2016.10.25
 

 

第6回アジア女子ジュニア選手権大会

2016.10.20〜25 中国・四川省ハンシカ市/紅格訓練基地

GEM2(U16日本代表)
中国に延長タイブレーカーの
熱戦の末に敗れ、3位で終戦




大会もいよいよ最終日! 日本はゴールドメダルゲーム(決勝)進出をかけ、予選リーグではコールド負けを喫した中国と対戦!!



4回途中からリリーフし、好投した丸山美海



6回裏、日本は石川花の二塁打を口火に猛反撃開始!



日本は6回裏、片岡美結のタイムリーで一度は逆転したのだが……



7回裏、一死二塁から丸山美海が二遊間を破る安打を放ち、
二塁走者・山本星が一気に本塁へ。サヨナラかと思われたが……



第6回アジア女子ジュニア選手権大会
決勝トーナメント
ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)中国戦

 10月25日(火)、中国・四川省ハンシカ市で開催されている「第6回アジア女子ジュニア選手権大会」は大会6日目(最終日)を迎え、決勝トーナメントの初戦(3位・4位戦)で韓国を7−0の5回コールドで破って勝ち上がった日本(GEM2/U16日本代表)は、予選リーグを4戦全勝の1位で勝ち上がりながら、チャイニーズ・タイペイに敗れ、敗者復活戦に回ってきた中国と対戦。ゴールドメダルゲーム(決勝)で待ち受けるチャイニーズ・タイペイへの「挑戦権」をかけ、激突した。

大会第6日(最終日/10月25日/火)
《決勝トーナメント・ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)》
  1 2 3 4 5 6 7 8
中 国(U19中国代表チーム) 1 0 1 0 0 0 1 2 5
日 本(GEM2/U16日本代表) 0 0 1 0 0 2 0 0 3
(日)中邨花菜、●丸山美海−柏坂恵美、片岡美結
〔二塁打〕石川花、中邨花菜

 決勝トーナメントの初戦(3位・4位戦)で韓国にコールド勝ち。意気上がる日本は、予選リーグを4戦全勝の1位で通過しながら、2位のチャイニーズ・タイペイに敗れ、敗者復活戦に回ってきた中国と「ゴールドメダルゲーム」(決勝)進出をかけ、対戦した。

 日本の先発は、「投打の大黒柱」中邨花菜。その立ち上がり、先頭打者を三振に斬って取り、次打者のセーフティーバントもキャッチャー・柏坂恵美が俊敏な守備で一塁に刺し、ツーアウト。上々の滑り出しを見せたかと思われたが、3番打者に右中間を破るツーベースヒットを浴び、ワイルドピッチで走者が三塁へ進んだ後、4番打者が二遊間を抜くタイムリー。中国が1点を先制した。
 中国は3回表にも、二死走者なしから四球、内野ゴロ失策で一・二塁とし、8番打者がライト前にタイムリー。二塁走者を迎え入れ、貴重な追加点を挙げ、2点差にリードを広げた。

 2点を追う日本はその裏、この回先頭の7番・森園まゆがレフト前ヒットを放つと、これをレフトが後逸。一気に三塁まで進み、一死後、9番・山本星の三塁内野安打で一・三塁とし、1番・高美優の2球目に一塁走者が盗塁を仕掛けたが、これはタッチアウト。三塁走者は動けず、二死となり、チャンスを逃したかに見えたが、高美優が「執念」のショート内野安打。三塁走者が還り、1点を返した。

 1点差に追い上げた日本は6回裏、一死から3番・石川花、4番・中邨花菜の連続二塁打で同点に追いつき、途中出場の5番・片岡美結が一・二塁間を破るタイムリーを放ち、二塁走者が生還。ついに試合をひっくり返した。

 中国は土壇場の7回表、4回途中から登板していた2番手・丸山美海をとらえ、一死から4番打者がレフト前ヒットを放ち、出塁。次打者のセンター前に落ちるポテンヒットで一塁走者が一気に三塁を陥れ、一・三塁とチャンスを広げ、6番打者がライトへ犠牲フライを打ち上げ、三塁走者が生還。3−3の同点に追いついた。

 日本はその裏、9番・山本星が内野安打で出塁すると、1番・高美優が手堅く送り、「一打サヨナラ」の場面を作った。ここで2番・丸山美海が二遊間を破る安打を放ち、二塁走者・山本星が一気に本塁を狙い、巧みなスライディングでキャッチャーのタッチをかいくぐり、ホームベースに触れたかに見えたが……判定はアウト。あまりの判定に松田和広ヘッドコーチが懸命に抗議したが(ルール上、アウト・セーフの判定に対する抗議権はないのだが……)、当然のことながら判定は覆らず、日本の「サヨナラ勝ち」は「幻」となり、試合は延長タイブレーカーへともつれ込んだ。

