2016.9.19
平成28年度
日韓ジュニアスポーツ交流事業
(訪韓)を実施!
今年も恒例の「日韓交流事業」が実施された
親善交流試合を中心に互いの交流・強化が図られた
互いに記念品を交換し、試合開始!
親善交流試合は、日本の6戦全勝という結果に……
試合後には、「合同練習」で互いのレベルアップを図った
親善交流試合を終えて、両チームで記念撮影
グラウンド外でも互いの交流を図る。そこには言葉の違い、
文化、生活習慣の違いなんて関係なく交流する姿があった
11月には韓国チームが来日し、千葉県千葉市で交流事業が実施される
平成28年度 日韓ジュニアスポーツ交流事業(訪韓)を実施!
「日韓ジュニアスポーツ交流事業(訪韓)」が今年も開催され、日本・韓国の両国が「ソフトボール」を通じて交流。互いの友好親善を深め、競技力向上を図った。この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」は、アジア近隣諸国とのスポーツ交流を促進し、両国の友好親善と競技力向上を目的に「相互派遣方式」で実施されており、2001年からスタートし、今年で16回目の開催となる。
今回は、今年3月の全国高校女子選抜大会で優勝を飾り、今夏のインターハイも制した千葉経済大学附属高(千葉)を「日本代表チーム」として韓国に派遣。9月7日(水)〜12日(月)、韓国・鎮川を訪問し、壮大な規模で建設中のナショナルトレーニングセンター(NTC)に宿泊・利用させてもらいながら、韓国女子U19代表チームと計6試合の親善交流試合を実施する等、貴重な経験を積んだ。
また、この訪韓を受けて、11月2日(水)〜7日(月)には韓国女子U19代表チームが来日。千葉経済大学附属高校の所在地でもある千葉県千葉市を会場に、受入事業が行われる予定である。
訪韓時の親善交流試合は計6試合の予定が組まれ、9月8日(木)から試合がスタート。午前中1試合、午後1試合のダブルヘッダーで行われ、第1戦、第2戦は12−4、9−1といずれも6回コールドで日本が圧勝。やはり春の選抜、夏のインターハイの「二冠」に輝いた「強豪」だけに、投打に韓国U19代表チームを圧倒。日本の「高校No.1」の「プライド」と「貫禄」を見せつける試合となった。
この日は、試合だけでなく、「合同練習」や「選手交流会」も催され、グラウンド外でも互いの交流を深め、言葉は十分に通じなくても、身振り手振り、ゼスチュアを交え、ソフトボール談義に花を咲かせた。
翌日もダブルヘッダーで2試合が組まれ、第3戦では韓国女子U19代表チームの4番打者が本塁打を放つ等、好ゲームとなったが、日本が5−3で勝利。続く第4戦も韓国女子U19代表チームが二塁打3本を放つ等、活発な打撃戦となったが、最後は日本が6−3で打ち勝ち、4連勝を飾った。
また、この日も試合終了後には、「合同練習」を実施。特に、ソフトボールでは「試合の勝敗の70%〜80%を占める」と言われ、「好投手あるところに覇権あり」との格言もある、ピッチングの指導方法・練習方法に対しての韓国側の興味・関心は非常に高く、「この機会に何かをつかみたい!」という強い意欲が伝わる「合同練習」となった。
翌10日(土)もダブルヘッダー。午前中に行われた第5戦では、一時、韓国U19代表チームに連打を浴び、逆転を許す場面もありはしたが、終盤キッチリ逆転し、5−3で勝利を収めた。午後の第6戦は7−3で日本が圧勝。結局、日本の6戦全勝で今回予定されていた親善交流試合の全日程を終了した。
この日も、試合終了後に「合同練習」を行い、千葉経済大学附属高で全国制覇、春・夏連覇の偉業を成し遂げ、前回の世界女子ジュニア選手権では、「日本代表」のコーチとして「世界の舞台」を戦った経験を有する佐藤洋介監督が、熱意溢れる指導を施し、そのキメ細やかで技術の「ツボ」を得た指導で、韓国U19代表チームの選手たちはメキメキ上達。目に見えて長足の進歩・成長を遂げる姿が見られ、親善交流試合でも日本に肉薄する場面も見られた。
今年で16回目の開催となった「日韓ジュニアスポーツ交流事業」。日韓両国の友好親善と競技力向上が大きなテーマであるが、今回も「親善交流試合」を中心に「合同練習」を行う等、交流事業の限られた期間の中で、千葉経済大学附属高・佐藤洋介監督の「熱血指導」もあり、ライズボール、チェンジアップを習得する等、目に見えて成長・進化する選手たちの姿が見られた。
その一方で、韓国関係者自らが「この指導内容を継続していくことは難しい」と語っていたように、ここでの成果が必ずしも「今後」につながっていかないという「ジレンマ」もあった。
