去る4月4日(金)〜6日(日)の3日間、愛知県豊田市・トヨタスポーツセンターで、「平成26年度日本女子リーグ担当審判員研修会」が実施された。
この研修会には、昨年12月、静岡県伊豆市で行われた「平成26年度日本女子リーグ担当審判員選考会」の厳しい選考を経て、選出された日本女子リーグ担当審判員29名が参加(平成26年度日本女子リーグ担当審判員名簿はこちら) 研修会の前日(3日/木)から開催されていた「2014トヨタカップ」の実際の試合に審判員を割り当てる「実戦形式」での研修が進められた。
研修会初日(4日/金)、開講式冒頭、公益財団法人日本ソフトボール協会・押野稔審判委員長が挨拶に立ち、「ここに集う皆さんは、厳しい選考を経て、選び出された『精鋭』であり、『日本を代表する審判員』の中の一人であることは間違いない。しかし、審判技術の向上に終わりなどない。リーグ担当審判員になったからといって、これが『ゴール』『終着点』ではなく、まだまだその『入口』『スタートライン』に立ったにすぎない。日々研鑽を積み、審判技術の向上に努めていかなければ、今の日本のソフトボールの技術レベルについていくことはできない。その中でも、日本女子リーグは、『世界最高レベル』と評されるほど高い競技レベルを誇っているリーグである。選手・チームは日本リーグでの優勝をめざし、毎日厳しく激しい練習を積んでいる。そのレベルに対応し、選手たちやチームの思いに応えるためにも、我々審判員も、もう一度原点に立ち返り、選手・チームと同じ思いで試合に臨む必要がある」と檄を飛ばした。さらには、「試合で起こるありとあらゆるケースに対応するには、ルールを熟知し、精通していることが大前提になる。どんな状況に直面しても、冷静さを失わず、対処するには、ルールの正しい理解に基づく、適切なルール適用・処置が必要になる。ちょうど3月31日に『オフィシャルルールケースブック』の改訂第5版も発行されている。これを活用し、より一層ルールへの理解を深め、正しいルール適用ができるよう、努力してほしい」と結んだ。
オフィシャルルールケースブック改訂第5版は、公益財団法人日本ソフトボール協会ルール委員会並びにケースブック編集委員会が編集・発行したもので、ISF、アメリカ、カナダ、オーストラリアが発行しているケースブックを参考に研究を進め、押野稔審判委員長、大橋健吾副委員長も編集委員として制作に協力。審判委員会からの要望も反映させ、3月31日に発行されたもの。従来より判型を大きくし、A4判・232頁におよぶ『大作』で、単なるQ&Aだけでなく、ルールの適用項目や競技者必携の関連項目等も明記。ルール適用の根拠や適用条項が明確になり、読みやすく、わかりやすくするための工夫が随所になされた仕上がりとなっている。この一冊があれば、従来のルール・競技者必携と併せて活用することで、ルールへの理解が進み、より正確な判定を下すための「大きな助け」となりそうだ。
この後、グラウンドに場所を移し、実技研修。トヨタカップには、日本女子リーグ1部全12チームの内、11チームが参加。開幕を直前に控えた日本女子リーグの「前哨戦」となっている大会で、参加チームも「本番」モード。新外国人選手も続々と登板させる等、本番さながらの力の入った試合が展開された。
リーグ担当審判員もその実際の試合に割り当てられ、「世界最高レベル」の競技レベルを直接肌で感じ、実戦的な研修を行うことで、「リーグ本番」に向けた「準備」を行った。
その研修の様子を、押野稔審判委員長、大橋健吾、吉里弘、工藤澄子同副委員長が各試合会場で厳しくチェック。審判員個々の課題を実戦の中で洗い出すと同時に、修正ポイントを具体的にアドバイス。より正確で公正な判定が行えるよう、懸命の研修が繰り返されていた。
選手・チームは、「優勝」をめざし、日本リーグ開幕節に臨む。審判員には勝ち負けはないが、自らの「プライド」にかけ、選手・チームと「同じ気持ち」で開幕を迎えることになる。
準備はすべて整った。後は開幕を迎えるばかりである。
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