第44回 日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節
 (東日本大震災・災害復興支援大会)

(2011.4.11) 

 

第44回 日本女子1部リーグが開幕!

「がんばろう!日本」今年度の日本リーグは
「東日本大震災・災害復興支援大会」として開催

全12チームの選手たちが募金活動を実施した

初日の試合開始前には、子どもたちを対象にした
「キャッチボールコンテスト」も開催

試合前には 選手たちが「エスコートキッズ」で登場

豊田自動織機へ新加入したキャット・オスターマン
「世界一の投手」上野由岐子に投げ勝ち、白星発進!

昨年の王者・トヨタ自動車も
開幕戦を勝利で飾った

今シーズン、積極的な補強を行ったデンソーは
「新戦力」がいきなり大活躍

ソフトボールを通して人々に勇気と感動を!
選手たちの熱いプレーに期待したい

がんばろう!日本
全12チームの「熱き戦い」がスタート

 第44回日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節が、4月9日(土)・10日(日)の2日間にわたり、愛知県名古屋市・ナゴヤドームにおいて開催された。

 今年で3度目の開催となったこの開幕節は、日本女子1部リーグ全12チームが一堂に会して対戦する文字通り今シーズンの「開幕」を告げる節であり、会場となった愛知県名古屋市・ナゴヤドームには、初日に11500名、2日目に8300名と多くのソフトボールファンが足を運び、大声援の中、熱い戦いの火蓋が切られた。
 また、今年度の日本リーグは3月11日に発生し、東北地方・関東地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災で被災された方々に、心からのお見舞いと哀悼の意を表するとともに、ソフトボールに真摯に取り組む選手の姿を通して、復興に立ち上がろうとしている被災地の方々に勇気と感動をお伝えすることができればという考えに立ち、「東日本大震災・災害復興支援大会」として実施することが決定され、今回の開幕節では、女子1部リーグ全12チームの選手たちが、各試合終了後に会場入り口に立ち、募金活動を実施(今回の募金は、大会の収益の一部と合わせ、日本赤十字社を通じ、義捐金として被災地に寄付される)。また、初日、2日目の試合開始前には、今回の東日本大震災で被災され、亡くなられた方々のご冥福を祈り、黙祷が捧げられた。

 試合は、初日の靜甲対シオノギ製薬戦が「開幕ゲーム」となり、熱戦がスタート。初日、2日目とそれぞれ3試合ずつが行われ、シオノギ製薬、大鵬薬品、豊田自動織機、日立マクセル、デンソー、トヨタ自動車が開幕白星スタートを飾った。

 今回の開幕節で注目カードとなったのは、何といっても初日の第3試合に組まれたルネサスエレクトロニクス高崎対豊田自動織機戦と、2日目の第3試合に組まれたトヨタ自動車対日立ソフトウェア戦。
 初日のルネサスエレクトロニクス高崎対豊田自動織機戦では、「世界一の投手」上野由岐子と、今シーズンから豊田自動織機に新加入したアメリカ代表・キャット・オスターマンの「両エース」がいきなり激突。まさに2008年の北京オリンピック・ファイナルを再現させる一戦となった。
 試合は戦前の予想通り、「両エース」が互いの意地とプライドをかけた迫力の投手戦を展開。初回にいきなり三者連続三振を奪い、立ち上がりから快調なピッチングを続ける上野由岐子に対し、大会直前に来日し、コンディションが万全とはいえないキャット・オスターマンは、この試合では本来の球威・変化球の切れこそ感じられなかったものの、要所を締める「さすが」のピッチング。試合は0−0のまま、延長タイブレーカーに突入した。
 豊田自動織機は8回表、この回先頭の3番・白井沙織がタイブレーカーの走者を犠打で送り一死三塁とすると、二死後、「頼れるキャプテン」5番・古田真輝がワンボールからの2球目をライト前にはじき返し、待望の1点を先制。さらに6番・本田小百合の右越三塁打で試合を決める2点目を追加し、4年ぶりの王座奪還に向けて大きな1勝を勝ち取った。
 豊田自動織機の先発・キャット・オスターマンは、8回を投げ抜き、9奪三振、被安打4の投球内容で完封勝利。日本リーグデビュー戦をまずは白星で飾った。打者の手元で「ボールが消える」とまで評される得意のライズ・ドロップは、まだまだ本来の球威・切れ味ではなかったものの、「世界最高レベル」の実力は健在。また、「絶対に負けない!」「負けることなど許されない」「自分が負けることなどあるはずがない」という強烈なまでのプライドと自信、勝利への飽くなき執念は、世界の舞台で勝ち続けた者だけが持ち得る「勝者のメンタリティ」を感じさせた。トヨタ自動車・モニカ・アボットと並ぶ「世界を代表する左腕」が今シーズンどこまで白星を積み重ねるのか。今後の戦いに注目が集まる。

