2013.5.27
 

 

第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ第4節

トヨタ自動車が4連覇に向けてノンストップの9連勝!



第4節が栃木県宇都宮市、埼玉県川口市、広島県福山市
の3会場で開催された


「絶対的エース」モニカ・アボットを中心とした堅実な守りと
圧倒的な攻撃力で連勝を伸ばすトヨタ自動車



調子を上げている打線の力で日立との「直接対決」を制し、
2位に浮上したルネサスエレクトロニクス高崎

  相手の隙をつき、一気にたたみかける打線が
投手陣を強力にバックアップし、勝利を重ねる豊田自動織機



厚みを増した投手陣と、破壊力のある打線の活躍で
順調に順位をキープしているデンソー



今節1勝1敗のHonda
今年も後半戦での追い上げを見せられるか?!



劇的な逆転勝ちで2勝目を挙げたシオノギ製薬。
次節もこの勢いで勝利をつかめ!!



長尾美希が完封し、今シーズン初勝利を収めた
日立マクセル

 
 
 


第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ
第4節 広島大会
トヨタ自動車 vs 日立
 


 第46回日本女子ソフトボール1部リーグ第4節が、5月25日(土)・26日(日)の両日、栃木県宇都宮市、埼玉県川口市、広島県福山市の3会場で開催された。

 第4節では、前節まで開幕7連勝で単独首位に立っていたトヨタ自動車が快調に2連勝。開幕からの連勝を「9」に伸ばし、王者の貫録をみせた。
 一方、前節まで「星1つ差」の2位につけていた日立は、上位を争う「ライバル」ルネサスエレクトロニクス高崎、首位を快走するトヨタ自動車との「直接対決」に連敗。通算6勝3敗の5位と大きく順位を落とした。
 2位には、今節も連勝を収めたルネサスエレクトロニクス高崎、豊田自動織機、デンソーの通算7勝2敗の3チームが並んだ。
 第4節では、上位グループが着実に勝ち星を積み重ねる一方、なかなか勝利をつかめずにいる下位グループがその差を縮めることができず、明暗がハッキリと分かれ、上位、下位の差が大きく広がる結果となった。

 広島県福山市において開催された広島大会には、無敗で単独首位に立つトヨタ自動車と、2位につける日立、3位グループにつけるルネサスエレクトロニクス高崎の上位チームが登場。トヨタ自動車は初日、SGホールディングスグループ佐川急便に11−1の大差で勝利を収めると、2日目の2位・日立との「直接対決」では、長楓]未のスリーラン、坂元令奈のツーラン、鈴木鮎美のツーランと3本塁打を浴びせ、守っては、モニカ・アボットと山根佐由里の継投で9−0の完封勝利を収め、開幕から無傷の9連勝を飾った。相変わらず安定感抜群のピッチングを見せる「エース」モニカ・アボットが、今シーズンは持ち前の球威や変化球の切れだけでなく、緻密な配球で相手に「自分の形」でバッティングをさせない「巧さ」までを見せており、これを圧倒的な攻撃力と堅実な守備で支え、連勝街道を突っ走っている。今のところ、他チームにつけいる隙を与えず、圧倒的な強さで4連覇へ死角なしといったところか。
 一方、首位・トヨタ自動車を星一つの差で追う2位の日立は、初日のルネサスエレクトロニクス高崎戦で激しい点の取り合いを演じ、「世界のエース」上野由岐子から粟倉陽香がツーランを放つなど、4点を奪いながら、投手陣が踏ん張れず、2本塁打を浴び、4−5の逆転負け。トヨタ自動車との「大一番」の前に手痛い今シーズン2敗目を喫した。
 続く首位・トヨタ自動車との「直接対決」では、インターハイ2連覇の実績をひっさげ、日本リーグでもすでに2勝を挙げている「期待の大物ルーキー」小薗美希を先発に抜擢。しかし、立ち上がりからトヨタ自動車の強力打線につかまり、大量失点。畑迫遼子、山中しほをつぎ込む継投策も実らず、3本塁打・11安打を浴び、9失点で大敗。通算6勝3敗の5位まで順位を大きく落とした。
 前節まで3位グループにつけていたルネサスエレクトロニクス高崎は、初日の日立戦で2回表に2点を先制されながら、その裏、すぐさま中野久美がソロホームランを放ち、市口侑果のタイムリーで同点。4回裏に、市口侑果の2打席連続のタイムリーで勝ち越すと、5回裏には峰幸代のソロホームラン、大工谷真波の犠飛でリードを広げ、守っては、上野由岐子が要所を締めるピッチングで5−4の逆転勝ちを収めた。
 2日目のSGホールディングスグループ佐川急便戦では打線が爆発。「オーストラリア代表」のベネッサ・ストークスから3点を奪い、試合の主導権を握ると、5回表には代わった信長香菜を容赦なく攻め、打者12人を送る猛攻。一気に勝負を決め、今節連勝。通算7勝2敗の同率2位グループへ順位を一つ上げた。
 SGホールディングスグループ佐川急便は、前節までトヨタ自動車・モニカ・アボットに次いで防御率2位と好投していた信長香菜が初戦のトヨタ自動車戦の先発に起用されたものの、8失点と打ち込まれ、続くルネサスエレクトロニクス高崎戦でも7失点の大乱調。前節までとは「別人」のような出来でチームも連敗。上位争いから大きく後退した。

