2013.4.22
 

 

第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節

全12チームによる「熱き戦い」がスタート!



ナゴヤドームにて開催された開幕戦では、
「劇的」な戦いが繰り広げられた




安定した活躍をみせるベテラン勢の活躍に加え、
新戦力も実力を発揮!




熾烈な順位争いを予感させた開幕節
全国30会場で開催される全12チームの「熱き戦い」に注目!




王者・トヨタ自動車に立ちはだかるチームは……




 第46回日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節が、4月20日(土)・21日(日)の両日、愛知県名古屋市のナゴヤドームにおいて開催された。
 今年で5度目の開催となった開幕節は、日本女子ソフトボール1部リーグ全12チームが一堂に会して対戦する、文字通り今シーズンの「開幕」を告げる節であり、2年ぶりに会場となったナゴヤドームには、開幕を待ちわびた、たくさんのソフトボールファンが集結。その多くの声援に応えるように、熱い戦いが繰り広げられた。

 試合は、初日のペヤング対シオノギ製薬戦が「開幕ゲーム」となり、戦いの幕が開くと、初日、2日目とそれぞれ3試合が行われ、ペヤング、日立、豊田自動織機、戸田中央総合病院、太陽誘電、トヨタ自動車が開幕白星スタートを飾った。

 今回も、昨年の決勝トーナメントの再現となる「好カード」がいきなりこの開幕節で組まれ、初日の第3試合にともに、開催地・愛知県を拠点とするデンソーと豊田自動織機が対戦。2日目の第3試合には、昨年前人未到の3連覇を果たし、王者の歴史に名を刻み続けるトヨタ自動車と、「宿命のライバル」ルネサスエレクトロニクス高崎との対戦カードが組まれ、多くのソフトボールファンが激戦を見守った。

 また、今回はUstream(ユーストリーム)を使用したインターネット生中継が行われ、世界各国のソフトボールファンがナゴヤドームの熱戦を観戦。

 初日、開幕ゲームとなったペヤング対シオノギ製薬は、創部5年目にして念願の1部昇格を果たしたペヤングが5回裏、1番・中村藍子のツーランと4番・岩本典子のタイムリーツーベースで3点を先制。守っては、先発の小澤麻美が好投を続け、「関西の老舗」シオノギ製薬に3−0の完封勝ちを収め、「1部昇格」の勢いを見せつけた。
 第2試合の日立対SGホールディングスグループ佐川急便戦では、日立・山中しほと、今シーズンから加入し、新戦力となったSGホールディングスグループ佐川急便・ベネッサ・ストークスが息詰まる投げ合いを展開。延長戦に突入か……と思われた7回裏、2死二塁から9番・森田涼が三遊間を破る打球を放ち、その間に二塁走者・杉山真里奈がホームを陥れ、日立が劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
 注目カードとなった、第3試合のデンソー対豊田自動織機戦では、豊田自動織機のエース・ダニエル・ローリーがデンソーの攻撃をかわし、2回表に8番・横野涼のタイムリーで得た1点を守り切り、完封勝利を収めた。対するデンソーは、昨年まで「不動のセンター」として活躍した増山由梨をショートのポジションにコンバートするなど、守備位置を大幅に入れ替え、先発投手には「期待のホープ」近藤光を起用。「心機一転」で挑むも、最後まで得点を挙げることができず、昨年の決勝トーナメントのリベンジとはならなかった。

 2日目の第1試合、戸田中央総合病院対日立マクセル戦は、今シーズン、「投手力」に不安をのぞかせる日立マクセルが戸田中央総合病院打線に11安打を許すなど完敗。一方、今シーズン「新戦力」として期待の即戦力右腕・ヒラリー・バッハと、カナダ代表の内野手・ジェニファー・イーを補強した戸田中央総合病院は、先発のヒラリー・バッハとリリーフした田家由里の投手リレーで得点を許さず、攻めては8番・佐藤瑶のツーラン、5番・渡辺瞳のスリーランなど、2本のホームランを含む11安打を浴びせる猛攻で8−0と大勝。厚みを増した打線の活躍で幸先の良いスタートを切った。
 第2試合のHonda対太陽誘電戦は、Honda・モーガン・メローと太陽誘電・藤田倭の両エースの投げ合いとなり、0−0のまま延長タイブレーカーに突入。8回表、太陽誘電はタイブレーカーのランナーを犠打で送り、一死三塁のチャンスに8番・原田のどかのタイムリーで待望の先取点を奪うと、その裏のHondaの攻撃をエース・藤田倭がきっちりと抑え、白星スタートを飾った。この試合では、両投手ともにわずか被安打1。緊迫した投げ合いが展開された。
 注目のカード、第3試合のトヨタ自動車対ルネサスエレクトロニクス高崎戦は、両チーム「必勝」を掲げ、トヨタ自動車はモニカ・アボット、ルネサスエレクトロニクス高崎は上野由岐子の両エースを先発に立てた。初回、先攻のルネサスエレクトロニクス高崎は、一死から2番・関友希央がサードゴロでエラーを誘い、出塁。相手守備の乱れと連続四球でいきなり二死満塁のチャンスを作るなど攻め立てるも、前人未到の3連覇を果たしたトヨタ自動車の絶対的エース・モニカ・アボットに三振を奪われ、得点ならず……。
 ピンチを脱したトヨタ自動車はその裏、先頭のナターシャ・ワトリーが三遊間を鋭く破る当たりで出塁すると、2番・鈴木美加の進塁打で一死二塁。ここで、3番・長楓]未が日本のエース・上野由岐子からセンターの頭上を越えるツーランホームランを放ち、先制点を奪った。
 昨シーズンの開幕節、決勝トーナメント・ファイナルで激闘を演じたこの両者の闘いは「今年も延長戦になるのでは……」と思われたが、いざ、試合がはじまると、トヨタ自動車が初回にいきなり先制し、早々に上野由岐子をノックアウトするなど、予想外の展開となり、終わってみれば8−0の圧勝。トヨタ自動車が「王者」の貫録を見せつけ、投・打に隙のない「チーム力」で快調なスタートを切った。

 新たなシーズンが開幕した日本女子ソフトボール1部リーグ。全12チームが「頂点」をめざし、今年も全国各地で熱戦を繰り広げる。リーグ「4連覇」の偉業達成に挑む王者・トヨタ自動車を破り、新たにリーグチャンピオンとなるチームは現れるのか……。全12チームの今シーズンの戦いに注目したい! 日本女子ソフトボール1部リーグ開幕節、各チームの成績は下記の通りで、第1節は4月27日(土)・28日(日)の2日間、青森県弘前市・愛媛県宇和島市・鹿児島県霧島市において開催される。

開幕節終了時、全チーム成績

トヨタ自動車 1勝0敗
豊田自動織機 1勝0敗
太陽誘電 1勝0敗
日立 1勝0敗
戸田中央総合病院 1勝0敗
ペヤング 1勝0敗
ルネサスエレクトロニクス高崎 0勝1敗
デンソー 0勝1敗
Honda 0勝1敗
SGホールディングスグループ佐川急便 0勝1敗
日立マクセル 0勝1敗
シオノギ製薬 0勝1敗