2014.12.16
 

 

平成27年度
日本女子リーグ担当審判員
選考会、実施される!




平成27年度日本女子リーグ担当審判員選考会が実施された

  選考会には、全国の精鋭・37名が参加し、厳しい選考に臨んだ



選考会はペーパーテスト、実技選考の2本立てで行われた



実戦形式の選考では、実際の試合を想定し、どんな状況・
場面に遭遇しても、正確なジャッジを下すことが求められた



平成27年度日本女子リーグ担当審判員選考会


 去る12月12日(金)〜14日(日)の3日間にわたり、静岡県伊豆市/天城ドーム・野球場を会場に、「平成27年度 日本女子リーグ担当審判員選考会」が実施された。
 この選考会は、来年度の日本女子リーグ1部・2部を担当する審判員を選考するもので、各都道府県支部の推薦を受けた「全国の精鋭」37名が厳しい選考に臨んだ。

 選考会冒頭、公益財団法人日本ソフトボール協会・佐藤重孝審判委員長は、「オリンピック競技復帰の可能性が高まり、今後、日本女子リーグへの注目度やメディアへの露出はさらに増え、従前以上に、多くの報道陣、観客が球場に詰めかけ、皆さんのジャッジにも、より多くの人の目が注がれるようになる。また、今シーズン後半戦からは、1部リーグの試合のライブ配信もはじまり、全国どこにいても試合の映像を見ることができ、当然のことながら審判員のジャッジも、その映像の中に映し出され、言い訳やごまかしは利かない状況が生まれている」と、リーグ審判員が置かれた状況、取り巻く環境の変化を説明。「だからといって必要以上に緊張したり、神経質になる必要はない。普段通り、正確なジャッジを下せばよいだけのこと。今回の選考会もそうだが、過度の緊張やプレッシャーを感じてしまえば、できることもできなくなってしまうし、普段通りの力を発揮することはできない。この選考会は、皆さんを『落とす』ためにやっているのではない。もちろん、世界最高レベルの競技力を誇る日本女子リーグの審判員として、ふさわしい能力・識見は持った審判員を選び出すことが目的ではあるが、各都道府県支部協会の推薦を受け、この場に集っているということ自体、皆さんがそれにふさわしい審判員であることの何よりの『証』である。この選考会は、それを『確認させてもらう』場であると考えてもらいたい。高い競技レベルのリーグだからこそ、求められることも多いが、落ち着いて、しっかりといつも通りのことができれば、ここにいる全員が、日本リーグの審判員にふさわしい力を有しているものと確信している」と、参加者を激励した。その上で、「今回の選考結果に関わらず、常に高いレベルをめざす向上心を持ち、切磋琢磨していく気持ち、姿勢こそが何よりも大切。選手たちが『日本一』の座をめざし、日々厳しく激しい練習を積み、試合に臨むように、私たちもそれに負けないように努力精進していく必要がある。リーグ審判員になれるかどうかが重要なのではなく、なれるように努力すること、あるいは、なった後も日々の研鑽を続けていくこと、そういう気持ちと姿勢を持っていることが、よい審判員となるための何よりも大切な要素であり、条件ではないかと感じている」と、日々の努力と研鑽こそが、チームから信頼される審判員となるための第一歩であることを説いた。

 この後、ルールに関するペーパーテストを行ったが、この内容も、『落とす』ことが目的ではないとの趣旨から、今年4月に発行された「オフィシャル ソフトボール ルール ケースブック」改訂第5版からの出題が主となり、あえてルールの裏をかくような問題やいわゆる「ひっかけ」問題は出題せず、審判員にとって知っておくべきルール、審判員が基本的に身につけておくべきルールの解釈や適用が、ストレートに問われる内容となった。
 ただ、ベテランになればなるほど、「この問題には『裏』があるはず」「こんな素直な問題が出されるはずがない」と考え過ぎ、かえって解答を誤るケースもあったようだ。

 選考会2日目からは、「実戦形式」での選考となり、日本女子リーグ2部のカネボウ化粧品小田原、厚木SC、静岡県下の高校男子の「名門」飛龍高等学校、静岡北高等学校の協力を得て、天城ドーム・野球場の2会場に分かれ、実際の試合を行う中で、球審・一塁塁審・二塁塁審・三塁塁審を順番にローテーション。刻々と変わる状況の中で、最適なポジションをとり、正確なジャッジが行えているか、あるいは突発的な出来事に関しても冷静に対処し、試合をコントロールしていく能力があるか等が実戦形式の中で確認された。
 また、選手交代の不備はないか、ジャッジの際の発声・コール、ゼスチュアは、チームに、あるいは選手に、しっかりと認識され、理解されているか等についても、選考委員の厳しい目が注がれていた。

 本番さながら、緊迫した雰囲気の中で選考が進められ、選考会参加者は、「ストライク」「ボール」と明瞭な声で一球一球判定を下し、打球が飛べば、ローテーション通りに、互いが最適なポジションに動き、一番見やすく、正確な判定が行える位置へと素早く動き、流れるような連係で、「さすが!」という動きを見せていた。
 時には、いるべき場所に誰もいない……というケースもあったが、その際には、すぐさま互いにコミュニケーションを図り、問題点をすぐに解決。より正確な判定を行えるよう、互いが互いを思いやり、お互いの動きを確認し、フォローしながら、誰が出ても遜色のない形で互いの連係がしっかりと保たれていた。

 選考会最終日も実戦形式での選考が行われ、3日間にわたる全日程を終了。選考結果は、来年1月24日に開催が予定されている「平成26年度 第9回理事会」の席上に、審判委員会からの選考結果が提出され、審議・承認を経て、正式に発表される予定である。