2012.9.3
 

 

第45回日本女子ソフトボール1部リーグ第6節

トヨタ自動車、無傷の13連勝で首位を独走!

トヨタ自動車、後半戦のスタートも快調に連勝!
開幕からの無傷の連勝は「13」となり、首位独走

デンソーは今節1勝1敗で10勝3敗の同率2位につけた

日立マクセルは大鵬薬品にサヨナラ勝ちし、4勝目!

戸田中央総合病院はルネサスエレクトロニクス高崎を
破る大金星を挙げ、今節連勝! 通算6勝7敗とした

ルネサスエレクトロニクス高崎は戸田中央総合病院戦で
不覚をとったものの、日立ソフトウェアに勝ち、同率2位に

今節、1勝1敗の日立ソフトウェア。
7勝6敗の同率5位と順位を落とした

太陽誘電との直接対決を制し、単独4位となった
豊田自動織機。決勝トーナメント進出圏内を堅持

豊田自動織機との「大事な一戦」を落した太陽誘電。
7勝6敗で同率5位となったが、次節以降巻き返せるか
 
 

豊橋大会
トヨタ自動車対デンソー

 
 

 第45回日本女子ソフトボール1部リーグ第6節が、9月1日(土)・2日(日)の両日、岩手県一関市・千葉県千葉市・愛知県豊橋市の3会場で開催された。
 結果は、前半戦を首位で折り返したトヨタ自動車が今節も快調に連勝。開幕からの連勝を「13」に伸ばし、独走態勢に入った。
 これに10勝3敗のルネサスエレクトロニクス高崎、デンソーが続き、豊田自動織機が8勝5敗の4位につけた。
 決勝トーナメント進出の「常連」日立ソフトウェアは7勝6敗と星を伸ばせず、豊田自動織機との「直接対決」敗れた太陽誘電と並んで同率5位。決勝トーナメント進出がかかる4位争いは、今後さらに激しさを増していきそうな気配だ。

 前半戦を無傷の開幕11連勝で折り返し、決勝トーナメント制が導入されて以来、まだどのチームも成し遂げたことのない「3連覇」へ向け、首位を快走しているトヨタ自動車は、愛知県豊橋市で開催された「豊橋大会」に登場。大事な後半戦のスタートとなる大鵬薬品戦は、「絶対的エース」モニカ・アボットを温存する余裕の選手起用。大鵬薬品投手陣に三塁打1本・二塁打6本を浴びせる長打攻勢で13得点を奪い、守っては、先発・山根佐由里、中村友佳、上村さつきと3投手をつなぐ投手リレーで大鵬薬品打線を完封。13−0で大勝し、全勝を守った。
 前半戦終了時、9勝2敗の同率2位につけていたデンソーは、今節初戦の日立マクセル戦で、初回、増山由梨、中岡理美の長短打で先手を取ると、3回裏にも中岡理美のタイムリーで1点を追加。4回裏には今泉早智の2点タイムリー、5回裏には中岡理美、メーガン・ウィギンズ、江口未来子の3連打で2点を追加。着々とリードを広げると、このリードをジョーダン・テーラー、染谷美佳の継投で守り切り、6−0と快勝。勝利数を二桁に乗せ、全勝で首位を走るトヨタ自動車との対戦に挑んだ。
 しかし、3連覇を狙う「王者」トヨタ自動車の壁は厚く、トヨタ自動車の「エース」モニカ・アボットに13三振を奪われ、完封負け。初回に守備の乱れから失点すると、その後は先発・重藤恵理佳が4回まで1失点の好投を見せ、近藤光、染谷美佳と小刻みな継投で凌いでいたが、終盤6回裏、「王者」トヨタ自動車の猛攻を受け、3失点。0−4と完敗を喫し、トヨタ自動車との差を詰め、単独2位浮上はならなかった。
 トヨタ自動車は、デンソー・重藤恵理佳から相手守備の乱れもあり、簡単に1点を先制。その後も毎回のように走者を得点圏に進めながら、追加点を奪えずにいたが、終盤「さすが」の攻めを見せ、貫禄勝ち。「日本代表」鈴木美加を控えにおける選手層の厚さ、そしてその鈴木美加が代打で登場すれば、いきなりレフトオーバーのツーベース。ナターシャ・ワトリーが持ち前の俊足を生かしたスラップで確実に得点を挙げ、この試合スタメン2番に起用された馬渕朝子が勝負を決める2点タイムリー。それぞれが与えられた自らの役割をしっかりと果たし、開幕からの連勝を「13」に伸ばし、完全に独走態勢に入った。
 デンソーは今シーズン3敗目を喫し、再びルネサスエレクトロニクス高崎と並び同率2位で第7節を迎えることになった。
 また、日立マクセルは大鵬薬品に2−1のサヨナラ勝ち。今シーズン4勝目を挙げた。敗れた大鵬薬品は2勝11敗。試合内容は決して悪くはないのだが、あと一歩のところで勝利をモノにすることができずにいる。今シーズン終了後、休部となることが発表されているだけに、残り試合で「大鵬薬品ここにあり!」と歴史に名を刻み、人々の記憶に残るような試合を展開してほしいものである。

