2012.6.4
 

 

第45回日本女子ソフトボール1部リーグ第5節

前半戦終了! トヨタ自動車、無傷の11連勝で折り返す!!

前人未到の3連覇をめざす王者・トヨタ自動車は
無傷の11連勝で前半戦を終了! 首位を独走!!

9勝2敗で2位につけたルネサスエレクトロニクス高崎。
トヨタ自動車の「独走」を止め、3連覇を阻止できるか!?

9勝2敗で同率2位に並ぶデンソー。ジョーダン・テーラー、
メーガン・ウィギンズの外国人選手もチームに溶け込み、
大きな戦力となっている。後半戦も好調を維持できるか!?

6勝5敗で同率4位の豊田自動織機。ダニエル・ローリー、
メーガン・ウィリスのバッテリーも奮闘しているのだが……

日立ソフトウェアのエース・山中しほ。「期待の左腕」だが、
上位チームとの対戦で、まだ未勝利なのが気がかり……

太陽誘電も6勝5敗の同率4位。
上位チームとの「直接対決」に勝利しながら、
予想外の「とりこぼし」もあり、もうひとつ波に
乗り切れない。混戦の4位争いから抜け出すことができるか!?

佐川急便は5勝6敗の7位。決勝トーナメント進出のためには
もう一敗もできない状況。後半戦、「台風の目」になれるか!?

4勝7敗のHonda。
勝てる試合は確実にモノにしているが……

同じく4勝7敗の戸田中央総合病院。
打線の援護と「エース」李Lの登板しない試合を
どう乗り切っていくかが後半戦のカギとなりそうだ

3勝8敗の日立マクセル。
後半戦再開までにチームの立て直しを!

2勝9敗の大鵬薬品。江本奈穂が投打に奮闘しているが……

1勝10敗のシオノギ製薬。
開幕時の「元気」と「笑顔」を取り戻せ!!
 
 

北海道大会
日立ソフトウェア対デンソー

 
 

 第45回日本女子ソフトボール1部リーグ第5節が、6月2日(土)・3日(日)の両日、北海道函館市・静岡県掛川市・愛媛県新居浜市の3会場で開催された。
 結果は、首位を走るトヨタ自動車が今節も連勝。開幕からの連勝を「11」に伸ばし、前半戦を折り返した。
 これに9勝2敗のルネサスエレクトロニクス高崎、デンソーが続き、決勝トーナメント進出の「常連」豊田自動織機、日立ソフトウェアは6勝5敗と星を伸ばせず、同じく6勝5敗で前半戦を終えた太陽誘電の3チームが同率4位に並び、決勝トーナメント進出がかかる4位争いは、後半戦でさらに激しさを増していきそうな気配だ。

 第4節まで無傷の開幕9連勝と前人未到の「3連覇」へ向け、首位を快走しているトヨタ自動車は、静岡県掛川市で開催された「掛川大会」に登場。今節初戦の日立マクセル戦には、「絶対的エース」モニカ・アボットを温存。それでも、初回にナターシャ・ワトリーがレフト前ヒットで出塁すると、犠打で確実に得点圏に走者を進め、坂元令奈がレフト前にタイムリーを放ち、あっさり先制。続く2回裏にも、ナターシャ・ワトリーが左中間を破るタイムリーツーベースを放ち、2点目。3回裏にも、代打・馬渕朝子がセンター前にタイムリーを放つなど、小刻みに得点を重ね、リードを広げると、先発・山根佐由里、中村友佳とつなぐ投手リレーで日立マクセルの反撃を1点に抑え、3−1と快勝。続くHonda戦では、先発・稲元沙貴の立ち上がりを攻め、連続四球でチャンスをつかむと、藤野遥香、小野真希のタイムリーなどで初回にいきなり4点を先制。守っては、「絶対的エース」モニカ・アボットが4回まで被安打1・奪三振6の完璧なピッチングでHonda打線を抑え込み、リリーフした中村友佳が2点を失ったものの、5−2で勝利を収め、開幕からの連勝を「11」に伸ばし、無傷で前半戦を折り返した。
 これを追うルネサスエレクトロニクス高崎は、今節初戦のHonda戦を3−0の完封勝ち。4回表、中野久美、岩渕有美のタイムリーなどで3点を奪い、エース・上野由岐子が安定感抜群のピッチングでこのリードを守り切り、初戦を快勝すると、続く日立マクセル戦では打線が爆発。初回に市口侑果、大久保美紗、峰幸代の3連打であっさり先取点を挙げ、中野久美の犠牲フライ、上野由岐子のタイムリーなどで3点を追加。鮮やかな先制攻撃で大量4点を奪い、試合の主導権を握ると、2回裏には相手守備の乱れに乗じて1点を追加。4回裏には大久保美紗のタイムリーツーベース、中野久美のタイムリーで2点を加え、7点のリードを奪うと、上野由岐子、中野花菜、黒川春華とつなぐ投手リレーで日立マクセルに最後まで得点を許さず、7−0で完勝。今節も連勝で通算成績を9勝2敗とし、同率2位の座を守った。
 前節まで4勝5敗のHondaは、今節初戦のルネサスエレクトロニクス高崎に0−3の完封負け。「世界を制した鉄腕」上野由岐子の前にわずか2安打、9三振と打線が沈黙。最後まで得点を挙げることができず、続くトヨタ自動車戦も「絶対的エース」モニカ・アボットの前に4回まで1安打、6三振。打線にまったく元気がなく、リリーフした中村友佳から2点を奪い、2試合連続の完封は免れたものの、2−5で完敗。通算成績4勝7敗の8位と上位進出は苦しくなった。
 日立マクセルも今節連敗。現在、1位、2位のチームが相手とはいえ、2試合とも初回に簡単に失点しているようでは勝ち目は薄い。開幕当初は上位争いに割って入るかという局面もあったのだが、そこからズルズルと後退。通算成績3勝8敗の10位に順位を落とし、前半戦を終えた。

