2017.1.21
 

 

GEM1(女子U14)日本代表
海外強化遠征(台湾遠征)を実施!




平成28年度 GEM1(女子U14)日本代表
海外強化遠征(台湾・台中遠征)が実施された



1月14日(土)、NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)に全員集合! 「日本代表」としての「心構え」「あるべき姿」が指導された



1月15日(日)、羽田空港国際線ターミナルから台湾・台中へ出発!



1月16日(月)、強化試合第1戦は東山高中学(高校生)と対戦



1月17日(火)、この日は埔理国中(中学生)、埔理高工(高校生)とのダブルヘッダーが組まれた。チーム一丸、気力充実! やる気満々!!



埔理高工との対戦を終え、仲良く記念撮影



試合前、試合の合間、試合後、田本博子ヘッドコーチが「熱血指導」



見事に整理整頓されたベンチ。こんなところからも「日本代表」の「良き伝統」がしっかりと継承されていることが感じられる



一戦一戦、日々成長していく選手たち。この遠征での「貴重な経験」が選手自身の「成長」を促し、ソフトボール界の「未来」を支えることになる



今度はこのGEM1の選手たちが、「さらに上」のカテゴリーにチャレンジしていくことになる。頑張れ! 「金の卵」たち!!



平成28年度 GEM1(女子U14)日本代表 海外強化遠征(台湾・台中)

 1月14日(土)〜20日(金)、GEM1(女子U14)日本代表の海外強化遠征(台湾・台中へ派遣)が実施された。

 このGEM1(女子U14)日本代表海外強化遠征は、昨年11月17日(木)〜20日(日)、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に実施された「平成28年度 GEM1(女子U14日本代表)中央選考会」(「平成28年度 GEM1(女子U14)日本代表中央選考会」の記事はこちら)で選出された「代表選手」17名が参加。台湾の中学生チーム、「一つ上」のカテゴリーとなる高校生との「強化試合」を主体とした強化プランが組まれ、次代を担う「金の卵」たちに「日本代表」としての「英才教育」が施された。

 台湾遠征出発前日の1月14日(土)、選手たちは、東京・NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)内のアスリートビレッジに集合。日本のトップレベルの選手たちが「世界の舞台」で戦うための「強化拠点」であるNTCにおいて、まず「日本代表」の一員となるための「事前指導」が施され、「日本代表」として、国を代表して戦うということ、すべてのソフトボールプレーヤーの「代表」として国際大会に臨むための心構え、代表選手としての言動、立ち居振る舞いや、これまでオリンピックや世界選手権、あるいはジュニア世代においても輝かしい成績を残し続けてきた女子ソフトボール「日本代表」の歴史と伝統を「引き継ぐ者」「次代を担う者」として選ばれたことの意味、責任の重さについて、今回、チームを率いる田本博子ヘッドコーチを中心に入念な「事前指導」が行われた。
 その後、軽めながら「チーム」としての「初練習」を行い、夕食後には、田本博子ヘッドコーチ、高橋秀幸アシスタントコーチによる個人面接、熄シ久美子トレーナーによる体調やコンディショニングに関する面談も行われた。

 翌日(1月15日/日)、チームは台湾・台中へ出発。翌16日(月)から台湾の中学生・高校生との「強化試合」に臨んだ。
 今回の台湾遠征では、昨年の「第6回アジア女子ジュニア選手権大会」(第6回アジア女子ジュニア選手権大会の大会結果はこちら)同様、「一つ上」のカテゴリーとなる台湾の高校生との強化試合も組まれ、GEM1(女子U14)日本代表がどんな戦いを見せるか、注目が集まった。

・1月16日(月)
《強化試合/第1戦》
  1 2 3 4 5 6 7
GEM1(女子U14)日本代表 1 0 2 0 0 0 0 3
東山高中学 0 0 1 0 0 0 0 1
バッテリー:○松本琴和(5回)、山下千世(2回)−西窪千尋
〔本塁打〕渡辺己湖
〔三塁打〕西窪千尋