 千葉県千葉市で開催された「千葉大会」には、王者・トヨタ自動車を追走する同率2位のルネサスエレクトロニクス高崎が登場。ルネサスエレクトロニクス高崎は、初戦の戸田中央総合病院戦でまさかの敗戦。序盤、戸田中央総合病院の先発左腕・田家由里を打ちあぐみ、4回まで無得点が続くと、ここまで無失点、被安打2と好投していた先発・山下絢を引っ込め、「エース」上野由岐子を投入する万全の上にも万全を期した試合運び。代わった上野由岐子は、いきなり三者連続三振と「貫禄のピッチング」を見せ、これで試合はルネサスエレクトロニクス高崎ペースになるかと思われた。しかし、戸田中央総合病院は6回表、塚田真美のピッチャー強襲ヒットを口火に、太田あゆみのレフト前ヒット、内田千恵美の死球で二死満塁のチャンスをつかむと、小沢佳那子が執念の三遊間タイムリー。待望の先取点を挙げると、これに浮足立ったルネサスエレクトロニクス高崎守備陣の乱れにつけ込み、2点を追加。さらに萩原瑠美にもタイムリーが飛び出し、この回4点を挙げ、今夏42年ぶりの世界選手権優勝を果たし、世界を制した難攻不落の「剛腕」上野由岐子を鮮やかに攻略。4−0の完封勝利を挙げた。
 大会2日目は雷雨に見舞われ、第1試合の試合開始が午後3時となり、第2試合は予備日に順延。戸田中央総合病院がHondaを10−7で破り、今節連勝。通算成績を6勝7敗とし、勝率5割まであと一歩のところまで星を戻した。敗れたHondaは今節連敗、通算成績4勝9敗となり、同率9位に順位を落とした。
 予備日に延期されたルネサスエレクトロニクス高崎対日立ソフトウェアとの一戦は、ルネサスエレクトロニクス高崎・上野由岐子、日立ソフトウェア・山中しほ両投手が一歩も譲らぬ投手戦を展開。両チーム無得点のまま、最終回を迎え、ルネサスエレクトロニクス高崎が上野由岐子の四球、送りバント、中野久美のレフト前ヒットとこれに相手守備の乱れが絡み、決勝点を挙げると、「世界のエース」上野由岐子が貫禄のピッチングを見せ、被安打3・奪三振8の好投で強打の日立ソフトウェア打線を完封。通算成績を10勝3敗とし、デンソーと並んで同率2位につけた。
 一方、日立ソフトウェアは7勝6敗。決勝トーナメント進出圏内から同率5位と一歩後退した。

 岩手県一関市で開催された「一関大会」には、決勝トーナメント進出圏内で激しく上位を争う豊田自動織機と太陽誘電が登場。
 初日、太陽誘電が「日本代表」藤田倭の好投と、その藤田倭とバッテリーを組んだ佐藤みなみの本塁打などで8安打・4得点を奪い、4−0と快勝すれば、豊田自動織機も、この試合に勝てばまだ上位進出の可能性が残る佐川急便を相手に、2回裏に「日本代表」古田真輝のタイムリーツーベースで先制し、3回裏には熏竝′獅フソロ本塁打、白井沙織、中森菜摘のタイムリーで3点を追加。このリードを「カナダ代表」ダニエル・ローリー、「日本代表」栗田美穂へとつなぐ豪華投手リレーで佐川急便の反撃を1点に抑え、4−1で勝利を収め、両チーム7勝5敗と並んだ状態で、「直接対決」を迎えた。
 決勝トーナメント進出を争う両チームの対戦は、豊田自動織機が太陽誘電の先発・森真里奈の立ち上がりを攻め、狩野亜由美がいきなりの右中間二塁打。二死後、国吉早乃花が「キャプテンの意地」を見せる左中間二塁打。大事な試合の大事な先取点を、チームを引っ張る「キャプテン」が叩き出し、試合の流れを引き寄せた。
 守っては、「エース」ダニエル・ローリーが鬼気迫るピッチングを見せ、太陽誘電打線をわずか2安打に抑え込み、完封勝ち。19年連続決勝トーナメント進出を狙う「名門」「強豪」チームが、その意地と誇りを感じさせる執念の戦いで「ライバル」との「直接対決」を制し、大きな1勝を挙げ、通算成績を8勝5敗とし、単独4位に浮上した。
 敗れた太陽誘電は7勝6敗の同率5位と決勝トーナメント進出圏内から一歩後退。しかし、決勝トーナメント進出を巡る争いは、まだまだ予断を許さない展開が続きそうだ。
 今シーズン、まだ両目の開かないシオノギ製薬は今節も連敗。1勝12敗と泥沼の状態が続いている。シオノギ製薬を4−3で破った佐川急便は今節1勝1敗。通算6勝7敗で同率7位となっている。

 リーグ戦も後半戦がスタートし、トヨタ自動車が独走態勢で突っ走っているが、2位以下は混戦模様。ここからどのチームが抜け出すか、目を離すことのできない展開となりそうだ。

 第7節は、9月8日(土)・9日(日)の両日、愛知県名古屋市・京都府京都市・兵庫県豊橋市の3会場で開催される。


第45回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第6節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 トヨタ自動車 13 0
2位 ルネサスエレクトロニクス高崎 10 3
デンソー 10 3
4位 豊田自動織機 8 5
5位 日立ソフトウェア 7 6
太陽誘電 7 6
7位 佐川急便 6 7
戸田中央総合病院 6 7
9位 Honda 4 9
日立マクセル 4 9
11位 大鵬薬品 2 11
12位 シオノギ製薬 1 12

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。