 2日目の第3試合には、昨年のリーグチャンピン・トヨタ自動車が登場。昨年の決勝トーナメント・ファイナルの再現となった日立ソフトウェアとの対戦が、早くもこの開幕節で実現した。
 試合は昨年の決勝トーナメント・ファイナルと同様に、日立ソフトウェア・藤原麻起子、トヨタ自動車・モニカ・アボットの「両エース」の先発でスタート。立ち上がりから緊迫した投手戦となったが、両チーム無得点で迎えた5回裏、トヨタ自動車は一死から9番・渡邉華月のレフト前安打と四死球で一死満塁と攻め立て、3番・藤野遥香の二遊間を破るタイムリーで2点を先制。守っては、「絶対的エース」モニカ・アボットが強打の日立ソフトウェア打線を6回表の1点のみに抑え、完投勝利。こちらも優勝を争うライバルから大きな1勝を勝ち取り、リーグ「連覇」に向けて好スタートを切った。

 その他、今回の開幕節では各チームの「新戦力」が大活躍。昨年伊予銀行との入替戦を制し、1部リーグ昇格を果たした日立マクセルは、今シーズンから新加入した小野奈津子、田中梢子がいずれも先制点、決勝点を叩き出すタイムリーを放ち、勝利に貢献。太陽誘電を3−1で破り、初戦を勝利で飾った。
 また、今シーズン戸田中央総合病院から今泉早智、ドリーム☆ワールドから伊藤綾香、アメリカ代表の若手・メーガン・ランゲンフェルドが新加入し、積極的な補強を行ったデンソーはHondaと対戦。両チーム無得点で迎えた5回裏に、今シーズンHondaに新加入した「大型右腕」サラ・パウリーから、デンソー打線の「新たな主軸」3番・今泉早智、4番・伊藤綾香、5番・メーガン・ランゲンフェルドが連続タイムリーを放ち、この回一挙5点を奪うなど、7−0の圧勝。今後の戦いに大きな期待を抱かせる快調な滑り出しを見せた。

 新たなシーズンが開幕した日本女子ソフトボール1部リーグ。全12チームが「頂点」をめざし、今年も全国各地で熱戦を繰り広げる。王者・トヨタ自動車のリーグ「連覇」はなるか。また、その王者を破り、“Stop The TOYOTA”を実現するチームは現れるのか。全12チームの今シーズンの戦いに注目したい!
 日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節、各チームの成績は下記の通りで、第1節は4月23日(土)・24日(日)の2日間、兵庫県尼崎市・愛媛県今治市・佐賀県佐賀市において開催される。

■開幕節終了時、全チーム成績

トヨタ自動車 1勝0敗
豊田自動織機 1勝0敗
デンソー 1勝0敗
シオノギ製薬 1勝0敗
大鵬薬品 1勝0敗
日立マクセル 1勝0敗
日立ソフトウェア 0勝1敗
ルネサスエレクトロニクス高崎 0勝1敗
Honda 0勝1敗
佐川急便 0勝1敗
太陽誘電 0勝1敗
靜甲 0勝1敗