2013.8.9
 

 

 


平成25年度台湾女子中学生交流事業(チーム招待)が
埼玉県鶴ヶ島市・毛呂山町にて実施された




来日した台湾代表チーム。投手は速球と抜群のコントロールで
相手打線を翻弄!




攻・守に積極的なプレーが光った




地元チームも思い切りの良いプレーで代表チームに挑戦!




互いに切磋琢磨し、思い出だけではなく、
「今後の課題」も手にした選手たち




アッという間に時は過ぎ……
試合後、別れを惜しむ場面も




炎天下の中、3日間に渡り全力プレーした後は、
さよならパーティーで地元の名産に舌つづみ



 

この経験を糧にアジアから世界に羽ばたこう……!
そして、ともにソフトボールを盛り上げよう!!


平成25年度台湾女子中学生交流事業(チーム招待)を実施!

 

 去る8月3日(土)〜8日(木)、台湾U16女子代表チームが来日。8月4日(日)〜6日(火)、埼玉県鶴ヶ島市・鶴ヶ島市運動公園、埼玉県毛呂山町・大類ソフトボールパークを会場に「平成25年度台湾女子中学生交流事業(チーム招待)」(主催:公益財団法人日本ソフトボール協会、主管:埼玉県ソフトボール協会)が行われ、ジュニア世代(U16)の交流を行った。

 この事業は、一昨年、昨年と実施された「日本・台湾女子ジュニア親善京都大会(台湾招待事業)」、「2012台湾U16女子代表チーム招聘」に続いて実施されたもので、本年1月21日(月)〜26日(土)、日本からNTS優秀選手17名による台湾遠征を実施したことを受け、今度は台湾チームを日本に招き、開催された。今回、台湾からは中学生大会の優勝チーム単独ではなく、台湾の強豪・埔里國中を破り、新チャンピオンとなった五福國中の選手を中心としたU16選抜チームを結成。「台湾代表」として来日した。

 本年は、受入地・埼玉県のクラブチーム(埼北ウインズ、毛呂山SC)、中学校選抜チーム(入間北部選抜)の3チームと3日間にわたり1日2試合、計6試合の親善試合を実施。初日、2日目は鶴ヶ島市運動公園を会場に試合を行い、緊張の面持ちで始まった埼北ウインズとの対戦は5−3、2−11と1勝1敗の引き分け。2日目の入間北部選抜との対戦は2試合とも7−0で台湾代表が圧勝。3日目に大類ソフトボールパークで開催された毛呂山SC戦は思い切りの良いバッティングと積極的な走塁で16−0、24−0の大差で連勝し、通算5勝1敗と台湾代表の強さが際立つ結果となった。

 台湾代表は、速球をベースにコーナーを突く投球で相手打線を三振や凡打にしとめ、テンポよく打ち取ると、野手陣はそれを果敢なダイビングキャッチと華麗な連係プレーで支え、攻めては、「甘い球は逃さず、思い切りスイングする」バッティングであわやフェンスオーバーという打球を放ったかと思うと、相手チームの守備位置を冷静に見極め、臨機応変にバントや叩きつけるバッティングなど、多様な攻撃で得点を量産。さらに、元気いっぱいで爽やかなプレー、打席に入る度に必ず一礼する礼儀正しさ、マナーの良さには好感が持て、それだけではなく、猛暑の中、第一試合で登板したエースが次試合の間には筋トレに励むなど、ひたむきに取り組む姿勢や「強くなりたい」、「上手くなりたい」という情熱、意欲に「台湾代表」としての自覚とプライドが感じられ、3回目を数えるこの事業に「代表チーム」を結成して臨んだ意気込みが結果として如実に表れ、着実にレベルアップを遂げている姿を披露する機会となった。

 今回の受入れ事業は、開催地・埼玉県ソフトボール協会の温かいもてなしもあり、対戦中は、双方のチームが応援歌を歌い、会場を盛り上げ、敵味方関係なく、「ナイスプレー!!」という歓声が沸き起こった。試合後には、照れながらも写真撮影を行いながらコミュニケーションをとり、お互いのプレーを称え合い、アッという間に仲良くなった「友だち」、「仲間」との別れを惜しむ姿があった。選手たちにとって、この交流事業は「試合経験」だけではなく、「国際交流」を経験し、今後につながる貴重な「夏休みの思い出」となったようだ。今回も、この事業の目的である「ソフトボールを通じて、日本・台湾の友好親善と、ジュニア層(中学生)の中・長期的な競技力の維持・向上を図る」効果的かつ充実した内容となり、国際親善・国際交流を行うと同時に、ジュニア層のレベルアップをめざして切磋琢磨する貴重な機会となった。

 また、さよならパーティーでは、日本と台湾の役員同士の交流・意見交換が行われ、日台交流事業の成果を互いに確認。公益財団法人日本ソフトボール協会・笹田嘉雄専務理事は「今回、急な開催地変更にも関わらず、迅速な準備と丁寧なおもてなしをしていただいた埼玉県ソフトボール協会の皆様に、深く御礼申し上げます。また、本年で3年目を迎え、定着しつつあるこの事業を通じ、台湾の中学生が年々強くなっていることを感じておりますし、また、日本にとっても早くから国際経験を積み、貴重な経験を得ることが出来ることから、この事業は必要であり、継続する必要があると考えております。今回は、準備期間が短かったことから、都道府県単位での選抜チーム編成が難しく、台湾代表チームを相手にした場合、クラブチームとの対戦では力の差があることも分かったので、次回からは双方にとってメリットがあるような方法が取れるように検討していきたい。短い間ではあったが、「ソフトボール」という共通言語を介し、日本と台湾のU16世代が試合を行い、ふれあうという貴重な経験を積めた事から、満足していただけたのではないかと思います。」と語った。

 ソフトボールの「未来」を考えたとき、次の時代を担っていく「ジュニア世代の育成・強化」は必要不可欠な事業であり、最も重要な事業であるといえよう。全国女子ジュニア育成中央研修会(NTS)で優秀選手に選ばれた選手が高校生、大学生となり、その中から6名がU19代表選手に選出され、本年6月にカナダ・ブランプトンにて行われた第10回世界女子ジュニア選手権大会では、アメリカの3連覇を阻止し、チャンピオンの座にも輝いている。

 全国女子ジュニア育成中央研修会(NTS)と連動した台湾との交流事業が、しっかりと実を結び、確かな成果を残しつつある。2015年に開催される次の世界女子ジュニア選手権で中心となるのは、まさにこの交流事業に参加した選手たちの世代である。この事業が、今後もジュニア世代の選手たちの大きな「目標」となり、日本・台湾双方にとって、大きな成果へとつながる事業として継続・定着し、さらに充実したものとなることを期待したい。