2012.5.21
 

 

第45回日本女子ソフトボール1部リーグ第3節

トヨタ自動車、無傷の7連勝!
ルネサスエレクトロニクス高崎
デンソーが5勝2敗で追走!!

トヨタ自動車は「絶対的エース」モニカ・アボットの力投で
今節も連勝。開幕からの連勝を「7」に伸ばし、独走態勢

地元で上位進出を狙ったHondaは今節1勝1敗。
思うように星を伸ばせず、通算3勝4敗と黒星先行

ルネサスエレクトロニクス高崎は地元で連勝。
通算5勝2敗と星を伸ばし、同率2位につけた

太陽誘電は日立マクセルに完封勝ちしたものの、
ルネサスエレクトロニクス高崎に大敗を喫した

大鵬薬品は、日立マクセルに1点差で競り勝ち、
連敗を「5」で止め、開幕節以来の2勝目を挙げた

デンソーは豊田自動織機との「刈谷ダービー」に
快勝。通算成績を5勝2敗とし、同率2位に躍進!

地元で勝ち星を伸ばしたかった豊田自動織機だが、
デンソーとの「直接対決」に敗れ、痛い星を落とした

佐川急便は戸田中央総合病院にサヨナラ勝ち。
通算成績3勝4敗で、上位争いに踏み止まった
 
 

刈谷大会

 

前橋大会



 第45回日本女子ソフトボール1部リーグ第3節が、5月19日(土)・20日(日)の両日、栃木県宇都宮市・群馬県前橋市・愛知県刈谷市の3会場で開催された。
 結果は、首位を走るトヨタ自動車が今節も連勝。開幕からの連勝を「7」に伸ばし、前人未到の3連覇へ向け、快調な足どりを刻んでいる。
 2位以下は大混戦となっているが、ルネサスエレクトロニクス高崎、デンソーが今節連勝で一歩抜け出し、5勝2敗で同率2位に並んだ。

 ここまで開幕5連勝と「3連覇」へ向け、視界良好のトヨタ自動車は、栃木県宇都宮市で開催された「宇都宮大会」に登場。今節初戦のシオノギ製薬戦は、先発・山根佐由里が2回裏に唐橋亜由佳にタイムリーを浴び、1点を先制されると、シオノギ製薬のエース・安福智を打ちあぐみ、終盤までリードを許す、苦しい試合展開。7回表、小野真希が起死回生のタイムリーツーベースを放ち、同点に追いつき、土壇場で息を吹き返すと、1−1の同点のまま、延長タイブレーカーに入った8回表には、坂元令奈のタイムリー、藤野遥香の犠牲フライで3点を勝ち越し。このリードを7回裏から登板した「絶対的エース」モニカ・アボットが打者6人から5三振を奪うパーフェクトピッチングで守り切り、2−1で辛勝。開幕からの連勝を「6」に伸ばした。
 続く日立ソフトウェア戦では、初回、ナターシャ・ワトリーが先頭打者本塁打を放ち、いきなり強烈な先制パンチをお見舞いすると、早々とリードをもらった「絶対的エース」モニカ・アボットが力投。日立ソフトウェアの強力打線から「三振の山」を築き、6回表には坂元令奈がダメ押しのソロ本塁打。2点のリードをもらったモニカ・アボットは最後まで日立ソフトウェア打線につけ入るスキを与えず、13奪三振の力投。上位進出を目論む「ライバル」を直接対決で叩き、開幕からの連勝を「7」に伸ばし、完全に「独走態勢」に入った。
 第2節まで3勝2敗と「2位グループ」につけていた日立ソフトウェアは、今節初戦のHonda戦では、チームを引っ張る「キャプテン」溝江香澄が今シーズン第1号本塁打を放つなど、持ち前の強力打線が爆発。6−1で快勝し、開幕から無傷の連勝を続けるトヨタ自動車に挑んだが、今シーズンも抜群の安定感を誇る「絶対的エース」モニカ・アボットに自慢の強力打線が完全に封じられ、0−2で完敗。通算成績4勝3敗で上位争いから一歩後退した。
 開幕3連敗のスタートから、第2節で連勝し、勢いに乗ったまま、地元開催の第3節で上位進出を狙ったHondaは、今節初戦の日立ソフトウェア戦で先発・金尾和美、2番手・西岡里恵が日立ソフトウェアの強力打線につかまり、1−6と完敗。続くシオノギ製薬戦も初回に橋元春華にツーランを浴び、2点を先制される苦しい試合展開となったが、3回裏、小川絵里加が起死回生の逆転スリーランを放ち、試合をひっくり返すと、6回裏にも相手守備の乱れと小川絵里加の犠牲フライでダメ押しの2点を追加。地元の熱い声援に応え、逆転勝利を飾り、通算成績を3勝4敗とした。
 ここまで1勝4敗と苦しい状態が続くシオノギ製薬は今節も連敗。王者・トヨタ自動車を相手に最終回までリードを奪い、大金星を目前にしながら逆転負けを喫し、地元・Hondaとの一戦も初回に2点を先制しながら逆転負け。「あと一歩」のところまではいくのだが、勝利を手にすることができず、最下位に低迷している。