 いきなり「一つ上」のカテゴリー、高校生との対戦となったGEM1は初回、一死から2番・渡辺己湖が三遊間を破るヒットで出塁。3番・馬場千宙が確実に送り、二死ながら得点圏に走者を進めると、4番・中辻美空がライト前へ先制のタイムリー。幸先良く先取点を挙げた。
 GEM1の先発・松本琴和は、その裏、2つの四球と自らのエラーで二死満塁のピンチを招いたが、落ち着いて後続を三振に抑え、初回のピンチを脱した。
 GEM1は3回表、一死から1番・山根葉月が相手エラーで出塁すると、2番・渡辺己湖がライト線を鋭く破るランニングホームラン。3点差にリードを広げた。
 先発・松本琴和は3回裏に1点を失ったものの、5回まで失点はその1点のみに抑え、6回裏から登板した山下千世も2イニングを無失点に抑え、3−1で逃げ切り、初戦を勝利で飾った。

・1月17日(火)
《強化試合/第2戦》
  1 2 3 4 5 6 7
GEM1(女子U14)日本代表 1 0 4 1 0 0 0 6
埔理国中 0 0 0 0 1 0 0 1
バッテリー:○小城遥香(4回)、山根葉月(3回)−松久歩未
〔二塁打〕馬場千宙、松本琴和

 強化試合・第2戦は、同じ「中学生」と対戦。先攻のGEM1は初回、敵失、犠打、安打、四球等で二死満塁とし、6番・渡辺己湖が押し出しの四球を選び、まず1点を先制。3回表には、安打、敵失、四球等で一死一・三塁とし、5番・中辻美空のショート内野安打で三塁走者が生還。1点を加え、続く6番・松本琴和もレフト前へタイムリー。二塁走者が一気に生還し、この回2点目を挙げ、なお一死二・三塁のチャンスが続き、7番・吉村奈津子がキャッチャー前にスクイズを決め、三塁走者が生還。さらに、この打球を処理したキャッチャーが一塁送球する間に、二塁走者が判断良く本塁を陥れ、この回一挙4点を挙げ、リードを広げると、4回表にも、四球、内野安打、犠打で一死二・三塁とした後、3番・馬場千宙がライトへ犠牲フライを打ち上げ、三塁走者が生還。6点差にリードを広げた。
 守っては、先発・小城遥香が4回まで無失点、9奪三振の力投を見せれば、2番手・山根葉月も5回裏に1点を失ったものの、その後は追加点を許さず、6−1で大勝し、2勝目を挙げた。

《強化試合/第3戦》
  1 2 3 4 5 6 7
GEM1(女子U14)日本代表 0 0 0 1 0 0 2 3
埔理高工 0 3 5 0 0 1 x 9
バッテリー:●渡部翠里(3回)、小城遥香(1回)、松本琴和(1回)、渡部翠里(1/3)、山下千世(2/3)−西窪千尋、井上美樹

 強化試合・第3戦は、再び「一つ上」のカテゴリーとなる高校生と対戦。2回裏、先発・渡部翠里がツーランホームランを浴び、この遠征で初めて先手を許すと、これに動揺したか、守備の乱れでさらに1点を失い、この回3点を先制されると、続く3回裏にも、相手打線の猛攻を浴び、大量5点を失ってしまった。
 GEM1はその後、小刻みな投手リレーで相手打線の猛攻を食い止め、大差をつけられても諦めることなく反撃。4回表には、この回先頭の2番・伊波蘭のセンター前ヒットを口火に、相手守備の乱れに乗じて1点を返し、最終回にも、2番・伊波蘭の「意地」のタイムリーヒット等で2点を返したが、反撃もここまで。今回の遠征、初黒星を喫した。

・1月18日(水)
《強化試合/第4戦》
  1 2 3 4 5 6 7
GEM1(女子U14)日本代表 2 5 0 2 0 0 0 9
埔理国中 0 0 0 0 0 0 x 0
※7回裏、時間切れで攻撃なし
バッテリー:山根葉月(2回)、○小城遥香(2回)、松本琴和(2回)−西窪千尋
〔三塁打〕渡辺己湖、松本琴和
〔二塁打〕渡辺己湖、上林藍子A

 この日の第1試合は、再び「同じ中学生」との対戦となり、試合開始からGEM1が圧倒。初回、1番・山根葉月、2番・井上美樹の連打から2点を先制すると、続く2回表にも、相手守備の乱れと3番・渡辺己湖の二塁打等で大量5点を追加。4回表には、4本の長短打を集中し、2点を追加。一方的な試合展開となった。
 守っては、先発・山根葉月、2番手・小城遥香、3番手・松本琴和とつなぐ投手リレーで相手打線に得点を許さず、完封。9−0で3勝目を挙げた。

