2015.5.7
 

 

アジアにおける
さらなる普及・強化を!
インドネシア女子代表チームが来日!




インドネシア女子代表チームが来日!



まず山梨学院大を訪れ、合同練習とテストマッチを実施!

  インドネシアチームの山梨学院大訪問が
地元紙に写真入りで紹介された



関東学生女子ソフトボール 春季リーグにも「特別参加」



宇津木妙子氏の「熱血指導」をはじめ、北京オリンピック
金メダリストの三科真澄氏や佐藤理恵氏の指導も受けた



大学女子ソフトボールの「名門」東京女子体育大を訪問。
長きにわたる「歴史」と「伝統」に触れ、強化に励んだ!!



まだまだ「実力差」はあるものの、貪欲に学ぶ姿勢を
見せたインドネシア女子代表チーム。今後に期待!


※画像提供:NPO法人SOFTBALL DREAM(ソフトボール・ドリーム)



インドネシア女子代表チーム来日!

 去る4月27日(月)〜5月7日(木)、インドネシア女子代表チームが来日。まず山梨県甲府市の山梨学院大を来訪。続いて、埼玉県毛呂山町で開催された「第10回関東学生女子ソフトボール 春季リーグ」への特別参加(リーグ戦の観戦・視察と親善交流特別試合の実施)を経て、最後に東京都国立市の東京女子体育大を訪れ、両国の親善・交流を深めるとともに、互いのレベルアップにつなげようとテストマッチや合同練習を実施した。

 これは公益財団法人日本ソフトボール協会が推し進めている「アジアにおけるソフトボールの普及・強化」の一環として実現したもので、昨年末にシンガポールで開催された「第14回世界男子選手権大会アジア地区予選」の際には、チームスタッフ・選手総出で参加国にソフトボールクリニックを実施。3月にタイで開催された「第5回アジア女子ジュニア選手権大会」でも、日本選手団の宇津木妙子団長(ISF/国際ソフトボール連盟アジア地区副会長、SCA/アジアソフトボール連盟第1副会長、公益財団法人日本ソフトボール協会副会長)が陣頭指揮を執り、率先してソフトボールクリニックを実施するなど、「アジア全体のソフトボールのレベルアップを図り、ソフトボール競技を盛り上げ、さらなる普及・発展につなげていこう」との方針のもと、積極的な普及活動を展開している。

 今回のインドネシア女子代表チームの来日も、その趣旨に則ったものであり、今回の女子代表チームの来日に先立ち、3月18日(水)〜27日(金)の日程で同国男子代表チームが日本を訪れ、大学男子ソフトボール界の名門・日本体育大の胸を借り、テストマッチや合同練習を実施。また、千葉県野田市の東京理科大・野田キャンパスで開催された「第17回千葉オープンチャレンジカップソフトボールフェスティバル」にも参加。関東近郊の強豪チームと対戦し、強化に励んだことは記憶に新しい。

 ただ……日本、フィリピンに続き、3位でアジア地区予選を突破し、世界選手権本大会に出場している男子の代表チームに比べ、女子の代表チームは、アジア3枠の世界選手権出場権獲得はおろか、上位6チームに与えられるアジア競技大会ソフトボール競技への出場権獲得を逃す等(2011年、世界選手権のアジア地区予選・アジア競技大会の予選を兼ねた「第10回アジア女子選手権大会」で、インドネシア女子代表チームは、予選リーグ4位で決勝トーナメント進出は果たしたものの、決勝トーナメントは初戦で敗れ、両大会の出場権獲得を逃している)、これまで国際大会で目立った成績を残すには至っていないが、インドネシア女子代表チームは来月、シンガポールで開催される「シーゲームス」(東南アジア競技大会(総合大会)、1959年に第1回大会が開催され、今回で28回目を数える歴史ある大会)での「優勝」を狙い(この大会には、日本、中国、チャイニーズ・タイペイは出場しないため、東南アジア各国はこの大会での優勝を大きな目標としている)、日本での「強化合宿」実施に踏み切った。

 そのため、現時点での「力の差」は歴然。来日初戦の山梨学院大とのテストマッチでは、43−0の「歴史的大敗」を喫するなど、先行きが心配されたが、それでもテストマッチを繰り返すうちに、山梨学院RED SWANSを相手に、得点を奪う等、日を追うごとに確かな成長の跡が感じられた。
 今回のインドネシア女子代表チームの来日を受け入れ、全日程をコーディネートした山梨学院大・清水正監督は、「初めはどうなることかと思った(笑)。外国のチームを受け入れるのは、言葉の違い、生活習慣の違い、宗教の違い等あり、大変なこと。それでも、こうして熱心にソフトボールに打ち込み、懸命に技術を習得しようとする姿には、心が動かされるし、何とか力になれれば……という気持ちにさせてくれる。無心にボールを追う姿、ソフトボールを楽しむ姿は、ソフトボールの『原点』を思い出させてくれた。現時点では、ソフトボールの技術や試合の勝敗以外のところで感銘を受けたことが多いが、こうしたことを継続させ、定着させていくことが何より重要で、いつまでも日本のソフトボールがアジアで『一人勝ち』している状態を喜んでいるのではなく、ともに手を取り合って、ソフトボールという競技を広め、レベルアップしていくための『良き仲間』となり、『パートナー』となっていくことが大切ではないか」と語った。

 その後の「第10回関東学生女子ソフトボール 春季リーグ」では、城西大、東京国際大、東海大を相手に懸命の戦いを挑んだ。大会前日に、東京国際大の「総監督」でもある宇津木妙子氏の「熱血指導」を受けたことが功を奏したか、城西大、東京国際大には「力の差」を見せつけられる場面もあったが、最終戦の東海大戦では7−7で引き分けるという「大健闘」も見せた。

  最後は、大学女子ソフトボール界の「名門」東京女子体育大の胸を借り、テストマッチや合同練習を実施、細田きみ子監督、佐藤理恵コーチの指導を受け、最後まで熱心に強化に励み、貴重な経験を「お土産」に、日本での「強化合宿」を締めくくった。

 これと入れ替わるように、5月8日(金)にはシンガポール女子代表チームが来日。5月17日(日)まで岐阜県揖斐川町に滞在し、日本女子ソフトボールリーグ2部の大垣ミナモソフトボールクラブ、岐阜経済大、立命館大、岐阜県下の高校生チームとのテストマッチや合同練習が行われる予定となっている。

 こういったアジアのチームとの親善・交流が契機となり、アジアにおけるソフトボールのさらなる「普及・強化」につながることを期待したい。