 北海道函館市で開催された「北海道大会」には、王者・トヨタ自動車を追走し、ルネサスエレクトロニクス高崎と並び、同率2位につけるデンソーが登場。
 デンソーは、今節初戦のシオノギ製薬戦では打線が爆発。2回表、永吉理恵、伊藤綾香の長短打で先制のチャンスをつかむと、一死後、今泉早智がセンター前にタイムリーを放ち、二者生還。2点を先制すると、倉成真子の三遊間を抜くヒット、相手エラーで満塁とし、今シーズン絶好調の「切り込み隊長」増山由梨がレフト前にタイムリーを放ち、1点を追加。さらに、メーガン・ウィギンズが押し出しの四球を選び、この回大量4点を奪い、試合の流れを引き寄せると、終盤7回表には伊藤綾香がシオノギ製薬の息の根を止める満塁ホームラン。8−0で大勝し、勢いに乗って決勝トーナメント進出を争う「ライバル」日立ソフトウェアと対戦。試合は現時点での「勢いの差」を感じさせるような試合展開となり、初回に中岡理美のソロホームランで先制すると、4回表にも今泉早智がソロホームランを放ち、2点目。5回表にも中岡理美のツーベース、メーガン・ウィギンズの内野安打でチャンスをつかみ、伊藤綾香がライト前にタイムリーを放ち、3点目。7回表にも相手守備の乱れにつけ込み、ダメ押しの4点目を奪い、4−0で快勝。今節連勝で通算成績を9勝2敗とし、ルネサスエレクトロニクス高崎と並び、同率2位の座を確保し、前半戦を折り返した。
 日立ソフトウェアは、今節初戦の戸田中央総合病院戦では、2回裏に林佑季のツーランで先制すると、3回裏には「キャプテン」溝江香澄のタイムリーで2点を追加。戸田中央総合病院のエース・李Lをノックアウトし、4回裏にも代わった田家由里から濱本静代の犠牲フライで1点を加え、5回裏には、西山麗の記念すべきリーグ通算200安打となるタイムリーが飛び出すなど、3点を追加。8−0と大勝した。しかし、上位争いの「ライバル」デンソーとの「直接対決」では、投手陣がデンソー打線につかまり、12安打を浴び、4失点。自慢の「強力打線」もデンソーの「エース」ジョーダン・テーラーの力投の前にわずか2安打に抑え込まれ、0−4で完敗。差を詰めるべく臨んだ「直接対決」に敗れたことで、同率4位と順位こそ変わらないものの、上位3チームとの差が広がる結果となってしまった。
 戸田中央総合病院は、今節初戦、頼みのエース・李Lが日立ソフトウェアの強力打線の「餌食」となり、序盤3回でノックアウトされ、0−8と完敗。続くシオノギ製薬戦では、そのエース・李Lが立ち直り、5回を無失点に抑える力投。打線もこれに応え、小沢佳那子の満塁の走者一掃のツーベースを含む5打点を挙げる活躍で8−0と大勝したものの、今節1勝1敗と星を伸ばせず、通算4勝7敗の同率8位となり、上位進出は苦しくなった。
 前節まで1勝8敗の最下位と低迷するシオノギ製薬は、初戦のデンソー戦に0−8で大敗すると、続く戸田中央総合病院戦も左腕・李L、田家由里の継投の前に6安打を放ちながら得点を挙げることができず、0−8で完封負け。今節も勝ち星なく、地元・尼崎での第1節で今シーズン初勝利を挙げて以来、8連敗と出口の見えない泥沼にあえいでいる。