 埼玉県川口市で開催された埼玉大会には豊田自動織機が登場。初日のシオノギ製薬戦では、横野涼のタイムリーとジェニー・トッピングのタイムリーツーベースで2点を奪い、井俣茉莉、栗田美穂の投手リレーで2−0の完封勝利。続く太陽誘電との対戦では、初回に先制を許す試合展開となったが、3回表に国吉早乃花のタイムリーなどで逆転に成功。「頼れるキャプテン」の一打で猛攻の口火を切ると、5回表には長短5安打を集中打させ、大量5点を追加。立ち上がりから不安定なピッチングを続けていた先発・栗田美穂を強力に援護し、8−5で打ち勝ち、今節も連勝。開幕節で完封勝利を挙げた「エース」ダニエル・ローリーが戦列を離れており、第2節では連敗を喫したものの、苦しみながらも、しぶとく勝ち星を積み重ね、同率2位に並んだ。19年連続決勝トーナメント進出の強豪、勝ち続けてきた「伝統」が勝負どころの「強さ」を生み、「貫禄」すら感じさせる。
 上位進出を狙う太陽誘電は、今節手痛い連敗。初戦の戸田中央総合病院戦では、左腕・尾楓]良が好投しながら、トヨタ自動車・長楓]未と本塁打王を争う渡辺瞳に、今シーズン第5号となる決勝ツーランを浴び、0−2の完封負け。続く豊田自動織機戦も、先手を取りながら打ち負け、5−8で連敗。通算3勝6敗と大きく負け越した。
 地元開催の戸田中央総合病院は、初戦の太陽誘電戦で「目下、本塁打王」の渡辺瞳の活躍で勝利を収め、スタンドに詰めかけた大応援団を沸かせたが、続くシオノギ製薬戦では最終回までリードを奪いながら、逆転負け。2勝7敗と下位グループから抜け出すことはできなかった。
 逆に、シオノギ製薬は、第2節の日立マクセル戦で今シーズン初勝利を挙げて以来となる大きな2勝目。豊田自動織機戦は0−2の完封負けを喫し、続く戸田中央総合病院戦も7回表二死までリードを許す苦しい試合展開。ここで岡恵利華が起死回生の逆転ツーランホームランを放ち、その裏、「期待の左腕」岩田みゆきが同点のランナーを三塁に背負い、フルカウントのピンチを迎えたが、ラストバッターを三振に打ち取り、嬉しい今シーズン2勝目。この勝利を苦しいシーズンの流れを変える一勝としたいところだ。

 栃木県宇都宮市で行われた宇都宮大会には3位グループにつけるデンソーが登場。初日、メーガン・ウィギンズ、竹林綾香、狩野香寿美の本塁打など、効果的な「長打攻勢」で8−0の完封勝利を収めると、2日目のHonda戦では0−0で迎えた5回表、野木あやのソロホームランを皮切りに、竹林綾香、狩野香寿美、安永美穂の本塁打で一挙に5点をリード。7回裏、エース・ジョーダン・テーラーが突如つかまり、3連打を浴びて、3点を奪われたが、リードを守り切り、連勝。ジョーダン・テーラーの状態に一抹の不安は残るものの、得意の「本塁打攻勢」で得点を量産する「攻撃型チーム」デンソーが同率2位へと順位を上げた。この戦い方が上位チームとの「直接対決」でも通用するか、特にトヨタ自動車・モニカ・アボット、ルネサスエレクトロニクス高崎・上野由岐子といった世界トップレベルの好投手を相手にしたときどう戦うか、興味と注目が集まる。
 開幕から長い連敗のトンネルを抜け出せずにいた日立マクセルは、今節2戦目のペヤング戦で嬉しい今シーズン初勝利。サウスポー・長尾美希が被安打4の力投を見せれば、打線も11安打7得点と打ちまくり、ここまで溜まっていた鬱憤を一気に晴らすような快勝。久しぶりの勝利の喜びをかみしめ、1部残留に望みをつなぐ、大きな一勝を挙げた。
 一方、日立マクセルに今シーズン初勝利をプレゼントする形となったペヤングは、今節連敗。ここまで大健闘を見せていたが、今節は2試合とも大敗。やや息切れした形か。次節(第5節)で前半戦も終了、あと2試合、何とか踏ん張って後半戦に望みをつなげたいところだ。
 地元開催のHondaは、初日の日立マクセル戦をカナダ代表捕手でもある、ケイリー・ラフターの満塁ホームランなどで10−0の圧勝。地元で巻き返しのキッカケをつかみたいところだったが、昨シーズン後半戦「不敗神話」を作り、躍進の立役者となった「切り札」モーガン・メローがデンソー打線に打ち込まれ、今節1勝1敗。星を伸ばすことができず、上位進出を狙うには厳しい状況となってきた。

 第46回日本女子ソフトボール1部リーグ、第4節終了時の全チームの勝敗は下記の通りで、第5節は6月1日(土)・2日(日)の両日、北海道小樽市・神奈川県秦野市・京都府京都市において開催される。


第46回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第4節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 トヨタ自動車 9 0
2位 ルネサスエレクトロニクス高崎 7 2
豊田自動織機 7 2
デンソー 7 2
5位 日立 6 3
6位 SGホールディングスグループ佐川急便 4 5
7位 Honda 3 6
太陽誘電 3 6
ペヤング 3 6
10位 戸田中央総合病院 2 7
シオノギ製薬 2 7
12位 日立マクセル 1 8

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。