今回、この交流事業の団長を務めた公益財団法人日本ソフトボール協会・井之上哲夫理事も、「国際交流・国際貢献ということにおいては十分に成果が出ており、その趣旨・目的は理解できるが、『アジアのソフトボールの普及・強化の一環として』となると、果たしてこの事業の内容で良いのかどうか、一考の余地があり、検討する必要があるのではないか」と今回の事業を総括し、国際交流・国際貢献における一定の成果を評価しながらも、アジアにおけるソフトボールのさらなる普及、レベルアップを図るために、もう一度その実施内容を吟味し、より実りあるものとできるよう、両国が協議・検討する必要があるのではないか、と理事会で報告、問題提起を行った。
もちろん、この事業の大きな趣旨・目的は、言葉、民族、文化、生活習慣等の違う者同士が、「ソフトボール」という競技を通じて心を通わせることあり、その中で互いを「仲間」として認め合い、高い目標に向かって切磋琢磨していくことにある。その意味では、たとえ言葉や文化、生活習慣が違っても、「ソフトボール」という競技を一つのツールとして、言葉の違いなんてどこ吹く風、どんどん積極的コミュニケーションを図り、仲良くなっていく選手たちの姿には、素直に両国の「明るい未来」を感じることができた。
ソフトボールに「情熱」を注ぎ、この競技を心から「愛する」気持ちがあれば、そこに国の垣根は関係ない。「国際交流」「国際親善」という面では、この事業が大きな役割を果たしていることは紛れもない事実であり、若い選手たちが早い段階で国際経験を積むという意味でも一定の成果は挙がっていると評価できる。
しかし……「本気」で、いつの日か「日本と韓国がオリンピックの舞台で世界の頂点を争う」ことを考えるのであれば、まだまだ乗り越えていかなければならないハードルが数多くあることもまた「事実」である。15年以上の時を経ても日韓両国の「競技力」の差は厳然として存在し、国際大会における成績等も大きな開きがあるままである。この状況をどう変えていくのか……確かに従前の事業内容の繰り返しでは現状を変えていくことは難しいとも考えられる。
2020東京オリンピックで「野球・ソフトボール」の「復活」が実現したとはいえ、それは未来永劫続いていくことを約束するものではなく、現時点で2024年以降の姿をハッキリと視界にとらえることはできない。
また、ソフトボールの課題が「世界における競技の普及」であることは今後も変わらない「課題」であり、だとすれば、日本に求められるのは「アジアにおける仲間作り」が喫緊の課題としてとらえ、アジアの仲間たちと手を携え、ともに歩みを進め、アジアでの地盤・土台をより強固なものとすると同時に、「アジアから世界へ」その輪を広げていくことである。
この韓国をはじめ、「GEMプロジェクト」を通じて交流のある台湾との「交流事業」は、まさにその「第一歩」であり、それを足掛かりとして、その他の国々へ……さらにさらに、その「輪」を広げていかなければならない。
現状では、少なくとも大会の結果・成績においては、アジアでは「日本の一人勝ち」状態が続いている。しかし……アジアの現状、ソフトボールが抱える課題を考えれば、その状況を手放しで喜べる状況にはないのである。
もっともっと「仲間」を増やし、真に競い合える「ライバル」がアジアに出現すること。そして、その「輪」を「アジア」から「世界」へと広げていくこと。そのためには、いつか「あの日韓交流事業がソフトボールのアジアへの、世界への、普及・浸透への第一歩だった」と評価されるような事業へと発展させていく必要があり、その事業内容についても、もう一度「見つめ直す」時期に来ているのではないだろうか。
■平成28年度 日韓ジュニアスポーツ交流事業(訪韓)【選手団】
∇スタッフ
人数
役職
氏名
所属先
1
団長
井之上哲夫
公益財団法人日本ソフトボール協会理事
2
ヘッドコーチ
佐藤 洋介
千葉経済大学付属高
3
副顧問
竹内 友哉
千葉経済大学付属高
4
トレーナー
鈴木 美麗
千葉経済大学付属高
5
総務
山内 亜美
公益財団法人日本ソフトボール協会
∇選手
人数
守備
氏名
所属先
1
内野手
甲野 紋加
千葉経済大学付属高
2
投手
伊藤貴世美
〃
3
外野手
川上 真奈
〃
4
外野手
小谷田有彩
〃
5
内野手
小野寺詩織
〃
6
捕手
切石 結女
〃
7
投手
久本 美波
〃
8
内野手
佐久間桃香
〃
9
内野手
大石 沙和
〃
10
内野手
小倉美衣菜
〃
11
外野手
上杉 緋呂
〃
12
外野手
須見 友香
〃
13
外野手
髙井 愛日
〃
14
外野手
山口 優実
〃
15
投手
柗丸 優香
〃
16
捕手
田中 雅
〃
17
外野手
田村 優佳
〃