第60回 全日本総合女子選手権大会 (2008.9.22)


ルネサス高崎(群馬)が6連覇の偉業達成!

「日本一」を賭け、熱戦が繰り広げられた

オリンピック効果もあり、観客席は連日満員

豊田自動織機(愛知)は準決勝敗退……

王者・ルネサス高崎(群馬)に挑んだ
デンソー(愛知)だったが……

「世界一の投手」・上野由岐子が、貫録のピッチング

太陽誘電(群馬)・坂井寛子の好投も光った

元気な若手・山本優のタイムリーで決着!

ルネサス高崎(群馬)が執念のサヨナラ勝ち

ルネサス高崎(群馬)、6連覇の偉業達成!

 第60回全日本総合女子選手権大会が、9月19日(金)〜21日(日)の3日間、新潟県上越市・糸魚川市で開催され、ルネサス高崎(群馬)が大会「6連覇」の偉業を成し遂げた。
 大会には、前年度優勝のルネサス高崎(群馬)、前年度準優勝のレオパレス21(東京)、これに日本リーグ1部の10チームを加えた12チームが推薦出場。その他全国9ブロックの厳しい予選を勝ち抜いた総勢32チームが出場し、文字通り「日本一」の座を賭けた熱戦を繰り広げた。
 大会は、初日に1回戦16試合、2日目に2回戦・準々決勝12試合、最終日には準決勝・決勝が行われ、ベスト4には、「世界一の投手」上野由岐子を擁し、大会6連覇を狙うルネサス高崎(群馬)をはじめ、デンソー(愛知)、豊田自動織機(愛知)、太陽誘電(群馬)の日本リーグ勢が順当に勝ち上がった。
 ルネサス高崎(群馬)対デンソー(愛知)の準決勝では、王者・ルネサス高崎が初回、北京オリンピック日本代表の3番・三科真澄、4番・峰幸代の連続タイムリーでいきなり2点を先制。試合の流れをつかむと、4回裏には一死二・三塁から8番・大久保美紗のスクイズ、2番・柳川直子のタイムリーで2点を追加。その後も5回裏に2点、6回裏に1点を挙げるなど、計11安打を放ち、7−0の6回コールド勝ちを収めた。
 もう一方のゾーンでは、準々決勝で昨年準優勝のレオパレス21(東京)を2−0で破った太陽誘電(群馬)と豊田自動織機(愛知)が対戦。北京オリンピック日本代表の太陽誘電・坂井寛子、豊田自動織機・ミッシェル・スミスの日本リーグを代表する両投手の「投げ合い」となったが、3回表に太陽誘電が5番・谷川まきのタイムリーで1点を先制。5回表には、二死から四球、安打で二死一・二塁と攻め立て、敵失により貴重な2点目を追加し、豊田自動織機を振り切った。
 決勝は、準決勝まで危なげのない戦いぶりで勝ち上がり、6年連続12度目の優勝をめざすルネサス高崎(群馬)と17年ぶり5度目の優勝を狙う太陽誘電(群馬)が対戦。ルネサス高崎・上野由岐子、太陽誘電・坂井寛子の北京オリンピック日本代表同士の先発で試合が開始されるとあって、あいにくの雨で大幅に試合開始時間が遅れたにも関わらず観客席は超満員。大声援の中、決勝戦がスタートした。
 試合は、その声援に後押しされたかのように、両エースが力投。互いに無得点のまま延長タイブレーカーに突入した。
 太陽誘電は8回表、タイブレーカーの走者を二塁に置き、1番・松崎絵梨子が送りバント。この打球を処理しようとした上野由岐子が、ぬかるんだグラウンドに足をとられる間にオールセーフとなり、さらに一死後、3番・廣瀬芽が死球で満塁、4番・水谷直子の一・二塁間をしぶとく破るタイムリーで待望の先制点を挙げ、均衡を破った。
 しかし、大会「6連覇」へ執念を燃やすルネサス高崎はその裏、2番・柳川直子の内野安打、3番・三科真澄の四球で無死満塁と攻め立て、4番・峰幸代の内野ゴロの間に三塁走者・岩渕有美が好スタートで本塁を陥れ、同点。この1点で完全に試合の流れが変わり、続く6番・山本優が初球を狙い澄まして鋭く振り抜き、「気合」のサヨナラタイムリーで見事6年続12度目の優勝を勝ち取った。
 エース・上野由岐子は1回戦を除くすべての試合で先発登板。延長タイブレーカーとなった決勝戦では、まさに北京オリンピックでのピッチングを再現するかのような力投でチームを勝利へと導いた。オリンピックでの戦いで得た経験をステップに、「世界一の投手」は今後もさらなる高みに挑戦していくだろう。そして、何よりもチーム一丸となり勝ち取った大会6連覇。勝利への「執念」、ルネサス高崎のその揺るぎない「信念」が今年も連覇の原動力となった。
「世界一の投手」を擁する王者は、どこまで栄光の歴史を積み重ねるのか……。今後の戦いぶりが楽しみである。