《強化試合/第5戦》
  1 2 3 4 5 6 7
GEM1(女子U14)日本代表 0 0 0 1 0 1 0 2
埔理高工 0 1 1 0 1 1 x 4
バッテリー:●山下千世(6回)−西窪千尋
〔三塁打〕上林藍子

 前日、敗れている「一つ上」のカテゴリー、高校生である埔理高工との対戦は、埔理高工が2回裏、GEM1守備陣を揺さぶり、2つのエラーと内野安打で一死満塁の先制のチャンスをつかむと、1番・朱思瑛がセンター前にはじき返し、1点を先制した。
 埔理高工は続く3回裏にも、内野安打からチャンスをつかみ、ソツのない攻めで1点を追加。2点差にリードを広げた。
 2点を追うGEM1は4回表、この回先頭の4番・中辻美空のレフト前ヒットを口火に、一死後、6番・上林藍子のセンター前ヒット、7番・西窪千尋の死球で満塁と攻め立て、途中出場の8番・吉村奈津子がライト前にタイムリー。1点を返した。
 5回裏に1点を失い、再び2点差とされて迎えた6回表には、この回先頭の6番・上林藍子が左中間を破る三塁打、7番・西窪千尋のセンター前ヒットで1点を返し、1点差に詰め寄った。
 しかし、力投を続けていた先発・山下千世が6回裏、4連打を浴び、ダメ押しの1点を奪われ、万事休す。「一つ上」のカテゴリー、高校生を相手に互角の試合を演じたが、惜しくも2−4で敗れ、2敗目を喫した。

・1月19日(木)
《強化試合/第6戦》
  1 2 3 4 5 6 7
GEM1(女子U14)日本代表 0 1 0 1 0 2 0 4
東山高中学 0 0 0 0 3 0 0 3
バッテリー:渡部翠里(3回)、山下千世(1回)、松本琴和(2/3)、○小城遥香(2回1/3)−松久歩未
〔三塁打〕杉浦穂華、上林藍子A
〔二塁打〕吉村奈津子

 強化試合・最終戦は、「一つ上」のカテゴリー、「高校生」と対戦。GEM1は2回表、二死走者なしから7番・杉浦穂華のレフト頭上を越える三塁打と相手守備の乱れで1点を先制。4回表には、2本の内野安打で二死一・二塁とし、9番・渡部翠里がセンター前にタイムリーを放ち、二塁走者が一気に生還。2点差にリードを広げた。
 4回まで先発・渡部翠里、2番手・山下千世に抑えられていた東山高中学は5回裏、この回から代わった松本琴和の制球の乱れにつけ込み、3四球で二死満塁の反撃機をつかむと、1番打者がライト前ヒット。これに守備の乱れが絡み、満塁の走者が一掃され、一挙3点を挙げ、試合をひっくり返した。
 逆転を許したGEM1は6回表、途中出場の6番・上林藍子がレフト頭上を抜く三塁打を放ち、出塁。続く7番・杉浦穂華が四球を選び、すかさず盗塁。逆転の走者を得点圏に進め、一死後、9番・渡部翠里が一塁線を破るタイムリー。二者を迎え入れ、逆転に成功した。
 このリードを、5回途中から登板した小城遥香が打者7人をパーフェクトに抑える力投で守り切り、4−3で辛勝。今回の遠征の最終戦を勝利で締めくくった。

 今回の遠征では、「一つ上」のカテゴリーである高校生を相手に臆することなく戦い、「互角」の戦いを演じて見せた。次代の日本を担う、日本のソフトボールの未来を背負って立つ、「金の卵」たちが、その「潜在能力」の高さを感じさせる試合を展開し、中学生とは思えないようなレベルの高いプレーを随所に見せてくれた。
 また、ジュニア世代から「海外遠征」を経験し、「世界の舞台」へ飛び出していく「第一歩」を踏み出したことは、大きな意義があり、この貴重な経験を今後に生かしていってくれることを願わずにはいられない。

 また、これまでとは対象年齢、対象学年が変わり、中学1・2年生が対象となったことで、中学3年生のように、中学校の部活を「引退」し、高校へ進学するまでの「微妙な時期」に遠征が実施されるのではなく、まさに「これから」中学校での「最終学年」、「締めくくり」を迎える選手たちが中心となり、この遠征が実施されたことで、どこか「優秀選手に選ばれたご褒美」的であった雰囲気、「旅行気分」であった選手たちの取り組む姿勢にも大きな変化が見られた。