 群馬県前橋市で開催された「前橋大会」には、王者・トヨタ自動車を追走するルネサスエレクトロニクス高崎が登場。
 ルネサスエレクトロニクス高崎は、今節初戦の大鵬薬品戦で「期待のルーキー」中野花菜が日本リーグデビューを飾り、初登板・初勝利・初完封の離れ業をやってのけた。打線も岩渕有美のスリーランなどで6点を奪い、6−0と完勝。続く太陽誘電との「上州対決」「高崎ダービー」でも、エース・上野由岐子が6回まで被安打3・奪三振6の力投で試合の流れを作ると、太陽誘電が誇る「若手二枚看板」を攻略。初回の先制のチャンスは逃したが、2回裏に市口侑果のタイムリー、中野久美の走者一掃の右中間三塁打で一挙4点を挙げ、先発・藤田倭を打ち崩し、4回裏には代わった森真里奈からも2点を奪い、6−0の完封勝利。通算5勝2敗で同率ながら2位につけた。
 太陽誘電は日立マクセル戦で、昨シーズン「新人賞」に輝いた森真里奈が好投。7回表の二死満塁、延長に入った8回表の二死三塁のピンチをいずれも「三振」で切り抜けると、8回裏、一死二・三塁の「一打サヨナラ」のチャンスを作り、山本晴香がヒットエンドランを決め、三塁走者が生還。息詰まる投手戦を制し、1−0のサヨナラ勝ちを収めた。しかし、続くルネサスエレクトロニクス高崎戦では、「世界を制した鉄腕」上野由岐子の力投の前に打線が沈黙。自慢の「若手二枚看板」が6失点と精彩を欠き、0−6の完封負けを喫し、通算成績3勝4敗と星を伸ばすことができなかった。
 日立マクセルは今節連敗。太陽誘電戦では押し気味に試合を進めながら、「あと一本」が出ず、延長8回サヨナラ負け。翌日の大鵬薬品戦でも、4点のリードを奪われながら、最終回に猛追。「主砲」田中梢子のソロ本塁打、小林朝子、熏關迪b、篠田美穂の3連続二塁打で3点を返し、1点差に詰め寄り、なお一死二塁の一打同点のチャンスをつかんだが、「あと一本」が出ず、1点差の惜敗。通算成績2勝5敗と上位争いから大きく後退した。
 開幕戦の劇的勝利から勝ち星がなく、第1節から泥沼の5連敗と苦しい状態が続いていた大鵬薬品は、今節初戦のルネサスエレクトロニクス高崎戦では完封負けを喫したものの、続く日立マクセル戦では、3回裏に相手守備の乱れから先取点を挙げ、終盤6回裏には、佐藤このみ、佐藤光紗の連打から一死二・三塁のチャンスをつかみ、稲垣ゆみこがヒットエンドランを決め、貴重な2点目。さらに酒井かおりにダメ押しのライト前タイムリーが飛び出し、2点を追加。この回3点を挙げ、その裏、日立マクセルの猛攻を1点差で凌ぎ、4−3で逃げ切り、連敗を「5」で止め、久々の2勝目を挙げた。