 愛媛県新居浜市で開催された「愛媛大会」では、決勝トーナメント進出圏内を争う豊田自動織機と太陽誘電が直接対決。豊田自動織機・ダニエル・ローリー、太陽誘電・森真里奈が息詰まる投手戦を展開。試合は終盤まで両チーム得点なく、膠着状態が続いたが、7回表、原田のどかの意表を突くセーフティーバントが相手守備陣のエラーを誘い、バッテリーミスもあり、得点圏に走者を進めると「本職」は投手の尾楓]良が代打で決勝タイムリーを放ち、待望の先取点。昨年新人賞を受賞した森真里奈の力投でこのリードを守り切り、大きな1勝を挙げた。しかし、太陽誘電は、続く佐川急便戦で2回裏に先発・藤田倭がワイルドピッチ、パスボールなど、バッテリーミスでピンチを招き、寺本有希のタイムリーで2点を失うと、4回表に佐藤みなみのツーベースから反撃のチャンスをつかみ、1点を返したものの、ジャスティン・スメサート、信長香菜の継投にかわされ、1−2の惜敗。痛い星を落とし、4位争いから抜け出すことができず、通算6勝5敗の同率4位で前半戦を終了した。
 太陽誘電との「直接対決」に敗れた豊田自動織機は、そのショックが尾を引いたわけではないだろうが、続く大鵬薬品戦でも大苦戦。「元チームメート」の江本奈穂を打ち崩すことができず、0−0のまま、延長タイブレーカーに突入。8回表に中森菜摘のタイムリーでようやく1点を勝ち越し、ダニエル・ローリーがその裏の大鵬薬品の反撃を無得点に抑え、1−0で辛勝。今節1勝1敗で通算成績6勝5敗の同率4位。1994年の決勝トーナメント制導入以来、19年連続での決勝トーナメント進出を果たしている「名門」が、例年にない厳しい星勘定で前半戦を折り返すことになった。
 佐川急便は、今節初戦の大鵬薬品戦に4−0と快勝し、続く太陽誘電戦にも2−1で競り勝ち、今節連勝。通算5勝6敗の7位につけ、上位進出の可能性を首の皮一枚残した。
 大鵬薬品は今節も連敗。初戦の佐川急便戦に6回まで0−0と互角を試合を演じ、続く豊田自動織機戦も0−0のまま、延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦を演じながら、2試合連続の完封負け。勝利に見放された状態が続き、無意識のうちに勝ち急ぎ、互角の試合を展開し、勝機がありながら勝ち切ることができない。試合内容は決して悪くはないのだが……。通算2勝9敗の11位と低迷が続いている。

 前人未到の3連覇をめざす王者・トヨタ自動車が開幕から無傷の11連勝で前半戦を折り返し、ルネサスエレクトロニクス高崎、デンソーが9勝2敗で同率2位。4位には6勝5敗の豊田自動織機、日立ソフトウェア、太陽誘電の3チームが並ぶという展開で前半戦を終了。
 後半戦では、このままトヨタ自動車が独走するのか、それともそれを止めるチームが現れるのかに注目が集まる。また、決勝トーナメント進出を巡る争いもさらに激化の一途を辿りそうだ。前半戦、調子の波に乗れなかったチームも、後半戦再開までの間にチームを立て直してくることだろう。
 後半戦のスタートとなる第6節は、9月1日(土)・2日(日)の両日、岩手県一関市・千葉県千葉市・愛知県豊橋市の3会場で開催される。


第45回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第5節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 トヨタ自動車 11 0
2位 ルネサスエレクトロニクス高崎 9 2
デンソー 9 2
4位 豊田自動織機 6 5
日立ソフトウェア 6 5
太陽誘電 6 5
7位 佐川急便 5 6
8位 Honda 4 7
戸田中央総合病院 4 7
10位 日立マクセル 3 8
11位 大鵬薬品 2 9
12位 シオノギ製薬 1 10

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。