平成20年度 全国女子ジュニア育成中央研修会を開催 (2008.11.27)



平成20年度 全国女子ジュニア育成中央研修会を実施

指導にあたったNTS代表委員・
NTS委員・日本中体連スタッフ

まずは体力測定を行い、選手の能力を細かくチェック
(※画像は今回から新しく測定項目に加えられた遠投)


バットスイングのスピード
(ヘッドスピード)の計測も実施


すべての測定を科学的に検証し、
測定結果もより具体的に表された

打撃・守備、一貫した技術指導が行なわれる

食事・栄養、トップアスリートとして
必要な知識を身につける


夜間の講義にも選手たちは熱心に取り組んだ

憧れの女子日本代表、
「北京オリンピックハイライト」も視聴

各グループに分かれての紅白戦では熱戦を展開した

ゆくゆくは次世代を担う中心選手に……!
今後の日本ソフトボールを引っ張ってもらいたい

次世代を担う選手たちに「夢」と「希望」を!

 平成20年度全国女子ジュニア育成中央研修会が、11月21日(金)〜24日(月/祝)の4日間、静岡県伊豆市の天城ドームおよび野球場・多目的広場を会場に開催された。
 この研修会は、(財)日本オリンピック委員会(JOC)が策定した「JOCゴールドプラン(国際競技力向上戦略)に基づく施策「一貫指導システム」(競技者育成プログラム)の一つとして実施されているものであり、今回で5回目の開催となった。
 研修会当日は、全国9ブロック(北海道、東北、関東、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州)から選抜された計90名(各ブロックからそれぞれ10名ずつを選抜)の選手たちが集合。4日間にわたる研修がスタートした。
 今回の研修会は、これまで実施されてきた参加選手たちへの基礎・基本の技術指導に加え、将来「世界」に通用する選手を育てるための、“優秀選手の発掘”にもこれまで以上に大きな力が注がれた。
 これは、これまでの研修会でも行われてきたように、この研修会での指導・運営にあたるNTS代表委員・NTS委員・日本中体連スタッフが、日ソ協選手強化本部会と連携をとり、ジュニア世代の強化・選手の育成といった目的とともに、将来「世界」の舞台で戦える優秀選手を発掘しようという日ソ協の強化方針が盛り込まれた取り組みでもある。
参加選手たちへのソフトボールの基礎・基本の指導がメインであったこれまでの研修会。全国から集まった選手の中から優秀な人材を発掘し、育成していくというプランをより明確化させることで、従来の研修会に一つの変化をつけ、実際にこの研修会をきっかけとし、参加選手の中から将来“日本代表選手”として世界の舞台で戦えるチャンスを作る。選手たちの目標をあえて高いレベルに設定させることで、研修会そのものの活性化を図りたいという、スタッフの新たな構想もここには含まれていた。
 研修内容は、初日にNTS代表委員・NTS委員・日本中体連スタッフの指導のもと、選手全員の体力測定を実施。腹筋、背筋、握力、立ち幅跳び、メディシンボール投げなど様々な測定が行われた。
 この体力測定でも、今回の研修会ではこれまでの測定項目に、遠投とバットスイング計測(ヘッドスピード計測)といった新しい項目が加えられるなど、選手一人ひとりの身体能力をより細かくチェック。測定結果をすべて数値で表し、ソフトボール選手に必要な基礎体力、運動能力を現時点でどこまで有しているかといったことなどが、一目で評価できるようにする工夫も施されていた。
 2日目からは、実際にボール・バットを使っての実技研修。各班に分かれて、守備面ではボールの握り方からスローイング、グラブさばき、ゴロの取り方、フライの捕り方などの指導が行われ、打撃面では、バットの握り方から、構え、スタンス、スイングの仕方まで、徹底した「基礎・基本技術の指導」が行われた。
 夜間の部では、ソフトボール選手として必要な知識を身につけるための講義。「ドーピング防止活動について」、「栄養と運動について」など、トップアスリートをめざすための基礎知識に加え、8月に開催され、悲願の金メダル獲得を果たした女子日本代表の活躍、金メダル獲得までの道のりを編集した「北京オリンピックハイライト」も視聴。憧れの女子日本代表選手の好プレー集や、「世界最強チーム」と称されたアメリカとの実際の試合の映像を目の当たりにし、選手たちは目を輝かせていた。
 3日目・4日目は、いよいよ実戦形式での研修。それぞれにチーム分けをし、紅白戦形式での試合が行われた。選手たちは待望の試合ができるとあって、大きな声も飛び交い、気迫のこもった好プレーを連発。投手では、球速100kmに迫る投手、アベレージで90kmをコンスタントに投げる投手も数多く見られ、野手でも、巧みなグラブさばきや鋭い打球を飛ばす、センスあふれるプレーを見せた選手も多数見られた。
 今回で5回目の開催となった、全国女子ジュニア育成中央研修会。NTS代表委員・NTS委員・日本中体連スタッフの共通理解のもと、選手たちへの技術指導もより細かな部分まで具体的に行われるようになり、「一貫指導システムの構築」といった点では、年々その充実ぶりをうかがえるようになった。
 また、それと同時に、この全国女子ジュニア育成中央研修会を、今後さらに充実させていくための、新たな試みも検討されている。本来の目的でもあり、これまでの研修会のメインでもあった一貫指導の徹底、優秀選手の発掘。この研修会で実施されるさまざまな事業を、選手たちの将来にどう結びつかせ、どう生かしていくのか。この研修会での成果が、今後の日本ソフトボールの発展につながっていくといっても過言ではなく、ここで発掘した選手たちをいかに継続して育てていけるかとゆうことも、これからの大きなテーマとなっていくだろう。
 今後、「世界」との戦いを視野に入れた、ジュニア世代の育成をより積極的に行っていくこととなれば、この研修会の位置づけ、役割は、まさに日本代表の「強化」に直結するものになるといってもいい。ジュニア世代の選手たちの希望はまだ失われていない。いや、今後はこの研修会を多くの選手たちの飛躍の場とし、夢へのきっかけをつかむ場とすることさえできるのである。
 光り輝く「金の卵」たち。ゆくゆくはこの選手たちが中心となり、日本のソフトボールを引っ張り、次世代を担ってもらいたい……! ソフトボールの未来を見据え、今何を考え、何をしなければならないのか。日本ソフトボールが歩んできたその確かな足跡を、未来ある子どもたちに継承していくためにも、ソフトボールを愛する多くの人々が一丸となり、もう一度その足もとを見つめ直さなければならない。