2013.7.1
 

 



第10回世界女子ジュニア選手権大会が開幕!




予選リーグ第1戦の相手はアジアのライバル・中国




0−0で迎えた7回表、
日本が押し出しの四球で待望の1点を先制




先発投手に起用された中野花菜
被安打1、奪三振10の完璧なピッチングを見せた




チームはまだまだ成長段階
「世界の頂点」をめざして、しぶとく、泥臭く、戦い抜く




試合後はオープニングセレモニーに参加
「オリンピック競技復帰を!」この思い、世界中に届け!




彼女たちなら、きっとできるはず……
つかむぞ!世界一!!



女子U19日本代表レポート
●第10回世界女子ジュニア選手権大会(カナダ・ブランプトン)
 

世界女子ジュニア選手権、開幕!
日本、初戦の中国戦に1−0の辛勝!!




予選リーグ第1戦
中国戦

 第10回世界女子ジュニア選手権大会(7月1日(月)〜7日(日)/カナダ・ブランプトン 大会オフィシャルホームページはこちら http://www.jwwc2013.com/)が開幕。大会直前の6月27日(木)に現地入りした女子U19日本代表は、早速翌日から精力的に動き、同じく今大会に出場するプエルトリコ、ニュージーランドと最終のテストマッチを実施し、チームの状態を確認。大会前日となった30(日)にテクニカルミーティングが開かれ、この日、いよいよ予選リーグ第1戦に臨むことになった。

 テクニカルミーティングでは、予選リーグセクションAにエントリーされていたベネズエラが、大会直前に出場を辞退したことが報告され、セクションAで組まれていたベネズエラ戦は、すべて相手国の不戦勝(記録上7−0の取り扱いとなり、相手国の不戦勝、ベネズエラの不戦敗)となることが決定。予選リーグセクションBに振り分けられた日本に直接影響はないものの、前回大会同様、「世界選手権」という権威ある大会でありながら、大会直前に出場を辞退する国が出てしまうという非常に残念な形となった。

 大会初日、日本は予選リーグ第1戦を迎え、まず中国と対戦。2003年(第7回大会/中国・南京)以来となる「世界一」の座をめざして、7日間にわたる戦いがスタートした。

7月1日(月)/予選リーグ第1戦
  1 2 3 4 5 6 7
日    本 0 0 0 0 0 0 1 1
中    国 0 0 0 0 0 0 0 0
日本:○中野花菜(7回)−我妻悠香
長打:〔二塁打〕青木千春

 今大会、序盤から波に乗るためにも重要な意味を持つ初戦。同じアジアのライバル・中国を相手に、日本がどのような立ち上がりを見せるのか注目されたが、初回の攻撃は三者凡退に打ち取られ、無得点。いきなりの先制攻撃とはいかず、まずは静かに試合がスタートした。日本の先発投手は、中野花菜。神村学園中等部時代、「全中3連覇」の偉業を成し遂げるなど、大舞台での経験、実績ともに豊富で、現在所属するルネサスエレクトロニクス高崎でも「次代を担う投手」として期待される右腕に、大事な初戦が託された。中野花菜は、その期待に応えるように立ち上がりから落ち着いたピッチングを展開。内・外角のコーナーをキッチリと突くコントロールと、切れのある速球、テンポ良く投げ込む小気味の良いピッチングでこちらも中国打線を三者凡退に打ち取り、上々の立ち上がりを見せた。

 先制点の欲しい日本は2回表、この回先頭の4番・青木千春が、打った瞬間「ホームランか!」と思わせるレフトへのエンタイトルツーベースでチャンスメイク。5番・山下りらも四球で続き、6番・染矢紗姫の送りバントで一死二・三塁と絶好のチャンスを作ったが、7番・我妻悠香、8番・榎本千波がともに倒れ、先制ならず。この後も中国の投手の打者の手元で変化するライズ、ドロップにバットの芯を外され、毎回のように出塁しながら、得点を奪えず、試合は0−0のまま最終回に入った。

 7回表、日本は一死から8番・松本風香がしぶとくセカンドへ転がし、内野安打で出塁。9番・平川穂波のセカンドゴロで走者が入れ替わり、二死一塁となったが、続く1番・奥田茉優希が三遊間を鋭く破り、一・二塁。2番・榎本千波も執念で食らいついてセカンドへ転がし、これが相手守備のグラブをはじいて満塁と攻め立てると、打席にはこの試合、好調な打撃を買われ、3番・DPに先発起用された内藤実穂。誰もが「自分が決めてやる!」と力が入って当然の場面でも、打席の内藤実穂は冷静だった。得点こそないものの、毎回のようにしぶとく食らいついてくる日本打線に、相手投手が「ナーバスになっている」と投手心理を読み切り、しっかりとボールのバラつきを見極め、押し出しの四球を選び、苦しみながらもついに勝利を決める1点を奪い取った。

 守っては、立ち上がりから「安定感抜群」のピッチングを続ける中野花菜が、中国打線をわずか1安打に抑え、毎回の10三振を奪う力投でこのリードを守り抜き、完封勝利。「エース」としての役割をキッチリと果たし、まずは開幕白星スタートを飾った。

 日本は明日(現地時間/7月2日(火))、オランダ、オーストラリアとのダブルヘッダーに臨む。いよいよはじまった「世界一」への挑戦。日本にとって、何よりも初戦を勝利で飾れたことは大きく、喜ばしいことであるが、この中国戦の試合内容で浮き彫りとなったように、攻撃、守備、どの部分を見てもまだまだチームは成長段階にある。「世界一」を、「王座奪還」を、本気で狙い、現実のモノとするのであれば、もっともっと細部までこだわり、プレーの質を上げていかなければならない。『日本』の力はこんなものではない。今日の試合の最終回で見せた攻撃、そう、“1点を死にものぐるいで奪いにいく姿勢”こそ、勝利を義務づけられた「日本代表」に脈々と息づく「勝利のDNA」であり、「勝ち続けるチーム」だけが持ちうる「伝統の力」なのである。彼女たちなら必ずできるはず……!
 世界の舞台で試合を重ねるごとに成長し、たくましくなる。そんなチームとなり、「世界の頂点」を狙おうではないか。


第10回世界女子ジュニア選手権大会 第1日 予選リーグ第1戦

中国戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 SS 奥田茉優希 日立 21
2 CF 榎本千波 城西大 1
3 DP 内藤実穂 ルネサスエレクトロニクス高崎 10
4 1B 青木千春 太陽誘電 22
5 LF 山下りら トヨタ自動車 13
6 3B 染矢紗姫 日立マクセル 24
7 我妻悠香 ルネサスエレクトロニクス高崎 25
8 2B 松本風香 日本体育大 29
9 RF 平川穂波 中京大 14
FP 中野花菜 ルネサスエレクトロニクス高崎 18

※選手交代
7回表 代打 我妻OUT→田中麻美(トヨタ自動車)IN
7回裏 再出場 田中OUT→我妻が捕手の守備へ再出場