2016.12.10
 

 

GEM3(女子U19日本代表)
強化合宿を実施!




12月5日〜7日、愛知県安城市のデンソー女子ソフトボール部
グラウンドで「GEM3」(女子U19日本代表)強化合宿を実施



「ここから一人でも多くの女子TOP日本代表選手を!」と
GEM3リーダーの宗方貞徳が選手たちを叱咤激励!!



今回も日本体育大・船渡和男教授の協力を得て測定を実施



選手たちは様々な測定にチャレンジ! 貴重なデータを残した



合宿2日目・3日目は「日本代表」並みの「愛知県選抜」と対戦



選手たちは「今持てる力のすべて」をぶつけ、戦った



将来を嘱望される期待の選手たち。ただ、まだまだ成長途中!
自分たちの「現在地」を認識する貴重な機会となった



ソフトボールの「未来」を担うGEM3(女子U19日本代表)
真の輝きを放つ「宝石」となるべく、前へ! 進め!!



平成28年度GEM3(女子U19日本代表)強化合宿

 去る12月5日(月)〜7日(水)の3日間にわたり、愛知県安城市・デンソー女子ソフトボール部グラウンドで、平成28年度GEM3(女子U19日本代表)の国内強化合宿が開催された。

 平成28年度GEM3(女子U19日本代表)は、本来であれば、本年12月7日(水)〜13日(火)、タイ・チャイヤプームで開催が予定されていた「第11回アジア女子選手権大会」に派遣され、中国、チャイニーズ・タイペイといった「アジアの強豪」の「一つ上のカテゴリー」である「フル代表」を相手に戦う予定であった。
 しかし……タイ国王の死去により、国全体が「喪に服す」意味もあり、大会が中止となってしまい、貴重な強化の機会、大会への派遣を失ってしまった。

 このままでは、せっかく選ばれた選手の活動・強化の機会を失ってしまうと、(公財)日本選手強化本部会、GEMプロジェクト委員が奔走。日本リーグ所属チーム、各党道府県協会に協力を要請し、1部リーグに3チーム(トヨタ自動車、豊田自動織機、デンソー)が所属する愛知県、デンソーの本拠地である安城市で今回の強化合宿が実現した。

 本来であれば、第11回アジア女子選手権大会へ「チームリーダー」として派遣される予定であった清水正GEMプロジェクトサブリーダーは、「このGEM3(女子U19日本代表)メンバーは、2020年東京オリンピックへ向け、重点的に強化していかなくてはいけない世代の選手たち。その選手たちの貴重な活動の機会、強化の機会がなくなってしまうことは、それこそ『協会全体の損失』にもつながりかねないし、せっかく選ばれた選手たちも活動の機会がないのでは、今後のモチベーションにかかわりますし、選手たちを評価することもできないまま終わってしまいます。それでは何の意味もなくなってしまいますので、今回の合宿を企画・実現するに至りました」と、今回の強化合宿開催の経緯・趣旨を説明した。

 その言葉通り、まず合宿初日では、GEM1(女子U14日本代表)中央選考会でお馴染みの、日本体育大・船渡和男教授に協力を仰ぎ、測定を実施。選手たちが現在どの程度の能力を有しているかをチェック。測定項目は、柔軟性(長座体前屈)、筋力(握力、背筋力、上体起こし、腕立て伏せ)などに加え、遠投力、走能力テスト(30m走)、反復横とび、立ち幅跳び、メディシンボール後方投げなど、フィールドテストも実施。今後の選手強化に必要な貴重なデータを測定し、積み上げていくと同時に、選手たちの基本的な身体能力・運動能力が「評価」された。

 合宿2日目・3日目は、日本リーグ1部に所属するトヨタ自動車、豊田自動織機、デンソーの協力があり、女子TOP日本代表に選出されている選手を多数含む「愛知県選抜」とのテストマッチも実現。
 すでに「日本代表」で実績を残している長崎望未、山崎早紀、川畑瞳らに痛打を浴び、新たに女子TOP日本代表に選出された海部栞菜に抑え込まれるシーンや鈴木鮎美のプレーに圧倒される場面もあったが、今持てる力の「すべて」を発揮し、世界のトップレベルで戦い続ける「偉大な先輩」たちを相手に、「全力プレー」で挑んでいった。