 愛知県刈谷市で開催された「刈谷大会」では、初日、地元・デンソー、豊田自動織機が快勝。デンソーは佐川急便に2点を先制される苦しい試合展開から、打線が爆発。伊藤綾香の本塁打、倉成真子の三塁打、狩野香寿美、伊藤綾香の二塁打など、効果的な長打攻勢で10−4と逆転勝ち。
 豊田自動織機も戸田中央総合病院を相手に、初回に先手を取られながら、その裏すぐに国吉早乃花のタイムリーで同点に追いつくと、4回裏には、再び国吉早乃花が勝ち越しのソロ本塁打。「頼れるキャプテン」の活躍で戸田中央総合病院を2−1で振り切り、両チームが4勝2敗と並んだ状態で「刈谷ダービー」を迎えた。
 「刈谷ダービー」は、このところ調子を上げてきた豊田自動織機の「エース」ダニエル・ローリーを打線好調のデンソーがどう攻めるかが注目されたが、その立ち上がりをデンソーが攻め、二死満塁の先制機を作ると、今泉早智、松本尚子の連続タイムリーで一挙4点を先制。完全に試合の主導権を握ると、5回裏には、狩野香寿美が勝利を決定づける2点タイムリー。守っては、先発・近藤光からジョーダン・テーラーにつなぐ投手リレーで豊田自動織機の反撃を1点のみに抑え、デンソーが6−1で快勝。通算成績を5勝2敗とし、ルネサスエレクトロニクス高崎と並び、同率2位に浮上した。
 一方、この試合に敗れた豊田自動織機は4勝3敗となり、上位争いから一歩後退した。
 第2節でルネサスエレクトロニクス高崎、日立マクセルを破って勢いに乗る戸田中央総合病院は、今節初戦の豊田自動織機戦でも初回に先制。このまま突っ走るかと思われたが、1−2の逆転負け。これで「勢い」に陰りが見えたか、佐川急便戦ではエース・李Lが力投しながら0−1のサヨナラ負けを喫し、手痛い連敗。通算成績3勝4敗となり、一気に上位争いに割って入ることはできなかった。
 佐川急便は今節1勝1敗。デンソー戦では2点を先制しながら逆転負け。戸田中央病院戦でも李Lを打ち崩せず、なかなか得点を奪えない胃が痛くなるような試合展開となったが、「エース」ジャスティン・スメサートの力投に応え、延長8回裏、「女房役」の山科真里奈が劇的なサヨナラヒットを放ち、苦しみながらも3勝目を挙げ、何とか上位を狙える位置に踏み止まった。

 前人未到の3連覇をめざす王者・トヨタ自動車が開幕から無傷の7連勝と突っ走っている他は大混戦の状態。「1勝」「1敗」が大きな意味を持ち、一つの勝ち負けで順位がひっくり返る。ここからどこが抜け出すのか、ますます目の離せない展開が続いている。
 第4節は、5月26日(土)・27日(日)の両日、岩手県金ケ崎町・埼玉県朝霞市・広島県東広島市の3会場で開催される予定である。


第45回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第3節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 トヨタ自動車 7 0
2位 ルネサスエレクトロニクス高崎 5 2
デンソー 5 2
4位 豊田自動織機 4 3
日立ソフトウェア 4 3
6位 太陽誘電 3 4
Honda 3 4
佐川急便 3 4
戸田中央総合病院 3 4
10位 日立マクセル 2 5
大鵬薬品 2 5
12位 シオノギ製薬 1 6

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。