏名  支部  所属
1 ヘッドコーチ 宇津木 麗華 群馬 ビックカメラ高崎
2 アシスタントコーチ ルーシー・カサレス 愛知 豊田自動織機
3 トレーナー 杉浦 千恵子 群馬 太陽誘電
4 トレーナー 志村 昌彦 群馬 ビックカメラ高崎
5 トレーナー 村上 純一 愛知 デンソー
6 マネージャー 柳川 直子 群馬 ビックカメラ高崎

【サポートスタッフ】
No. 役職 氏名  支部  所属
1 臨時コーチ 伊藤 良恵 愛知 デンソー
2 用具 塚原 弘珠 ミズノ
3 総務 山内 亜美 (公財)日本ソフトボール協会