 GEM3のカテゴリーの「リーダー」であり、大会では「ヘッドコーチ」を務める予定であった宗方貞徳氏は、「私の立場で関われるのは、この『GEM3(U19)』まで。それだけにここから一人でも多くの『日本代表』選手が育っていってほしいと願っていますし、そうなるように選手たちを強化していくことが私たちの『使命』であるとも思っています。それだけに大会に参加し、アジアの強豪、しかも『フル代表』相手に戦う機会を逸してしまったことは残念でなりませんが……。それでも、リーグチームをはじめとする多くの皆さんの協力もあり、『日本代表』に近い力を有する愛知県選抜との対戦の機会を得たことに心から感謝申し上げたいと思っています。それだけに選手たちは、この貴重な機会を必ずや『今後』につなげていってほしいと思いますし、私たちも選手の力をしっかりと見定め、評価し、GEM4(女子U23日本代表)、TOPチームへ引き上げる選手を見極めていかなければいけないと思っています」と、この合宿の意義と選手たちへの期待を語った。

 今回のGEM3(女子U19日本代表)には、投手陣には、今シーズン、日本リーグの新人賞に輝き、すでに女子TOP日本代表にも選出されている田内愛絵里、同じく女子TOP日本代表に名を連ね、将来を嘱望される「期待の高校生」勝股美咲がおり、野手でも、「次世代の4番打者」として期待され、日本リーグでも5試合連続6本塁打という「離れ業」を演じ、女子TOP日本代表にも選出されている那須千春(今回の合宿には体調不良のため、不参加)、リーグ終盤、飛距離抜群の豪快な本塁打を放ち、「天性のホームラン打者」としての片鱗を見せた大型スラッガー・北口美海、今回の合宿でも豪快なホームランを放つ等、その潜在能力の高さは誰もが認める中西舞衣等、将来性豊かな選手が目白押し。

 ただ、その一方で、すでに女子TOP日本代表で「実績」を残し、「世界一」をめざして戦い続けている「代表選手」はもちろんのこと、「世界最高峰」といわれる日本リーグで揉まれているリーグの選手たちにも、現時点での「力の差」や「キャリアの差」を見せつけられる場面も多く、潜在能力は有していても、「まだまだこれから」今後の強化が必要であることが明らかになった合宿であった。

 だからこそ……このような貴重な機会を「今後の成長」へとつなげていかなければならないし、この経験を自らの「力」に変えていかなければならない。2020年東京へ……一日足りとも「無駄な時間」を過ごしている暇はない。「世界の舞台」で戦い、「世界一」となり、「金メダル」を手にするために……やらなければならないことは、まだまだある。その「現実」から目を逸らしてはならないし、挑むべき「壁」は高く、大きいほどやり甲斐があるというものだ。磨けば光るGEM(宝石)だからこそ、まばゆい光を放つべく、自らに磨きをかけていかなければならないのである。

平成28年度GEM3(女子U19)日本代表チーム
国内強化合宿 参加選手・スタッフ
【選手】
No. 守備 氏名 所属
1 投手 奥野 初音 シオノギ製薬
2 勝股 美咲 多治見西高
3 後藤 希友 東海学園高
4 田内愛絵里 トヨタ自動車
5 捕手 鈴木 理恵 日立
6 藤家菜々子 Honda
7 内野手 貝沼 晴香 東京女子体育大
8 加藤 美稀 東海学園大
9 北口 美海 ビックカメラ高崎
10 重石 華子 日本精工
11 高橋 真子 Honda
12 中西 舞衣 ビックカメラ高崎
13 那須 千春 日立
14 外野手 麻生佳奈代 伊予銀行
15 加藤 亜実 園田学園女子大
16 田波里緒子 山梨学院大
17 新居かなえ 日本体育大

【スタッフ】
No. 役職 氏名 所属
1 チームリーダー 清水  正 山梨学院大
2 ヘッドコーチ 宗方 貞徳 厚木商業高
3 アシスタントコーチ 佐藤 洋介 千葉経済大附属高
4 トレーナー 熄シ久美子 SIN CARE
5 GEM4委員 木田 京子 園田学園女子大
6 GEM4委員 佐藤 理恵 東京女子体育大