第54回 全日本総合男子選手権大会 (2008.9.17)


高崎市役所(群馬)が初優勝!

全32チームが日本一を賭け熱戦を展開

前年度準優勝のデンソー(愛知)は準々決勝で敗退

唯一の大学生チーム、国士舘大(東京)も健闘

日本リーグ勢の「意地」を見せたい
平林金属(岡山)も準決勝で敗退……

投打に大活躍をみせた、高崎市役所・小田澤直紀

終盤追い上げたホンダエンジニアリング(栃木)だったが……

打線の“切り込み隊長”として活躍した
高崎市役所・小田澤正紀

高崎市役所(群馬)が歓喜の初優勝!

 第54回全日本総合男子選手権大会が9月13日(土)〜15日(月)の3日間、兵庫県豊岡市の県立但馬ドームを主会場に開催された。
 大会には、前年度準優勝のデンソー(愛知)をはじめ、日本リーグ推薦6チームを含む全国9ブロックの厳しい予選を勝ち抜いた総勢32チームが、その名の通り「日本一」の座を賭けて激戦を繰り広げた。
 大会は13日(月)に1回戦16試合、14日(日)に2回戦・準々決勝を行い、初日・1回戦では、前年度3位で今年男子西日本リーグ「3連覇」を達成した大阪ツヅキグローバル(大阪)が、三竹工業SC(鹿児島)に4−2で敗れる波乱の展開。また、今年はリーグ勢以外の実業団チーム・クラブチーム・大学チームがそれぞれベスト8に残る活躍を見せ、大会を盛り上げた。
 大会最終日には準決勝・決勝が行われ、嶋田クラブ(熊本)対ホンダエンジニアリング(栃木)の準決勝では、ホンダエンジニアリングが2回裏に6番・角尾智司、7番・石井悠太の長短打で2点を先制。対する嶋田クラブも5回表に9番・橋本和幸のタイムリーで1点を返す粘りを見せたが、その後は日本代表でもあるエース・浜口辰也が嶋田クラブに反撃を許さず、1失点の完投。「意地」のピッチングで1点差を守り切り、決勝進出を決めた。
 もう一方のゾーンでは、エース・小田澤直紀を柱に快進撃を続ける高崎市役所(群馬)と男子西日本リーグに所属する平林金属(岡山)が激突。日本リーグ勢として経験に勝る平林金属有利かと思われたが、試合は序盤から高崎市役所が長打攻勢でたたみかけた。初回に1番・小田澤正紀が先頭打者本塁打。2回表には兄・小田澤直紀にも本塁打が飛び出しリードを広げると、この後も今大会波に乗る打線が爆発。「小田澤兄弟」のアベック本塁打を含む11安打で9点を奪い、平林金属を圧倒した。
 決勝は、8年ぶり4度目の優勝を狙うホンダエンジニアリング(栃木)と初優勝を狙う高崎市役所(群馬)が対戦。
 先手を取ったのは高崎市役所。2回表に、一死から6番・外所光明が中越二塁打で出塁し、二死後、8番・小田澤直紀の中前タイムリーで先制。3回表には、3番・原田泰光の本塁打、4回表にはエース・小田澤直紀が、打った瞬間それと分かる超特大スリーランを左中間にたたき込み5点目。日本代表の好投手・浜口辰也を攻略し、4回までに大量5点のリードを奪う予想外の展開となった。
 追いかけるホンダエンジニアリングは4回裏、5番・倉田大輔の中前タイムリーで1点を返し、5回裏には3番・浦本大嗣の中越二塁打で2点目。6回裏にも、選手兼任で監督を務める植田祐造のタイムリーで2点差に詰め寄った。
 しかし、投打に活躍を見せる高崎市役所・小田澤直紀が最後の力を振り絞り、「気迫」のピッチング。最終回、追い上げムード高まるホンダエンジニアリング打線に得点を許さず、堂々たる戦いぶりで歓喜の初優勝に輝いた。
 準決勝・決勝と日本リーグ勢を破った高崎市役所。エース・小田澤直紀を柱に、まさに「力」で勝ち取った優勝だった。特に、小田澤直紀・正紀の「小田澤兄弟」はチーム躍進の原動力となり、“若い力”で今大会投打にわたり大活躍。今回の日本一を期に、今後、男子ソフトボール界に「新しい風」を吹き込んでくれることを期待したい。