 今回の遠征を通じ、渡辺祐司チームリーダー、田本博子ヘッドコーチ、煖エ秀幸コーチが繰り返し強調したことは、「ここは『ゴール』じゃない。『スタート』なんだ!」ということであり、特に自身が「日本代表」として、シドニーオリンピックで銀メダルを獲得した経験を持つ田本博子ヘッドコーチは、強化試合の中で、あるいは試合前、試合の合間、試合後の練習で、一分一秒を惜しむように、情熱溢れる指導を行い、輝かしい歴史・伝統を誇り、今も世界の「トップレベル」で戦い続けている「日本代表」の「技術」「戦術」と、その「魂」を継承すべく全力を傾注していた。

 今回の遠征に参加した選手たちは、「GEM2(女子U16)日本代表」という「次なるステージ」に挑むことになるが、その「GEM2」では、そのカテゴリーの中で、「U16」「U15」とさらに細分化させ、4月に合同の選考会を実施する計画が進められている。そこには、今回の遠征に参加したGEM1(U14)日本代表のメンバーはもちろん、昨年の「第6回アジア女子ジュニア選手権大会」に出場したGEM2(女子U16)日本代表のメンバー、それらの選考会に参加し、惜しくも代表入りは残したものの、「今後の将来性に見込みあり」として、選手強化本部会・GEMプロジェクトメンバーがピックアップした選手を集め、再度、各カテゴリーの代表選手を見直しを行い、「U16」「U15」日本代表選手を選出。そこで選出された「U16」「U15」日本代表メンバーを海外強化遠征や国際大会に派遣するプランが進行しており、近々正式発表される見込みであるという。

 この「GEMプロジェクト」の中から、いつか世界選手権、オリンピックの舞台に立つ選手を育て上げ、「ソフトボールの未来」へとつなげていくこと。「世界有数」の競技力を誇る女子ソフトボールの歴史と伝統、「勝利のDNA」「勝者のメンタリティ」をしっかりと継承していくこと。その実現のためにも、この「GEMプロジェクト」」が、日本のソフトボールの「命運」をかけた重大なプロジェクトであることを認識し、「ALL JAPAN体制」で日本のソフトボールの英知・総力を結集させ、必ず」成功させなければならないプロジェクトなのである。

平成28年度 女子GEM-1(U-14)台湾遠征 選手団名簿
選手
No. 守備 氏名 支部 所属
1 投手 小城 遥香 こじょう はるか 福岡 春日市立春日東中学校
2 松本 琴和 まつもと ことわ 神奈川 川崎市立野川中学校
3 渡部 翠里 わたなべ みどり 秋田 能代市立東雲中学校
4 山根 葉月 やまね はづき 京都 京都市立樫原中学校
5 山下 千世 やました ちせ 静岡 城南静岡中学校
6 捕手 井上 美樹 いのうえ みき 兵庫 高砂市立宝殿中学校
7 松久 歩未 まつひさ あゆみ 岐阜 大野町立大野中学校
8 西窪 千尋 にしくぼ ちひろ 鹿児島 神村学園中等部
9 野手 伊波 蘭 いは らん 東京 日出中学校
10 上林 藍子 かみばやし あいこ 大阪 岸和田市立岸城中学校
11 杉浦 穂華 すぎうら ほのか 千葉 松戸市立第三中学校
12 田村 涼 たむら すず 高知 高知市立愛宕中学校
13 中辻 美空 なかつじ みそら 京都 京都市立嵯峨中学校
14 馬場 千宙 ばば ちひろ 大阪 岸和田市立岸城中学校
15 細谷 日向 ほそや ひなた 神奈川 横浜市立金沢中学校
16 吉村 奈津子 よしむら なつこ 神奈川 横浜市立万騎が原中学校
17 渡辺 己湖 わたなべ ここ 岡山 岡山市立福田中学校

コーチングスタッフ
No. 役職 氏名 支部 所属
1 チームリーダー 渡辺 祐司 わたなべ ゆうじ 京都 京都市立樫原中学校
2 ヘッドコーチ 田本 博子 たもと ひろこ 京都 京都市立嵯峨中学校
3 アシスタントコーチ 高橋 秀幸 たかはしひ でゆき 大分 大分市立大在中学校
4 トレーナー 高松 久美子 たかまつ くみこ SIN CARE
5 通訳 中田 萍 なかた ぴん (公財)日本ソフトボール協会