 中国は8回表、タイブレーカーの走者を確実に犠打で三塁へ進めると、9番打者が左中間を破るタイムリースリーベースを放ち、まず1点。続く1番打者にもレフト前へのタイムリーが飛び出し、この回2点を勝ち越した。

 日本はその裏、タイブレーカーの走者を内野ゴロで三塁へ進め、二死後、6番・大谷美香の四球で同点の走者を出し、「長打が出れば同点」「ホームランが出れば逆転サヨナラ」の場面を作ったが、最後の打者がライトフライに打ち取られ、万事休す。延長タイブレーカーの末、惜しくも敗れ、ゴールドメダルゲーム(決勝)進出はならなかった。

 惜しい試合だった。審判の判定によっては、「勝っていた」試合だったかもしれない。ただ、それも含めて、「ソフトボール」であり、「試合の一部」である。審判の判定、ジャッジに不満を言う前に、誰の目で見ても、ハッキリと、「勝った」といえるような試合ができなかったことを省みるべきである。どんな判定であれ、審判が「アウト」といえば「アウト」であり、その判定を受け入れる必要がある。

 もちろん、ゴールドメダルゲーム(決勝)で優勝をかけて戦う日本の姿が見たかったし、もう一試合戦い、できることなら「優勝」を勝ち獲ってもらいたかった。

 ただ……「一つ上」のカテゴリーのチームを相手にして、予選リーグではボロボロになるまで叩きのめされながらも、ここまでチームを立て直し、これだけの試合を見せてくれた選手・スタッフには最大級の賛辞を贈りたい。「勝った」「負けた」という「結果」以上に、「3位」という「順位」以上に、最後まで全力を尽くし、諦めることなく戦い抜いたその姿を誇りに思う。
 これこそが「日本代表」というチームである。どんな「逆境」にも負けない。どんな状況でも諦めない。常に「全力」を尽くし、「勝利」という目標へ向けてチーム一丸、心をひとつにして戦い抜く。それが「日本代表」に名を連ねた者の「責務」であり、「使命」なのである。今回のチームは、見事にそれを体現して見せてくれた。

 そして……この戦いの日々、すべてが「若き日本代表」を、より強く、逞しく、成長させてくれたはずだ。この「経験」が今後の「財産」となり、「あの日の経験があるからこそ今がある」そう思う日がきっとくるだろう。
 ここはまだほんの「通過点」に過ぎない。ここから「GEM3/U19日本代表」「GEM4/U23日本代表」を駆け抜けろ! 文字通り「TOP」をめざし、「世界の舞台」で戦うために……。この「貴重な経験」を必ずや「次」につなげていかなければならない。

■決勝トーナメント



平成28年度GEM-2(U16)日本代表チーム
第6回アジア女子ジュニアソフトボール選手権大会 参加選手団名簿
選手
No. 守備 氏名 支部 所属
1 投手 丸山 美海 栃木 那須塩原市立厚崎中学校
2 鈴木 蒼 東京 東海大学菅生高等学校中等部
3 稲葉 怜美 京都 京都市立衣笠中学校
4 高 美優 福岡 福岡市立高宮中学校
5 中邨 花菜 兵庫 園田学園中学校
6 捕手 村田 実夢 栃木 大田原市立金田南中学校
7 柏坂 恵美 兵庫 明石Pクラブ
(明石市立大久保中学校)
8 片岡 美結 福岡 福岡レッドドリームズ
(春日市立春日東中学校)
9 内野手 石崎 愛世 大阪 南大阪サンダース
(大阪市立八阪中学校)
10 郡司 美友 栃木 大田原市立金田南中学校
11 大谷 美香 大阪 岸和田市立岸城中学校
12 小林 眞莉亜 群馬 太田市立藪塚本町中学校
13 森園 まゆ 愛知 名古屋市立はとり中学校
14 山本 星 兵庫 明石Pクラブ
(福崎町立福崎西中学校)
15 外野手 藤田 杏 福岡 福岡レッドドリームズ
(大野城市立大利中学校)
16 藤田 美歩 栃木 那須塩原市立厚崎中学校
17 石川 花 大阪 岸和田市立岸城中学校

コーチングスタッフ
No. 役職 氏名 支部 所属
1 チームリーダー 渡辺 祐司 京都 京都市立樫原中学校
2 ヘッドコーチ 松田 和広 宮崎 西都市立三納小中学校
3 アシスタントコーチ 山本 かんな 京都 京都市立洛南中学校
4 トレーナー 光本 雅美   くらしの企画 蓬治療所
5 総務 山内 亜美   (公財)日本ソフトボール協会
6 帯同審判 上田 素市   (公財)日本ソフトボール協会
7 通訳 中田 萍   (公財)日本ソフトボール協会